Acne severity

ニキビの重症度を、4段階で見分ける。

日本の基準では、片顔の炎症性皮疹数により軽症・中等症・重症・最重症に分類します。数え方、しこり・ニキビ跡を含む受診目安、重症度別の治療、期間・費用・副作用を整理します。

最終確認日 2026年8月18日監修 倉田照久医師・吉井恭平医師判定基準 原著論文・日本皮膚科学会ガイドライン2023
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quick answer

結論:ニキビの重症度は、片顔の炎症性皮疹数で4段階に分けます。

重症度基準を作成した原著論文と日本皮膚科学会のガイドラインでは、赤い丘疹や膿疱などの炎症性皮疹を片顔で数え、軽症5個以下、中等症6〜20個、重症21〜50個、最重症51個以上と判定します。[原著][1]

ただし、白・黒ニキビの数、深いしこり・嚢腫、胸や背中への広がり、瘢痕、急速な悪化、心理的な負担は別に確認します。数が少ないから安全、数が多いから同じ薬、とは決められません。

基準片顔の炎症性皮疹数
分類軽症〜最重症の4段階
別に確認しこり・瘢痕・広がり
治療評価12週を一つの目安に

four-grade classification

軽症・中等症・重症・最重症。日本の4段階を比較します。

炎症性皮疹は、現在盛り上がっている赤い丘疹や膿疱などを指します。平らな赤み・色素沈着や白・黒ニキビは同じ数に含めません。

01mild

軽症

片顔5個以下

炎症性皮疹が少ない段階です。面皰が多い場合や繰り返す場合は、炎症が少なくても外用治療を検討します。

02moderate

中等症

片顔6〜20個

赤い丘疹や膿疱が増えた段階です。外用薬を組み合わせ、炎症の数・範囲により内服薬を検討します。

03severe

重症

片顔21〜50個

炎症性皮疹が広く多数ある段階です。瘢痕を防ぐため、外用と内服を含む治療計画を早めに組み立てます。

04very severe

最重症

片顔51個以上

炎症性皮疹が非常に多い段階です。深いしこり、全身症状、治療反応を確認し、専門的管理や紹介を検討します。

軽症、中等症、重症、最重症へ炎症性ニキビが増える様子を4段階で比較した医療解説用イメージ
軽症5個以下中等症6〜20個重症21〜50個最重症51個以上
医療解説用イメージ画像(実際の症例写真ではありません)。画像は程度の違いを理解するためのもので、正確な判定は片顔の炎症性皮疹数と診察所見で行います。

重要:この基準は炎症性皮疹数を主体とする判定です。1〜2個でも深い結節・嚢腫がある、新しいへこみが出ている、痛みが強い場合は、軽症と自己判断して待たないでください。

primary evidence

数値と治療判断の根拠を、本文で確認できます。

重症度基準を作成した原著論文と、国内外の公式診療指針が示す内容を患者向けに要約します。

原著論文・2008年

片顔の炎症性皮疹数から4段階を設定

Hayashiらは、日本人のニキビ重症度評価について皮疹数と写真評価を検討し、片顔0〜5個、6〜20個、21〜50個、51個以上という区切りを報告しました。現在の日本の4段階基準の基礎となった研究です。

著者
Hayashi N, Akamatsu H, Kawashima M
掲載誌
The Journal of Dermatology 35巻5号
PubMedで原著情報を見る
日本公式ガイドライン・2023年

急性炎症期から維持期へ切り替える

日本皮膚科学会は、この4段階基準を採用し、急性炎症期の治療期間は最大3カ月を目安に維持期へ移ると定義しています。炎症が軽快した後も、面皰や微小面皰への維持治療を続ける考え方です。

発行
日本皮膚科学会
資料
尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023
日本の診療ガイドラインを見る
公的診療ガイドライン

初期治療は12週で反応と副作用を評価

NICEは、重症度と患者の希望を踏まえて初期治療を選び、12週で改善と副作用を見直すよう示しています。結節・嚢胞、瘢痕、治療不応、持続する心理的苦痛は専門的評価を検討する項目です。

発行
英国NICE
確認項目
12週評価・紹介目安・瘢痕予防
NICEの推奨事項を見る
専門学会の更新指針・2024年

重症・標準治療不応では治療段階を上げる

米国皮膚科学会は、外用治療の併用や抗菌薬の適正使用を推奨し、重症または標準治療で改善しない場合にイソトレチノインを推奨しています。日本では未承認薬のため、国内の承認状況とは分けて判断します。

