やけどの直後に押さえる4点
- 熱源から離れ、小範囲ならできるだけ早く水道の流水で冷やします。
- 衣類が皮膚に貼り付いている場合は無理に剥がさず、上から水をかけます。
- 氷を直接当てる、水ぶくれをつぶす、未確認の油・歯磨き粉・消毒薬を塗ることは避けます。
- 呼吸症状、広範囲、電気・化学物質によるやけどはクリニック予約より救急を優先します。
まず熱源を断ち、流水で穏やかに冷やす
日本熱傷学会は、受傷直後に熱源を断ち、小範囲は水道水、広範囲はシャワーなどで冷やすと説明しています。冷却時間は公的資料で目安に幅があります。「一律に何分」と決めるより、救急性と低体温のリスクを同時に考えます。

できるだけ早く流水へ。指輪や腕時計は腫れる前に外します。
冷却後は清潔なガーゼなどでそっと覆い、水ぶくれを破りません。
呼吸、意識、範囲、部位、皮膚の色、年齢、原因から救急か外来かを判断します。
長時間、広範囲を冷やし続けると低体温になることがあります。重症が疑われる場合は冷却だけを続けず119へ。
119・救急外来・皮膚科の振り分け
東京消防庁の救急受診ガイドは、呼吸苦、煙の吸入、意識の変化、広範囲、首や四肢を一周するやけどなどを119の目安として示しています。迷う場合は#7119で相談できます。
| 優先する対応 | 主な目安 | 行動 |
|---|---|---|
| 119・救急 | 呼吸苦、声がれ、煙の吸入、意識の異常、顔・胸・背中・両手・両足など広範囲、電気・化学熱傷 | クリニック予約より119。化学物質は物質名も伝える |
| これから受診 | 水ぶくれ、強い痛み、白い・黒い皮膚、手・関節・顔・陰部、乳幼児、高齢者、広がる赤み | 対応可能な医療機関を確認し、当日中を含め早めに相談 |
| 皮膚科で相談 | 小範囲で全身状態が安定し、救急の目安に当てはまらないが、痛み・赤み・水ぶくれ・破れがある | 受傷状況と応急処置を伝え、対応範囲や紹介の必要性を診察で確認 |
この表は自己診断のためではありません。状態は時間とともに変わります。迷うときは東京版 救急受診ガイドまたは#7119を利用してください。
皮膚科で相談したい状態
小範囲で呼吸・意識・全身状態が安定していても、受傷直後は深さを見分けにくいことがあります。水ぶくれ、強い痛み、短時間で広がる赤み、破れた創、汚れの付着、低温熱傷が疑われる場合は早めに評価します。
自分で皮を切らず、清潔に保護。赤み・腫れ・熱感・膿の変化も伝えます。
湯たんぽ、使い捨てカイロ、電気毛布などは、見た目より深い場合があります。
痛みが強くなる、赤みが広がる、膿、悪臭、発熱があるときは次回予約を待ちません。
初診では深さ・範囲・熱源・応急処置を確認します
当院では、初診時にやけどの深さと範囲を正確に評価することを重視しています。特に小さなお子さんの場合、大人と比べて皮膚が薄いため、同じ熱源でもより深い損傷を受けやすい傾向があります。問診の際には、熱源の種類、接触時間、応急処置の内容を詳しく伺い、適切な治療計画を立てるようにしています。
受傷直後は深さが変化することがあり、外観だけで治療、通院回数、治る時期、傷跡の残り方は断定できません。呼吸症状や広範囲熱傷は当院への来院より救急対応を優先します。
当院の診察では、応急処置として「どれくらいの時間、どのように冷やしましたか?」と必ずお伺いしています。冷却が不十分だった場合、やけどの深さが進行しているケースをよく経験するため、初期対応の重要性を患者さまにお伝えしています。
これは医師承認済みの診療経験に基づく院内の確認事項で、冷却が不十分な場合に必ず深くなることを意味しません。ガイドラインと現在の所見を合わせて判断します。
| 確認軸 | 伝える内容 | 診察で見る点 |
|---|---|---|
| 原因と時間 | 熱源、温度、接触時間、受傷時刻 | 深さが進行する可能性 |
| 応急処置 | 冷やし始めた時刻、水温、方法、時間 | 凍傷・低体温も含む皮膚と全身の状態 |
| 範囲と部位 | 手のひらを目安とした大きさ、顔・手・関節など | 後遺症・機能への影響と紹介の必要性 |
| 全身状態 | 呼吸、意識、めまい、発熱、年齢、持病・服薬 | 救急要請・高次医療機関への紹介 |
治療は深さ・範囲・部位と全身状態で選ぶ
医療機関でのやけど治療は、やけどの深さ、範囲、部位、患者さんの年齢や全身状態によって異なります。
当院で特定の処置や手術を必ず行うとは限りません。診断と対応範囲に応じて、創の保護、薬の検討、再診、形成外科や熱傷専門施設への紹介などが変わります。効果、回数、治療期間、傷跡の残り方を受診前に保証しません。
熱傷の深さや治療選択の一般的な解説は、親記事のやけど(熱傷)の応急処置と治療で確認できます。塗り薬・処置の検討点はやけどの治療薬と処置に役割を分け、本ページでは自己判断で薬を選びません。
受診時に伝える時刻・原因・冷却・使用品
診察時点の見え方だけでなく、受傷からの経過が判断に役立ちます。無理に撮影せず、安全を確保できる場合だけ、受傷直後と現在の写真を残します。

