OTC MEDICINE GUIDE · TOPICAL MOISTURIZER
ビーソフテン(ヘパリン類似物質)の効果・副作用・使い方|皮膚科医が解説
ビーソフテンは現在、ヘパリン類似物質0.3%を含む第2類医薬品です。4つの剤形、使い方、副作用、使えない部位、旧医療用販売名との違いを、公式資料に沿って整理します。

ビーソフテンとは
ビーソフテンは、ヘパリン類似物質を100g中0.3g含む外用の第2類医薬品です。現在の一般用医薬品には、クリーム、スプレー、αローション、泡スプレーの4タイプがあります。いずれも販売元の製品情報では、乾燥肌・肌荒れ・あかぎれ・しもやけなどに用いる製品として案内されています。
「ビーソフテン」という名前は、現在の一般用医薬品だけでなく、かつて医療用の販売名にも使われていました。医療用のビーソフテンクリーム0.3%・ローション0.3%は、2021年に「ヘパリン類似物質クリーム0.3%『日医工』」「同ローション0.3%『日医工』」へ販売名が変更されています。現在のOTC製品を、そのまま当院で同名処方している製品と受け取らないでください。
有効成分名が同じでも、一般用医薬品と医療用医薬品では、製品ごとの効能・効果、用法、添加物、入手方法、確認すべき注意が異なります。家族の処方薬を使ったり、以前の残薬を現在の一般用製品と同じものだと考えたりせず、容器・箱・薬袋に記載された販売名を確認します。
皮膚科でよく確認する「何が違うのか」という相談
診療では、ビーソフテンと他の保湿剤の違いについて相談を受けることがあります。答えは「成分名だけ」では決まりません。皮膚が乾燥しているだけか、湿疹の炎症があるか、じゅくじゅくしているか、出血があるか、顔や粘膜に近いかを確認し、外用剤の種類を選びます。
乾燥に見えても、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、手湿疹、白癬など原因が異なれば、必要な治療も変わります。ビーソフテンは診断の代わりにはならず、感染症や強い炎症を直接治す薬でもありません。
効能・効果と作用
一般用ビーソフテンの製品情報には、手指の荒れ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮膚、ただれを除くしもやけ、顔面を除く傷・やけどあとの皮膚のしこり・つっぱり、打身・ねんざ後のはれ、筋肉痛、関節痛が効能・効果として記載されています。
製造販売元の説明では、ヘパリン類似物質は保湿、血行促進、抗炎症の作用をもつ成分として位置づけられています。ただし、効能に書かれている病名や症状があっても、出血している傷、粘膜、湿潤・ただれが強い皮膚など、使えない・事前相談が必要な場合があります。
ワセリンとの違い
どちらが一律に優れているという比較ではありません。炎症の有無、使用部位、季節、塗りやすさ、刺激感、必要な保護の程度によって選択が変わります。ステロイド外用薬など治療薬が必要な皮膚炎では、保湿剤だけに置き換えないことが大切です。
4つの剤形と選び方
現在の一般用ビーソフテンは4タイプです。すべて100g中にヘパリン類似物質0.3gを含みますが、基剤や添加物、容器、塗布時の感触は同じではありません。商品名を取り違えず、購入した製品の文書を読みます。
| 剤形 | 公式情報上の特徴 | 選ぶときの確認点 |
|---|---|---|
| クリーム | 患部を保護しながら保湿するクリーム。100g。 | 限られた部位を覆いやすい一方、べたつきや添加物の刺激感を確認します。 |
| スプレー | 広範囲に噴霧できる溶液性ローション。100g。 | 背中など手が届きにくい部位にも使いやすい反面、目・粘膜への噴霧や吸入を避けます。 |
| αローション | 軽い塗り心地の溶液性ローション。50g。 | 汗をかきやすい部位などに塗りやすい一方、液だれや刺激感に注意します。 |
| 泡スプレー | 液だれしにくい泡タイプ。100g。 | 広げやすさが特徴ですが、噴霧時は吸入しないようにします。 |
季節と使用感は「続けやすさ」の一部
診療経験上、夏はべたつきにくいローション、冬はしっとりしたクリームを希望される方もいます。ただし、季節だけで決めるのではなく、病変の場所、乾燥の程度、湿潤、刺激感、手で塗りやすいかを確認します。特定の剤形が必ず治療継続率を高めるという正式な集計ではなく、使用感の希望には個人差があります。

正しい使い方
一般用製品の用法・用量は、1日1〜数回、適量を患部にすりこむか、ガーゼなどにのばして貼る、という内容です。実際には製品ごとの文書を優先し、外用にのみ使用します。目に入らないようにし、万一入った場合は水またはぬるま湯で洗い、症状が重い場合は眼科を受診します。
