ニキビ 荊芥連翹湯

【ニキビ 荊芥連翹湯】|ニキビ荊芥連翹湯の効果とは?皮膚科医が解説

ニキビ荊芥連翹湯の効果とは?皮膚科医が解説

最終更新日: 2026-05-02
📋 この記事のポイント
  • ✓ 荊芥連翹湯はニキビや慢性鼻炎、扁桃炎などに用いられる漢方薬です。
  • ✓ ニキビに対しては炎症を抑え、皮脂分泌のバランスを整える作用が期待されます。
  • ✓ 副作用は比較的少ないですが、体質や他の薬剤との併用には注意が必要です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)とは?

漢方薬荊芥連翹湯のパッケージと有効成分の生薬が並べられた様子
荊芥連翹湯の漢方薬と生薬
荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)は、漢方医学における「清熱解毒(せいねつげどく)」の作用を持つ漢方薬の一つです。主に、体内の過剰な熱を冷まし、炎症を鎮めることを目的として処方されます。具体的には、慢性的な炎症を伴う疾患、特に化膿性の皮膚疾患や鼻炎、扁桃炎などに用いられることが多いです[5]。 この漢方薬は、荊芥(ケイガイ)、連翹(レンギョウ)、黄芩(オウゴン)、黄連(オウレン)など、合計17種類の生薬が配合されており、それぞれの生薬が持つ薬理作用が複合的に働くことで、全身の炎症反応を抑制し、免疫系のバランスを整えると考えられています。当院の皮膚科外来では、特にニキビやアトピー性皮膚炎の患者さまから「漢方薬で体質改善したい」という相談を受けることが多く、その際に荊芥連翹湯が選択肢の一つとして検討されることがあります。
清熱解毒(せいねつげどく)
漢方医学における治療原則の一つで、体内の過剰な熱(炎症)を取り除き、毒素(病原体や炎症性物質)を排出することで、病状を改善させることを指します。

ニキビへの効果と作用メカニズムは?

荊芥連翹湯は、ニキビ治療において炎症を抑え、皮脂のバランスを整えることで効果を発揮すると考えられています。

ニキビに対する具体的な効果

ニキビは、毛穴の詰まり、皮脂の過剰分泌、そしてアクネ菌(Cutibacterium acnes, 旧Propionibacterium acnes)の増殖とそれに伴う炎症が主な原因で発生します。荊芥連翹湯は、これらのニキビの病態に対して多角的にアプローチする可能性があります。
  • 抗炎症作用: 配合されている黄芩、黄連などの生薬には、炎症を鎮める作用があるとされています。これにより、赤く腫れた炎症性ニキビ(赤ニキビ、膿疱)の改善が期待できます[2]
  • 抗菌作用: 一部の研究では、荊芥連翹湯がアクネ菌の増殖を抑制する可能性が示唆されています[1]。これにより、ニキビの悪化を防ぎ、新たなニキビの発生を抑制する効果が期待されます。
  • 皮脂分泌の調整: 漢方医学では、ニキビの原因を「体内の熱」と捉えることがあり、荊芥連翹湯の清熱作用が皮脂の過剰分泌を抑えることにつながると考えられています。
  • 免疫機能の調整: 荊芥連翹湯は、好中球の機能に影響を与え、免疫応答を調整する可能性も報告されています[2]。これにより、ニキビの炎症反応が過剰になるのを防ぐことが期待されます。

臨床における効果の実感

実際の診察では、患者さまから「抗生剤を長く飲み続けるのは抵抗がある」「西洋薬だけでは改善しにくい」といったお声を聞くことがよくあります。そのような場合、荊芥連翹湯を併用することで、炎症が落ち着きやすくなったり、ニキビの発生頻度が減ったりするケースを経験します。特に、顔だけでなく胸や背中にも広がるニキビや、慢性的に炎症を繰り返すニキビに対して、体質改善の一環として処方することがあります。外来で荊芥連翹湯を使用した経験では、効果を実感されるまでに数週間から数ヶ月を要することが多く、継続的な服用が重要になります。
ニキビ治療における荊芥連翹湯の期待される作用主な作用メカニズム
炎症性ニキビの軽減抗炎症作用、免疫調整作用
アクネ菌の増殖抑制抗菌作用
皮脂分泌のバランス調整清熱作用
ニキビの再発予防体質改善、全身状態の調整

