部位別のニキビの特徴と原因

【部位別のニキビの特徴と原因】|医師が解説

部位別のニキビの特徴と原因|医師が解説

最終更新日: 2026-05-02
📋 この記事のポイント
  • ✓ ニキビは発生部位によって原因や特徴が異なり、適切なケアが必要です。
  • ✓ 思春期ニキビは皮脂過剰、大人ニキビはホルモンバランスの乱れや生活習慣が主な原因となります。
  • ✓ 自己判断せず、症状に合わせた専門的な治療とスキンケアで改善を目指しましょう。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

おでこ・額のニキビの原因(前髪・皮脂)とは?

前髪が触れるおでこに発生した赤みを帯びたニキビと皮脂による肌荒れ
おでこ・額のニキビ

おでこや額にできるニキビは、特に思春期に多く見られますが、大人になってからも発生することがあります。この部位のニキビは、皮脂の過剰分泌、前髪による刺激、そして不適切なスキンケアが主な原因として挙げられます。

おでこは顔の中でも皮脂腺が多く、皮脂の分泌が活発な部位です。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、アクネ菌(Propionibacterium acnes)の増殖を促し、炎症を引き起こします。思春期にはホルモンバランスの変化により皮脂分泌が特に増えるため、おでこにニキビができやすい傾向があります。また、前髪が額に触れることで物理的な刺激となり、毛穴の詰まりや炎症を悪化させるケースも少なくありません。シャンプーやコンディショナーの洗い残しが刺激となることもあります。当院では、おでこのニキビで来院される患者さまには、前髪を上げたり、洗髪時に額をしっかり洗い流すよう指導することが多いです。特に「前髪がいつも額に当たっていて、ニキビが治らない」とおっしゃる方が多く、物理的な刺激の軽減が治療の第一歩となることを実感しています。

大人になってからおでこにニキビができる場合は、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れといった生活習慣も影響している可能性があります。メイク用品の選び方やクレンジング方法も重要で、油分の多い化粧品や洗浄力の強すぎるクレンジングは、かえって肌のバリア機能を低下させ、ニキビを悪化させる原因となることがあります。適切なスキンケアと生活習慣の見直しが、この部位のニキビ改善には不可欠です。

眉間・眉毛周りのニキビの原因とは?

眉間や眉毛周りにできるニキビは、顔の中心部に位置するため、見た目の印象に影響を与えやすく、悩みの種となることが多いです。この部位のニキビは、皮脂分泌の多さに加え、ストレス、消化器系の不調、そして眉毛の手入れによる刺激などが複合的に関与していると考えられます。

眉間はTゾーンの一部であり、皮脂腺が比較的多く存在するため、皮脂が過剰に分泌されやすい部位です。これにより毛穴が詰まり、アクネ菌が増殖してニキビが発生します。また、眉毛を整える際の毛抜きやカミソリによる刺激、ワックス脱毛による毛穴への負担も、炎症やニキビの発生を誘発する可能性があります。特に、毛抜きで無理に毛を抜くことで毛穴が傷つき、細菌感染を起こして毛嚢炎(もうのうえん)[1]に発展するケースも珍しくありません。当院の診察では、「眉毛を整えた後に必ずニキビができる」と相談される患者さまも少なくなく、眉毛の手入れ方法について具体的なアドバイスをしています。例えば、清潔な器具を使用し、肌への負担を最小限に抑える方法を提案します。

東洋医学的な観点では、眉間は肝臓や消化器系の不調と関連付けられることもありますが、科学的な根拠は確立されていません。しかし、ストレスや睡眠不足といった生活習慣の乱れが、ホルモンバランスに影響を与え、結果的に皮脂分泌を促進し、ニキビを悪化させる可能性は十分に考えられます。バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理が、眉間ニキビの予防と改善に役立つでしょう。

鼻・小鼻のニキビの原因(いちご鼻との違い)とは?

