リンデロンVG軟膏の効果・副作用・使い方|皮膚科医が解説

SOL Medicine Guide / Combination Ointment

リンデロンVG軟膏の効果・副作用・使い方|皮膚科医が解説

リンデロン-VG軟膏0.12%は、ステロイド成分のベタメタゾン吉草酸エステルと、抗菌薬成分のゲンタマイシン硫酸塩を含む医療用の配合外用薬です。感染が疑われる皮疹すべてに使う薬ではありません。承認された効能・効果、塗る回数、副作用、感染症・顔・眼の周囲・子どもへの注意を電子添文と公式資料に基づいて整理します。

皮膚科医がリンデロンVG軟膏の使用部位と注意点を患者に説明するイメージ
配合剤が適する皮疹か、塗る部位・回数・期間を診察で確認します。この画像は使用相談のイメージです。
リンデロン-VG軟膏0.12%5gチューブの公式製品画像
公式製品画像(引用)塩野義製薬株式会社「リンデロン-VG軟膏0.12%」5gチューブ。公式製品ページ(確認日:2026-08-30)。製品識別に必要な1点を無改変で掲載しています。
ステロイド+抗菌薬の配合剤炎症を抑える成分と、ゲンタマイシン感性菌に作用する成分を含みます。
通常1日1~数回電子添文では適量を塗布し、症状により適宜増減します。処方指示を優先します。
改善後は切り替えを確認対象症状が改善した場合は速やかに中止し、抗生物質を含まない薬剤へ切り替えます。
  • 製品:リンデロン-VG軟膏0.12%
  • 成分:ベタメタゾン吉草酸エステル+ゲンタマイシン硫酸塩
  • 剤形:白色~微黄色の半透明の軟膏
  • 製造販売元:シオノギファーマ株式会社

リンデロンVG軟膏とは

リンデロン-VG軟膏0.12%は、1g中にベタメタゾン吉草酸エステル1.2mgとゲンタマイシン硫酸塩1mg(力価)を含む、皮膚外用合成副腎皮質ホルモン・抗生物質配合剤です。前者は皮膚の炎症を抑え、後者は細菌の蛋白合成を阻害してゲンタマイシン感性菌に抗菌作用を示します。

ステロイド成分のベタメタゾン吉草酸エステル0.12%は、日本の外用ステロイド5段階分類ではストロング(III群)に位置づけられます。ただしVGは抗菌薬を含む配合剤であり、ランクだけで選ぶ薬ではありません。感染の種類、皮疹の状態、使用部位を確認して使います。

炎症を抑える成分ベタメタゾン吉草酸エステル1.2mg/gです。
抗菌薬成分ゲンタマイシン硫酸塩1mg(力価)/gです。
位置づけ対象となる皮疹に使う配合外用薬です。

効果と承認された効能・効果

電子添文の適応菌種はゲンタマイシン感性菌です。適応症は、湿潤、びらん、結痂を伴うか、または二次感染を併発している湿疹・皮膚炎群、乾癬、掌蹠膿疱症と、外傷・熱傷・手術創などの二次感染です。

確認項目電子添文の要点
適応菌種ゲンタマイシン感性菌
対象となる皮疹湿潤、びらん、結痂を伴うか、または二次感染を併発している対象疾患
創部など外傷・熱傷・手術創などの二次感染
改善した場合速やかに使用を中止し、抗生物質を含まない薬剤へ切り替える
「感染がありそう」だけで選ばない:ゲンタマイシン耐性菌・非感性菌による感染、真菌・ウイルス皮膚感染症などは禁忌です。膿、じゅくじゅく、痛み、急な広がりがあるときは診断を受けてください。

リンデロンV・DP・ゲンタシンとの違い

名称が似ていても成分と役割は異なります。処方された製品名を確認し、手元にある別製品と置き換えないでください。

製品・成分主な違い注意点
リンデロン-VGベタメタゾン吉草酸エステル+ゲンタマイシン硫酸塩ステロイドと抗菌薬の配合剤。承認された対象と感染の種類を確認
リンデロン-Vベタメタゾン吉草酸エステルの単剤抗菌薬成分を含まない
リンデロン-DPベタメタゾンジプロピオン酸エステルの単剤有効成分もステロイドのランクもVG/Vと異なる
ゲンタシンゲンタマイシン硫酸塩の抗菌外用薬ステロイド成分を含まない

使い方・回数・塗る量

電子添文上の用法・用量は「通常、1日1~数回、適量を塗布する。なお、症状により適宜増減する」です。処方時に回数や期間が具体的に指示されている場合は、その指示を優先します。効き目が足りないと感じても、回数や範囲を自己判断で増やしません。

清潔な指で外用薬を薄く塗る方法を練習用パッドで示すイメージ
練習用パッドを使った塗布方法のイメージです。実際には処方された部位へ指示された量を塗り、特定の製品外観や症例を示す画像ではありません。

塗る前後に確認すること

  1. 処方された製品名、使用部位、回数、期間を確認します。
  2. 患部と手を清潔にし、指示された量を患部へやさしく塗ります。
  3. 眼科用として使わず、化粧下やひげそり後には使用しません。
  4. 塗布後は、手に治療が必要な場合を除き手を洗います。
外用薬を塗ったあとに手を洗うイメージ
意図しない部位へ薬が付かないよう、塗布後の手洗いも含めて使用手順を確認します。
長期連用・広範囲・密封法に注意:大量または長期の広範囲使用や密封法(ODT)では、全身投与と同様の症状、眼の副作用、下垂体・副腎皮質系機能抑制などが問題になることがあります。自己判断でラップなどを使わないでください。