塗る前に、部位と皮膚状態を確認
- 手を洗い、患部の汚れや汗をやさしく落として水分を押さえます。
- 出血している傷、目や目の周囲、口・鼻などの粘膜には使いません。
- 顔面の傷あと・やけどあとには使いません。
- 湿潤やただれがひどい場合は、使用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談します。
- スプレーや泡スプレーは吸い込まないようにし、周囲の人の顔へ向けません。
外来では、強くこすって摩擦を加える必要はなく、適量を患部へやさしく広げるよう案内しています。生成原稿の「擦り込まない」という表現は、製品文書の「すりこむ」と矛盾しないよう、摩擦を避ける意味に修正しました。塗る量や方法は、皮膚の状態と手元の製品文書を優先してください。
塗り忘れ・重ね塗り
塗り忘れたからといって、一度に大量に塗る必要はありません。ほかの外用薬も使っている場合、どちらを先に塗るか、同じ部位に重ねてよいかは、処方元または薬剤師へ確認します。複数の保湿剤を重ねれば効果が比例して強くなるわけではありません。
使えない方・使用前に相談する方
使用しない方
- 血友病、血小板減少症、紫斑病など出血性血液疾患がある方
- わずかな出血でも重大な結果になることが予想される方
ヘパリン類似物質には血液凝固抑制作用があり、出血を助長するおそれがあるためです。また、出血している傷口には使用しません。「血をさらさらにする薬を飲んでいる」という情報だけで一律に可否を決めず、病名、薬の種類、出血の状態を伝えて相談します。
使用前に相談する方
- 現在、医師の治療を受けている方
- 薬などでアレルギー症状を起こしたことがある方
- 湿潤やただれがひどい方
- 乳幼児に広範囲で使う、または皮疹を繰り返している場合
- 原因が分からない発疹、感染を疑う痛み・熱感・膿がある場合
小児に使う場合は保護者の指導監督が必要です。「赤ちゃんにも使える」という広告表現だけで判断せず、皮膚の状態と使用部位を確認します。自己判断で目周囲や粘膜に塗ったり、傷口へ噴霧したりしないでください。
副作用と中止の目安
一般用製品の文書では、使用後に発疹・発赤、かゆみ、はれ、紫斑が現れた場合、副作用の可能性があるため直ちに使用を中止し、文書を持って医師・薬剤師・登録販売者へ相談するよう記載されています。
診療のフォローでは、塗布後のピリピリ感がないかも確認します。刺激感が続く場合、単に「乾燥が強いから」と決めつけず、添加物への反応、接触皮膚炎、炎症や感染の併存を見直します。使用を続けながら様子を見るより、いったん中止して経過を伝える方が安全な場合があります。
| 症状・状況 | 対応 | 伝える情報 |
|---|---|---|
| 発疹・発赤、かゆみ、はれ、紫斑 | 直ちに中止して相談 | 製品名、剤形、塗った時刻・部位、症状の経過 |
| ピリピリ感が続く | 洗い流しの要否を確認し、中止して相談 | 直後か時間が経ってからか、他の外用薬 |
| 痛み、熱感、膿、急速な拡大 | 感染なども考え、早めに受診 | 発熱、傷、虫刺され、既往歴 |
| 5〜6日で改善しない | 自己判断の継続をせず相談 | 塗布回数、量、使用部位、生活上の刺激 |
皮膚科へ相談する目安
乾燥しているように見えても、治療が必要な湿疹、真菌感染、細菌感染、薬疹などが隠れていることがあります。皮膚科では、どこから始まったか、かゆみ・痛みの有無、じゅくじゅくや水疱、左右差、使った製品、仕事や家事で触れるものなどを確認します。
- 市販薬を5〜6日使っても改善しない、または悪化する
- 顔・まぶた・陰部など、自己判断しにくい部位に症状がある
- 強い赤み、痛み、熱感、膿、水疱、出血、急速な広がりがある
- 同じ場所を繰り返す、夜眠れないほどかゆい
- 乳幼児、高齢者、妊娠・授乳中、基礎疾患や多数の薬がある
- ビーソフテン、ワセリン、処方保湿剤、ステロイドなどの使い分けに迷う
当院では、保湿剤を選んで終わりではなく、使用感、塗布後の刺激、皮疹の変化、生活上の摩擦や洗浄習慣も確認します。適切な剤形と塗り方を一緒に検討しますが、改善率や治療期間を保証するものではありません。
受診時は、使っている製品の容器・箱・説明文書、処方薬があれば薬袋やお薬手帳を持参すると、製品区分と成分を確認しやすくなります。
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ビーソフテンについてよくある質問
ビーソフテンは処方薬ですか?