鼻や小鼻にできるニキビは、特に目立ちやすく、毛穴の黒ずみ(いちご鼻)と混同されがちですが、それぞれ異なる状態です。この部位のニキビは、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、そしてアクネ菌の増殖が主な原因となります。

鼻は顔の中でも特に皮脂腺が発達しており、皮脂分泌量が非常に多い部位です。過剰な皮脂と古い角質が混じり合い、毛穴に詰まることで「面皰(めんぽう)」と呼ばれるニキビの初期段階が形成されます。これが酸化すると黒くなり、いわゆる「いちご鼻」の状態になります。いちご鼻は毛穴の詰まりが主であり、炎症を伴わないことが多いですが、ニキビは炎症を伴う赤いブツブツや膿を伴う場合があります。当院では、鼻のニキビで受診された患者さまが「いちご鼻だと思っていた」とおっしゃるケースをよく経験します。問診の際に、炎症の有無や触診でニキビの種類を正確に診断し、適切な治療方針を立てるようにしています。

面皰(めんぽう)とは
毛穴に皮脂や角質が詰まってできるニキビの初期段階。白く見える「白ニキビ(閉鎖面皰)」と、毛穴が開いて黒く見える「黒ニキビ(開放面皰)」があります。

鼻を触る癖や、眼鏡・マスクの摩擦なども、この部位のニキビを悪化させる要因となることがあります。また、メイクの洗い残しや、鼻パックの過度な使用も肌に負担をかけ、ニキビを誘発する可能性があるため注意が必要です。適切な洗顔と保湿、そして刺激を避けることが、鼻のニキビ対策には重要です。

頬にできるニキビの原因と対策は?

頬にできるニキビは、思春期から大人まで幅広い年齢層で見られ、特に大人ニキビの代表的な発生部位の一つです。この部位のニキビは、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、乾燥、そして物理的な刺激など、複数の要因が絡み合って発生することが多いです。

思春期の頬ニキビは皮脂過剰が主な原因ですが、大人になってからの頬ニキビは、乾燥によるバリア機能の低下、ストレスによるホルモンバランスの乱れ(特に女性ホルモンの影響)が大きく関与しています[1]。不規則な生活習慣や睡眠不足も、肌のターンオーバーを阻害し、ニキビを悪化させる要因となります。また、頬は顔の中でも外部からの刺激を受けやすい部位でもあります。例えば、寝具の汚れ、スマートフォンの接触、手で頬を触る癖、マスクの摩擦などが挙げられます。当院では、頬のニキビで悩む患者さまに、枕カバーをこまめに交換することや、スマートフォンを清潔に保つことなど、日常生活での具体的な対策をアドバイスしています。「枕カバーを毎日変えるようになってから、頬のニキビが減った」という患者さまの声を聞くと、些細な習慣が改善に繋がることを改めて実感します。

対策としては、肌の乾燥を防ぐための十分な保湿、ストレス管理、バランスの取れた食事、そして十分な睡眠が重要です。また、肌に優しい洗顔料を選び、ゴシゴシと擦らず優しく洗うこと、ノンコメドジェニック処方[1]の化粧品を選ぶことも有効です。症状が改善しない場合は、皮膚科専門医に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。

顎(あご)のニキビの原因(大人ニキビの代表)とは?

顎にできるニキビは、特に「大人ニキビ(尋常性ざ瘡)」の代表的な発生部位として知られています。思春期ニキビがTゾーン(額から鼻にかけて)にできやすいのに対し、大人ニキビはUゾーン(顎、口周り、フェイスライン)にできやすい特徴があります[3]。顎ニキビの主な原因は、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、乾燥、そして物理的な刺激です。

女性の場合、生理前や妊娠中にホルモンバランスが変動すると、男性ホルモンの影響が相対的に強まり、皮脂分泌が促進されたり、毛穴の角化異常が起こりやすくなったりします。これが顎ニキビの発生に繋がることが多いです[1]。また、ストレスは自律神経やホルモンバランスに影響を与え、ニキビを悪化させる一因となります。乾燥も顎ニキビの大きな要因です。肌が乾燥すると、バリア機能が低下し、肌を守ろうとして過剰に皮脂を分泌したり、毛穴が詰まりやすくなったりします。当院では、顎のニキビに悩む患者さまの多くが、生理周期との関連やストレスの増加を訴えます。問診の際に、月経周期や生活習慣について詳しく伺うことで、ホルモンバランスの乱れが原因となっているかを判断する重要な手がかりとなります。

さらに、マスクの着用による摩擦や蒸れ、顎に触れる癖、シェービングによる刺激なども、顎ニキビを悪化させる要因となります。対策としては、ホルモンバランスを整えるための生活習慣の改善(十分な睡眠、バランスの取れた食事、ストレス管理)、保湿ケアの徹底、そして肌への刺激を避けることが重要です。症状が慢性化している場合は、皮膚科での内服薬や外用薬による治療が有効な場合があります。

フェイスラインのニキビの原因(ホルモン性)とは?

