Clindamycin for inflammatory acne

ダラシンT(クリンダマイシン)。ニキビへの効果・塗り方・副作用。

赤いニキビ・膿疱に使う場面、1日2回の塗り方、ゲルとローションの違い、4週間で効かない場合、副作用、耐性菌を避ける中止判断まで整理します。

医療情報確認日 2026年8月18日監修 倉田照久医師・吉井恭平医師根拠 日本皮膚科学会・PMDA・製造販売元
根拠資料を見る

quick answer

ダラシンTは、クリンダマイシンリン酸エステル1%の外用抗菌薬です。

化膿性炎症を伴うニキビ、つまり赤い丘疹や膿疱に用います。適量を1日2回、洗顔後に患部へ塗布し、必要最小限の範囲・期間で使用します。

4週間で効果が認められない場合や炎症性皮疹が消失した場合は継続せず、面皰や再発予防には抗菌薬を含まない維持治療を検討します。

一次資料|PMDA電子添文 4・6・7・8電子添文は、適応を「ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)」、用法を1日2回・洗顔後・患部への塗布とし、必要最小限の面積・期間にとどめるよう示しています。

who it is for

赤い丘疹・膿疱に使い、面皰だけの治療薬にはしない。

「ニキビ」という名前だけでなく、皮疹の種類を分けて考えます。

赤みのある炎症性ニキビを確認する教育用イメージ
炎症性ニキビを確認する教育用イメージ(実際の症例写真ではありません)

適応を検討

赤く盛り上がる丘疹、膿を伴う膿疱など、化膿性炎症を伴うニキビです。

別の薬が中心

白ニキビ・黒ニキビなど面皰だけの場合は、アダパレンやBPO等を検討します。

診断を再確認

かゆみが強い、急に広がる、同じ形の発疹が並ぶ場合は別疾患との区別が必要です。

一次資料|日本皮膚科学会ガイドライン CQ6ガイドラインは、炎症性皮疹にクリンダマイシン等の外用抗菌薬を推奨度Aで強く推奨しています。

当院の診療で確認していること日々の診察では、赤い丘疹・膿疱と白ニキビ・黒ニキビの数と分布を分けて確認します。炎症性皮疹だけへダラシンTを使い、面皰や再発予防には別の外用薬を組み合わせる前提で処方設計を整理します。

gel or lotion

ゲルとローションは同じ1%製剤。塗る部位と使用感で選ぶ。

「強い・弱い」ではなく、剤形と添加剤の違いを確認します。

ダラシンTゲル1%の公式製品写真
gel 1%

ダラシンTゲル1%

無色澄明で粘性のある半固形状です。1g中にクリンダマイシンリン酸エステル10mg(力価)を含みます。

ダラシンTローション1%の公式製品写真
lotion 1%

ダラシンTローション1%

無色澄明の液剤で、エタノールを含みます。1mL中に同成分10mg(力価)を含みます。

一次資料|PMDA電子添文 3.1・3.2電子添文に記載された有効成分量、剤形、添加剤に基づいて比較しています。製品写真はゲルローションの製造販売元資料を参照しています。

当院の診療で確認していること実際の診療では、顔・体などの塗布部位、範囲、皮脂や乾燥、これまでの刺激症状、他の外用薬との組み合わせを確認します。使い心地だけで自己変更せず、処方された剤形の塗り方を確認してもらいます。

how to apply

1日2回、洗顔後に、必要最小限の患部へ塗る。

量を増やしたり、顔全体へ広げたりして効果を早める薬ではありません。

01

洗顔

こすらず洗い、清潔なタオルで水分を押さえます。

02

患部を確認

赤い丘疹・膿疱の位置を確認し、必要最小限の範囲にします。

03

適量を塗布

目・口・鼻などの粘膜や傷のある部位を避けます。

04

手を洗う

塗布後は手を洗い、他の外用薬の時間帯を守ります。

一次資料|PMDA電子添文 6・7電子添文の用法・用量と「治療上必要最小限の面積」という注意に沿って整理しています。個別の塗る順番・量は処方時の指示を優先してください。

