保湿剤 皮膚科

【保湿剤・皮膚科医が解説する正しい選び方と使い方】

保湿剤・皮膚科医が解説する正しい選び方と使い方

最終更新日: 2026-06-09
📋 この記事のポイント
  • ✓ 保湿剤は皮膚のバリア機能を維持・改善し、乾燥や炎症から肌を守る重要な役割を担います。
  • ✓ 症状や肌質に合わせて、尿素製剤、ヘパリン類似物質、ワセリンなど様々な種類の保湿剤を使い分けることが大切です。
  • ✓ 皮膚科医の指導のもと、適切な保湿ケアを継続することで、肌トラブルの予防と改善につながります。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

保湿剤・皮膚保護薬は、乾燥した皮膚に水分を補給し、その蒸発を防ぐことで皮膚のバリア機能を正常に保つために不可欠な薬剤です。皮膚の乾燥は、かゆみ、湿疹、ひび割れなどの様々な皮膚トラブルを引き起こすため、適切な保湿ケアは皮膚疾患の治療だけでなく、予防においても重要な役割を果たします[2]

皮膚のバリア機能
皮膚の一番外側にある角層が、体内の水分が蒸発するのを防ぎ、外部からの刺激や異物の侵入を防ぐ働きを指します。この機能が低下すると、乾燥や肌荒れ、アレルギー反応などが起こりやすくなります[4]

乾皮症(ドライスキン)の治療薬とセルフケア

乾燥肌の治療薬と正しいセルフケアで潤いを取り戻す女性の手元
乾皮症の治療薬とセルフケア

乾皮症(ドライスキン)とは、皮膚の乾燥によってバリア機能が低下し、かゆみやひび割れなどを引き起こす状態を指します。特に冬場や高齢者に多く見られますが、季節を問わず適切なケアが求められます。

乾皮症の治療において、保湿剤は中心的な役割を担います。尿素製剤やヘパリン類似物質、ワセリンなどが症状や肌質に応じて使い分けられます。尿素製剤は角質を柔らかくする作用があり、特に硬くなった皮膚の乾燥に有効です。ヘパリン類似物質は保湿作用と血行促進作用を併せ持ち、広範囲の乾燥に適しています。ワセリンは皮膚表面に油膜を形成し、水分の蒸発を防ぐことでバリア機能を補強します。当院の皮膚科外来では、患者さまの生活習慣や入浴回数なども考慮し、どの保湿剤が最も効果的か、またどのタイミングで塗布するのが良いかを具体的にアドバイスしています。

乾皮症のセルフケアのポイント

  • 入浴方法の見直し: 熱すぎるお湯や長時間の入浴は避け、石鹸の使用は必要最小限に留めましょう。洗浄力の強いボディソープではなく、刺激の少ないものを選び、優しく洗いましょう。
  • 保湿剤の適切な使用: 入浴後5分以内など、皮膚がまだ水分を含んでいるうちに保湿剤を塗布することが効果的です。全身にムラなく、たっぷりと塗ることを心がけましょう。
  • 室内の湿度管理: 加湿器などを利用し、室内の湿度を50〜60%に保つことで、皮膚からの水分の蒸発を防げます。
  • 衣類の選択: 肌に直接触れる衣類は、綿などの刺激の少ない素材を選びましょう。ウールや化学繊維はかゆみを誘発することがあります。

尿素クリーム(ケラチナミン・パスタロン)の効果と副作用

尿素クリームは、尿素を主成分とする保湿剤で、皮膚の角質層に浸透し、硬くなった角質を柔らかくする作用(角質溶解作用)と、水分を保持する作用(保湿作用)を併せ持っています。特に、かかとやひじ、ひざなどの硬く厚くなった角質による乾燥や、魚の目、たこなどの治療に用いられます。

尿素製剤の代表的なものには、ケラチナミン(尿素)の効果と副作用パスタロン(尿素)の効果と副作用などがあります。これらは、尿素の濃度によって効果や適応が異なります。例えば、10%尿素製剤は軽度から中程度の乾燥肌に、20%尿素製剤はより硬くなった角質や重度の乾燥肌に用いられることが多いです。実際の診察では、患者さまから「かかとがガサガサでストッキングが引っかかる」と相談されることがよくあります。このような場合、尿素クリームは非常に有効な選択肢となります。