顎から耳にかけてフェイスラインに沿って点在するホルモン性のニキビ
フェイスラインのニキビ

フェイスラインにできるニキビは、顎ニキビと同様に大人ニキビの典型的な症状の一つであり、特にホルモンバランスの乱れが深く関与していると考えられています。この部位のニキビは、思春期ニキビとは異なり、炎症が強く、治りにくい傾向があるのが特徴です。

女性の場合、生理前になると男性ホルモンの影響が相対的に強まり、皮脂腺が刺激されて皮脂分泌が増加します。これにより毛穴が詰まりやすくなり、フェイスラインにニキビができやすくなります[1]。これは「月経前症候群(PMS)」の一症状として現れることもあります。また、ストレスや睡眠不足、不規則な生活習慣もホルモンバランスを乱し、ニキビの発生や悪化に繋がります。当院では、フェイスラインのニキビで受診される患者さまの多くが、生理周期に合わせてニキビが悪化することを訴えます。このため、必要に応じてホルモン治療や、生活習慣の改善指導を組み合わせたアプローチを提案することがあります。治療を始めて数ヶ月ほどで「生理前のニキビができにくくなった」とおっしゃる方が多く、ホルモン性のニキビには内側からのアプローチが有効であることを実感しています。

さらに、フェイスラインは髪の毛や襟足、マフラー、タートルネックなどの衣類が触れる機会が多く、物理的な刺激を受けやすい部位でもあります。これらの刺激が毛穴を詰まらせたり、炎症を悪化させたりすることがあります。対策としては、ホルモンバランスを整えるための生活習慣の改善、肌に優しいスキンケア、そして物理的な刺激を避けることが重要です。症状が改善しない場合は、皮膚科でのホルモン治療や、抗生物質の内服・外用薬などが検討されます。

口周り・鼻下のニキビの原因とは?

口周りや鼻下にできるニキビは、特に大人ニキビとして多く見られ、他の部位のニキビとは異なる特徴や原因を持つことがあります。この部位のニキビは、ホルモンバランスの乱れ、胃腸の不調、乾燥、そして物理的な刺激が複雑に絡み合って発生することが多いです。

口周りは、食事による刺激や、歯磨き粉の成分、唇を舐める癖など、外部からの刺激を受けやすい部位です。また、胃腸の不調が肌荒れとして現れることもあり、便秘や消化不良が口周りニキビの原因となる可能性も指摘されています。女性の場合、生理前やストレスによってホルモンバランスが乱れると、男性ホルモンの影響で皮脂分泌が活発になり、口周りにニキビができやすくなることがあります[1]。当院では、口周りのニキビで受診される患者さまに、食生活や胃腸の調子について詳しく問診するようにしています。特に「最近胃の調子が悪い」とおっしゃる方には、消化に良い食事を心がけるようアドバイスすることもあります。

鼻下のニキビは、鼻をかむ際の摩擦や、髭剃りによる刺激が原因となることもあります。また、マスクの着用による蒸れや摩擦も、口周りや鼻下のニキビを悪化させる要因として近年注目されています。対策としては、肌を清潔に保ち、保湿を徹底すること、刺激の少ないスキンケア用品を選ぶこと、そして食生活を見直すことが重要です。症状が改善しない場合は、皮膚科専門医に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。

こめかみ・もみあげ周辺のニキビの原因とは?

