マッサージピール・ミラノリピールの効果|医師が解説
- ✓ マッサージピールとミラノリピールは、肌のハリ・ツヤ改善や小じわ・毛穴の目立ち軽減に期待できる治療法です。
- ✓ 主成分であるTCAが真皮層に作用し、コラーゲン生成を促進することで肌の若返りを促します。
- ✓ 施術後のダウンタイムは比較的短く、定期的な施術で効果の維持が期待できます。
マッサージピール(PRX-T33)とミラノリピール(BioRePeelCl3)は、どちらも「コラーゲンピール」とも呼ばれるケミカルピーリングの一種で、肌のハリやツヤの改善、小じわの軽減、毛穴の目立ちの改善などに効果が期待される美容医療施術です。これらの施術は、肌の表面だけでなく真皮層に働きかけ、コラーゲン生成を促進することで、肌の若返りを図ります。
マッサージピール・ミラノリピールの基礎知識

マッサージピールとミラノリピールは、肌のハリや弾力を取り戻し、若々しい印象を与えることを目指す治療法です。主な成分であるトリクロロ酢酸(TCA)が、肌の深層に作用してコラーゲンの生成を促します。
マッサージピール(PRX-T33)とは?そのメカニズム
マッサージピール(PRX-T33)は、イタリアのWiQo Med社が開発したピーリング剤で、トリクロロ酢酸(TCA)33%、過酸化水素(H2O2)、コウジ酸を主成分とする製剤です[1]。TCAは古くからピーリング剤として使用されてきましたが、濃度が高いと強い剥離作用やダウンタイムが問題となることがありました。PRX-T33では、TCAに過酸化水素を配合することで、TCAのピーリング作用を抑えつつ、真皮層への浸透を促進し、コラーゲン生成を刺激するメカニズムが特徴です[1]。
- トリクロロ酢酸(TCA)33%:真皮層の線維芽細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進します。これにより、肌のハリや弾力が高まり、小じわやたるみの改善が期待されます。
- 過酸化水素(H2O2):TCAの強い剥離作用を中和し、肌表面へのダメージを抑えます。また、真皮への浸透を助ける役割も果たします。
- コウジ酸5%:メラニン生成を抑制する作用があり、シミやくすみの改善、肌のトーンアップに寄与します[2]。
これらの成分が相乗的に作用することで、肌のターンオーバーを促し、真皮層のコラーゲン産生を活性化させ、肌の内部から若返りを図ります。当院では、施術を重ねるごとに「肌がふっくらして、化粧ノリが良くなった」とおっしゃる患者さまが多くいらっしゃいます。
ミラノリピール(BioRePeelCl3)とは?そのメカニズム
ミラノリピール(BioRePeelCl3)は、イタリアのCmed Aesthetic社が開発したピーリング剤で、TCAを主成分としつつ、複数の酸とアミノ酸、ビタミンを配合している点が特徴です[3]。マッサージピールと同様に、TCAの真皮刺激作用を活かしつつ、肌への負担を軽減するように設計されています。
- トリクロロ酢酸(TCA)35%:マッサージピールよりも高濃度のTCAが配合されており、より強力なコラーゲン生成促進作用が期待されます。
- ラクトビオン酸、サリチル酸、タルトル酸、クエン酸:これらの酸が角質除去、保湿、抗酸化作用など多角的に肌に働きかけます。
- アミノ酸(グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン):コラーゲンの構成要素であり、肌の再生をサポートします。
- ビタミン(ビタミンC、B2):抗酸化作用や美白作用、肌の代謝促進作用を持ちます。
- ガンマアミノ酪酸(GABA):肌のバリア機能をサポートし、鎮静効果も期待されます。
ミラノリピールは、これらの多様な成分が複合的に作用することで、TCAによる真皮刺激効果を最大限に引き出しつつ、肌への刺激を緩和し、より幅広い肌悩みに対応できるよう設計されています。当院の診察では、特に毛穴の開きや肌のざらつきを気にされる患者さまに、ミラノリピールをおすすめすることがあります。治療を始めて数回で「肌のキメが整ってきた」というお声をいただくことも少なくありません。
マッサージピールとミラノリピールの主な効果とは?
マッサージピールとミラノリピールは、どちらもコラーゲン生成を促進することで、以下のような効果が期待されます。
- 肌のハリ・弾力アップ:真皮層のコラーゲンやエラスチンの生成が促進されることで、肌の内部からハリと弾力が向上します。
- 小じわ・たるみの改善:肌のハリが回復することで、表情じわや乾燥による小じわ、軽度のたるみが目立ちにくくなることが期待されます。
- 肌のトーンアップ・透明感向上:古い角質の除去やコウジ酸(マッサージピール)、ビタミンC(ミラノリピール)の作用により、くすみが改善され、肌全体が明るくなる効果が期待できます。
- 毛穴の目立ち軽減:肌のターンオーバーが促進され、毛穴の詰まりが改善されることで、毛穴が引き締まり目立ちにくくなることが期待されます。
- ニキビ跡・色素沈着の改善:肌の再生が促されることで、軽度のニキビ跡や炎症後色素沈着の改善にも寄与する可能性があります。
これらの効果は、1回の施術で実感できることもありますが、多くの場合、複数回の継続的な施術によってより顕著になります。当院では、患者さまの肌の状態や目標に合わせて、適切な施術回数や間隔をご提案しています。
2つのコラーゲンピールの違いと選び方とは?
