- ✓ ハイフは超音波エネルギーで皮膚の深層に作用し、たるみ改善や引き締め効果が期待できる治療法です。
- ✓ 施術後のダウンタイムは比較的短いですが、赤み、腫れ、痛み、内出血などの症状が一時的に現れることがあります。
- ✓ 施術後の効果を最大限に引き出し、合併症を避けるためには、適切なスキンケアと生活習慣の注意が重要です。
ハイフ(HIFU: High-Intensity Focused Ultrasound)は、高密度焦点式超音波を用いた美容医療で、メスを使わずにたるみやしわの改善、肌の引き締めを目指す治療法です。超音波エネルギーを皮膚の深層に集束させることで、熱凝固点を作り、コラーゲンの生成を促進し、組織を引き締めます[1]。この治療は、顔だけでなく、ボディの引き締めにも応用されています[4]。
しかし、どのような医療行為にも言えることですが、施術を受ける際には、効果だけでなく、施術後の注意点やダウンタイムについて十分に理解しておくことが重要です。この記事では、ハイフ施術後の具体的な注意点やダウンタイムの症状、そしてそれらへの対処法について詳しく解説します。
ハイフ(HIFU)とはどのような治療法ですか?

ハイフは、皮膚の深部に熱エネルギーを届けることで、組織の引き締めとコラーゲン生成を促す非侵襲的な治療法です。この技術は、もともと前立腺がんの治療などにも用いられていた高密度焦点式超音波の原理を応用したものです[3]。美容医療においては、特定の深さ(通常1.5mm、3.0mm、4.5mmなど)に超音波を集中させることで、皮膚の真皮層やSMAS(スマス)層に熱凝固点を形成します。この熱によるダメージが、創傷治癒のプロセスを活性化させ、新しいコラーゲンやエラスチンの生成を促し、たるんだ組織を内側から引き締める効果をもたらします[2]。
当院では、患者さまの肌の状態やたるみの程度に合わせて、使用するカートリッジの深さを細かく調整しています。特に、ほうれい線やフェイスラインのたるみを気にされる患者さまが多く、診察の中でSMAS層へのアプローチが重要だと実感しています。
- SMAS(スマス)層
- SMAS(Superficial Musculoaponeurotic System)層とは、皮膚の下にある表在性筋膜系のことです。表情筋と脂肪組織を覆っており、顔のたるみに大きく関与しています。ハイフはこのSMAS層に直接熱エネルギーを届けることで、外科的なリフトアップ手術に近い引き締め効果を非侵襲的に実現できるとされています。
ハイフの主な効果とは?
ハイフ治療によって期待できる主な効果は以下の通りです。
- たるみの改善: フェイスラインの引き締め、頬や顎下のたるみ改善。
- しわの軽減: ほうれい線、マリオネットライン、目元の小じわなどの改善。
- 肌質の改善: コラーゲン生成促進による肌のハリ・弾力アップ、毛穴の引き締め。
- 小顔効果: 脂肪層へのアプローチにより、顔全体のボリュームダウン。
これらの効果は、施術直後からわずかに感じられることもありますが、コラーゲンが徐々に生成されるため、通常は1〜3ヶ月かけてより顕著になります。治療を始めて2〜3ヶ月ほどで「フェイスラインがすっきりした」「肌にハリが出た」とおっしゃる方が多いです。
ハイフ施術後のダウンタイムの症状と期間は?
ハイフはメスを使わない非侵襲的な治療であるため、一般的にダウンタイムは比較的短いとされています。しかし、個人差や施術部位、出力設定によって、以下のような症状が一時的に現れることがあります[2]。
一般的なダウンタイムの症状
- 赤み(紅斑): 施術直後から数時間〜1日程度、肌に赤みが出ることがあります。これは熱エネルギーによる一時的な反応です。
- 腫れ(浮腫): 軽度の腫れやむくみが数日〜1週間程度続くことがあります。特に、脂肪層が薄い部位や、敏感な肌の方に現れやすい傾向があります。
- 痛み・違和感: 施術中に感じる痛みとは別に、施術後に鈍い痛みや筋肉痛のような違和感が数日〜1週間程度続くことがあります。特に顎のラインや骨に近い部分に感じやすいです。
- 内出血: 稀に、超音波が血管に触れることで小さな内出血が生じることがあります。通常は1〜2週間程度で自然に吸収されます。
- しびれ・感覚鈍麻: ごく稀に、神経に一時的な影響が出ることにより、しびれや感覚の鈍麻を感じることがありますが、ほとんどの場合、数週間〜数ヶ月で回復します。
これらの症状は、ほとんどが一時的なもので、日常生活に大きな支障をきたすことは少ないです。しかし、症状が長引く場合や悪化する場合は、速やかに施術を受けた医療機関に相談してください。
当院では、施術後のフォローアップで、副作用の有無だけでなく、治療を継続できているか、効果の実感があるかを確認するようにしています。「施術後に少し鈍痛が続いたけれど、数日で気にならなくなった」という声もよく聞かれます。
ダウンタイムの症状や期間には個人差があります。施術前に医師と十分に相談し、リスクと期待される効果を理解することが重要です。
ダウンタイムの期間はどのくらい?