用法・用量と服用上の注意点

荊芥連翹湯の服用方法を示す説明書とコップに入った水
服用方法と注意点
荊芥連翹湯は、適切な用法・用量を守り、服用上の注意点を理解することが重要です。

標準的な用法・用量

ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)の場合、添付文書に記載されている標準的な用法・用量は以下の通りです[5]
  • 成人: 1日7.5gを2〜3回に分割し、食前または食間に経口服用します。
  • 小児: 年齢、体重、症状に応じて適宜減量されます。
食前または食間とは、食事の約30分〜1時間前、または食後2〜3時間を指します。これは、漢方薬の成分が胃酸の影響を受けずに吸収されやすくするため、あるいは食事による胃腸への負担を避けるためとされています。粉薬が苦手な患者さまには、少量の水で練ってから服用したり、オブラートに包んで飲んだりする方法を提案することもあります。

服用上の注意点

  • 体質・既往歴: 胃腸が弱い方、下痢を起こしやすい方、高齢者、妊婦または妊娠している可能性のある方、授乳婦などは、服用前に医師や薬剤師に相談が必要です。特に、他の薬剤を服用している場合は、相互作用の可能性もあるため、必ず申告してください。
  • アレルギー: 配合生薬に対して過敏症の既往歴がある場合は服用できません。
  • 症状の悪化: 服用中に症状が悪化したり、新たな症状が現れたりした場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
  • 長期服用: 長期にわたって服用する場合は、定期的に医師の診察を受け、効果と副作用の有無を確認することが推奨されます。
当院では、荊芥連翹湯を処方する際は、患者さまの現在の症状だけでなく、体質や生活習慣、他の服用薬などを詳しく問診で確認しています。特に、漢方薬は個人の体質によって効果や副作用の出方が異なるため、画一的な処方ではなく、患者さま一人ひとりに合った用法を選択するよう心がけています。例えば、胃腸が弱い方には、少量から開始したり、食後に服用するよう指示したりすることもあります。
⚠️ 注意点

漢方薬は、西洋薬と比較して副作用が少ないとされていますが、全くないわけではありません。特に、体質に合わない場合や、誤った用法・用量で服用した場合に副作用が現れることがあります。自己判断での服用は避け、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。

副作用はある?頻度と対処法

荊芥連翹湯の副作用は比較的少ないとされていますが、全くないわけではありません。主な副作用と、万が一副作用が現れた場合の対処法について解説します。

重大な副作用

添付文書には、まれに以下の重大な副作用が報告されています[5]
  • 間質性肺炎: 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)などが現れることがあります。
  • 偽アルドステロン症: 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛、低カリウム血症などが現れることがあります。
  • ミオパチー: 偽アルドステロン症の結果として現れる筋肉の障害で、脱力感、筋肉痛、筋力低下などが特徴です。
  • 肝機能障害、黄疸: 全身倦怠感、食欲不振、発熱、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色になるなどの症状が現れることがあります。
これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。皮膚科の日常診療では、これらの重大な副作用は非常に稀ですが、問診時には必ず患者さまにこれらのリスクについて説明し、異変を感じたらすぐに連絡するよう指導しています。

その他の副作用

比較的頻度の高い副作用としては、以下のようなものが報告されています[5]
  • 消化器系: 食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など。
  • 皮膚: 発疹、かゆみなど。
これらの症状は、服用開始初期に現れることが多く、軽度であれば経過観察で改善することもありますが、症状が続く場合や悪化する場合は、医師または薬剤師に相談してください。当院では、漢方薬を初めて服用する患者さまには、特に服用開始から数週間は体調の変化に注意を払うようお願いし、フォローアップでこれらの症状の有無を確認しています。実際の処方では、胃腸症状を訴える患者さまも少なくありませんが、多くは服用方法の調整や一時的な休薬で対応可能です。

ジェネリック医薬品について

ジェネリック医薬品の錠剤が並べられ、先発薬との比較を示す
ジェネリック医薬品の選択肢
荊芥連翹湯には、ツムラ以外のメーカーからも同様の成分・効果を持つジェネリック医薬品(後発医薬品)が製造・販売されています。

ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品は、先発医薬品(新薬)の特許期間が終了した後に、同じ有効成分、同じ効能・効果で製造・販売される医薬品です。開発費用が抑えられるため、先発医薬品よりも安価に提供されることが特徴です。品質、有効性、安全性は、厚生労働省の厳しい基準をクリアしており、先発医薬品と同等であることが保証されています。

荊芥連翹湯のジェネリック医薬品

ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)は、医療用漢方製剤の代表的な製品ですが、クラシエ、コタロー、オースギなど、複数の漢方薬メーカーから「荊芥連翹湯」として同様の製剤が提供されています。これらは、生薬の配合割合や抽出方法などに若干の違いがある場合もありますが、基本的には同じ効能・効果が期待できます。 当院では、患者さまの希望や経済的な負担を考慮し、ジェネリック医薬品の選択肢も提示しています。実際の診察では、「ジェネリックでも効果は同じですか?」と質問されることがよくあります。その際には、「有効成分や効能効果は同じであり、品質も国によって保証されていますが、製剤によって味や溶けやすさなどが異なる場合があるため、もし服用しにくいと感じたらご相談ください」とお伝えしています。患者さまによっては、特定のメーカーの漢方薬の方が飲みやすいと感じる方もいらっしゃるため、柔軟に対応しています。

