最終更新日: 2026-04-28
📋 この記事のポイント
- ✓ ケミカルピーリングは酸性の薬剤で肌表面の古い角質を除去し、ターンオーバーを促進する治療法です。
- ✓ ニキビ・ニキビ跡、毛穴の開き、くすみ、小じわなど多様な肌悩みの改善効果が期待できます。
- ✓ 施術はカウンセリングからアフターケアまで段階的に進み、適切な薬剤選択と丁寧なケアが重要です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。
📑 目次
ケミカルピーリングとは?そのメカニズムと種類

皮膚のターンオーバーとは?
- 皮膚のターンオーバー
- 皮膚の一番外側にある表皮が、基底層で新しい細胞を生み出し、それが徐々に表面に押し上げられて角質となり、最終的に垢となって剥がれ落ちる一連のサイクルを指します。健康な成人では約28日周期で行われますが、加齢やストレス、紫外線などの影響でこの周期が乱れることがあります。
使用される主な薬剤の種類
ケミカルピーリングに使用される薬剤は多岐にわたり、それぞれ作用機序や適用される肌質・症状が異なります。主な薬剤には、グリコール酸、サリチル酸マクロゴール、乳酸などがあります。- グリコール酸(AHA): フルーツ酸の一種で、水溶性のため皮膚への浸透性が高く、角質層の結合を緩めて剥離を促進します。ニキビ、くすみ、小じわの改善に用いられることが多いです。濃度によって作用の強さが調整されます[2]。
- サリチル酸マクロゴール(BHA): 油溶性のため皮脂腺や毛穴に浸透しやすく、角質溶解作用に優れています。特にニキビや毛穴の詰まり、脂性肌の改善に効果的です。マクロゴール基剤と組み合わせることで、皮膚深部への浸透を抑え、副作用のリスクを低減しつつ効果を発揮します[3]。
- 乳酸: グリコール酸と同様にAHAの一種ですが、分子量が大きく皮膚への刺激が比較的穏やかです。保湿効果も期待できるため、乾燥肌や敏感肌の方にも適用されることがあります[4]。
| 薬剤の種類 | 主な特徴 | 期待できる効果 | 適した肌質・悩み |
|---|---|---|---|
| グリコール酸(AHA) | 水溶性、浸透性が高い | ニキビ、くすみ、小じわ | 幅広い肌質、初期のエイジングケア |
| サリチル酸マクロゴール(BHA) | 油溶性、毛穴への浸透性 | ニキビ、毛穴の詰まり、脂性肌 | 脂性肌、ニキビ肌 |
| 乳酸 | 水溶性、分子量が大きい、保湿効果 | 軽度のくすみ、乾燥、敏感肌 | 乾燥肌、敏感肌 |
ケミカルピーリングで期待できる効果とは?
ケミカルピーリングは、肌のターンオーバーを正常化し、多様な肌悩みの改善に寄与する治療法です。その効果は、主に古い角質の除去と真皮層への刺激によるものです。ニキビ・ニキビ跡の改善
ケミカルピーリングは、ニキビの主な原因である毛穴の詰まりを解消する効果が期待できます。古い角質や余分な皮脂が毛穴に詰まることでアクネ菌が繁殖しやすくなりますが、ピーリングによってこれらを除去することで、ニキビの発生を抑制し、炎症を鎮める効果が報告されています[5]。また、炎症後の色素沈着型のニキビ跡(炎症後色素沈着)に対しても、ターンオーバーの促進によりメラニン色素の排出を促し、徐々に薄くする効果が期待できます。当院でピーリング治療を始めた患者さまからは、「繰り返しできていたニキビが減った」「ニキビ跡の色素沈着が薄くなってきた」といった声を多く聞きます。毛穴の開き・黒ずみの改善
毛穴の開きや黒ずみは、過剰な皮脂分泌や古い角質、産毛などが混ざり合って毛穴に詰まることで目立ちやすくなります。ケミカルピーリングは、毛穴に詰まった角栓を溶かし、排出を促すことで、毛穴の目立ちを改善する効果が期待されます。特に油溶性のサリチル酸マクロゴールは、皮脂腺に深く浸透し、毛穴の奥の汚れに作用するため、毛穴の悩みに特化した効果が期待できます[3]。定期的な治療により、毛穴が引き締まり、肌のキメが整うことが期待できます。くすみ・シミの改善
肌のくすみは、古い角質が蓄積して肌の透明感が失われることや、メラニン色素の沈着が原因で起こります。ケミカルピーリングは、古い角質を除去することで肌のトーンを明るくし、透明感を向上させる効果が期待できます。また、表皮に存在するメラニン色素の排出を促進することで、表在性のシミ(老人性色素斑など)や色素沈着の改善にも寄与するとされています[6]。ただし、肝斑などの深部に原因があるシミに対しては、ピーリング単独ではなく、他の治療法と組み合わせることが推奨されます。小じわ・肌のハリの改善
ケミカルピーリングは、肌の表面を滑らかにするだけでなく、真皮層のコラーゲンやエラスチンの生成を促進する効果も期待できます[1]。これにより、肌の内側からハリが生まれ、浅い小じわの改善や肌全体の弾力アップに繋がることが報告されています。特に、グリコール酸ピーリングは、真皮層への作用が比較的強く、エイジングケア目的で用いられることもあります。臨床の現場では、治療を始めて数ヶ月ほどで「肌がふっくらしてきた」「化粧ノリが良くなった」とおっしゃる方が多いです。⚠️ 注意点