ハイフのダウンタイムは、一般的に以下の期間で落ち着くことが多いです。
- 赤み: 数時間〜1日
- 腫れ・むくみ: 数日〜1週間
- 鈍い痛み・違和感: 数日〜1週間
- 内出血: 1〜2週間(稀に発生)
ほとんどの症状は1週間以内に落ち着き、メイクでカバーできる程度のものが多いため、日常生活に大きな支障をきたすことは少ないでしょう。しかし、重要なイベントを控えている場合は、余裕を持って施術を受けることをお勧めします。
ハイフ施術後の注意点と過ごし方

ハイフ施術後のダウンタイムを最小限に抑え、効果を最大限に引き出すためには、いくつかの注意点があります。適切なアフターケアを行うことで、肌の回復を助け、合併症のリスクを低減できます。
施術後のスキンケアのポイントは?
施術後の肌はデリケートな状態にあるため、丁寧なスキンケアが求められます。
- 保湿を徹底する: 施術後は肌のバリア機能が一時的に低下し、乾燥しやすくなります。高保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸など)を配合した化粧水や乳液、クリームでしっかりと保湿しましょう。
- 紫外線対策を怠らない: 施術後の肌は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止め(SPF30以上推奨)を毎日使用し、帽子や日傘などで物理的な遮光も心がけましょう。
- 摩擦を避ける: 洗顔時やスキンケアの際は、肌をゴシゴシ擦らず、優しく触れるようにしましょう。ピーリングやスクラブなどの刺激の強いケアは、1週間程度控えるのが賢明です。
- メイクはいつから可能?: 施術直後からメイクは可能ですが、肌に赤みや腫れがある場合は、刺激の少ないミネラルファンデーションなどを使用し、厚塗りは避けましょう。
当院では、施術後の患者さまには、刺激の少ない医療機関専売の保湿剤や日焼け止めをお勧めすることがあります。特に乾燥が気になる方には、保湿パックの使用も推奨しています。
日常生活で気をつけるべきことは?
施術後の日常生活においても、いくつかの注意点があります。
- 飲酒・喫煙: 飲酒は血行を促進し、腫れや内出血を悪化させる可能性があるため、施術後数日間は控えることが推奨されます。喫煙は肌の回復を遅らせるため、できる限り避けましょう。
- 激しい運動・入浴: 施術当日は、血行が良くなる激しい運動や長時間の入浴(シャワーは可)は避け、安静に過ごしましょう。翌日以降、症状が落ち着いていれば徐々に再開しても問題ありません。
- マッサージ: 施術後1ヶ月程度は、施術部位への強いマッサージは避けましょう。熱凝固点が形成された組織が回復する過程で、刺激を与えるとかえって効果を損なう可能性があります。
- 食生活: バランスの取れた食事を心がけ、特にコラーゲン生成に必要なタンパク質やビタミンCを積極的に摂取すると良いでしょう。
問診の際に患者さまの生活習慣を詳しく伺うようにしており、特に飲酒や喫煙の習慣がある方には、施術後の過ごし方についてより丁寧に説明を行っています。
ハイフ施術後に起こりうる合併症と対処法は?
ハイフは比較的安全な治療法ですが、稀に合併症が起こる可能性もゼロではありません。主な合併症とその対処法について理解しておくことが重要です。
どのような合併症が起こりえますか?
ハイフ施術後に起こりうる合併症としては、以下のようなものが挙げられます[2]。
- やけど(熱傷): 施術者の技術不足や機器の不具合、肌の状態によっては、皮膚表面にやけどが生じることがあります。
- 神経損傷: ごく稀に、顔面神経などの神経に超音波が影響し、一時的な麻痺やしびれが生じることがあります。ほとんどの場合、時間とともに回復しますが、重度の場合は専門的な治療が必要になることもあります。
- 色素沈着: 炎症後色素沈着として、施術部位が一時的に茶色っぽくなることがあります。紫外線対策を怠ると悪化する可能性があります。
- しこり・硬結: 皮膚の深層に熱凝固点ができることで、一時的にしこりや硬結を感じることがありますが、時間とともに自然に吸収されます。
合併症が起こった場合の対処法は?