荊芥連翹湯に関する患者さまからのご質問

🩺 診察でよく聞かれる質問
Q. 荊芥連翹湯はどれくらいの期間飲み続ける必要がありますか?
A. 漢方薬は体質改善を目指すことが多いため、効果を実感するまでに時間がかかることがあります。ニキビの場合、当院では通常、数週間から数ヶ月の継続服用をおすすめすることが多いです。症状が安定してきたら、減量や休薬を検討しますが、自己判断で中断せず、必ず医師の指示に従ってください。
Q. 他のニキビ治療薬(外用薬や抗生剤)と併用しても大丈夫ですか?
A. はい、多くのケースで併用可能です。当院では、炎症が強いニキビに対しては外用薬や内服の抗生剤と併用し、荊芥連翹湯を補助的に用いることで、治療効果の向上を目指します。ただし、他の薬剤との相互作用がないか確認するため、必ず現在服用しているすべての薬を医師にお伝えください。
Q. 荊芥連翹湯を飲むと眠くなりますか?
A. 荊芥連翹湯には、一般的に眠気を引き起こす成分は含まれていません。そのため、服用によって眠気が生じる可能性は低いと考えられます。もし服用後に眠気を感じるようであれば、他の原因や体調の変化の可能性もありますので、医師にご相談ください。
Q. 妊娠中や授乳中に服用できますか?
A. 妊娠中や授乳中の服用については、安全性が十分に確立されていないため、原則として推奨されません。ただし、医師が必要と判断した場合には、リスクとベネフィットを慎重に考慮した上で処方されることもあります。必ず事前に医師に相談し、指示に従ってください。当院では、妊娠を希望される方や妊娠中の患者さまには、より安全性の高い治療法を優先的に検討します。
Q. 荊芥連翹湯を服用すると、ニキビが悪化することはありますか?
A. ごく稀に、漢方薬の服用初期に「好転反応」として一時的に症状が悪化したように感じることがありますが、これは体質が変化している過程である可能性も指摘されています。しかし、明らかに症状が悪化したり、新たな発疹やかゆみが出たりした場合は、体質に合っていない可能性や副作用の可能性も考えられます。その際はすぐに服用を中止し、当院にご連絡ください。
Q. 漢方薬は味が苦手なのですが、飲みやすくする方法はありますか?
A. 漢方薬特有の苦味や香りが苦手な方は少なくありません。当院では、少量の水でペースト状に練ってから服用したり、オブラートに包んだりする方法をおすすめしています。また、冷たい水よりもぬるま湯で溶かすと飲みやすいと感じる方もいらっしゃいます。どうしても服用が難しい場合は、他の剤形や漢方薬への変更も検討できますので、遠慮なくご相談ください。

まとめ

荊芥連翹湯は、ニキビや慢性鼻炎、扁桃炎など、体内の炎症を鎮める目的で用いられる漢方薬です。特にニキビに対しては、抗炎症作用、抗菌作用、皮脂分泌調整作用などが期待され、西洋薬での治療が難しい場合や、体質改善を目指したい場合に選択肢となります。用法・用量を守り、副作用に注意しながら服用することが重要です。ジェネリック医薬品も存在し、患者さまの状況に応じて選択が可能です。服用に際しては、必ず医師や薬剤師と相談し、自身の体質や既往歴、併用薬などを正確に伝えるようにしてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 荊芥連翹湯は保険適用になりますか?
A. はい、医師が治療上必要と判断し処方した場合、荊芥連翹湯は医療保険が適用されます。そのため、患者さまは自己負担割合に応じた費用で服用することができます。
Q. 荊芥連翹湯はどこで購入できますか?
A. 医療用医薬品であるツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒は、医師の診察を受け、処方箋に基づいて薬局で受け取ることができます。市販薬としても一部の漢方薬局やドラッグストアで販売されている場合がありますが、医療用とは成分量や配合が異なる場合があるため、医師の診断のもとで処方されたものを使用することをおすすめします。
Q. 荊芥連翹湯の服用で、体質が改善されるとは具体的にどういうことですか?
A. 漢方医学における体質改善とは、単に症状を抑えるだけでなく、その症状を引き起こしている体全体のバランスの乱れを整えることを指します。荊芥連翹湯の場合、体内の過剰な熱や炎症体質を改善し、免疫機能や代謝のバランスを整えることで、ニキビができにくい体質へと導くことが期待されます。これにより、症状の根本的な改善や再発予防につながると考えられています。
この記事の監修医
👨‍⚕️
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長