Sol Medicine Guide / 01
テラコートリルとは?効果・強さ・使い方・副作用顔・陰部・虫刺され・感染症の注意を皮膚科医が解説
テラコートリル軟膏は、炎症を抑えるヒドロコルチゾンと細菌の増殖を抑えるオキシテトラサイクリンを配合した外用薬です。使える症状と、ヘルペス・水虫など使ってはいけない症状を分け、塗る部位・期間・副作用を整理します。
- ステロイド+抗菌薬
- 顔・陰部・虫刺されの注意
- PMDA 2026年4月改訂参照

先に知りたいこと
- テラコートリルは、炎症を抑える目的で処方されることがあるステロイド外用薬です。
- 強さだけでなく、塗る部位、剤形、期間、感染の有無を確認して使います。
- 顔、小児、妊娠授乳、悪化した症状、膿や痛みがある場合は自己判断で続けず相談します。
- 成分ヒドロコルチゾンとオキシテトラサイクリン塩酸塩の配合外用薬です。
- 対象細菌感染を伴う、または湿潤・びらん・痂皮を伴う湿疹などで検討します。
- 使い方患部へ必要な量を塗り、部位・回数・期間は処方や薬剤師の指示を優先します。
- 避ける症状ヘルペス・帯状疱疹・水痘、水虫・カンジダなどでは使用しません。
- 部位顔・陰部・屈曲部・小児は吸収と副作用に配慮し、短期間を基本に判断します。
- 画像公式/本文画像を出典付きで確認します。
テラコートリルは、皮膚の炎症やかゆみを抑えるステロイド成分と、細菌感染を治療する抗生物質成分を配合した複合軟膏です。この薬剤は、湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれなど、炎症を伴う皮膚疾患に細菌感染が合併している場合や、そのリスクがある場合に効果を発揮します[5]。当院では、特に炎症が強く、二次感染の懸念がある患者さまに処方することが多く、適切な使用により症状の早期改善が期待できます。
テラコートリルはステロイドと抗菌薬の配合外用薬
医療用のテラ・コートリル軟膏は、1g中にオキシテトラサイクリン塩酸塩30mg(力価)とヒドロコルチゾン10mgを含みます。ヒドロコルチゾンが炎症を抑え、オキシテトラサイクリンが感受性のある細菌の増殖を抑えることで、炎症と細菌感染が重なる皮膚病変に使います。
赤みやかゆみだけで使う薬ではありません。抗菌薬を含むため、細菌感染がない病変へ漫然と塗ると感作や耐性菌の問題につながります。病名、湿潤・びらん・痂皮の有無、感染の種類、使用部位を確認して選択します。
臨床の現場では、炎症が強い湿疹に対して、ステロイド外用薬を適切に使用することで、患者さまの不快な症状が速やかに軽減されるのをよく経験します。
これは診療経験であり、すべての方に同じ速さ・結果を保証するものではありません。効き方は病名、部位、感染、塗布量、期間で異なります。
医療用と市販のテラコートリルを区別する
同じ有効成分名を含む一般用医薬品もありますが、購入した製品の添付文書、効能・効果、対象年齢、添加物を確認してください。医療用の処方指示を市販品へ、また市販品の用法を処方薬へそのまま流用しないことが大切です。
手元の薬がどちらか分からない場合は、箱、チューブ、薬剤情報提供書を医師・薬剤師に見せてください。名称が似ていても、自己判断で家族間の使い回しをしないでください。
使う症状と、診察で確認するポイント
電子添文では、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、湿潤・びらん・結痂を伴うか二次感染を併発した湿疹・皮膚炎群、外傷・熱傷・手術創などの二次感染が効能・効果に含まれます。単に赤い、かゆいというだけでは適応を判断できません。

当院では、特に炎症が強く、二次感染の懸念がある患者さまに処方することが多く、適切な使用により症状の早期改善が期待できます。
実際の診療では、初診時に「皮膚が赤く腫れていて、ジュクジュクしている」と相談される患者さまも少なくありません。
例えば、当院で診察する患者さまの中には、湿疹を掻き壊してジュクジュクした状態になり、細菌感染を併発しているケースが少なくありません。
ただし、ジュクジュクや痂皮があっても、細菌感染とは限りません。接触皮膚炎、真菌症、ウイルス感染などを含めて診断します。
虫刺されでは一律に使わない
当院では、特にアトピー性皮膚炎の軽度な増悪期や、虫刺されによる強い炎症に対して、患者さまの皮膚の状態や年齢を考慮し、適切なステロイドランクの選択を慎重に行うようにしています。
