ニキビ荊芥連翹湯の効果とは?皮膚科医が解説
最終更新日: 2026-05-02
📋 この記事のポイント
- ✓ 荊芥連翹湯はニキビや慢性鼻炎、扁桃炎などに用いられる漢方薬です。
- ✓ ニキビに対しては炎症を抑え、皮脂分泌のバランスを整える作用が期待されます。
- ✓ 副作用は比較的少ないですが、体質や他の薬剤との併用には注意が必要です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。
📑 目次
荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)とは?

- 清熱解毒(せいねつげどく)
- 漢方医学における治療原則の一つで、体内の過剰な熱(炎症)を取り除き、毒素(病原体や炎症性物質)を排出することで、病状を改善させることを指します。
ニキビへの効果と作用メカニズムは?
荊芥連翹湯は、ニキビ治療において炎症を抑え、皮脂のバランスを整えることで効果を発揮すると考えられています。ニキビに対する具体的な効果
ニキビは、毛穴の詰まり、皮脂の過剰分泌、そしてアクネ菌(Cutibacterium acnes, 旧Propionibacterium acnes)の増殖とそれに伴う炎症が主な原因で発生します。荊芥連翹湯は、これらのニキビの病態に対して多角的にアプローチする可能性があります。- 抗炎症作用: 配合されている黄芩、黄連などの生薬には、炎症を鎮める作用があるとされています。これにより、赤く腫れた炎症性ニキビ(赤ニキビ、膿疱)の改善が期待できます[2]。
- 抗菌作用: 一部の研究では、荊芥連翹湯がアクネ菌の増殖を抑制する可能性が示唆されています[1]。これにより、ニキビの悪化を防ぎ、新たなニキビの発生を抑制する効果が期待されます。
- 皮脂分泌の調整: 漢方医学では、ニキビの原因を「体内の熱」と捉えることがあり、荊芥連翹湯の清熱作用が皮脂の過剰分泌を抑えることにつながると考えられています。
- 免疫機能の調整: 荊芥連翹湯は、好中球の機能に影響を与え、免疫応答を調整する可能性も報告されています[2]。これにより、ニキビの炎症反応が過剰になるのを防ぐことが期待されます。
臨床における効果の実感
実際の診察では、患者さまから「抗生剤を長く飲み続けるのは抵抗がある」「西洋薬だけでは改善しにくい」といったお声を聞くことがよくあります。そのような場合、荊芥連翹湯を併用することで、炎症が落ち着きやすくなったり、ニキビの発生頻度が減ったりするケースを経験します。特に、顔だけでなく胸や背中にも広がるニキビや、慢性的に炎症を繰り返すニキビに対して、体質改善の一環として処方することがあります。外来で荊芥連翹湯を使用した経験では、効果を実感されるまでに数週間から数ヶ月を要することが多く、継続的な服用が重要になります。| ニキビ治療における荊芥連翹湯の期待される作用 | 主な作用メカニズム |
|---|---|
| 炎症性ニキビの軽減 | 抗炎症作用、免疫調整作用 |
| アクネ菌の増殖抑制 | 抗菌作用 |
| 皮脂分泌のバランス調整 | 清熱作用 |
| ニキビの再発予防 | 体質改善、全身状態の調整 |
用法・用量と服用上の注意点

標準的な用法・用量
ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)の場合、添付文書に記載されている標準的な用法・用量は以下の通りです[5]。- 成人: 1日7.5gを2〜3回に分割し、食前または食間に経口服用します。
- 小児: 年齢、体重、症状に応じて適宜減量されます。
服用上の注意点
- 体質・既往歴: 胃腸が弱い方、下痢を起こしやすい方、高齢者、妊婦または妊娠している可能性のある方、授乳婦などは、服用前に医師や薬剤師に相談が必要です。特に、他の薬剤を服用している場合は、相互作用の可能性もあるため、必ず申告してください。
- アレルギー: 配合生薬に対して過敏症の既往歴がある場合は服用できません。
- 症状の悪化: 服用中に症状が悪化したり、新たな症状が現れたりした場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
- 長期服用: 長期にわたって服用する場合は、定期的に医師の診察を受け、効果と副作用の有無を確認することが推奨されます。
⚠️ 注意点
漢方薬は、西洋薬と比較して副作用が少ないとされていますが、全くないわけではありません。特に、体質に合わない場合や、誤った用法・用量で服用した場合に副作用が現れることがあります。自己判断での服用は避け、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。
副作用はある?頻度と対処法
荊芥連翹湯の副作用は比較的少ないとされていますが、全くないわけではありません。主な副作用と、万が一副作用が現れた場合の対処法について解説します。重大な副作用
添付文書には、まれに以下の重大な副作用が報告されています[5]。- 間質性肺炎: 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)などが現れることがあります。
- 偽アルドステロン症: 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛、低カリウム血症などが現れることがあります。
- ミオパチー: 偽アルドステロン症の結果として現れる筋肉の障害で、脱力感、筋肉痛、筋力低下などが特徴です。
- 肝機能障害、黄疸: 全身倦怠感、食欲不振、発熱、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色になるなどの症状が現れることがあります。
その他の副作用
比較的頻度の高い副作用としては、以下のようなものが報告されています[5]。- 消化器系: 食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など。
- 皮膚: 発疹、かゆみなど。
ジェネリック医薬品について