combination & maintenance

抗菌薬単独の長期使用を避け、BPO・アダパレンとの役割を分ける。

急性炎症期と、炎症後の維持治療を同じ薬だけで続けません。

治療主な役割患者さんが確認すること
ダラシンT炎症性皮疹に用いるクリンダマイシン単剤必要最小限の範囲・期間、4週間での再評価
デュアック配合ゲルクリンダマイシンとBPOを配合刺激症状、保管、抗菌薬を含む期間
BPO面皰と炎症性皮疹、維持治療乾燥・赤み、衣類等の脱色、保管
アダパレン面皰と再発予防・維持治療刺激症状、妊娠・妊娠の可能性

一次資料|日本皮膚科学会ガイドライン CQ1・CQ3・CQ21ガイドラインは、炎症性皮疹にクリンダマイシン・BPO配合剤やアダパレンと外用抗菌薬の併用を推奨し、抗菌薬を含む配合剤を炎症軽快後の維持療法としては推奨していません。

デュアック配合ゲルベピオディフェリンの違いは各薬剤ページで確認できます。

review & stop plan

4週間で効かなければ見直し、炎症が消えたら継続しない。

耐性菌対策のため、開始時から再評価と中止後の計画を決めます。

4週間で効果なし

使用を中止し、診断、塗り方、併用薬、別治療の必要性を再評価します。

炎症性皮疹が消失

ダラシンTを継続せず、面皰・再発予防の維持治療へ切り替えます。

自己再開しない

残薬を再発時に自己使用せず、皮疹の種類と過去の使用期間を確認します。

一次資料|PMDA電子添文 7.2・8電子添文は、4週間で効果がなければ中止、炎症性皮疹が消失した場合は継続しないこと、耐性菌を防ぐため必要最小限の期間にとどめることを示しています。

当院の診療で確認していること再診では、新しくできた赤いニキビの数と部位、膿疱の有無、刺激やかゆみ、実際に塗った範囲、併用薬の使用状況を確認します。炎症が落ち着いた後は、ダラシンTをそのまま続けるのではなく、BPOやアダパレン等による維持治療を相談します。

ニキビの抗生物質と耐性菌では、外用・内服抗菌薬を漫然と続けない理由を詳しく解説しています。

side effects & precautions

刺激・かゆみを確認し、頻回の下痢や血便は直ちに受診する。

外用薬でも、重い消化器症状を見逃さないことが重要です。

処方元へ相談

  • つっぱり感、パリパリ感
  • かゆみ、赤み、刺激感、ヒリヒリ感
  • 蕁麻疹、接触皮膚炎
  • 塗布を続けにくい症状

直ちに中止・速やかに受診

  • 腹痛、頻回の下痢
  • 血便を伴う下痢
  • 呼吸困難、顔や喉の腫れ
  • 急速に広がる蕁麻疹

妊娠・授乳

妊娠の可能性、妊娠希望、授乳中であることを処方前に伝えてください。

既往歴

抗生物質関連の下痢・大腸炎、アトピー性体質、薬剤アレルギーを確認します。

併用薬

エリスロマイシンや末梢性筋弛緩薬を使用中の場合は申告してください。

一次資料|PMDA電子添文 9~11電子添文は、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎を重大な副作用として記載し、妊婦・授乳婦、既往歴、相互作用について注意を示しています。

when to consult

塗る場所・期間・併用薬に迷ったら、自己調整せず皮膚科へ相談する。

使用中の薬と、実際に塗っている範囲が分かるようにしてください。

初診で伝える

  • 赤いニキビ・膿疱ができる部位
  • 過去の抗菌薬名と使用期間
  • 妊娠の可能性・希望、授乳
  • 下痢・大腸炎、アレルギーの既往

再診で確認する

  • 新しくできた炎症性皮疹
  • かゆみ、赤み、刺激、乾燥
  • 塗布範囲・回数・併用薬
  • 中止時期と維持治療

ダラシンTの適応・塗り方・中止時期を相談ニキビの種類、塗布範囲、過去の抗菌薬、併用薬を確認します。

frequently asked questions

ダラシンTとニキビについてよくある質問

対象、塗り方、期間、剤形、併用、副作用、妊娠に回答します。

ダラシンTはどのニキビに使いますか?