虫刺されそのものが医療用テラ・コートリル軟膏の一律の適応という意味ではありません。掻き壊し、湿潤、細菌感染、別の感染症の可能性を確認し、必要性を個別に判断します。
単剤ステロイドと配合薬を使い分ける
当院では、患者さまの皮膚の状態を詳細に観察し、細菌感染の有無やそのリスクを評価した上で、テラコートリルと単剤ステロイド外用薬のどちらが適切かを判断しています。例えば、乾燥性の湿疹で掻き傷がない場合は単剤ステロイドを、ジュクジュクして黄色いかさぶたが見られる場合はテラコートリルを検討します。
実際の診療では、感染の有無を慎重に見極め、必要に応じて細菌培養検査を行うなど、適切な診断のもとでテラコートリルを選択しています。
ヘルペス・帯状疱疹・水虫などには使わない
単純疱疹、帯状疱疹、水痘、種痘疹などのウイルス性皮膚疾患、白癬やカンジダなどの真菌性皮膚疾患、皮膚結核には使用しません。ステロイド成分が症状を隠したり悪化させたりする可能性があります。
- ヘルペス・帯状疱疹:痛み、ピリピリ感、水疱、片側に帯状に広がる発疹がある場合は早期受診します。
- 水虫・カンジダ:輪状の赤み、足や股の皮むけ、境界のある発疹では顕微鏡検査などを検討します。
- やけど:第2度深在性以上の熱傷・凍傷、潰瘍には使用しません。軽く見えても範囲や深さを評価します。
抗真菌薬、抗ウイルス薬、別のステロイド、市販薬を重ねると、診断や経過が分かりにくくなります。使用した薬を記録して受診してください。
正しい塗り方・FTU・使用期間
電子添文では通常1日1〜数回、直接患部に塗布または塗布後に無菌ガーゼで覆うとされています。実際の回数、量、範囲、期間は症状と部位で変わるため、処方・薬剤師の指示を優先してください。
実際の診療では、薄く均一に塗ることが重要だと指導しています。
厚く盛っても効果が比例して高まるわけではありません。塗る前に手を洗い、指定された患部へやさしく広げます。密封すると吸収が増えるため、自己判断でラップや厚い包帯を使わないでください。
当院では、初診の患者さまには、軟膏のチューブを実際に手に取っていただき、塗布量の目安を視覚的に説明するようにしています。特に、小さなお子さんの保護者の方からは、「どのくらい塗ればいいのか分からなかった」という声が多いため、具体的な量を示すことで安心して治療に取り組んでいただいています。
FTUは外用量を考える目安ですが、チューブ口径や患部面積でも変わります。処方された範囲と回数を先に確認してください。
抗菌薬を必要最小限の期間にする理由
オキシテトラサイクリンを含むため、感受性を確認し、治療上必要な最小限の期間にとどめます。改善しない場合は、回数を増やすのではなく、病原菌の種類、耐性、真菌・ウイルス、接触皮膚炎など診断を見直します。

顔・陰部・屈曲部・子ども・妊娠での注意
顔、陰部、首、脇、肘や膝の内側などは薬が吸収されやすい部位です。必要な場合でも、範囲と期間を限定し、改善後の対応を決めておきます。
臨床の現場では、特に顔面への長期使用を希望される患者さまには、副作用のリスクを十分に説明し、より弱いステロイドへの切り替えや非ステロイド性外用薬の併用を検討することが多いです。
当院では、顔面に使用する場合は、短期間の使用に限定し、症状が改善したら速やかに中止するよう指導しています。
当院では、これらの部位への処方では、短期間の使用を原則とし、患者さまには「症状が良くなったらすぐに塗るのをやめてください」と強くお伝えしています。また、症状の改善が見られない場合や悪化する場合には、別の疾患の可能性も考慮し、再診を促すようにしています。
子ども
小児では長期・大量・広範囲の使用や密封状態を避けます。成長への影響を含む全身性副作用が添付文書に記載されています。おむつで覆われる部位は密封に近い状態になることがあります。
例えば、当院の患者さまで、汗をかきやすい季節にあせもが悪化し、かきむしってしまって化膿しかけているお子さんには、テラコートリルを短期間処方することで、炎症と細菌の増殖を同時に抑え、症状の早期改善を図ることがよくあります。
上記は診療経験であり、あせもや掻き壊しへ一律に使うという意味ではありません。小児は病変、範囲、期間を診察で確認します。
妊娠・授乳
妊娠中または妊娠している可能性がある場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合に使います。大量・長期・広範囲の使用は避けます。授乳中も塗布部位へ乳児が触れないようにし、使用前に相談してください。