マッサージピールとミラノリピールは、どちらもTCAを主成分とするコラーゲンピールですが、成分構成や作用機序に若干の違いがあります。以下に主な違いをまとめました。
| 項目 | マッサージピール(PRX-T33) | ミラノリピール(BioRePeelCl3) |
|---|---|---|
| 主成分 | TCA 33%、過酸化水素、コウジ酸 | TCA 35%、ラクトビオン酸、サリチル酸、タルトル酸、クエン酸、アミノ酸、ビタミンなど |
| 作用の特徴 | TCAの真皮刺激と過酸化水素による剥離作用抑制、コウジ酸による美白 | 高濃度TCAと複数の酸、アミノ酸、ビタミンによる多角的な肌再生・保護 |
| 期待できる効果 | ハリ・ツヤ、小じわ、くすみ、肝斑 | ハリ・ツヤ、小じわ、毛穴、ニキビ跡、肌質改善 |
| 刺激感 | 比較的マイルド | マッサージピールよりやや強い刺激を感じる場合がある |
| ダウンタイム | ほとんどなし〜軽度の赤み、乾燥 | ほとんどなし〜軽度の赤み、乾燥、薄い皮むけ |
どちらの施術を選ぶかは、患者さまの肌の状態、お悩みの種類、期待する効果、肌の敏感さなどによって異なります。例えば、シミやくすみが気になる方にはコウジ酸を含むマッサージピールが適している場合があります。一方、毛穴の開きやニキビ跡、より強力な肌質改善を求める方には、ミラノリピールが選択肢となるでしょう。当院では、初診時に患者さまの肌を詳しく診察し、ご希望を丁寧に伺った上で、最適な施術をご提案しています。特に敏感肌の方には、刺激感を考慮し、よりマイルドな施術から始めることもあります。
- コラーゲンピール
- 肌の真皮層に働きかけ、コラーゲンやエラスチンの生成を促進することで、肌のハリや弾力を改善し、小じわやたるみを軽減する目的で行われるケミカルピーリングの一種です。主にトリクロロ酢酸(TCA)を主成分とする製剤が使用されます。
施術の流れと注意点
マッサージピールやミラノリピールの施術は、一般的に以下のような流れで進行します。
- カウンセリング・診察:医師が患者さまの肌の状態、既往歴、アレルギーなどを確認し、施術の適応を判断します。期待できる効果やリスク、ダウンタイムについて詳しく説明します。
- 洗顔:メイクや皮脂を丁寧に落とし、肌を清潔な状態にします。
- 薬剤塗布:ピーリング剤を顔全体に塗布し、マッサージしながら肌になじませます。この際、ピリピリとした刺激感や熱感を感じることがあります。
- 拭き取り・冷却:規定の時間(通常数分)が経過したら、薬剤を丁寧に拭き取り、必要に応じて肌を冷却します。
- 保湿・鎮静:施術後のデリケートな肌を保護するため、保湿剤や鎮静作用のあるクリームを塗布します。
施術後の注意点としては、以下の点が挙げられます。
施術後は肌が非常にデリケートになるため、紫外線対策を徹底し、保湿を十分に行うことが重要です。また、一時的に赤みや乾燥、薄い皮むけが生じることがありますが、通常数日で落ち着きます。刺激の強いスキンケア製品の使用は避け、医師の指示に従ってください。
当院では、施術後のフォローアップで、副作用の有無だけでなく、治療を継続できているか、効果の実感があるかを確認するようにしています。特に、日焼け止めや保湿剤の選び方についても、患者さま一人ひとりの肌質に合わせてアドバイスを行っています。
まとめ

マッサージピールとミラノリピールは、肌のハリ・ツヤの改善、小じわ・毛穴の目立ちの軽減、肌のトーンアップなどに効果が期待できるコラーゲンピールです。どちらの施術も、トリクロロ酢酸(TCA)を主成分とし、真皮層のコラーゲン生成を促進することで、肌の若返りを図ります。マッサージピールは過酸化水素とコウジ酸を配合し、美白効果も期待できる一方、ミラノリピールは高濃度TCAに加えて複数の酸、アミノ酸、ビタミンを配合し、より多角的な肌質改善を目指します。ダウンタイムは比較的短く、定期的な施術によって効果の維持が期待できますが、施術後の適切なスキンケアと紫外線対策が重要です。ご自身の肌の状態や悩みに合わせて、医師と相談し、最適な施術を選択することが大切です。
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よくある質問(FAQ)
- Fabbrocini G, De Vita V, Fardella N, et al. PRX-T33®: a new non-ablative method for the treatment of atrophic scars. J Cosmet Dermatol. 2021 Mar;20(3):790-794.
- 小林美和, 菅原優子. コウジ酸の美白効果と安全性. 日本香粧品学会誌. 2020;44(1):52-56.
- Di Guida M, Vitiello C, Fabbrocini G, et al. BioRePeelCl3 in the treatment of acne scars: a case report. J Cosmet Dermatol. 2022 May;21(5):1969-1972.