現在「ビーソフテン」の名前で案内されているクリーム、スプレー、αローション、泡スプレーは第2類医薬品です。医療用では、旧販売名のビーソフテンクリーム0.3%・ローション0.3%が2021年に一般名を含む販売名へ変更されています。同じ有効成分でも製品区分、添加物、効能・用法を一括りにせず、手元の製品表示を確認してください。
ビーソフテンは顔に使えますか?
製品文書では、目や目の周囲、口腔・鼻腔などの粘膜には使用しません。また、顔面にある傷あと・やけどあとには使わないよう記載されています。顔の乾燥に使うか迷う場合は、赤み・ただれ・にきび様の発疹などがないかも含め、医師・薬剤師・登録販売者へ相談してください。
クリーム・ローション・スプレーはどう選びますか?
有効成分はいずれも100g中ヘパリン類似物質0.3gですが、基剤や添加物、塗り心地、容器が異なります。狭い乾燥部位を覆いたい、広い範囲に塗りたい、液だれを避けたいなど、部位と使いやすさで選びます。刺激を感じた製品は中止し、剤形変更で解決できるかを相談してください。
1日に何回塗りますか?
一般用ビーソフテンの製品情報では、1日1〜数回、適量を患部にすりこむか、ガーゼなどにのばして貼る用法が示されています。回数を増やせば必ず早くよくなるわけではありません。強くこすらず、製品文書に従って適量を使ってください。
子どもにも使えますか?
製品文書では小児に使用させる場合、保護者の指導監督のもとで使用するよう記載されています。年齢だけでなく、湿潤・ただれ、出血、使用部位、アレルギー歴を確認する必要があります。乳幼児の広範囲や繰り返す皮疹は、自己判断で長く続けず相談してください。
塗るとピリピリする場合は続けてよいですか?
刺激感に加え、発疹・発赤、かゆみ、はれ、紫斑が出た場合は副作用の可能性があるため、直ちに使用を中止し、製品の文書を持って医師・薬剤師・登録販売者へ相談します。乾燥だけでなく、接触皮膚炎や感染を伴う皮膚炎など別の原因も確認します。
どのくらい使って改善しなければ受診しますか?
一般用製品の文書では、5〜6日間使用しても症状がよくならない場合は中止し、相談するよう記載されています。悪化、強い赤み、じゅくじゅく、痛み、膿、広がる発疹がある場合は、その日数を待たず受診してください。
ワセリンや処方のヘパリン類似物質と同じですか?
同じではありません。ワセリンは皮膚表面を覆って水分の蒸散を抑える皮膚保護薬です。ビーソフテンはヘパリン類似物質を含む一般用医薬品です。医療用ヘパリン類似物質製剤は、医師が診断と製品の電子添文に基づいて処方します。目的や皮疹の状態に応じて使い分けます。
参考文献・監修医
- テイコクファルマケア:ビーソフテン 商品ラインナップ
- 帝國製薬:ビーソフテンクリーム 一般用医薬品製品情報
- 帝國製薬:ビーソフテンスプレー 一般用医薬品製品情報
- 帝國製薬:ビーソフテンαローション 一般用医薬品製品情報
- 帝國製薬:ビーソフテン泡スプレー 一般用医薬品製品情報
- PMDA:ビーソフテン泡スプレー 添付文書
- 帝國製薬:ビーソフテンクリーム・ローション 販売名変更のご案内(2021年1月)
- 帝國製薬:ヘパリン類似物質クリーム0.3%「日医工」 製品情報
公的資料・製品情報の確認日:2026年9月24日。一般用医薬品の説明文書や医療用医薬品情報は更新される場合があります。
この記事の監修医
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