副作用と、塗るのを見直すサイン
刺激感、発赤、接触皮膚炎、真菌・ウイルス感染の誘発や悪化、ステロイドざ瘡、皮膚萎縮、毛細血管拡張、色素変化などが起こることがあります。眼周囲への使用では眼圧上昇、緑内障、白内障にも注意します。
問診の際には、患者さまの既往歴や現在の症状について詳しく伺い、テラコートリルが適応かどうかを慎重に判断するようにしています。特に「以前に他の薬でかぶれたことがある」という患者さまには、アレルギーの有無を詳しく確認し、必要であればパッチテストを検討することもあります。
当院では、処方後のフォローアップで、副作用の有無だけでなく、「塗った後にヒリヒリ感や赤みが増すことはないですか?」といった具体的な質問を投げかけ、患者さまが感じている変化を細かく確認するようにしています。
「以前に他の病院でステロイドを塗ってから、なんだか体がだるい気がする」といった漠然とした訴えであっても、全身性の影響を疑い、血液検査などで副腎機能を確認することもあります。
通常の狭い範囲への短期使用で全員に血液検査が必要という意味ではありません。長期・大量・広範囲・密封使用、小児、全身症状などを踏まえて必要性を判断します。
効果を確認する時期と受診目安
治療を始めて数日ほどで「赤みが引いてきた」「かゆみが楽になった」とおっしゃる方が多いです。
これは倉田医師の診療経験に基づく表現で、測定された改善率やすべての方への効果保証ではありません。数日で変化がない、しみる、赤みや水疱が増える、痛みや熱が強い場合は、自己判断で回数を増やさず再診してください。中止時期は処方時の個別指示を優先します。
- 水疱、強い痛み、発熱、急な拡大がある
- 輪状に広がる、足や股の皮むけがある
- ヒリヒリ・赤み・腫れが塗布後に増える
- 数日使っても改善しない、または悪化する
- 顔・眼周囲・陰部・広範囲・小児・妊娠中に使う
他の外用薬・ニキビ治療との使い分け
炎症だけが問題なら単剤ステロイド、細菌感染が中心なら抗菌薬、真菌症なら抗真菌薬、ヘルペスなら抗ウイルス薬など、診断に応じて治療が変わります。複合剤が常に強い、広く効くという意味ではありません。
当院では、ニキビの治療で、炎症が強く赤みを伴う場合はテラコートリルを短期間使用し、炎症が落ち着いたら抗生物質単剤や他のニキビ治療薬に切り替えるケースをよく経験します。これは、炎症を早期に抑えることで患者さまの苦痛を軽減し、その後の治療への移行をスムーズにするためです。
上記は倉田医師の個別診療経験です。ニキビはテラ・コートリル軟膏の電子添文上の一般的な効能・効果ではなく、日本皮膚科学会ガイドラインの標準第一選択でもありません。自己判断でニキビへ塗らず、過酸化ベンゾイルやアダパレンなど標準治療を含め医師が判断します。
当院では、特に「ステロイドは使いたくない」と初診時に相談される患者さまも少なくありませんが、その場合は、疾患の重症度や感染の有無を丁寧に説明し、テラコートリルのような複合剤が必要な理由を理解していただくよう努めています。
受診時に伝えること
- いつから、どこに、どのように広がったか
- 水疱、痛み、ジュクジュク、黄色い痂皮、輪状の赤みの有無
- 使った薬の名前、回数、日数、塗った後の変化
- 過去の薬によるかぶれ、アレルギー、妊娠・授乳、小児の年齢
薬のチューブ、箱、薬剤情報提供書、使用前後の写真があると、診断と使い方の確認に役立ちます。余った薬を別の発疹へ流用せず、新しい症状は診断を受けてください。
まとめ:炎症と細菌感染を分けて判断する
テラ・コートリル軟膏は、ヒドロコルチゾンとオキシテトラサイクリンを配合し、炎症と感受性のある細菌感染が重なる病変で使う外用薬です。赤み、かゆみ、虫刺されという言葉だけで一律に選びません。
ヘルペス・帯状疱疹・水痘、水虫・カンジダなどでは使用せず、顔・陰部・屈曲部・小児・妊娠中では範囲と期間を特に確認します。必要最小限の期間にし、改善しない、しみる、悪化する場合は診断を見直してください。
よくある質問(FAQ)
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長・渋谷文化村通り皮膚科
テラコートリルは、赤みの強さだけで選ばず、湿潤・びらん・痂皮、細菌感染の有無、ヘルペスや真菌症との鑑別、使用部位、年齢、妊娠、使用期間を確認して選択します。
