ニキビ跡 治し方

【ニキビ跡 治し方】|ニキビ跡の治し方|種類別の治療法と予防策を医師が解説

ニキビ跡の治し方|種類別の治療法と予防策を医師が解説

最終更新日: 2026-05-02
📋 この記事のポイント
  • ✓ ニキビ跡は色素沈着、赤み、クレーター、ケロイドの4種類に大別され、それぞれ適切な治療法が異なります。
  • ✓ 美容医療ではレーザー治療、ピーリング、注入療法など多岐にわたる選択肢があり、医師との相談が重要です。
  • ✓ 適切なセルフケアと専門的な治療、そしてニキビそのものの予防が、ニキビ跡を改善し新たな発生を防ぐ鍵となります。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

ニキビ跡は、ニキビが治った後に皮膚に残るさまざまな痕跡の総称です。その種類は多岐にわたり、それぞれ異なる原因とメカニズムで形成されるため、効果的な治し方も異なります。適切な治療を選択するためには、まずご自身のニキビ跡の種類を正確に理解することが重要です。

ニキビ跡の種類と原因とは?

赤み、色素沈着、クレーターなどニキビ跡の様々な種類と原因を解説する図
ニキビ跡の種類と原因

ニキビ跡の種類と原因について解説します。ニキビ跡は、炎症の程度や皮膚の回復過程によって、主に「色素沈着」「赤み」「クレーター」「ケロイド」の4つのタイプに分類されます。

ニキビ跡は、ニキビによる炎症が皮膚組織にダメージを与え、それが修復される過程で生じる変化です。炎症が強いほど、また長引くほど、ニキビ跡が残りやすくなります。当院では、初診時に患者さまのニキビ跡の状態を詳しく診察し、どのタイプに分類されるか、炎症の程度はどうかを丁寧に確認しています。特に、炎症後の色素沈着や赤みで悩まれる方が多くいらっしゃいます。

ニキビ跡(Acne Scars)
ニキビが治癒した後に皮膚に残る永続的な変化の総称で、炎症の程度や皮膚の修復過程によって色素沈着、赤み、クレーター、肥厚性瘢痕(ケロイド)など様々な形態をとります。

各ニキビ跡の具体的な特徴と原因は以下の通りです。

  • 色素沈着(茶色いニキビ跡): 炎症が治まった後にメラニン色素が過剰に生成され、皮膚に茶色や黒ずみとして残るものです。これは炎症後色素沈着(PIH)と呼ばれ、特に色黒の方や紫外線に当たる機会が多い方に多く見られます。
  • 赤み(赤いニキビ跡): 炎症が治まった後も、毛細血管が拡張した状態が続くことで生じます。炎症後紅斑(PIE)とも呼ばれ、特に色白の方に目立ちやすい傾向があります。
  • クレーター(凹んだニキビ跡): 炎症が真皮層にまで及び、コラーゲン組織が破壊されることで皮膚が陥没してできるものです。アイスピック型、ボックスカー型、ローリング型など、形状によってさらに細かく分類されます。これは皮膚の構造が不可逆的に変化した状態であり、自然治癒は難しいとされています[1]
  • ケロイド・肥厚性瘢痕(盛り上がったニキビ跡): 炎症が治癒する過程で、線維芽細胞が過剰にコラーゲンを生成し、皮膚が盛り上がってできるものです。ケロイドは元のニキビの範囲を超えて広がる性質があり、肥厚性瘢痕はニキビの範囲内に留まります。

ニキビ跡のセルフケアでできることは?