用法・用量

  • 通常、1日1〜数回、患部に塗布します。
  • 使用量は、手のひらに広がる程度を目安とし、擦り込むように塗布します。

副作用

  • その他の副作用(頻度不明):刺激感、かゆみ、発赤、皮膚の落屑(皮むけ)など。特に、炎症のある皮膚や傷のある部位に塗布すると、刺激を感じやすいことがあります。
⚠️ 注意点

尿素クリームは、顔や粘膜、目の周り、傷のある部位への使用は避けるべきです。刺激感が強すぎる場合は、使用を中止し医師に相談してください。

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の効果と副作用

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の効果と副作用は、ヘパリン類似物質を主成分とする保湿剤で、皮膚の水分保持能力を高め、血行を促進する作用があります。乾燥肌、アトピー性皮膚炎、しもやけ、傷跡の治療など幅広い皮膚疾患に用いられます。

ヘパリン類似物質は、皮膚の角層にある細胞間脂質を補い、皮膚のバリア機能を改善することで、乾燥によるかゆみや炎症を抑える効果が期待できます。また、血行促進作用により、ターンオーバーを正常化し、傷跡の改善にも寄与するとされています。当院では、特にアトピー性皮膚炎の患者さまに、ステロイド外用薬と併用してヒルドイドを処方することが多く、炎症を抑えつつ皮膚の保湿をしっかり行うことで、症状の安定に繋がるケースを多く経験しています。

用法・用量

  • 通常、1日1〜数回、適量を患部に塗擦するか、ガーゼなどにのばして貼付します。
  • 広範囲に塗布する場合は、手のひら全体で優しくなじませるように塗布します。

副作用

  • 重大な副作用(頻度不明):皮膚刺激症状(かゆみ、発赤、腫脹など)。
  • その他の副作用(頻度不明):皮膚炎、かゆみ、発赤、刺激感、潮紅、紫斑など。出血傾向のある患者さまは注意が必要です。

ヒルドイドには、軟膏、クリーム、ローション、フォームスプレーなど様々な剤形があり、部位や肌質、季節によって使い分けが可能です。ジェネリック医薬品としてヘパリン類似物質(ジェネリック)の効果と副作用も広く普及しています。

ビーソフテン(ヘパリン類似物質)の効果と副作用

ビーソフテン(ヘパリン類似物質)の効果と副作用は、ヒルドイドと同じくヘパリン類似物質を主成分とする保湿剤です。皮膚の乾燥症状を改善し、皮膚のバリア機能をサポートする目的で使用されます。

ビーソフテンもヒルドイドと同様に、乾燥肌、アトピー性皮膚炎、しもやけ、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療に用いられます。特にローションタイプは、広範囲に塗りやすく、べたつきが少ないため、顔や体全体、夏場の保湿に適しているとされています。当院では、患者さまの「べたつくのが苦手」という声に応える形で、ローションタイプのビーソフテンを処方することがよくあります。特に、背中など広範囲に塗布する必要がある部位には、伸びが良いローションが好評です。

用法・用量

  • 通常、1日1〜数回、適量を患部に塗擦するか、ガーゼなどにのばして貼付します。

副作用

  • 重大な副作用(頻度不明):皮膚刺激症状(かゆみ、発赤、腫脹など)。
  • その他の副作用(頻度不明):皮膚炎、かゆみ、発赤、刺激感、潮紅、紫斑など。

ビーソフテンも、ヘパリン類似物質(ジェネリック)の効果と副作用として多くのジェネリック医薬品が利用可能です。

プロペト(白色ワセリン)の効果と使い方

プロペト(白色ワセリン)の効果と使い方は、高純度の白色ワセリンであり、皮膚を保護する目的で広く用いられる皮膚保護薬です。不純物が少ないため、敏感肌や乳幼児にも比較的安心して使用できます。

プロペトは、皮膚表面に油膜を形成することで、水分の蒸発を防ぎ、外部からの刺激から皮膚を保護する作用があります。保湿効果は非常に高く、特に乾燥がひどい部位や、アトピー性皮膚炎などでバリア機能が著しく低下している皮膚の保護に適しています。当院では、乳幼児の乾燥肌や、ステロイド外用薬の塗布後にプロペトで蓋をするように塗る「プロペトサンドイッチ」を指導することがあります。これにより、薬の効果を閉じ込めつつ、皮膚の保護を強化できます。