発行
American Academy of Dermatology
国内区分
イソトレチノインは未承認・自由診療
AADの更新指針を見る

※上記は各資料の要点を患者向けに要約したもので、個々の治療を一律に決めるものではありません。診察では年齢、妊娠・授乳、既往歴、併用薬、皮疹の深さと分布をあわせて判断します。

how to count

数えるもの・数えないものを、先に分けます。

診察では数だけでなく、皮疹の種類、深さ、分布、経過、これまでの治療も確認します。

count

数える:赤い丘疹・膿疱

左右どちらか一方の顔で、現在盛り上がっている赤いニキビと膿を伴うニキビを確認します。

  • 同じ側を毎回確認する
  • 触らず、明るい場所で見る
  • 週単位の写真で変化を記録する
separate

別に記録:面皰・跡・しこり

白・黒ニキビ、平らな赤み・茶色い跡、へこみは同じ数に含めません。深いしこりは個数とは別に重要です。

  • 白・黒ニキビは面皰として記録
  • 平らな跡と活動性炎症を区別
  • 痛み・深さ・急な増加も記録

セルフチェックの限界:酒さ、毛包炎、口囲皮膚炎などはニキビに似ることがあります。数を記録することは受診時の説明に役立ちますが、診断の確定には使いません。詳しい記録方法はニキビ重症度セルフチェックをご覧ください。

when to seek care

個数にかかわらず、早めに相談したいサイン。

NICEは結節・嚢胞性ニキビ、瘢痕につながるニキビ、持続する心理的苦痛などで専門的評価を検討しています。[2]

deep lesions

痛いしこり・嚢腫

深い炎症は瘢痕につながりやすいため、個数が少なくても自己処置せず早めに診察します。

new scars

新しいへこみが増える

活動性ニキビが十分に抑えられていない可能性があります。跡の施術より先に炎症治療を見直します。

widespread

胸・背中まで広がる

塗布範囲や内服の必要性、毛包炎など別の疾患との区別を診察で確認します。

treatment failure

適切に続けても改善しない

12週の治療を終えても不十分、または治療を2種類完了しても改善しない場合は治療計画や紹介を検討します。

mental health

学校・仕事・外出がつらい

重症度が軽く見えても、心理的負担は治療判断に含めます。診察時に率直に伝えてください。

urgent

発熱・関節痛・急激な悪化

まれですが、潰瘍や出血を伴って急速に悪化し全身症状がある場合は、当日中の医療機関受診が必要です。

緊急性:ニキビに加えて高熱、強い倦怠感、関節痛、出血を伴う潰瘍性病変が急に出た場合は、通常のWEB予約を待たず医療機関へ連絡してください。NICEはacne fulminansを24時間以内に評価する対象としています。[2]

treatment by severity

重症度に合わせて、外用・内服・紹介を組み合わせます。

以下は一般的な整理です。処方は妊娠・授乳、年齢、既往歴、併用薬、刺激症状を確認して決めます。

重症度ごとに縦に表示しています。

ニキビの重症度別に治療、評価時期、費用区分、注意点を比較
重症度一般的な治療期間・再評価費用区分主な注意点
軽症アダパレン、過酸化ベンゾイル(BPO)、配合剤などの外用を皮疹の種類に合わせて検討刺激を調整しながら継続し、初期治療を約12週で評価国内承認薬は症状・処方内容により保険診療乾燥、赤み、皮むけ。妊娠時に使用できない薬がある
中等症複数の外用薬または配合剤。炎症の数・範囲により内服抗菌薬を併用12週を一つの評価点にし、抗菌薬は漫然と長期使用しない承認された外用・内服は適応により保険診療外用刺激、胃腸症状、光線過敏、薬剤相互作用、耐性菌
重症外用治療と内服抗菌薬を組み合わせ、結節・瘢痕・治療歴に応じ専門的管理を検討早期に反応と副作用を確認。改善後は抗菌薬を含まない維持治療へ国内承認治療は適応により保険。紹介先の検査等は内容で異なる深い炎症、瘢痕、広い範囲、治療抵抗性を見逃さない
最重症専門医への紹介を含めて検討。海外では重症・標準治療不応にイソトレチノインが推奨される全身状態と急速な悪化を確認し、治療開始後も定期管理イソトレチノインは国内未承認・自由診療催奇形性、肝機能・脂質、乾燥、精神症状等を含む厳格な管理
一般的な保険診療

承認外用薬・内服抗菌薬

国内のガイドラインに沿って、面皰と炎症性皮疹を同時に治療します。抗菌薬は急性炎症期に用い、改善後は維持治療へ切り替えます。

ニキビの薬・保険診療を比較
当院の自由診療選択肢

イソトレチノイン

重症・難治性で一般的治療が不十分な場合に検討することがあります。国内未承認であり、診察・検査・妊娠回避を含む管理が必要です。

適応・費用・検査を見る

一般的治療と当院治療の区別:AADは重症または標準治療不応のニキビにイソトレチノインを推奨していますが、日本では未承認です。[3] 当院では自由診療の追加選択肢として扱い、保険診療を受けるために自由診療が必須となることはありません。