ニキビ跡のセルフケアについて解説します。自宅でのケアは、ニキビ跡の悪化を防ぎ、軽度の色素沈着や赤みの改善をサポートする上で重要です。

セルフケアは、あくまで補助的な役割であり、特にクレーターやケロイドといった重度のニキビ跡に対しては、専門的な治療が必要となります。しかし、適切なスキンケアを行うことで、肌のターンオーバーを促進し、色素沈着の排出を助けたり、炎症を鎮静化させたりする効果が期待できます。実際に、当院の患者さまの中には、日々の丁寧な保湿と紫外線対策で、赤みが引くまでの期間が短縮されたと感じる方もいらっしゃいます。

主なセルフケアの方法は以下の通りです。

  • 保湿ケア: 肌のバリア機能を高め、乾燥による刺激から肌を守ります。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合された化粧品を選びましょう。
  • 紫外線対策: 紫外線は色素沈着を悪化させる最大の要因です。日焼け止めを毎日使用し、帽子や日傘で物理的に紫外線を防ぐことも大切です。
  • ビタミンC誘導体配合化粧品: ビタミンCにはメラニン生成を抑制し、コラーゲン生成を促進する作用が期待できます。色素沈着や赤みの改善に役立つ可能性があります。
  • ピーリング効果のある洗顔料・化粧品: 古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進することで、色素沈着の排出を助ける効果が期待できます。ただし、刺激が強すぎると新たな炎症を引き起こす可能性があるため、敏感肌の方は注意が必要です。
  • 食生活の改善: バランスの取れた食事を心がけ、特にビタミンA、C、Eなどの抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂取しましょう。
⚠️ 注意点

ニキビ跡のセルフケアは、あくまで補助的なものであり、効果には限界があります。特にクレーターやケロイドなどの重度のニキビ跡、またはセルフケアで改善が見られない場合は、早めに皮膚科医や美容皮膚科医に相談することが重要です。

ニキビ跡の美容医療(機器治療)にはどのようなものがある?

ニキビ跡の美容医療(機器治療)について解説します。美容医療では、様々な機器を用いた治療法が開発されており、ニキビ跡の種類や重症度に応じて最適な選択肢を提案できます。

当院では、患者さまのニキビ跡の状態を詳細に診断し、それぞれの症状に合わせた機器治療を組み合わせることで、より効果的な改善を目指しています。例えば、クレーター状のニキビ跡で悩む患者さまには、フラクショナルレーザーを提案することが多く、治療を始めて数ヶ月ほどで「肌の凹凸が目立たなくなった」とおっしゃる方が多いです。また、色素沈着や赤みが混在している場合には、複数の機器を組み合わせた複合的な治療計画を立てることもあります。

主な機器治療には以下のようなものがあります。

  • レーザー治療: フラクショナルレーザー(CO2フラクショナルレーザー、ピコフラクショナルレーザーなど)は、皮膚に微細な穴を開けて新しい皮膚の再生を促し、クレーターの改善に効果が期待できます。色素レーザーやIPL(光治療)は、赤みや色素沈着の改善に用いられます[1]
  • 高周波(RF)治療: マイクロニードルRFは、微細な針を皮膚に挿入し、その先端から高周波を照射することで、真皮層のコラーゲン生成を促進し、クレーターの改善に役立ちます。
  • ピーリング: ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を塗布して古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進します。色素沈着や軽度の凹凸、肌のざらつきの改善に効果が期待できます[4]
  • ダーマペン・マイクロニードリング: 極細の針で皮膚に微細な穴を開け、自然治癒力を利用してコラーゲン生成を促し、クレーターの改善を目指します。PRP(多血小板血漿)や成長因子を併用することもあります[2]
  • 注入療法: ヒアルロン酸注入は、クレーターの底部に直接注入することで、一時的に凹みを改善します。また、自家脂肪注入やPRP注入なども研究されています。
  • サブシジョン: クレーターの底にある線維組織を針で切断し、皮膚の陥没を改善する手技です。

ニキビ跡治療の選び方と費用はどのくらい?