用法・用量

  • 適量を患部に薄くのばして塗布します。
  • 特に乾燥が気になる部位には、厚めに塗布することも可能です。

副作用

  • その他の副作用(頻度不明):発疹、かゆみ、刺激感など。非常にまれですが、毛穴を塞ぐことでニキビが悪化する可能性も指摘されています。

ワセリン・サンホワイトの効果と使い方

ワセリンとサンホワイトの保湿効果を比較する肌の様子
ワセリン・サンホワイトの効果

ワセリンは、石油から精製される炭化水素の混合物で、皮膚表面に油膜を形成し、水分の蒸発を防ぐことで皮膚を保護する効果があります。ワセリン・サンホワイトの効果と使い方は、ワセリンの中でも特に精製度が高く、不純物が少ないため、敏感肌の方やアレルギー体質の方にも使いやすいとされています。

ワセリンは、皮膚のバリア機能が低下している状態や、乾燥がひどい場合に非常に有効です。アトピー性皮膚炎の患者さまの日常的な保湿ケアや、特定の刺激から皮膚を保護する目的でも使用されます。当院では、特に冬場の乾燥が厳しい時期に、全身の保湿にワセリンを推奨することが多いです。患者さまからは「塗った直後はべたつくけど、しっかり蓋をしてくれる感じが良い」という声をよく聞きます。

用法・用量

  • 適量を手に取り、乾燥が気になる部位に薄く均一に塗布します。
  • 特に乾燥がひどい場合は、入浴後すぐに塗布し、さらに重ね塗りするなどの工夫も有効です。

副作用

  • その他の副作用(頻度不明):発疹、かゆみ、刺激感など。非常にまれですが、毛穴を塞ぐことでニキビが悪化する可能性も指摘されています。

ケラチナミン(尿素)の効果と副作用

ケラチナミン(尿素)の効果と副作用は、尿素を主成分とする保湿剤で、皮膚の角質層に水分を保持し、硬くなった角質を柔らかくする作用があります。医療用としては「ケラチナミンコーワ軟膏」などが知られています。

尿素は、天然保湿因子(NMF)の一部であり、皮膚の水分量を増やすことで乾燥肌を改善します。また、角質溶解作用により、厚く硬くなった角質を剥がれやすくするため、ひじ・ひざ・かかとなどの角化症や、老人性乾皮症に伴うかゆみにも効果が期待できます。当院では、特に足の裏のひび割れや、手のひらの硬化など、角質の肥厚が目立つ患者さまに処方し、数週間で皮膚が柔らかくなる変化を実感される方が多い印象です。

用法・用量

  • 通常、1日1〜数回、適量を患部に塗布します。
  • 使用量は、症状に応じて調整しますが、一般的には薄く均一に塗布します。

副作用

  • その他の副作用(頻度不明):刺激感、かゆみ、発赤、皮膚の落屑(皮むけ)など。特に、炎症や傷のある部位に塗布すると刺激を感じやすいことがあります。

ウレパール(尿素)の効果と副作用

ウレパール(尿素)の効果と副作用は、尿素を有効成分とする医療用保湿剤です。尿素の持つ角質軟化作用と保湿作用により、乾燥して硬くなった皮膚の症状を改善します。

ウレパールは、ケラチナミン(尿素)の効果と副作用パスタロン(尿素)の効果と副作用と同様に、乾燥性皮膚疾患、魚の目、たこ、老人性乾皮症などに用いられます。特に、皮膚のゴワつきやザラつきが気になる部位への使用が効果的です。当院では、冬場に手足の乾燥がひどく、ひび割れを起こしやすい患者さまにウレパールを処方することがあります。他の保湿剤では物足りなかったという患者さまから、「皮膚がしっとり柔らかくなった」というフィードバックをいただくことが多いです。

用法・用量

  • 通常、1日1〜数回、適量を患部に塗布します。
  • 塗布後は、よく擦り込むようにして浸透させます。

副作用

  • その他の副作用(頻度不明):刺激感、かゆみ、発赤、皮膚の落屑など。

パスタロン(尿素)の効果と副作用

パスタロン(尿素)の効果と副作用は、尿素を主成分とする医療用保湿剤で、皮膚の角質層に水分を保持し、硬くなった角質を柔らかくする作用があります。尿素濃度が10%と20%の製剤があります。