costs and risks

費用と副作用を、治療を始める前に確認します。

薬剤費だけでなく、診察、検査、再診、治療期間を含めた総額で比較します。

保険診療の費用

自己負担額は年齢・負担割合・薬剤・検査・処置により異なります。診察前に特定の金額を断定できません。

  • 承認薬の適応を診察で確認
  • 初診・再診と薬局での負担
  • 必要な検査・処置の有無

自由診療の費用

イソトレチノイン等は薬剤費だけでなく、診察料・採血・再診を含む総額と中止条件を確認します。

  • 国内未承認であること
  • 検査頻度と妊娠回避
  • 最新価格は公式料金表で確認

外用薬の主な副作用

乾燥、赤み、刺激、皮むけ、接触皮膚炎などがあります。刺激が出た場合は塗布量・頻度・保湿を調整します。

  • 強い腫れ・水疱は早めに連絡
  • アダパレンは妊娠関連の注意
  • BPOは毛髪・衣類の脱色に注意

内服薬の主な副作用

薬剤により胃腸症状、光線過敏、めまい、薬剤相互作用などがあります。異常時は処方元へ相談します。

  • 抗菌薬を自己延長しない
  • 妊娠・授乳と併用薬を申告
  • 残薬を再使用しない

料金の確認:当院の自由診療については公式料金表をご確認ください。保険診療の自己負担は診察内容で変わるため、自由診療の固定価格と同じ表で断定しません。

preventing scars

ニキビ跡を防ぐには、活動性ニキビを先に治療します。

37研究・24,649人を統合した2023年のメタ解析では、中等症は軽症に比べ2.34倍、重症は5.51倍ニキビ跡と関連しました。[5] 跡の施術を始める前に新しい炎症を抑えます。

今ある炎症を減らす

重症度を記録し、処方薬を指示された範囲・頻度で使用します。刺激がある場合も自己中断を繰り返さず相談します。

ニキビ跡を予防する方法

すでにある跡を分ける

平らな赤み・色素沈着、へこみ、盛り上がりでは経過と治療が異なります。活動性ニキビと混同せず評価します。

ニキビ跡治療の全体像

frequently asked questions

ニキビの重症度についてよくある質問

自己判定の限界、治療期間、保険適用を確認します。

ニキビの重症度はどうやって判定しますか?

日本の重症度判定では、片顔にある赤い丘疹や膿疱などの炎症性皮疹数を数え、軽症・中等症・重症・最重症の4段階に分けます。ただし、深いしこり、分布、瘢痕、急速な悪化なども治療判断に影響するため、数だけで自己診断を確定しません。

白ニキビや黒ニキビも重症度の数に含めますか?

この4段階の基準は炎症性皮疹を主体にした判定で、白ニキビ・黒ニキビなどの面皰は同じ数に含めません。ただし、面皰が多い場合も治療が必要なことがあり、炎症へ進む前から外用治療を検討します。

片顔とはどこまでですか?

左右どちらか一方の顔面を指します。鏡や写真で同じ側を確認し、平らな赤みや茶色い跡ではなく、現在盛り上がっている赤い丘疹・膿疱を数えるのが目安ですが、境界が分かりにくい場合は診察で確認してください。

ニキビが少なくても皮膚科を受診した方がよい場合はありますか?

あります。痛いしこり、深い膿、急速な悪化、新しいへこみ、胸や背中への広がり、強い心理的負担がある場合は、皮疹数が少なくても早めに相談してください。

中等症や重症では飲み薬が必要ですか?

重症度だけで一律には決まりません。炎症の数・深さ・範囲、既往歴、妊娠、これまでの外用治療を確認し、中等症以上では外用薬に内服抗菌薬を組み合わせることがあります。抗菌薬は目的と期間を決め、改善後は抗菌薬を含まない維持治療へ移行します。

治療効果はいつ判断しますか?

ニキビ治療は数日で結論を出さず、初期治療をおおむね12週で評価する考え方があります。ただし、刺激、アレルギー症状、急速な悪化、深いしこりが増える場合は次回予定を待たずに処方元へ相談してください。

重症ニキビの治療は保険適用ですか?

診察と国内承認された外用薬・内服薬は、症状と処方内容により保険診療の対象になります。国内未承認のイソトレチノインや美容目的の施術は自由診療で、標準的な保険診療と区別して適応・費用・リスクを確認します。

重症ニキビは必ずニキビ跡になりますか?

必ず跡になるわけではありませんが、炎症が深い、長く続く、しこりや嚢腫がある場合は瘢痕リスクが高まります。新しい炎症を早く治療し、潰したりこすったりせず、新しいへこみが出た場合は治療を見直します。

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MEDICAL SUPERVISION

監修医師からのメッセージ

ニキビの重症度は、見た目の赤さだけでなく、片顔の炎症性皮疹数、しこりの深さ、広がり、瘢痕の有無を組み合わせて評価します。個数が少なくても、痛いしこりや新しいへこみがある場合は、治療を早めに見直すことが大切です。

当院では保険診療の承認薬を基本に、急性炎症期と維持期を分けて治療計画を組み立てます。自由診療を検討する場合も、国内未承認であること、費用、検査、副作用、妊娠に関する注意まで説明したうえで適応を判断します。

主監修医師

倉田 照久

医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長

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最終確認日:2026-08-18