ニキビ跡治療の選び方と費用について解説します。ニキビ跡の治療は、その種類、重症度、肌質、そして患者さまのライフスタイルや予算によって最適な選択肢が異なります。

実際の診療では、患者さまのニキビ跡の状態を詳細に診察することはもちろん、日常生活でどの程度ダウンタイムが許容できるか、予算はどのくらいかを丁寧にヒアリングするようにしています。例えば、結婚式などのイベントを控えている方には、ダウンタイムが短い治療法を優先的に提案したり、費用を抑えたい方には、段階的な治療計画を立てたりすることもあります。治療効果の期待値と、それに伴う費用、ダウンタイムなどを総合的に考慮し、患者さまにとって最適な治療プランを一緒に見つけることが重要なポイントになります。

治療法を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • ニキビ跡の種類と重症度: 色素沈着や赤みであればレーザーや光治療、ピーリングが選択肢となります。クレーターにはフラクショナルレーザーやダーマペン、サブシジョンなどが効果的です。ケロイドにはステロイド注射やレーザー治療が検討されます。
  • 肌質と体質: 敏感肌の方やアレルギー体質の方は、刺激の少ない治療法や薬剤を選ぶ必要があります。ケロイド体質の方は、治療によってかえって悪化するリスクがないか慎重な判断が必要です。
  • ダウンタイムの許容度: 治療法によっては、赤み、腫れ、かさぶたなどのダウンタイムが生じます。仕事や日常生活への影響を考慮し、許容できる範囲の治療法を選ぶことが大切です。
  • 費用: ニキビ跡治療は自費診療となることが多く、費用は治療内容や回数によって大きく異なります。事前に見積もりを確認し、予算に合った治療計画を立てましょう。

費用は、治療の種類やクリニックによって大きく異なりますが、一般的な目安としては以下のようになります。

治療法費用目安(1回あたり)主な対象ニキビ跡
ケミカルピーリング5,000円~15,000円色素沈着、軽度な凹凸、肌のざらつき
IPL(光治療)10,000円~30,000円赤み、色素沈着
ピコレーザー(トーニング/フラクショナル)15,000円~50,000円色素沈着、クレーター
CO2フラクショナルレーザー20,000円~60,000円クレーター
ダーマペン20,000円~40,000円クレーター、肌質改善
サブシジョン30,000円~80,000円深いくレーター

ニキビの色素沈着の治療法は?

ニキビ跡の色素沈着治療に効果的な内服薬や外用薬、レーザー治療の選択肢
色素沈着ニキビ跡の治療法

ニキビの色素沈着の治療法について解説します。ニキビの色素沈着は、炎症が治まった後にメラニン色素が過剰に生成されることで生じる茶色や黒ずみのニキビ跡です。これは炎症後色素沈着(PIH)と呼ばれます。

色素沈着は、適切な治療とセルフケアを継続することで、比較的改善しやすいニキビ跡の一つです。当院では、色素沈着の患者さまには、まず外用薬と内服薬から治療を開始することが多く、多くの方が数ヶ月で「肌の色ムラが薄くなってきた」と効果を実感されます。特に、日焼け止めを毎日しっかり塗るよう指導することで、治療効果が格段に向上するケースをよく経験します。

主な治療法は以下の通りです。

  • 外用薬: ハイドロキノン、トレチノイン、アゼライン酸などがメラニン生成を抑制したり、肌のターンオーバーを促進したりする効果が期待できます。
  • 内服薬: トラネキサム酸やビタミンC、L-システインなどの内服は、メラニン生成を抑え、色素沈着の改善をサポートします。
  • レーザー治療: ピコレーザー(ピコトーニング)は、低出力のレーザーを広範囲に照射することで、メラニン色素を徐々に破壊し、色素沈着を薄くする効果が期待できます。QスイッチYAGレーザーも同様に用いられます。
  • 光治療(IPL): 幅広い波長の光を照射することで、メラニン色素に反応し、色素沈着を薄くする効果が期待できます。
  • ケミカルピーリング: サリチル酸やグリコール酸などの薬剤を塗布し、古い角質を除去することで、色素沈着の排出を促します[4]

これらの治療法は、単独で行われることもあれば、組み合わせて行われることもあります。紫外線対策は、色素沈着の悪化を防ぎ、治療効果を維持するために非常に重要です。

ニキビ跡のクレーターの治療法は?