パスタロンは、乾燥性皮膚疾患、アトピー性皮膚炎による乾燥、老人性乾皮症、魚の目、たこなどに広く用いられます。特に、角質が厚く硬くなっている部位に対して、その軟化作用が期待されます。当院では、足の裏やかかとが硬くなり、ひび割れで悩む患者さまにパスタロン20%を処方し、夜寝る前に厚めに塗ってから靴下を履くよう指導することがあります。これにより、より効果的に角質を柔らかくし、改善が見られることが多いです。

用法・用量

  • 通常、1日1〜数回、適量を患部に塗布します。
  • 尿素濃度によって効果の強さが異なるため、医師の指示に従って使用してください。

副作用

  • その他の副作用(頻度不明):刺激感、かゆみ、発赤、皮膚の落屑など。

ヘパリン類似物質(ジェネリック)の効果と副作用

ヘパリン類似物質(ジェネリック)の効果と副作用は、先発医薬品であるヒルドイド(ヘパリン類似物質)の効果と副作用ビーソフテン(ヘパリン類似物質)の効果と副作用と同じ有効成分であるヘパリン類似物質を含有する後発医薬品です。先発品と同等の効果が期待でき、より安価に利用できる点が特徴です。

ヘパリン類似物質は、皮膚の水分保持能力を高め、血行を促進し、抗炎症作用を持つことで、乾燥肌、アトピー性皮膚炎、しもやけ、傷跡の治療などに用いられます。ジェネリック医薬品も、軟膏、クリーム、ローション、フォームスプレーなど様々な剤形があり、患者さまの好みや使用部位に合わせて選択できます。当院では、医療費の負担軽減を希望される患者さまには、積極的にジェネリック医薬品の選択肢を提示しています。品質や効果については先発品と遜色ないと説明し、安心して使用していただいています。

用法・用量

  • 通常、1日1〜数回、適量を患部に塗擦するか、ガーゼなどにのばして貼付します。

副作用

  • 重大な副作用(頻度不明):皮膚刺激症状(かゆみ、発赤、腫脹など)。
  • その他の副作用(頻度不明):皮膚炎、かゆみ、発赤、刺激感、潮紅、紫斑など。

亜鉛華軟膏・亜鉛華単軟膏の効果と使い方

肌荒れに亜鉛華軟膏を塗布し皮膚を保護する様子
亜鉛華軟膏の皮膚保護作用

亜鉛華軟膏・亜鉛華単軟膏の効果と使い方は、酸化亜鉛を主成分とする皮膚保護薬で、収斂作用、消炎作用、保護作用、乾燥作用などを持ちます。特に、皮膚の炎症やただれ、湿潤性の皮膚疾患に用いられます。

亜鉛華軟膏は、皮膚表面に薄い膜を形成し、外部からの刺激を遮断するとともに、患部の浸出液を吸収して乾燥させる効果があります。おむつかぶれ、軽度のやけど、湿疹、褥瘡(床ずれ)などに有効です。亜鉛華単軟膏は、亜鉛華軟膏からサリチル酸を除いたもので、より刺激が少なく、敏感な部位にも使用しやすい特徴があります。当院では、乳幼児のおむつかぶれや、高齢者の皮膚のただれに対して、亜鉛華軟膏を処方することがよくあります。特に、ジュクジュクした患部を乾燥させ、皮膚を保護する効果は、多くの患者さまに喜ばれています。

用法・用量

  • 通常、1日1〜数回、患部に塗布します。
  • 厚めに塗布することで、より保護効果を高めることができます。

副作用

  • その他の副作用(頻度不明):発疹、かゆみ、刺激感など。

アズノール軟膏(ジメチルイソプロピルアズレン)の効果と副作用

アズノール軟膏(ジメチルイソプロピルアズレン)の効果と副作用は、ジメチルイソプロピルアズレンを主成分とする軟膏で、抗炎症作用、組織修復作用、抗アレルギー作用を持ちます。ステロイドを含まないため、比較的マイルドな作用が特徴です。

アズノール軟膏は、軽度の炎症を伴う湿疹、皮膚炎、やけど、おむつかぶれ、口唇炎などに用いられます。特に、ステロイドの使用を避けたい部位や、長期的な使用が必要な場合に選択されることがあります。当院では、顔の軽度な赤みや、乳幼児のデリケートな皮膚トラブルに対してアズノール軟膏を処方することがよくあります。患者さまからは「刺激が少なく、安心して使える」という声が多く聞かれます。