こめかみやもみあげ周辺にできるニキビは、顔の側面部に位置し、特に髪の毛や整髪料の影響を受けやすい特徴があります。この部位のニキビは、皮脂の過剰分泌、髪の毛による刺激、整髪料の付着、そしてシャンプーやコンディショナーの洗い残しが主な原因として考えられます。

こめかみともみあげ周辺は、皮脂腺が比較的多く、皮脂が過剰に分泌されると毛穴が詰まりやすくなります。そこに髪の毛が常に触れることで、物理的な刺激となり、毛穴の詰まりや炎症を悪化させる要因となります。特に、前髪やサイドの髪がこめかみやもみあげにかかっていると、通気性が悪くなり、アクネ菌が増殖しやすい環境を作り出してしまいます。また、ワックスやジェルなどの整髪料が肌に付着し、毛穴を詰まらせることもニキビの原因となります。シャンプーやコンディショナーの洗い残しも、肌への刺激となり、ニキビを誘発する可能性があります。当院では、「こめかみのニキビが治らない」と来院される患者さまに、整髪料の使用状況や洗髪方法について詳しく伺うようにしています。特に、シャンプー後のすすぎ残しがないか、髪を乾かす際に肌に触れないようにしているかなど、具体的な生活習慣の改善点を提案します。

対策としては、髪の毛が肌に触れないように工夫する(髪をまとめる、前髪を上げるなど)、整髪料が肌に付着しないように注意する、シャンプーやコンディショナーをしっかり洗い流すことが重要です。また、肌に優しい洗顔料を選び、清潔に保つことも大切です。症状が改善しない場合は、皮膚科専門医に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。

首・デコルテのニキビの原因と対策は?

首やデコルテ(胸元から鎖骨にかけての部位)にできるニキビは、顔のニキビとは異なる原因や特徴を持つことがあります。この部位のニキビは、皮脂腺の多さ、衣類による摩擦、汗や蒸れ、そしてホルモンバランスの乱れなどが複合的に関与して発生します。

首やデコルテは顔と同様に皮脂腺が比較的多く、特に夏場や運動後など汗をかきやすい時期には、皮脂と汗が混じり合って毛穴を詰まらせやすくなります。また、ネックレスや衣類の襟、マフラーなどが肌に触れることで物理的な摩擦が生じ、刺激となってニキビを悪化させることもあります。当院では、首やデコルテのニキビで受診される患者さまに、衣類の素材やアクセサリーの着用頻度について問診することがあります。「夏になるとデコルテにニキビが増える」とおっしゃる方が多く、汗対策や通気性の良い服装を心がけるようアドバイスしています。特に、汗をかいたらこまめに拭き取る、シャワーを浴びるなどの対応が重要です。

女性の場合、ホルモンバランスの乱れが首やデコルテのニキビに影響を与えることもあります[1]。生理前やストレス時など、ホルモンバランスが変動すると皮脂分泌が促進され、ニキビができやすくなることがあります。対策としては、肌を清潔に保ち、保湿を徹底すること、通気性の良い衣類を選ぶこと、そして物理的な刺激を避けることが重要です。また、紫外線対策も忘れずに行いましょう。症状が改善しない場合は、皮膚科専門医に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。

背中ニキビの原因と治し方とは?

背中ニキビは、顔のニキビと同様に尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)の一種ですが、マラセチア菌というカビの一種が関与する「マラセチア毛包炎」であるケースも少なくありません。この部位のニキビは、皮脂の過剰分泌、衣類による摩擦、汗や蒸れ、そして不適切なスキンケアが主な原因となります。

背中は皮脂腺が多く、皮脂分泌が活発な部位です。また、汗をかきやすく、衣類で覆われているため蒸れやすい環境にあります。これらの要因が毛穴の詰まりを引き起こし、アクネ菌やマラセチア菌の増殖を促します。特に、シャンプーやコンディショナーの洗い残しが背中に付着し、毛穴を詰まらせたり刺激を与えたりすることも、背中ニキビの大きな原因となります。当院では、背中ニキビの患者さまに対して、シャンプーやコンディショナーを洗い流す際に、体を洗う前に髪を洗い、その後体を洗うよう指導しています。これにより、洗い残しが肌に残るのを防ぐことができます。また、治療を始めて数ヶ月ほどで「背中のザラつきが減って、自信を持って肌を見せられるようになった」とおっしゃる方が多く、適切な治療とスキンケアの継続が重要であることを実感しています。