万が一、上記のような合併症や、通常とは異なる強い症状が現れた場合は、速やかに施術を受けた医療機関に連絡し、診察を受けることが最も重要です。自己判断で市販薬を使用したり、放置したりすることは避けましょう。
当院では、施術前に合併症のリスクについて十分に説明し、患者さまが不安なく治療を受けられるよう努めています。また、施術後には必ず連絡先をお伝えし、何か異常があった際にはいつでも相談できる体制を整えています。
| 症状 | 一般的なダウンタイム | 合併症の可能性 |
|---|---|---|
| 赤み | 数時間〜1日、軽度 | 強い赤み、水ぶくれ(やけど) |
| 腫れ・むくみ | 数日〜1週間、軽度 | 広範囲の強い腫れ、硬結 |
| 痛み・違和感 | 数日〜1週間、鈍痛 | 持続する強い痛み、しびれ、麻痺 |
| 内出血 | 稀に発生、1〜2週間で消失 | 広範囲にわたる強い内出血 |
ハイフ施術を受ける医療機関選びのポイント

ハイフ治療は、機器の性能だけでなく、施術を行う医師やスタッフの技術と経験が結果を大きく左右します。適切な医療機関を選ぶことが、安全で効果的な治療を受けるための鍵となります。
どのような医療機関を選ぶべきですか?
医療機関を選ぶ際には、以下のポイントに注目しましょう。
- 医師の経験と知識: ハイフ治療に関する十分な知識と豊富な施術経験を持つ医師が在籍しているかを確認しましょう。解剖学的な知識に基づき、適切な深さや出力で照射できることが重要です。
- カウンセリングの質: 施術前のカウンセリングで、患者さまの悩みや希望を丁寧に聞き、肌の状態を正確に診断し、期待できる効果やリスク、ダウンタイムについて詳しく説明してくれる医療機関を選びましょう。
- アフターフォロー体制: 施術後のダウンタイムの症状や合併症に対して、適切なアドバイスや処置ができる体制が整っているかを確認しましょう。
- 使用機器の種類: 医療用のハイフ機器は複数種類あります。ご自身の悩みに適した機器を導入しているか、また、その機器について詳しく説明してくれるかどうかも確認ポイントです。
初診時に「以前他院でハイフを受けたけれど、効果が感じられなかった」と相談される患者さまも少なくありません。そのような場合、当院ではまず、なぜ効果が感じられなかったのか、施術時の状況や使用機器について詳しく問診し、患者さまの肌の状態を丁寧に診察した上で、最適な治療プランをご提案するようにしています。
まとめ
ハイフは、メスを使わずにたるみやしわの改善、肌の引き締めが期待できる魅力的な美容医療です。ダウンタイムは比較的短く、日常生活への影響も少ないとされていますが、赤み、腫れ、痛みなどの症状が一時的に現れることがあります。施術後の適切なスキンケアや生活習慣の注意、そして万が一の合併症への理解と対処法を知っておくことが、安全かつ効果的に治療を受ける上で非常に重要です。信頼できる医療機関で、経験豊富な医師によるカウンセリングを受け、ご自身の肌の状態や期待する効果について十分に相談した上で、納得して治療に臨むようにしましょう。
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よくある質問(FAQ)
- E J Ko, J Y Hong, T-R Kwon et al.. Efficacy and safety of non-invasive body tightening with high-intensity focused ultrasound (HIFU).. Skin research and technology : official journal of International Society for Bioengineering and the Skin (ISBS) [and] International Society for Digital Imaging of Skin (ISDIS) [and] International Society for Skin Imaging (ISSI). 2018. PMID: 28543777. DOI: 10.1111/srt.12371
- Natalia Welc, Michał Owczarek, Magdalena Jałowska et al.. High-Intensity Focused Ultrasound-Application, Effects and Complications.. The Australasian journal of dermatology. 2025. PMID: 40095285. DOI: 10.1111/ajd.14454
- Luca F Valle, Eric J Lehrer, Daniela Markovic et al.. A Systematic Review and Meta-analysis of Local Salvage Therapies After Radiotherapy for Prostate Cancer (MASTER).. European urology. 2022. PMID: 33309278. DOI: 10.1016/j.eururo.2020.11.010
- Diala Haykal, Sonja Sattler, Ines Verner et al.. A Systematic Review of High-Intensity Focused Ultrasound in Skin Tightening and Body Contouring.. Aesthetic surgery journal. 2025. PMID: 40184185. DOI: 10.1093/asj/sjaf053
- アルツディスポ(ヒアルロン)添付文書(JAPIC)
