Before your visit
ニキビの重症度を、受診前に記録する。
このセルフチェックは診断ではありません。片顔の炎症性皮疹数、しこり、写真、使った薬を同じ条件で記録し、診察で変化を正確に伝えるための5分ガイドです。
院内写真:渋谷文化村通り皮膚科の施術室
answer first
セルフチェックの目的は、診断ではなく「同じ条件で記録すること」です。
日本の4段階分類は片顔の炎症性皮疹数を用いますが、患者本人による判定にはずれが生じます。個数、写真、痛み、しこり、使った薬をそろえておくと、診察時に経過と治療反応を共有しやすくなります。
深いしこり、新しいへこみ、急速な悪化、全身症状、強い心理的負担がある場合は、数え終わるのを待たず受診してください。
five-minute check
5分で、数・写真・薬歴を一つの記録にまとめます。
洗顔後、肌を押さず、明るい場所で確認します。記録は医師へ見せるためのメモです。
条件をそろえる
洗顔後に同じ照明、同じ鏡、同じ時刻帯を選びます。フィルターや美肌補正は使いません。
片顔を数える
左右のうち確認しやすい一方で、盛り上がった赤い丘疹・膿疱を数えます。
別項目を残す
白・黒ニキビ、深いしこり、平らな赤み、へこみ、胸・背中への広がりを別に記録します。
3方向を撮る
正面、右斜め、左斜めを同じ距離と画角で撮ります。比較は週1回程度で十分です。
薬と体調を書く
薬名、頻度、期間、塗り忘れ、刺激、生理周期、睡眠、心理的負担を簡潔に残します。
what to count
盛り上がった炎症は数え、面皰・跡・しこりは分けます。
異なる変化を同じ数字にまとめないことが、経過を見やすくするポイントです。
片顔で数える
現在盛り上がっている赤い丘疹、膿を持つ膿疱を1個ずつ数えます。
- 同じ側の顔で比較する
- 重なって判断しにくければ写真を残す
- 押したり潰したりして確認しない
別欄に記録する
数字に含めなくても、治療判断に重要な所見があります。
- 白ニキビ・黒ニキビ(面皰)
- 深いしこり・嚢腫・強い痛み
- 平らな赤み・茶色い跡・へこみ
- 胸・背中への広がり
4段階の位置づけ:Hayashiらの原著と日本皮膚科学会の基準では、片顔の炎症性皮疹を上記4段階に分けます。[1][4] 基準の詳しい成り立ち、重症度別治療、費用・副作用はニキビの重症度ページに集約しています。
photo record
正面・右斜め・左斜めを、同じ光と距離で撮ります。
写真は色と凹凸、分布の変化を共有する補助資料です。端末内で安全に管理してください。

そろえる4条件
- 窓光または同じ照明
- 顔とカメラの距離
- 正面・左右の角度
- メイク・フィルターなし
避けたい撮り方
- 毎回異なる洗面所や照明
- 顔だけを極端に拡大する
- 美肌補正・色補正をかける
- 画像を第三者と不用意に共有する
米国皮膚科学会は、ピントを合わせ、色や質感が実物に近い写真を撮ること、経過や遠隔相談に活用できることを案内しています。[5] 写真だけで診断は確定しません。
visit memo
7日間メモと薬歴を、診察でそのまま見せられる形に。
完璧な日記は不要です。変化と治療反応を医師が確認できる項目だけを残します。
| 項目 | 記録する内容 | 診察で役立つ理由 |
|---|---|---|
| 炎症性皮疹 | 片顔の個数、増減、膿疱の有無 | 重症度と治療反応を比較する |
| 深い症状 | しこり、痛み、出血、新しいへこみ | 瘢痕リスクと早期受診を判断する |
| 使用したもの | 処方薬、市販薬、化粧品、使用頻度・期間 | 効かなかった理由や刺激を区別する |
| 副作用 | 赤み、皮むけ、かゆみ、腫れ、胃腸症状 | 塗布量・頻度・薬剤の見直しに使う |
| 背景情報 | 妊娠・授乳、既往歴、併用薬、月経との関係 | 使用できない薬や相互作用を確認する |
| 生活への影響 | 学校、仕事、外出、睡眠、気分への影響 | 皮疹数だけでは分からない負担を共有する |
持参するとよいもの:薬手帳、使用中の薬・化粧品が分かる写真、週1回の3方向写真、発症時期と過去の治療期間。妊娠中・妊娠希望・授乳中は必ず診察時に伝えてください。
primary evidence
セルフチェックの有用性と限界を、原著データで確認します。
自己評価は記録に役立ちますが、訓練なしでは医師評価と一致しないことがあります。研究規模と限界も併記します。
日本の4段階基準は片顔の炎症性皮疹数
Hayashiらは日本人患者の皮疹数と写真評価を検討し、片顔0〜5個、6〜20個、21〜50個、51個以上の4区分を報告しました。このページの数え方の根拠です。
- 著者
- Hayashi N, et al.