ケミカルピーリングの効果には個人差があり、一度の施術で劇的な変化が得られるわけではありません。継続的な治療と適切なホームケアが、効果を最大限に引き出すために重要です。
ケミカルピーリングの施術の流れと注意点

1. カウンセリングと肌診断
施術前のカウンセリングは、患者さまの肌の状態、既往歴、アレルギーの有無、現在の肌悩み、治療への期待などを詳しく把握するために非常に重要です。医師が肌の状態を丁寧に診察し、ケミカルピーリングが適応となるか、どの薬剤が最適か、期待できる効果やリスクについて説明します。当院では、問診の際に患者さまの家族歴や普段使用している化粧品についても詳しく伺うようにしています。特に、過去に皮膚疾患の治療歴がある場合や、現在内服中の薬剤がある場合は、必ず医師に申告してください。妊娠中や授乳中の方、ヘルペスなどの感染症がある方、極端な敏感肌の方、日焼け直後の方などは、施術を受けられない場合があります。2. クレンジング・洗顔
施術前に、メイクや皮脂、汚れを完全に除去するため、丁寧なクレンジングと洗顔を行います。肌に不純物が残っていると、薬剤が均一に浸透せず、効果が低下したり、刺激が強くなりすぎたりする可能性があるため、非常に重要な工程です。3. 薬剤の塗布
医師または看護師が、患者さまの肌質や悩みに合わせて選択した薬剤を、顔全体または気になる部位に均一に塗布します。塗布中は、ピリピリとした刺激感や熱感を感じることがありますが、これは薬剤が作用している証拠です。刺激が強いと感じる場合は、すぐに施術者に伝えてください。薬剤の塗布時間や濃度は、肌の状態や薬剤の種類によって厳密に管理されます。臨床の現場では、患者さまの表情や肌の赤みを注意深く観察し、刺激の程度を確認しながら慎重に施術を進めることが重要なポイントになります。4. 中和・拭き取り
薬剤の作用時間を経過した後、中和剤を塗布して薬剤の作用を停止させ、その後、水やぬるま湯で丁寧に薬剤を拭き取ります。中和が不十分だと、薬剤が肌に残り、過剰な刺激や炎症を引き起こす可能性があるため、この工程も非常に重要です。5. アフターケア・保湿
施術後の肌は非常にデリケートな状態になっているため、鎮静と保湿が不可欠です。冷却パックや保湿剤を用いて、肌を落ち着かせ、バリア機能をサポートします。施術直後は赤みや乾燥が生じやすいため、自宅での丁寧な保湿ケアが重要です。当院では、施術後の肌に最適な保湿剤や日焼け止めについてもご案内し、自宅でのケア方法を詳しく説明しています。施術後のダウンタイムと適切なホームケア
ケミカルピーリング後の肌は一時的に敏感になるため、適切なダウンタイムの過ごし方とホームケアが、治療効果の維持と肌トラブルの予防に直結します。施術後の一般的な経過とダウンタイム
施術直後から数日間は、以下のような症状が現れることがあります。- 赤み: 薬剤の刺激により、一時的に肌が赤くなることがあります。通常は数時間から数日で落ち着きます。
- 乾燥・つっぱり感: 古い角質が剥がれる過程で、肌が乾燥しやすくなります。
- 薄い皮むけ: 数日後に、肌の表面が薄く剥がれることがあります。これは新しい肌への生まれ変わりを示す正常な反応です。無理に剥がさないようにしてください。
- 一時的なニキビの悪化: 稀に、施術後に一時的にニキビが増える「好転反応」が見られることがあります。これは肌の奥に潜んでいたニキビが表面に出てくるためと考えられますが、気になる場合は医師にご相談ください。
施術後の適切なホームケア
ケミカルピーリングの効果を最大限に引き出し、肌トラブルを防ぐためには、以下のホームケアを徹底することが重要です。- 保湿の徹底: 施術後の肌は乾燥しやすいため、高保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸など)を配合した化粧水や乳液、クリームで十分に保湿してください。
- 紫外線対策: ピーリング後の肌は紫外線の影響を受けやすくなっています。日焼け止め(SPF30以上、PA+++以上推奨)を毎日使用し、帽子や日傘なども活用して徹底した紫外線対策を行ってください。
- 摩擦を避ける: 洗顔時やタオルで顔を拭く際も、肌をこすらないように優しく扱ってください。
- 刺激の強い製品の使用を控える: ピーリング直後は、スクラブ洗顔料、レチノール配合製品、高濃度ビタミンC製品など、刺激の強いスキンケア製品の使用は避けてください。
- メイク: 施術当日からメイクは可能ですが、肌に負担の少ないミネラルファンデーションなどを使用し、優しく落とすようにしましょう。
⚠️ 注意点
施術後に強い赤み、腫れ、水疱、かゆみなどが現れた場合は、すぐに医療機関に連絡してください。自己判断で処置をせず、専門医の指示を仰ぐことが重要です。
ケミカルピーリングの頻度と組み合わせ治療は?