用法・用量

  • 通常、1日1〜数回、適量を患部に塗布します。
  • 薄く均一に塗布し、擦り込まずに優しくなじませるように使用します。

副作用

  • その他の副作用(頻度不明):発疹、かゆみ、刺激感など。非常にまれですが、過敏症反応が起こる可能性もあります。

保湿剤の選び方一覧|皮膚科医が解説

保湿剤は多種多様であり、ご自身の肌質や症状、使用部位、季節などに応じて適切なものを選ぶことが大切です。保湿剤の選び方一覧|皮膚科医が解説では、その選択肢を詳しく解説します。

大きく分けて、保湿剤には水分を補給する「モイスチャライザー(エモリエント)」と、皮膚表面に油膜を形成して水分の蒸発を防ぐ「閉塞剤(オクルーシブ)」があります。尿素製剤やヘパリン類似物質はモイスチャライザーに分類され、ワセリンは閉塞剤に分類されます。当院では、患者さまの肌の状態を診察し、どのような保湿剤が最適かを判断します。例えば、アトピー性皮膚炎で炎症が強い場合はヘパリン類似物質を、かかとが硬くなっている場合は尿素製剤を、顔の乾燥には刺激の少ないワセリンを、といった使い分けを指導しています。また、夏場はさっぱりとしたローションタイプ、冬場はしっとりとしたクリームや軟膏タイプなど、季節による使い分けも重要です。

タイプ主な成分特徴適した症状・部位
尿素製剤尿素角質軟化作用、保湿作用かかと、ひじ、ひざの角化、老人性乾皮症
ヘパリン類似物質ヘパリン類似物質保湿作用、血行促進作用、抗炎症作用乾燥肌全般、アトピー性皮膚炎、しもやけ、傷跡
ワセリン白色ワセリン皮膚保護作用、水分の蒸発抑制重度の乾燥肌、敏感肌、乳幼児、ステロイド後の保護
亜鉛華軟膏酸化亜鉛収斂作用、消炎作用、乾燥作用おむつかぶれ、ただれ、湿潤性の湿疹
アズノール軟膏ジメチルイソプロピルアズレン抗炎症作用、組織修復作用軽度の湿疹、皮膚炎、やけど、口唇炎

サリチル酸ワセリン(角化症治療)の効果と副作用

サリチル酸ワセリン(角化症治療)の効果と副作用は、サリチル酸とワセリンを配合した薬剤で、サリチル酸の角質軟化・溶解作用とワセリンの皮膚保護作用を併せ持ちます。特に、尋常性疣贅(いぼ)、たこ、魚の目、角化症などの治療に用いられます。

サリチル酸は、厚く硬くなった角質層を剥がれやすくする作用があります。ワセリンが基剤となっているため、皮膚への刺激を緩和しつつ、サリチル酸の効果を患部に留めることができます。当院では、特に足の裏の頑固なたこや魚の目に対して、サリチル酸ワセリンを処方し、定期的に皮膚を削り取る処置と併用することで、効果的な治療を行っています。患者さまには、根気強く治療を続けることの重要性を説明しています。

