- ✓ 真菌症は白癬菌、カンジダ菌、マラセチア菌など、様々な真菌によって引き起こされる感染症です。
- ✓ 適切な診断には、患部の状態観察に加え、顕微鏡検査や培養検査が不可欠です。
- ✓ 治療は抗真菌薬が中心ですが、真菌の種類や症状の重症度に応じて外用薬と内服薬を使い分け、完治まで継続することが重要です。
真菌症の種類と症状とは?

真菌症とは、カビの一種である真菌が皮膚、粘膜、爪、毛髪などに感染して引き起こされる病気の総称です。真菌は私たちの身の回りに常に存在しており、通常は無害ですが、体の抵抗力が低下したり、高温多湿な環境が続いたりすると増殖し、感染症を引き起こすことがあります[4]。主な真菌症には、白癬(水虫・たむし)、カンジダ症、マラセチア毛包炎などがあります。
白癬(水虫・たむし)とは?その症状は?
白癬は、皮膚糸状菌と呼ばれる真菌が皮膚の角質層や爪、毛髪に感染することで発症する真菌症です。足に感染すると「水虫(足白癬)」、股部に感染すると「いんきんたむし(股部白癬)」、体部に感染すると「ぜにたむし(体部白癬)」などと呼ばれます。水虫の症状としては、足の指の間がジュクジュクしたり、皮がむけたり、強いかゆみを伴ったりすることが多いです。また、足の裏全体が乾燥してひび割れるタイプや、小さな水ぶくれができるタイプもあります。爪に感染すると「爪白癬」となり、爪が白く濁ったり、厚くなったり、変形したりします。当院では、特に夏場になると「足の指の間が痒くて皮がむける」と相談される患者さまが多くいらっしゃいます。問診の際には、家族に水虫の人がいるか、温泉やプールを利用したかなど、感染経路となりうる状況を詳しく伺うようにしています。
| 真菌症の種類 | 主な原因菌 | 主な症状 | 好発部位 |
|---|---|---|---|
| 白癬(水虫・たむし) | 皮膚糸状菌 | かゆみ、水ぶくれ、皮むけ、紅斑、爪の変色・肥厚 | 足、股部、体幹、爪、頭部 |
| カンジダ症 | カンジダ菌 | 紅斑、びらん、白いカス、かゆみ、痛み | 口内、性器、皮膚のしわ、乳児のおむつ部 |
| マラセチア毛包炎 | マラセチア菌 | 赤いブツブツ(丘疹)、かゆみ | 顔、胸、背中 |
カンジダ症とは?その症状は?
カンジダ症は、カンジダ菌という酵母様真菌によって引き起こされる感染症です。カンジダ菌は健康な人の皮膚や粘膜にも常在していますが、免疫力の低下、抗生物質の長期使用、糖尿病、高温多湿などの条件が重なると異常増殖し、症状を引き起こします[2]。症状は感染部位によって異なり、口の中に白い苔のようなものができる「口腔カンジダ症」、女性の性器に強いかゆみや白いおりものが出る「膣カンジダ症」、皮膚の摩擦が起きやすい部位(脇の下、股部、乳房の下など)に紅斑やびらんが生じる「皮膚カンジダ症」などがあります。特に、糖尿病の患者さまや、長期にわたるステロイド使用歴のある患者さまでは、カンジダ症を合併しているケースをよく経験します。診察の際には、基礎疾患や服用中の薬剤について詳しく確認し、症状の背景にある要因を特定するようにしています。
マラセチア毛包炎とは?その症状は?
マラセチア毛包炎は、マラセチア菌という常在真菌が毛穴に感染して炎症を起こす病気です。マラセチア菌は皮脂を栄養源として増殖するため、皮脂腺が発達している顔、胸、背中などに赤いブツブツ(丘疹)が多発するのが特徴です。ニキビと間違えられやすいですが、マラセチア毛包炎はかゆみを伴うことが多く、思春期以降の男女に多く見られます。当院の診察では、ニキビとマラセチア毛包炎の鑑別が重要なポイントになります。「ニキビだと思って市販薬を塗っていたが改善しない」と来院される患者さまの中には、マラセチア毛包炎と診断される方も少なくありません。症状が広範囲に及ぶ場合や、通常のニキビ治療で改善しない場合は、マラセチア毛包炎を疑い、適切な検査と治療を提案しています。
真菌症の検査と治療とは?

真菌症の適切な治療には、正確な診断が不可欠です。自己判断で市販薬を使用しても改善しない場合や、症状が悪化する場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。当院では、患者さまの症状やライフスタイルに合わせた最適な検査・治療法を提案しています。
真菌症の検査方法にはどのようなものがありますか?