ニキビ跡のクレーターの治療法について解説します。クレーターは、ニキビの炎症が真皮層にまで及び、コラーゲン組織が破壊されて皮膚が陥没した状態を指します。一度できてしまうと自然に治ることは難しく、専門的な治療が必要となります。

クレーター治療は、皮膚の深い部分にアプローチするため、複数回の治療が必要となることが一般的です。当院では、クレーターの深さや形状に応じて、フラクショナルレーザーやダーマペン、サブシジョンなどを組み合わせた治療計画を提案しています。特に、若い患者さまから「肌の凹凸が気になって自信が持てない」という相談を多く受けますが、治療を継続することで「ファンデーションで隠しやすくなった」「肌触りがなめらかになった」と喜ばれる声をよく聞きます。

主な治療法は以下の通りです。

  • フラクショナルレーザー: CO2フラクショナルレーザーやピコフラクショナルレーザーは、皮膚に微細な穴を多数開け、その治癒過程で新しいコラーゲン生成を促し、皮膚の再生を促進します。これにより、凹んだ部分が盛り上がり、クレーターの改善が期待できます[1]
  • ダーマペン・マイクロニードリング: 極細の針で皮膚に微細な穴を開け、肌の自然治癒力を利用してコラーゲンやエラスチンの生成を促進します。PRP(多血小板血漿)や成長因子を併用することで、より高い効果が期待できるとされています[2]
  • サブシジョン: 陥没したクレーターの底にある線維組織を、特殊な針を用いて切断する治療法です。これにより、皮膚が下から持ち上がり、凹みが改善される効果が期待できます。特にローリング型のクレーターに有効です。
  • TCAピーリング(クロスピーリング): 高濃度のトリクロロ酢酸(TCA)をクレーターの底にピンポイントで塗布し、皮膚の再生を促す治療法です。アイスピック型などの深いクレーターに用いられることがあります。
  • 注入療法: ヒアルロン酸などをクレーターの底部に注入し、一時的に凹みを埋める方法です。効果は永続的ではありませんが、即効性があります。

ニキビ跡の赤みの治療法は?

ニキビ跡の赤みの治療法について解説します。ニキビ跡の赤みは、炎症が治まった後も毛細血管が拡張した状態が続くことで生じるもので、炎症後紅斑(PIE)と呼ばれます。特に色白の方に目立ちやすい傾向があります。

赤みは、色素沈着と同様に、比較的早期からの治療で改善が見込まれるニキビ跡の一つです。当院では、赤みが気になる患者さまには、まず炎症を抑える外用薬や、血管に作用するレーザー・光治療を提案することが多いです。治療後のフォローアップでは、副作用の有無だけでなく、「赤みが引いて、肌全体が均一なトーンになった」という効果の実感があるかを確認するようにしています。多くの患者さまが、肌の赤みが軽減されることで、化粧で隠す必要がなくなったと喜ばれています。

主な治療法は以下の通りです。

  • Vビームレーザー(色素レーザー): 赤い色素(ヘモグロビン)に選択的に吸収される波長のレーザーを照射し、拡張した毛細血管を破壊することで赤みを軽減します。ニキビ跡の赤み治療において、非常に効果が期待できる治療法の一つです。
  • IPL(光治療): 幅広い波長の光を照射し、ヘモグロビンに反応させることで、赤みを改善する効果が期待できます。同時に、メラニン色素にも反応するため、色素沈着の改善にも寄与することがあります。
  • 外用薬: アゼライン酸やビタミンC誘導体、トラネキサム酸配合の化粧品などは、抗炎症作用や美白作用が期待でき、軽度の赤みの改善をサポートする可能性があります。
  • 内服薬: トラネキサム酸やビタミンCなどの内服は、炎症を抑え、赤みの改善を助ける効果が期待できます。
  • ケミカルピーリング: 肌のターンオーバーを促進し、炎症を鎮静化させることで、赤みの改善に寄与する場合があります[4]

ニキビ跡のケロイドの治療法は?