治し方としては、まず肌を清潔に保つことが重要です。刺激の少ないボディソープを使用し、ゴシゴシ擦らず優しく洗いましょう。シャンプーやコンディショナーの洗い残しがないよう、しっかりと洗い流すことも大切です。入浴後は、保湿ケアを忘れずに行い、肌のバリア機能を保ちましょう。通気性の良い綿素材の衣類を選び、汗をかいたらこまめに着替えることも有効です。症状が改善しない場合は、皮膚科専門医に相談し、外用薬(抗菌薬、ピーリング剤など)や内服薬(抗生物質、ビタミン剤など)による治療を受けることをお勧めします。

項目 尋常性ざ瘡(ニキビ) マラセチア毛包炎
主な原因菌 アクネ菌 マラセチア菌(真菌/カビ)
主な症状 白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、膿疱 赤いブツブツ、かゆみを伴うことが多い
好発部位 顔、背中、胸 背中、胸、首
治療薬 抗菌薬、ピーリング剤、ビタミン剤など 抗真菌薬

胸元(前胸部)のニキビの原因とは?

胸元の中央部分に広がる赤く炎症を起こしたニキビと肌のざらつき
胸元のニキビ

胸元(前胸部)にできるニキビは、背中ニキビと同様に、皮脂腺の多さや衣類による刺激、汗や蒸れなどが主な原因となります。この部位も顔のニキビとは異なる特徴を持つことがあり、特にマラセチア毛包炎との鑑別が重要となる場合があります。

胸元は、皮脂腺が発達しており、皮脂の分泌が活発な部位です。特に夏場や運動時など、汗をかきやすい状況では、皮脂と汗が混じり合って毛穴を詰まらせやすくなります。また、下着や衣類の摩擦、合成繊維の衣類による蒸れなども、ニキビの発生や悪化を促す要因となります。当院では、胸元のニキビで来院される患者さまに、下着の素材や締め付け具合、衣類の通気性について伺うことがあります。特に「ブラジャーのワイヤー部分に沿ってニキビができる」とおっしゃる方には、ノンワイヤーや綿素材の下着を試すよう提案することもあります。物理的な刺激を減らすことが、治療効果を高める上で重要なポイントになります。

胸元のニキビは、アクネ菌による尋常性ざ瘡の他に、マラセチア菌によるマラセチア毛包炎である可能性も考慮する必要があります。マラセチア毛包炎は、かゆみを伴う小さな赤いブツブツが多発するのが特徴です。自己判断せずに、症状が改善しない場合は皮膚科専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。治療としては、肌を清潔に保つこと、保湿ケア、通気性の良い衣類の着用などが基本となります。症状に応じて、外用薬や内服薬が処方されることもあります。

お尻のニキビ・おでき(毛包炎)の原因と対策は?

お尻にできるニキビや「おでき」と表現されるものは、多くの場合「毛包炎(もうほうえん)」と呼ばれる状態です。毛包炎は、毛穴の奥にある毛包(毛根を包む組織)に細菌が感染して炎症を起こす病気で、ニキビとは原因菌や治療法が異なることがあります。

お尻は、常に座っていることによる圧迫や摩擦、通気性の悪さ、蒸れなどが原因で毛包炎ができやすい部位です。下着や衣類の締め付け、合成繊維の衣類、長時間のデスクワークや運転などが、肌への刺激となり、毛穴が傷つきやすくなります。これにより、ブドウ球菌などの細菌が毛包に侵入しやすくなり、炎症を引き起こします。当院では、お尻のニキビ(毛包炎)で受診される患者さまに、普段の生活習慣や下着の素材について詳しく問診します。特に「長時間座っている仕事なので、お尻にできることが多い」とおっしゃる方が多く、座る時間を減らす工夫や、通気性の良いクッションの使用を提案することもあります。

対策としては、まず肌を清潔に保つことが重要です。刺激の少ない石鹸で優しく洗い、入浴後はしっかりと水分を拭き取りましょう。通気性の良い綿素材の下着や衣類を選び、締め付けの少ないものを選ぶことも大切です。長時間の圧迫や摩擦を避けるために、時々立ち上がって体を動かすことも有効です。症状が改善しない場合や、赤み、腫れ、痛みが強い場合は、皮膚科専門医に相談しましょう。抗菌薬の外用や内服、場合によっては切開して膿を出す処置が必要となることもあります。

⚠️ 注意点

お尻のブツブツはニキビだけでなく、毛包炎や粉瘤(ふんりゅう)など、様々な皮膚疾患の可能性があります。自己判断せずに、専門医の診察を受けることが重要です。

頭皮ニキビの原因と正しいシャンプー選びとは?