赤い丘疹や膿を伴う膿疱など、化膿性炎症を伴うニキビに用いる外用抗菌薬です。白ニキビ・黒ニキビだけの場合は、毛穴の詰まりを治療するアダパレンやBPO等が中心になります。

ダラシンTは1日何回塗りますか?

電子添文上は適量を1日2回、洗顔後に患部へ塗布します。処方時に別の指示がある場合は、その指示を優先してください。

顔全体に塗ってもよいですか?

電子添文では、塗布面積を治療上必要最小限にとどめるよう示されています。赤いニキビの位置と、併用する外用薬の塗布範囲を診察で確認してください。

ダラシンTはどのくらいで効きますか?

効果の現れ方には個人差があります。電子添文では4週間で効果が認められない場合は使用を中止するとされているため、自己延長せず処方元へ再診してください。

赤いニキビが治った後も塗り続けますか?

炎症性皮疹が消失した場合は継続使用しません。再発予防には、抗菌薬を含まないアダパレンやBPO等による維持治療を検討します。

ダラシンTゲルとローションはどちらが強いですか?

どちらもクリンダマイシンリン酸エステル1%製剤で、強さの上下だけで選ぶものではありません。塗る部位、広さ、使用感、他の外用薬との組み合わせを確認して剤形を選びます。

ベピオやディフェリンと一緒に使えますか?

炎症性皮疹と面皰が混在する場合、BPOやアダパレン等との併用を検討します。ただし、塗る順番や時間帯は処方内容によって異なるため自己判断で追加しないでください。

デュアックとの違いは何ですか?

ダラシンTはクリンダマイシン単剤、デュアックはクリンダマイシンとBPOの配合剤です。炎症の程度、面皰、刺激症状、これまでの治療を確認して選びます。

下痢があるときも使えますか?

腹痛、頻回の下痢、血便がある場合は直ちに使用を中止し、速やかに医療機関へ連絡してください。抗生物質に関連した下痢や大腸炎の既往がある方は処方前に伝えてください。

妊娠中・授乳中でも使えますか?

電子添文では、妊婦または妊娠している可能性がある方には使用しないことが望ましいとされています。授乳中は有益性を考慮して継続・中止を検討するため、処方前に必ず申告してください。

related acne guides

外用抗菌薬と維持治療を詳しく調べる

このページはダラシンT単剤を担当し、薬剤比較・配合剤・耐性菌は専門ページへ分けています。

MEDICAL SUPERVISION

監修医師からのメッセージ

ダラシンTは、赤い丘疹や膿疱などの炎症性皮疹に用いる外用抗菌薬です。診察では、面皰との混在、塗る範囲、過去の抗菌薬使用、併用する外用薬を確認します。

4週間で効果が認められない場合や炎症が消失した後は、自己判断で継続せず治療を見直してください。抗菌薬だけを漫然と続けず、BPOやアダパレン等による維持治療まで計画することが大切です。

主監修医師

倉田 照久

医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長

赤ニキビと外用抗菌薬の使い方を相談する

皮疹の種類、塗布範囲、使用期間、併用薬を確認し、炎症後の維持治療までご案内します。

WEB予約

TOC GROUP

TOCグループ

医療法人御照会を中心とした医療グループ

本ページは一般的な医療情報の提供を目的とし、個別の診断・処方に代わるものではありません。ダラシンTの適応、剤形、塗布範囲、期間、副作用、妊娠・授乳時の扱いは、診察と最新の電子添文等に基づき判断します。

医療情報の最終確認日:2026年8月18日