真菌症の診断は、主に以下の方法で行われます。
- 視診・問診: 症状の部位、見た目、かゆみの有無、発症時期、生活習慣などを詳しく伺います。
- 顕微鏡検査(KOH直接鏡検): 患部から採取した皮膚や爪の一部を水酸化カリウム(KOH)溶液で処理し、顕微鏡で真菌の有無を直接確認する方法です。この検査は迅速に結果が得られるため、当院でも初診時に積極的に行っています。患者さまには「その場でカビがいるか確認できますよ」とお伝えし、検査への不安を軽減するように努めています。
- 真菌培養検査: 採取した検体を特殊な培地で培養し、真菌を増殖させて種類を特定する検査です。結果が出るまでに数日から数週間かかりますが、より正確な診断と、適切な抗真菌薬の選択に役立ちます。特に治療が奏功しない場合や、稀な真菌が疑われる場合に実施します。
- ウッド灯検査: 特定の真菌が紫外線に反応して蛍光を発する性質を利用した検査です。主に頭部白癬や癜風(でんぷう)の診断に用いられます。
真菌症の治療法にはどのようなものがありますか?
真菌症の治療は、主に抗真菌薬を用いて行われます。真菌の種類、感染部位、症状の重症度、患者さまの全身状態によって、外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)が使い分けられます。
- 外用抗真菌薬: 軽度から中等度の皮膚真菌症に用いられます。クリーム、軟膏、液剤、スプレーなど様々な剤形があり、患部に直接塗布します。ケトコナゾール、テルビナフィン、ルリコナゾールなどが代表的です[1]。当院では、患者さまの皮膚の状態やライフスタイルに合わせて、最も使いやすい剤形を提案するようにしています。例えば、足の指の間がジュクジュクしている方にはクリームタイプ、広範囲にわたる方には液剤やスプレータイプをお勧めすることが多いです。
- 内服抗真菌薬: 爪白癬や広範囲にわたる皮膚真菌症、外用薬で効果が見られない場合、または毛髪の真菌症などに用いられます。テルビナフィン、イトラコナゾールなどが代表的です。内服薬は全身に作用するため、より高い効果が期待できますが、肝機能障害などの副作用のリスクがあるため、定期的な血液検査で経過を観察しながら慎重に処方されます。爪白癬の治療では、内服薬を数ヶ月間継続する必要がありますが、治療を始めて3ヶ月ほどで「新しい爪がきれいになってきた」とおっしゃる方が多いです。服薬期間が長いため、患者さまのモチベーション維持も重要な要素となります。
真菌症の治療は、症状が改善しても真菌が完全に死滅するまで継続することが非常に重要です。自己判断で治療を中断すると再発のリスクが高まります。医師の指示に従い、最後まで治療を続けるようにしましょう。
また、治療と並行して、患部を清潔に保ち、乾燥させるなどの生活習慣の改善も重要です。靴下や衣類を毎日交換し、通気性の良いものを着用する、入浴後は患部をしっかり乾燥させるなどの対策が再発予防に繋がります。
渋谷で真菌症・水虫・カンジダの相談なら
真菌症は、放置すると症状が悪化したり、他人に感染させたりする可能性があるため、早期の診断と適切な治療が大切です。渋谷周辺で真菌症、水虫、カンジダ症でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。当院では、患者さま一人ひとりの症状や生活習慣に合わせた丁寧な診療を心がけています。
当院の真菌症診療の特徴は?
当院は、渋谷駅からアクセスしやすい立地で、忙しい方でも通院しやすい環境を整えています。真菌症の診療においては、以下の特徴があります。
- 迅速な診断: 初診時に顕微鏡検査(KOH直接鏡検)を実施し、その場で真菌の有無を確認できるため、早期に治療を開始できます。患者さまからは「すぐに原因が分かって安心した」という声をよくいただきます。
- きめ細やかな治療計画: 症状の程度、真菌の種類、患者さまのライフスタイル(仕事、スポーツなど)を考慮し、外用薬、内服薬、生活指導を組み合わせた最適な治療計画を立案します。特に爪白癬の患者さまには、内服治療のメリット・デメリット、治療期間、費用について丁寧に説明し、納得いただいた上で治療を開始するようにしています。
- 再発予防への取り組み: 治療終了後も、再発を防ぐための予防策やスキンケアについて詳しくアドバイスを行います。特に水虫は再発しやすいため、靴の通気性や足の清潔保持など、具体的な対策を指導しています。
- プライバシーへの配慮: デリケートな部位の真菌症についても、プライバシーに配慮した診療を心がけておりますので、安心してご相談いただけます。
当院での診療の流れは?