ジェネリック医薬品とは?
ジェネリック医薬品は、先発医薬品(新薬)の特許期間が終了した後に、同じ有効成分、同じ効能・効果で製造・販売される医薬品です。開発費用が抑えられるため、先発医薬品よりも安価に提供されることが特徴です。品質、有効性、安全性は、厚生労働省の厳しい基準をクリアしており、先発医薬品と同等であることが保証されています。荊芥連翹湯のジェネリック医薬品
ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)は、医療用漢方製剤の代表的な製品ですが、クラシエ、コタロー、オースギなど、複数の漢方薬メーカーから「荊芥連翹湯」として同様の製剤が提供されています。これらは、生薬の配合割合や抽出方法などに若干の違いがある場合もありますが、基本的には同じ効能・効果が期待できます。 当院では、患者さまの希望や経済的な負担を考慮し、ジェネリック医薬品の選択肢も提示しています。実際の診察では、「ジェネリックでも効果は同じですか?」と質問されることがよくあります。その際には、「有効成分や効能効果は同じであり、品質も国によって保証されていますが、製剤によって味や溶けやすさなどが異なる場合があるため、もし服用しにくいと感じたらご相談ください」とお伝えしています。患者さまによっては、特定のメーカーの漢方薬の方が飲みやすいと感じる方もいらっしゃるため、柔軟に対応しています。荊芥連翹湯に関する患者さまからのご質問
🩺 診察でよく聞かれる質問
Q. 荊芥連翹湯はどれくらいの期間飲み続ける必要がありますか?
A. 漢方薬は体質改善を目指すことが多いため、効果を実感するまでに時間がかかることがあります。ニキビの場合、当院では通常、数週間から数ヶ月の継続服用をおすすめすることが多いです。症状が安定してきたら、減量や休薬を検討しますが、自己判断で中断せず、必ず医師の指示に従ってください。
Q. 他のニキビ治療薬(外用薬や抗生剤)と併用しても大丈夫ですか?
A. はい、多くのケースで併用可能です。当院では、炎症が強いニキビに対しては外用薬や内服の抗生剤と併用し、荊芥連翹湯を補助的に用いることで、治療効果の向上を目指します。ただし、他の薬剤との相互作用がないか確認するため、必ず現在服用しているすべての薬を医師にお伝えください。
Q. 荊芥連翹湯を飲むと眠くなりますか?
A. 荊芥連翹湯には、一般的に眠気を引き起こす成分は含まれていません。そのため、服用によって眠気が生じる可能性は低いと考えられます。もし服用後に眠気を感じるようであれば、他の原因や体調の変化の可能性もありますので、医師にご相談ください。
Q. 妊娠中や授乳中に服用できますか?
A. 妊娠中や授乳中の服用については、安全性が十分に確立されていないため、原則として推奨されません。ただし、医師が必要と判断した場合には、リスクとベネフィットを慎重に考慮した上で処方されることもあります。必ず事前に医師に相談し、指示に従ってください。当院では、妊娠を希望される方や妊娠中の患者さまには、より安全性の高い治療法を優先的に検討します。
Q. 荊芥連翹湯を服用すると、ニキビが悪化することはありますか?
A. ごく稀に、漢方薬の服用初期に「好転反応」として一時的に症状が悪化したように感じることがありますが、これは体質が変化している過程である可能性も指摘されています。しかし、明らかに症状が悪化したり、新たな発疹やかゆみが出たりした場合は、体質に合っていない可能性や副作用の可能性も考えられます。その際はすぐに服用を中止し、当院にご連絡ください。
Q. 漢方薬は味が苦手なのですが、飲みやすくする方法はありますか?
A. 漢方薬特有の苦味や香りが苦手な方は少なくありません。当院では、少量の水でペースト状に練ってから服用したり、オブラートに包んだりする方法をおすすめしています。また、冷たい水よりもぬるま湯で溶かすと飲みやすいと感じる方もいらっしゃいます。どうしても服用が難しい場合は、他の剤形や漢方薬への変更も検討できますので、遠慮なくご相談ください。
まとめ
荊芥連翹湯は、ニキビや慢性鼻炎、扁桃炎など、体内の炎症を鎮める目的で用いられる漢方薬です。特にニキビに対しては、抗炎症作用、抗菌作用、皮脂分泌調整作用などが期待され、西洋薬での治療が難しい場合や、体質改善を目指したい場合に選択肢となります。用法・用量を守り、副作用に注意しながら服用することが重要です。ジェネリック医薬品も存在し、患者さまの状況に応じて選択が可能です。服用に際しては、必ず医師や薬剤師と相談し、自身の体質や既往歴、併用薬などを正確に伝えるようにしてください。お近くのグループクリニック
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よくある質問(FAQ)
📖 参考文献
- Shuichi Higaki, Motokazu Nakamura, Masaaki Morohashi et al.. Propionibacterium acnes biotypes and susceptibility to minocycline and Keigai-rengyo-to.. International journal of dermatology. 2004. PMID: 15125499. DOI: 10.1111/j.1365-4632.2004.01887.x
- H Akamatsu, Y Asada, T Horio. Effect of keigai-rengyo-to, a Japanese kampo medicine, on neutrophil functions: a possible mechanism of action of keigai-rengyo-to in acne.. The Journal of international medical research. 1998. PMID: 9364288. DOI: 10.1177/030006059702500503
- Kyu Seok Kim, Yoon-Bum Kim. Anti-inflammatory effect of Keigai-rengyo-to extract and acupuncture in male patients with acne vulgaris: a randomized controlled pilot trial.. Journal of alternative and complementary medicine (New York, N.Y.). 2012. PMID: 22594649. DOI: 10.1089/acm.2011.0218
- Kyu Seok Kim, Yoon-Bum Kim. Interaction and efficacy of Keigai-rengyo-to extract and acupuncture in male patients with acne vulgaris: a study protocol for a randomized controlled pilot trial.. Trials. 2011. PMID: 21418585. DOI: 10.1186/1745-6215-12-82
- 荊芥連翹湯 添付文書 – PMDA(医薬品医療機器総合機構)
🏛️ ガイドライン・公的資料
この記事の監修医
👨⚕️
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長