- 何時頃、何で、どのくらいの時間やけどしたか
- いつから、どのように、どのくらい冷やしたか
- 油、歯磨き粉、消毒薬、市販薬などを塗ったか
- 水ぶくれができた、破れた、痛みや赤みが強くなったか
- 持病、アレルギー、妊娠の可能性、現在の服薬、お薬手帳
保険資格が確認できるもの、お薬手帳、使用した市販薬の名称が分かるものを持参してください。当日の処置は状態と対応範囲で異なります。
乳幼児のやけどは迷ったら早めに相談
特に小さなお子さんの保護者の方から「少し赤くなっただけだけど、病院に行くべきか迷った」という相談をよく受けます。乳幼児のやけどは進行が早いため、迷ったらまずは受診することをお勧めしています。早期に適切な処置を行うことで、治癒期間を短縮し、痕が残るリスクを減らすことが期待できます。
これは医師承認済みの非集計の診療経験です。「早めに処置すれば必ず短期間で治る、痕が残らない」という保証ではありません。乳幼児で広範囲、顔・口の周囲、呼吸症状、強い痛み、元気がない場合はクリニック予約を待たず119や救急に相談します。
保険適用と費用は診断・処置・処方で異なる
医師が診断・治療に必要と判断した診療は、通常は健康保険の対象です。自己負担額は年齢・負担割合に加え、診察、創処置、被覆材、検査、処方、院外薬局の会計で異なります。本ページでは未確認の定額料金や、当日に必ず処置できるという案内をしません。
- マイナ保険証または資格確認書などを持参する
- 労災や交通事故に関係する場合は受付で伝える
- 診療時間外の緊急対応が必要なら#7119や119を優先する
受傷直後の見た目だけで治療期間を決めない
やけどは時間の経過で深さがはっきりする場合があり、赤みや痛みが軽く見えても再評価が必要なことがあります。通院期間、保護を続ける期間、仕事・入浴・運動の再開時期は、深さ、範囲、部位、感染の有無、全身状態、選ぶ処置で異なります。
適切な処置を行っても、色素沈着、脱色素、盛り上がる傷跡、引きつれが残る場合があります。赤み・腫れ・痛みが強まる、膿、発熱、悪臭があるときは予定した再診を待たず連絡・受診します。
受傷状況と応急処置を伝えて予約
呼吸症状や広範囲熱傷は119を優先し、全身状態が安定した小範囲のやけどは受傷時刻・原因・冷却・症状を共有してください。
特定の処置・当日対応・治療期間・結果を保証する予約導線ではありません。渋谷文化村通り皮膚科へのアクセスと予約
渋谷文化村通り皮膚科
渋谷駅ハチ公出口から徒歩5分
- 住所
- 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2丁目25-6 ホリウチビル3階
- 診療時間
- 11:00〜13:30/15:00〜19:30 (年中無休・年末年始を除く)
電話:03-6681-4181


よくある質問(FAQ)
やけどはどのくらい冷やせばよいですか?
水ぶくれはつぶしてもよいですか?
冷やすときに氷を使ってもよいですか?
救急車を呼ぶ目安はありますか?
皮膚科を受診するときに伝えることは?
やけどの診察は保険適用ですか?
参考文献・公的資料
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長