ニキビ跡のケロイドの治療法について解説します。ケロイドは、ニキビの炎症が治癒する過程で、線維芽細胞が過剰にコラーゲンを生成し、皮膚が盛り上がってできるニキビ跡の一種です。通常の肥厚性瘢痕と異なり、元のニキビの範囲を超えて広がる性質があります。

ケロイドは治療が難しく、再発のリスクも伴うため、専門医による慎重な診断と治療計画が不可欠です。当院では、ケロイド体質の方のニキビ治療においては、ニキビの炎症を早期に抑えることを最優先し、ケロイド化を防ぐための予防策も同時に指導しています。すでにケロイドが形成されてしまった患者さまに対しては、ステロイド注射やレーザー治療を組み合わせることが多く、「盛り上がりが少しずつ平らになってきた」という声をいただくことがあります。問診の際に患者さまの家族歴を詳しく伺うようにしており、ケロイド体質であるかどうかを把握することは、治療方針を決定する上で非常に重要な情報となります。

主な治療法は以下の通りです。

  • ステロイド注射: ケロイド病変内に直接ステロイドを注射することで、炎症を抑え、コラーゲンの過剰な増殖を抑制し、盛り上がりを平坦化させる効果が期待できます。複数回の治療が必要です。
  • 圧迫療法: シリコンジェルシートやテープなどを用いて、ケロイド部位を継続的に圧迫することで、盛り上がりを抑制する効果が期待できます。
  • レーザー治療: Vビームレーザーなどの色素レーザーは、ケロイド内の血管に作用し、赤みを軽減したり、ケロイドの成長を抑制したりする効果が期待できます。フラクショナルレーザーも、皮膚の再構築を促す目的で用いられることがあります。
  • 外科的切除: 大きなケロイドに対しては、外科的に切除することもありますが、再発のリスクが高いため、術後にステロイド注射や放射線療法、圧迫療法などを併用して再発を予防することが重要です。
  • 外用薬: ステロイド軟膏やヘパリン類似物質、トラニラストなどの外用薬が、軽度のケロイドや肥厚性瘢痕の治療に用いられることがあります。
⚠️ 注意点

ケロイドは治療が難しく、再発しやすい性質を持つため、専門医による診断と継続的な治療、そして慎重な経過観察が不可欠です。自己判断での治療は避け、必ず医療機関を受診してください。

ニキビ跡のレーザー治療にはどんな種類がある?

フラクショナルレーザーやピコレーザーなどニキビ跡治療に用いられる種類
ニキビ跡のレーザー治療

ニキビ跡のレーザー治療の種類について解説します。レーザー治療は、ニキビ跡の種類に応じて様々なタイプが使い分けられ、効果的な改善が期待できる美容医療の主要な手段の一つです。

レーザー治療は、ニキビ跡のタイプによって最適な機種や設定が異なります。当院では、患者さまの肌質やニキビ跡の状態を詳細に分析し、最適なレーザー治療を提案しています。例えば、色素沈着が強い方にはピコレーザーのトーニングモードを、クレーターが深い方にはCO2フラクショナルレーザーを推奨することが多く、治療後の肌の変化に「もっと早く治療すればよかった」とおっしゃる方も少なくありません。レーザー治療は、高い効果が期待できる一方で、ダウンタイムや費用も考慮する必要があるため、事前のカウンセリングでしっかりと説明するように心がけています。