- 位置づけ
- 重症度基準を作成した原著
短い訓練後に医師との一致率が上昇
タイの大学生77人を対象にしたパイロット研究では、簡易評価の医師との一致率が訓練前48.05%から訓練後79.22%へ上昇しました。数え方を統一する意義を示します。
- 対象
- 77人・単一集団
- 限界
- 小規模で一般化に注意
自己申告だけでは診断用途に不十分
自己申告による顔面ニキビの判定は、皮膚科医評価に対し感度0.55、特異度0.72、κ係数0.26、正分類63%でした。研究者は臨床診断の代替としては不十分と結論づけています。
- 結果
- 一致は限定的
- 使い方
- 経過記録の補助
炎症期と維持期を分けて評価
日本皮膚科学会は急性炎症期を最大3カ月とし、その後の維持期を区別しています。薬名だけでなく、使った期間と頻度を記録する理由になります。
- 発行
- 日本皮膚科学会
- 資料
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023
※研究値は各研究集団の結果であり、すべての患者に同じ精度を保証するものではありません。セルフチェックは診断名や処方を決める検査ではなく、診察時の情報共有に使用します。
when to stop checking
数より優先して、受診する症状があります。
以下に当てはまる場合は、自己判定を続けるより医療機関へ相談してください。
痛いしこり・深い膿
個数が少なくても瘢痕につながることがあるため、早めに評価します。
新しいへこみが増える
活動性ニキビを先に抑える治療計画の見直しが必要です。
胸・背中まで広がる
広い塗布範囲や内服、別の毛包炎との区別を診察で確認します。
強い腫れ・水疱・息苦しさ
使用中の薬を確認し、強いアレルギー症状では直ちに医療機関へ相談します。
学校・仕事・外出がつらい
心理的負担は個数にかかわらず治療判断に含めます。
発熱・関節痛・急激な悪化
潰瘍や出血を伴う急な悪化では、通常予約を待たず当日中に連絡してください。
紹介・緊急性の根拠:NICEは、結節・嚢胞、瘢痕、治療不応、持続する心理的苦痛を専門的評価の検討項目とし、acne fulminansは24時間以内の評価対象としています。[6] 詳細は皮膚科を受診する目安をご覧ください。
after the check
記録の次は、標準治療と当院の選択肢を分けて相談します。
セルフチェックの数字だけで薬や自由診療の適応を決めません。診察で皮疹の種類・範囲・治療歴を確認します。
国内承認薬を基本に治療
アダパレン、過酸化ベンゾイル、配合剤、必要に応じた内服抗菌薬などを、妊娠・授乳、既往歴、副作用を確認して選びます。
- 初期治療の反応を一定期間で評価
- 抗菌薬を漫然と長期使用しない
- 改善後は維持治療へ移行
保険診療で不十分な場合に検討
国内未承認薬や美容施術は、標準的な保険診療と区別し、適応、費用、検査、リスクを説明してから判断します。自由診療は必須ではありません。
- 診察前に適応を断定しない
- 薬剤費だけでなく総額を確認
- 承認状況と副作用を確認
治療の具体的な比較はニキビの薬・保険診療、自由診療の価格は公式料金表で確認できます。
frequently asked questions
ニキビ重症度セルフチェックのよくある質問
数え方、撮影、受診の判断で迷いやすい点をまとめました。
セルフチェックだけでニキビの重症度を確定できますか?
確定できません。片顔の炎症性皮疹数は受診前の記録に役立ちますが、白ニキビ・黒ニキビ、深いしこり、瘢痕、毛包炎など別の病気との区別は診察が必要です。
何を1個として数えますか?
片顔にある、現在盛り上がっている赤い丘疹や膿を持つ膿疱を1個ずつ数えます。平らな赤み・茶色い跡、白ニキビ・黒ニキビは同じ数に含めず、別欄に記録します。
毎日写真を撮った方がよいですか?
日ごとの揺れに振り回されやすいため、通常は週1回程度を目安に、同じ照明・距離・向きで記録すると比較しやすくなります。急に悪化した場合は予定を待たず撮影し、受診してください。
メイクをしたまま撮影してもよいですか?
色や凹凸を比較する目的では、可能なら洗顔後でメイクやフィルターのない状態が分かりやすいです。ただし、無理に強く洗ったり、皮疹を押したりしてから撮影しないでください。
軽症の個数なら受診しなくてもよいですか?
個数だけでは決まりません。痛いしこり、新しいへこみ、急速な悪化、胸や背中への広がり、治療による強い副作用、学校や仕事への強い影響があれば、少ない個数でも相談してください。
受診時に市販薬や化粧品を持参した方がよいですか?
商品名、成分、使った期間、頻度、効果と刺激症状が分かる写真やメモが役立ちます。処方薬は薬手帳や現物を持参し、自己判断で直前に再開・中止せず相談してください。
生理周期や睡眠も記録するべきですか?
悪化との時間的な関係が自分で分かる場合は記録してください。ただし、一つの生活要因だけを原因と断定せず、薬の使用状況や皮疹数と同じ欄で簡潔に残すのがおすすめです。
写真をオンライン診療だけで見せれば十分ですか?
写真は経過共有に役立ちますが、触診や全身の分布、別疾患との区別が必要な場合があります。対面診療が必要かどうかも含め、医療機関の案内に従ってください。
topic cluster
重症度・種類・受診・治療を詳しく調べる
このページは受診前の記録を担当し、診断基準や治療の詳細は専門ページへ分けています。
references
参考文献・一次資料
- Hayashi N, et al. Establishment of grading criteria for acne severity原著論文
- A pilot study of acne self-assessment before and after standardized training原著論文
- Validity of self-reported acne原著論文
- 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」診療ガイドライン
- American Academy of Dermatology: How to take pictures of your skin専門学会情報
- NICE: Acne vulgaris — Recommendations診療ガイドライン
MEDICAL SUPERVISION
監修医師からのメッセージ
主監修医師
倉田 照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長
記録を持って、ニキビを相談する
片顔の炎症性皮疹数、3方向の写真、使用した薬と副作用を確認し、診察所見と合わせて治療計画をご案内します。
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本ページは一般的な医療情報の提供を目的とし、個別の診断・治療に代わるものではありません。
最終確認日:2026-08-18