頭皮ニキビは、頭皮にできる炎症性の吹き出物で、かゆみや痛みを伴うことがあります。この部位のニキビは、皮脂の過剰分泌、フケ・角質の詰まり、シャンプーやコンディショナーの洗い残し、そしてストレスや生活習慣の乱れが主な原因となります。

頭皮は顔よりも皮脂腺が多く、皮脂分泌が非常に活発な部位です。過剰な皮脂と古い角質が混じり合い、毛穴を詰まらせることでアクネ菌やマラセチア菌が増殖し、ニキビや毛包炎が発生します。特に、シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しは、毛穴を詰まらせるだけでなく、頭皮に刺激を与え、炎症を悪化させる大きな原因となります。当院では、頭皮ニキビで受診される患者さまに、洗髪方法について詳しく伺うようにしています。特に「シャンプーはしっかり泡立てて、指の腹で優しく洗うこと」「すすぎは十分に行い、洗い残しがないようにすること」を徹底して指導します。また、「シャンプーを変えたら頭皮の痒みが減った」という患者さまの声を聞くと、適切なシャンプー選びの重要性を改めて実感します。

正しいシャンプー選びとしては、頭皮に優しいアミノ酸系のシャンプーや、ノンシリコンシャンプーなどが推奨されることがあります。また、頭皮の状態に合わせて、フケやかゆみを抑える薬用シャンプーを選ぶのも良いでしょう。シャンプー後は、ドライヤーで髪をしっかり乾かし、頭皮を湿ったままにしないことも大切です。症状が改善しない場合は、皮膚科専門医に相談し、適切な外用薬や内服薬による治療を受けることをお勧めします。

まとめ

ニキビは、発生する部位によってその原因や特徴が大きく異なります。顔のTゾーンにできやすい思春期ニキビは皮脂の過剰分泌が主な原因である一方、顎やフェイスライン、口周りなどのUゾーンにできやすい大人ニキビは、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、乾燥などが複雑に絡み合って発生することが多いです[1]。背中や胸元、お尻、頭皮といった体幹部のニキビや毛包炎は、皮脂の多さに加え、衣類による摩擦、汗や蒸れ、そしてマラセチア菌などの特殊な菌が関与している場合もあります。

どの部位のニキビであっても、共通して言えるのは、肌を清潔に保ち、保湿を徹底すること、そして肌への物理的な刺激を避けることが重要であるという点です。また、食生活の改善[2]や十分な睡眠、ストレス管理といった生活習慣の見直しも、ニキビの予防と改善には不可欠です[4]。自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、症状が改善しない場合や悪化する場合は、早めに皮膚科専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることが、ニキビを根本的に改善し、美しい肌を取り戻すための最も確実な方法です。

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よくある質問(FAQ)

ニキビはなぜ同じ場所に繰り返しできるのですか?
ニキビが同じ場所に繰り返しできるのは、その部位の毛穴が一度ダメージを受けると、角質が厚くなりやすく、皮脂が詰まりやすい状態が続くためです。また、ホルモンバランスの乱れや生活習慣、物理的な刺激など、根本的な原因が解決されていない場合も再発しやすい傾向があります。

大人ニキビと思春期ニキビでは、治療法は異なりますか?
はい、大人ニキビと思春期ニキビでは、治療法が異なる場合があります。思春期ニキビは皮脂過剰が主な原因のため、皮脂分泌を抑える外用薬や洗顔指導が中心となります。一方、大人ニキビはホルモンバランスの乱れや乾燥、ストレスなどが複雑に絡むため、外用薬に加えて内服薬(ホルモン治療薬など)や生活習慣の改善指導、保湿ケアの徹底などが重要になります[1]

ニキビ跡を残さないためにはどうすれば良いですか?
ニキビ跡を残さないためには、まずニキビを悪化させないことが最も重要です。自分で潰したり、触ったりすることは避けましょう。炎症が強いニキビは跡になりやすいため、早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。また、紫外線対策を徹底し、肌のターンオーバーを促すスキンケアを行うことも有効です。

この記事の監修医
👨‍⚕️
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長