主なレーザー治療の種類は以下の通りです。

  • フラクショナルレーザー:
    • CO2フラクショナルレーザー: 皮膚に微細な穴を多数開け、真皮層のコラーゲン生成を強力に促進することで、クレーターの改善に高い効果が期待できます。ダウンタイムは比較的長めです。
    • ピコフラクショナルレーザー: ピコ秒(1兆分の1秒)単位の短いパルス幅でレーザーを照射し、皮膚の深部に微細な空洞(LIOB)を作り、コラーゲン生成を促します。CO2フラクショナルレーザーに比べてダウンタイムが短い傾向があります。色素沈着とクレーターの両方に効果が期待できます[1]
  • ピコレーザー(トーニング): 低出力のピコレーザーを広範囲に照射し、メラニン色素を細かく砕くことで、色素沈着(茶色いニキビ跡)を薄くする効果が期待できます。肝斑治療にも用いられます。
  • Vビームレーザー(色素レーザー): 血管内のヘモグロビンに選択的に吸収される波長のレーザーで、拡張した毛細血管を破壊し、ニキビ跡の赤み(炎症後紅斑)を軽減する効果が期待できます。
  • IPL(光治療): レーザーとは異なり、複数の波長を含む光を照射します。メラニン色素とヘモグロビンの両方に作用するため、色素沈着と赤みの両方に効果が期待できます。肌全体のトーンアップやハリ感の改善も期待できます。

ニキビ跡の自宅ケアでできる方法とは?

ニキビ跡の自宅ケアでできる方法について解説します。自宅でのケアは、軽度のニキビ跡の改善や、専門的な治療効果の維持、そして新たなニキビ跡の予防に役立ちます。

自宅ケアは、美容医療と異なり即効性はありませんが、日々の積み重ねが肌の状態を大きく左右します。当院では、美容医療と並行して、自宅での適切なスキンケアの重要性を患者さまに繰り返しお伝えしています。特に、ニキビができやすい体質の方には、刺激の少ない洗顔料の選び方や、保湿の徹底、そして紫外線対策の重要性を詳しく説明しています。これらの指導を守っていただいた患者さまからは、「肌荒れが減り、ニキビ跡もできにくくなった」という声をよく聞きます。自宅ケアは、治療効果を最大限に引き出すための土台作りだと考えています。

主な自宅ケアの方法は以下の通りです。

  • 正しい洗顔: 刺激の少ない洗顔料を使用し、泡で優しく洗い、ぬるま湯で十分にすすぎます。ゴシゴシ擦るような洗顔は、肌に負担をかけ、炎症を悪化させる可能性があります。
  • 徹底した保湿: 洗顔後はすぐに化粧水で水分を補給し、乳液やクリームで蓋をして、肌の水分を閉じ込めます。セラミド、ヒアルロン酸、NMF(天然保湿因子)などの成分が配合されたものを選ぶと良いでしょう。保湿は肌のバリア機能を正常に保ち、肌のターンオーバーをサポートします。
  • 紫外線対策: 紫外線はニキビ跡の色素沈着を悪化させるだけでなく、新たなニキビの炎症を誘発する可能性もあります。季節や天候に関わらず、日焼け止めを毎日使用し、帽子や日傘なども活用しましょう。
  • 美白成分配合の化粧品: ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、アルブチン、コウジ酸、ハイドロキノン(市販品は低濃度)などが配合された化粧品は、色素沈着の改善をサポートする効果が期待できます。
  • ピーリング効果のある化粧品: AHA(グリコール酸など)やBHA(サリチル酸)が配合された化粧品は、古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進することで、軽度の色素沈着や肌のざらつきの改善に役立つ可能性があります。ただし、刺激が強すぎると肌トラブルの原因になるため、使用頻度や濃度には注意が必要です。
  • 生活習慣の改善: バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの軽減は、肌の健康を保ち、ニキビやニキビ跡の改善に間接的に寄与します。

ニキビ跡の予防方法は?