用法・用量

  • 通常、1日1〜数回、適量を患部に塗布します。
  • 患部の状態やサリチル酸の濃度によって使用方法が異なるため、医師の指示に従ってください。

副作用

  • その他の副作用(頻度不明):刺激感、発赤、かゆみ、びらんなど。特に、正常な皮膚に付着すると刺激が強くなることがあります。
🩺 保湿剤に関する患者さまからのご質問
Q. 保湿剤はいつ塗るのが一番効果的ですか?
A. 当院では、入浴後5分以内、または洗顔後すぐに塗布することを推奨しています。皮膚がまだ水分を含んでいる状態で塗ることで、その水分を閉じ込め、より高い保湿効果が期待できます。朝の洗顔後や、日中に乾燥を感じた際にも追加で塗布すると良いでしょう。
Q. 保湿剤を塗るとニキビが悪化するのではないかと心配です。
A. 実際の診察でも「保湿剤でニキビが…」と心配される患者さまは少なくありません。保湿剤の種類によっては、油分が多く毛穴を詰まらせる可能性もゼロではありませんが、乾燥によってもニキビは悪化することがあります。当院では、ニキビができやすい方には、油分が少なくさっぱりとしたローションタイプや、ノンコメドジェニック処方の保湿剤をおすすめしています。適切な保湿はニキビ治療の一環としても重要です[1]
Q. 医療用の保湿剤と市販の保湿剤は、何が違うのですか?
A. 医療用の保湿剤は、医師の診察に基づいて処方される医薬品であり、特定の皮膚疾患の治療を目的としています。有効成分の濃度や配合が厳密に管理されており、保険適用となる場合が多いです。一方、市販の保湿剤は化粧品や医薬部外品として販売され、日常的なスキンケアや軽度の乾燥対策が主な目的です。症状が改善しない場合や、アトピー性皮膚炎などの疾患がある場合は、皮膚科医にご相談ください。
Q. 保湿剤はどのくらいの量を塗れば良いですか?
A. 塗布量は、部位や保湿剤の種類、乾燥の程度によって異なりますが、一般的には「ティッシュが肌に貼り付く程度」や「塗った部分が少しテカる程度」が目安です。当院では、特に乾燥がひどい部位には、少し多めに塗布し、優しく擦り込まずに乗せるように塗ることを指導しています。塗布量が少ないと十分な効果が得られないことがあります。
Q. 痒みがあるのですが、保湿剤だけで治りますか?
A. 乾燥による軽度のかゆみであれば、保湿剤で改善することが多いです。しかし、炎症を伴う強いかゆみや、湿疹ができている場合は、保湿剤だけでは不十分なことがあります。皮膚科の日常診療では、かゆみの原因が乾燥だけでなく、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎など多岐にわたるため、ステロイド外用薬などの抗炎症薬と保湿剤を併用して治療を進めることが治療のポイントになります。自己判断せずに、一度皮膚科を受診して適切な診断と治療を受けることをお勧めします。
Q. 保湿剤を塗っても乾燥が改善しない場合はどうすれば良いですか?
A. 保湿剤を正しく使用しているにもかかわらず乾燥が改善しない場合、いくつか原因が考えられます。一つは、保湿剤の種類が肌に合っていない可能性です。例えば、尿素製剤が刺激になる方もいます。もう一つは、背景に皮膚疾患が隠れている可能性です。アトピー性皮膚炎や乾癬など、より専門的な治療が必要な場合があります。当院では、保湿剤の使用状況や生活習慣を詳しく問診し、必要に応じて他の治療法や保湿剤の変更を提案しています。

まとめ

保湿剤・皮膚保護薬は、皮膚の健康を維持し、様々な皮膚トラブルから肌を守る上で非常に重要な役割を果たします。乾燥肌、アトピー性皮膚炎、湿疹など、多くの皮膚疾患において、適切な保湿ケアは治療の基本となります。尿素製剤、ヘパリン類似物質、ワセリン、亜鉛華軟膏、アズノール軟膏など、多種多様な保湿剤があり、それぞれ異なる特性と適応を持っています。ご自身の肌の状態や症状に合わせて、最適な保湿剤を選択し、正しい方法で継続的に使用することが大切です。もし、どの保湿剤を選べば良いか分からない場合や、症状が改善しない場合は、お近くの皮膚科専門医にご相談ください。専門的な視点から、患者さま一人ひとりに合った治療計画を提案し、健やかな肌を取り戻すお手伝いをいたします。

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よくある質問(FAQ)

Q. 保湿剤は保険適用になりますか?
A. 医師の診察により、乾燥性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患と診断され、治療のために処方される医療用保湿剤は、保険適用となります。市販の化粧品や医薬部外品の保湿剤は保険適用外です。
Q. ジェネリック医薬品の保湿剤は、先発品と効果は同じですか?
A. ジェネリック医薬品は、先発医薬品と有効成分、含有量、効能・効果、用法・用量が同じであることが国によって認められています。そのため、原則として先発品と同等の効果が期待できます。ただし、添加物などが異なる場合があるため、アレルギー体質の方は医師や薬剤師にご相談ください。
Q. 保湿剤の塗布で注意すべき点はありますか?
A. 保湿剤を塗布する際は、清潔な手で優しく、擦りすぎないように塗ることが重要です。特に、炎症がある部位や傷がある部位には、刺激の少ない保湿剤を選び、医師の指示に従ってください。また、使用中に赤み、かゆみ、刺激感などの異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、医師にご相談ください。
この記事の監修医
👨‍⚕️
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長
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