推奨される施術頻度と回数
ケミカルピーリングの施術頻度は、使用する薬剤の種類、濃度、患者さまの肌の状態、治療目的によって異なりますが、一般的には2〜4週間に1回のペースで、5〜10回程度の継続的な施術が推奨されています[7]。例えば、ニキビ治療の場合、初期は2週間に1回、症状が落ち着いてきたら月に1回というように、肌の状態に合わせて頻度を調整することがあります。当院では、患者さまの肌の変化を定期的に診察し、最適な施術間隔と回数を提案しています。治療を継続することで、肌のターンオーバーが正常化され、肌質そのものの改善に繋がることが期待できます。他の美容医療との組み合わせ
ケミカルピーリングは、単独でも効果が期待できますが、他の美容医療と組み合わせることで、より幅広い肌悩みに対応し、相乗効果を高めることが可能です。- イオン導入・エレクトロポレーション: ピーリングで古い角質を除去した後、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸などの有効成分を肌の奥深くまで浸透させることで、美白効果や抗酸化作用を高めることが期待できます。ピーリング後の肌は有効成分が浸透しやすくなっているため、非常に効果的な組み合わせです[8]。
- レーザー治療・光治療: シミやニキビ跡の色素沈着、毛穴の開きなど、特定の肌悩みに特化したレーザーや光治療と組み合わせることで、より効率的な改善が期待できます。例えば、ピーリングで肌の土台を整えた後に、フォトフェイシャルなどの光治療を行うことで、相乗的な美肌効果が報告されています。
- 内服薬・外用薬: ニキビ治療においては、ケミカルピーリングと抗生物質などの内服薬や、アダパレンなどの外用薬を併用することで、より高い治療効果が得られることが知られています[9]。
まとめ
ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を用いて肌の古い角質を除去し、ターンオーバーを促進することで、ニキビ、毛穴の開き、くすみ、小じわなど、多岐にわたる肌悩みの改善が期待できる医療行為です。グリコール酸、サリチル酸マクロゴールなど、様々な種類の薬剤があり、患者さまの肌質や悩みに応じて最適なものが選択されます。施術は、丁寧なカウンセリングから始まり、薬剤塗布、中和、アフターケアへと進みます。施術後の肌はデリケートなため、保湿と紫外線対策を徹底したホームケアが不可欠です。効果を実感するためには、2〜4週間に1回のペースで複数回の継続的な施術が推奨され、イオン導入やレーザー治療など、他の美容医療との組み合わせによって、さらに高い相乗効果が期待できます。お近くのグループクリニック
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よくある質問(FAQ)
📖 参考文献
- Arif T. Salicylic acid as a peeling agent: a comprehensive review. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2015;8:455-461.
- Sharad J. Glycolic acid peel and its efficacy in the treatment of acne. J Cosmet Dermatol. 2013;12(4):317-320.
- 古川福実, 他. サリチル酸マクロゴールピーリングの臨床効果. 皮膚病診療. 2005;27(12):1075-1079.
- Bylka W, et al. Lactic Acid and Its Derivatives as Cosmeceuticals. Molecules. 2021;26(23):7422.
- Dayal S, et al. Chemical Peels: A Review. J Clin Aesthet Dermatol. 2013;6(11):32-40.
- Soleymani T, et al. Chemical peels in the treatment of postinflammatory hyperpigmentation: a review of the literature. Dermatol Surg. 2012;38(11):1753-1763.
- Rendon MI, et al. Evidence and Considerations in the Application of Chemical Peels in Skin of Color. J Clin Aesthet Dermatol. 2018;11(8):29-37.
- Telang PS. Vitamin C in dermatology. Indian Dermatol Online J. 2013;4(2):143-146.
- Zaenglein AL, et al. Guidelines of care for the management of acne vulgaris. J Am Acad Dermatol. 2016;74(5):945-973.e33.
- アルツディスポ(ヒアルロン)添付文書(JAPIC)
この記事の監修医
👨⚕️
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長