ニキビ跡の予防方法について解説します。ニキビ跡は、一度できてしまうと完全に消すことが難しい場合も多いため、何よりも「ニキビ跡を作らない」ための予防が最も重要です。

ニキビ跡の予防は、ニキビそのものの発生を抑え、発生してしまったニキビの炎症を最小限に留めることに尽きます。当院では、ニキビ治療の段階で、患者さまにニキビ跡を残さないための具体的なアドバイスを常に提供しています。特に「ニキビを触らない、潰さない」という指導は徹底しており、実際にこれを守っていただいた患者さまは、ニキビが治った後の色素沈着や赤みが格段に少ない傾向にあります。早期に皮膚科を受診し、適切な治療を開始することが、ニキビ跡予防の最も効果的な方法であると診察の中で実感しています。

主な予防方法は以下の通りです。

  • ニキビの早期治療: ニキビができてしまったら、自己判断で放置せず、早めに皮膚科を受診し、適切な治療を開始することが最も重要です。炎症が軽度のうちに治療することで、ニキビ跡が残るリスクを大幅に減らすことができます。
  • ニキビを触らない・潰さない: ニキビを触ったり、無理に潰したりすると、炎症が悪化し、真皮層にまでダメージが及びやすくなります。これが色素沈着、赤み、クレーターなどのニキビ跡の原因となるため、絶対に避けましょう。
  • 正しいスキンケア:
    • 洗顔: 刺激の少ない洗顔料で優しく洗い、肌を清潔に保ちます。
    • 保湿: 十分な保湿で肌のバリア機能を保ち、乾燥や外部刺激から肌を守ります。
    • 紫外線対策: 日焼け止めを毎日使用し、紫外線による炎症後色素沈着の悪化を防ぎます。
  • 生活習慣の改善:
    • バランスの取れた食事: 偏りのない食事を心がけ、特にビタミンやミネラルを意識して摂取しましょう。
    • 十分な睡眠: 睡眠不足は肌のターンオーバーを乱し、ニキビを悪化させる可能性があります。
    • ストレスの軽減: ストレスはホルモンバランスを乱し、ニキビの原因となることがあります。適度な運動やリラックスできる時間を作りましょう。

まとめ

ニキビ跡は、色素沈着、赤み、クレーター、ケロイドの4つの主要なタイプに分類され、それぞれ異なる原因と治療法が必要です。軽度の色素沈着や赤みはセルフケアや比較的穏やかな治療で改善が期待できますが、クレーターやケロイドといった重度のニキビ跡には、フラクショナルレーザー、ダーマペン、サブシジョン、ステロイド注射などの専門的な美容医療が推奨されます。

治療法の選択にあたっては、ニキビ跡の種類や重症度、肌質、ダウンタイムの許容度、費用などを総合的に考慮し、医師と十分に相談することが重要です。何よりもニキビ跡を作らないための予防が最も大切であり、ニキビの早期治療、ニキビを触らない・潰さないこと、そして適切なスキンケアと生活習慣の改善が予防の鍵となります。ニキビ跡でお悩みの方は、一人で抱え込まず、早めに専門の医療機関を受診し、ご自身に合った最適な治療プランを見つけることをおすすめします。

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よくある質問(FAQ)

ニキビ跡は自然に治りますか?
ニキビ跡の種類によります。色素沈着や赤みといった軽度のニキビ跡は、肌のターンオーバーとともに数ヶ月から1年程度で自然に薄くなる可能性があります。しかし、クレーターやケロイドといった皮膚組織の構造が変化したニキビ跡は、自然に治ることは非常に難しく、専門的な治療が必要となります。
ニキビ跡の治療は保険適用になりますか?
ニキビ跡の治療のほとんどは、美容目的とみなされるため保険適用外の自費診療となります。ただし、ニキビそのものの治療や、炎症を伴う一部のニキビ跡(例えば、炎症性の赤みが強い場合や、ケロイドの一部)には保険が適用される場合があります。詳細は医療機関でご相談ください。
ニキビ跡を悪化させないためにはどうすれば良いですか?
ニキビ跡を悪化させないためには、まずニキビそのものを触ったり潰したりしないことが最も重要です。また、紫外線は色素沈着を濃くするため、日焼け止めを毎日使用し、徹底した紫外線対策を行いましょう。肌の乾燥もバリア機能を低下させ、炎症を悪化させる原因となるため、保湿ケアも欠かせません。バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理といった健康的な生活習慣も肌の状態を良好に保つ上で大切です。
この記事の監修医
👨‍⚕️
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長