顔・まぶた・陰部・子どもへの注意

皮膚科医が顔や眼の周囲へ外用薬を使う際の注意点を説明するイメージ
顔や眼の周囲では、使用する薬、量、期間を処方元へ確認します。この画像は使用部位を相談するイメージです。

顔・頸・陰部・皮膚が重なる部位

顔、頸、陰部などはステロイド外用薬の吸収や局所副作用に注意が必要な部位です。リンデロンVGを自己判断で顔へ転用せず、炎症の程度、感染の有無、使用期間を確認してください。

まぶた・目の周囲

眼瞼皮膚への使用では、眼圧亢進や緑内障を起こすことがあります。また、大量または長期の広範囲使用や密封法で、後嚢白内障や緑内障があらわれることがあります。眼科用としては使用しません。

子ども・おむつを使用している場合

小児では長期使用や密封法を避けることとされています。おむつは密封法と同様の作用を生じることがあるため、使用部位、量、期間を処方時に確認してください。

妊娠中・高齢の方

妊婦または妊娠している可能性がある方は、大量または長期にわたる広範囲の使用を避けます。高齢者は一般に副作用があらわれやすいため、大量または長期の広範囲使用、密封法などに特に注意します。

副作用と受診・相談の目安

重大な副作用として、眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障が記載されています。ほかに、耐性菌・非感性菌による感染症、真菌症、ウイルス感染症、接触性皮膚炎、皮膚萎縮、ざ瘡様発疹、下垂体・副腎皮質系機能抑制、長期連用による腎障害・難聴などが記載されています。

分類電子添文に記載される主な内容対応の目安
皮膚感染症耐性菌・非感性菌による感染、カンジダ症・白癬、ウイルス感染症膿、痛み、急な悪化、広がりがある場合は使用継続を自己判断せず相談
皮膚の変化刺激感、接触性皮膚炎、発疹、皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑、ざ瘡様発疹など赤み、腫れ、小水疱、皮膚の薄さ、ぶつぶつなどが続く場合は相談
目への影響眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障、中心性漿液性網脈絡膜症眼の周囲の使用は処方元へ確認し、見え方の異常は受診
長期・大量使用下垂体・副腎皮質系機能抑制、長期連用では腎障害・難聴広範囲、長期、密封法を避け、処方どおりに使用
リンデロンVGの使用部位・回数・副作用が気になる方へ

まずは処方元の医師・薬剤師へ確認してください。受診する際は、製品名、塗っている部位、回数、期間、症状の変化が分かるものをご用意ください。

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使えない場合と使用前の確認

電子添文では、次に該当する場合は禁忌とされています。診断がついていない皮疹へ、以前の処方薬を自己判断で塗らないでください。

  • ゲンタマイシン耐性菌または非感性菌による皮膚感染
  • 真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症、疥癬やけじらみなどの動物性皮膚疾患
  • 本剤の成分に対して過敏症の既往がある場合
  • 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎
  • 潰瘍(ベーチェット病を除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷
  • アミノグリコシド系抗生物質またはバシトラシンに対する過敏症の既往がある場合
受診・相談の目安:塗っても改善しない、悪化する、膿や強い痛みが出る、皮膚が薄くなる、赤み・腫れ・小水疱が続く、見え方の異常がある場合は、塗り続ける前に医療機関へ相談してください。

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よくある質問

リンデロンVG軟膏はどのくらい強いステロイドですか?

ステロイド成分のベタメタゾン吉草酸エステル0.12%は、日本の5段階分類ではストロング(III群)に位置づけられます。VGはゲンタマイシン硫酸塩も含む配合剤であり、強さだけでなく感染の有無と承認された使用場面を確認して使います。

リンデロンVG軟膏は1日に何回塗りますか?

電子添文では、通常1日1~数回、適量を塗布し、症状により適宜増減するとされています。実際の回数、量、期間は処方内容を優先してください。

顔やまぶたに使えますか?

眼科用としては使えません。眼瞼皮膚への使用では眼圧亢進や緑内障の報告があり、顔では一般に薬剤の吸収が高いことも踏まえ、処方された部位・量・期間を守る必要があります。自己判断で顔やまぶたへ転用しないでください。

感染している皮膚なら何にでも使えますか?

いいえ。適応菌種はゲンタマイシン感性菌で、湿潤・びらん・結痂または二次感染を伴う対象疾患などに使用します。ゲンタマイシン耐性菌・非感性菌による感染、真菌・ウイルス皮膚感染症などは禁忌です。感染の種類を自己判断せず診察を受けてください。

子どもに使うときの注意点はありますか?

小児では長期・大量使用や密封法による発育障害の報告があります。おむつは密封法と同様に作用するため、塗る部位、量、回数、期間を処方時に確認してください。

症状が良くなったらすぐにやめてもよいですか?

電子添文では、湿潤、びらん、結痂または二次感染などが改善した場合は速やかに使用を中止し、抗生物質を含まない薬剤へ切り替えることとされています。切り替えの時期は自己判断せず処方元へ確認してください。

どのような副作用に注意しますか?

眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障が重大な副作用として記載されています。そのほか、皮膚刺激、接触性皮膚炎、発疹、耐性菌・非感性菌による感染、真菌症・ウイルス感染症、皮膚萎縮、ざ瘡様発疹などに注意します。長期連用では腎障害や難聴も頻度不明で記載されています。

参考文献・公的資料

この記事の監修医

倉田照久 医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長 電子添文、メーカー公式情報、診療ガイドラインを基に、効能・効果、用法・用量、禁忌、副作用、使用部位の注意点を確認しています。

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