当院での真菌症診療は、以下の流れで進みます。
- 受付: ご来院後、受付で問診票をご記入いただきます。
- 問診・視診: 医師が症状について詳しくお伺いし、患部の状態を視診します。
- 検査: 必要に応じて、顕微鏡検査や真菌培養検査を行います。顕微鏡検査は通常、数分で結果が出ます。
- 診断・治療方針の説明: 検査結果に基づき、真菌症の種類と病状を説明し、最適な治療法(外用薬、内服薬、生活指導など)を提案します。
- 処方・治療開始: 処方箋を発行し、治療を開始します。外用薬の使用方法や内服薬の注意点について詳しく説明します。
- 経過観察: 症状の改善状況や副作用の有無を確認するため、定期的な受診をお願いしています。特に内服薬を使用する場合は、血液検査で肝機能などをチェックします。
「渋谷で真菌症・水虫・カンジダの相談なら」当院は、患者さまが安心して治療を受けられるよう、丁寧な説明とサポートを心がけております。お気軽にご来院ください。
真菌症のメカニズムと予防策とは?

真菌症は、真菌が皮膚や粘膜に付着し、特定の条件下で増殖することで発症します。そのメカニズムを理解することで、効果的な予防策を講じることが可能です。
真菌が感染・増殖するメカニズムは?
真菌は、その種類によって好む環境や感染部位が異なりますが、共通して以下のメカニズムで感染・増殖します。
- 接触感染: 真菌は、感染している人や動物、または真菌が付着した物品(バスマット、靴、タオルなど)との直接的または間接的な接触によって伝播します。特に皮膚糸状菌による白癬は、公衆浴場やスポーツジムの共用施設での感染が多いとされています。
- 湿潤環境: 真菌は高温多湿な環境で増殖しやすい性質があります。特に、足の指の間、股部、脇の下、乳房の下など、皮膚が密着して蒸れやすい部位は真菌にとって好ましい環境となります。汗をかきやすい夏場や、通気性の悪い靴を履く習慣がある人は注意が必要です。
- 皮膚バリア機能の低下: 乾燥、傷、アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下していると、真菌が侵入しやすくなります。また、糖尿病や免疫抑制剤の使用などにより全身の免疫力が低下している場合も、真菌感染のリスクが高まります[2]。
- 常在菌のバランス変化: カンジダ菌やマラセチア菌は、もともと皮膚や粘膜に常在している菌ですが、抗生物質の長期服用などにより、他の常在菌とのバランスが崩れると異常増殖し、病原性を発揮することがあります。
- 皮膚糸状菌(Dermatophytes)
- 皮膚の角質層、毛髪、爪などのケラチンを栄養源として増殖する真菌の総称。白癬の原因菌となる。
- カンジダ菌(Candida)
- 酵母様真菌の一種で、健康な人の皮膚や粘膜にも常在する。免疫力の低下や環境の変化で異常増殖し、カンジダ症を引き起こす。
- マラセチア菌(Malassezia)
- 皮膚の常在真菌で、皮脂を栄養源として増殖する。マラセチア毛包炎や癜風の原因となる。
真菌症の効果的な予防策は?
真菌症の予防には、真菌が感染・増殖しにくい環境を整えることが重要です。以下の点に注意して日常生活を送りましょう。
- 清潔を保つ: 毎日入浴し、石鹸で体を丁寧に洗い、特に足の指の間や股部などの蒸れやすい部位は清潔に保ちましょう。入浴後は、タオルで水分をしっかり拭き取り、乾燥させることが大切です。
- 乾燥を心がける: 通気性の良い靴や靴下を選び、長時間同じ靴を履き続けないようにしましょう。靴の中が蒸れる場合は、乾燥剤や除湿シートを活用するのも効果的です。特に夏場はサンダルや通気性の良いスニーカーを選ぶように指導しています。
- 共有物の使用を避ける: バスマット、タオル、スリッパなどは家族間でも共有せず、個人専用のものを使用しましょう。公衆浴場やスポーツジムでは、足拭きマットの使用を避けたり、自分のサンダルを持参したりするなどの注意が必要です。
- 免疫力を維持する: バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、ストレスをためないようにすることで、全身の免疫力を高く保ちましょう。基礎疾患がある場合は、その治療を適切に行うことも重要です。
- 早期発見・早期治療: 少しでも異変を感じたら、自己判断せずに早めに皮膚科を受診しましょう。早期に治療を開始することで、症状の悪化や他者への感染を防ぐことができます。
これらの予防策を日常生活に取り入れることで、真菌症のリスクを低減し、健康な皮膚を維持することが期待できます。
まとめ
真菌症は、白癬菌、カンジダ菌、マラセチア菌など様々な真菌によって引き起こされる皮膚や粘膜の感染症です。それぞれの真菌症には特徴的な症状があり、適切な診断には顕微鏡検査や培養検査が不可欠です。治療は抗真菌薬が中心となり、外用薬と内服薬を症状や部位に応じて使い分けます。治療は症状が改善しても自己判断で中断せず、医師の指示に従って完治まで継続することが重要です。また、清潔保持、乾燥、共有物の回避、免疫力維持などの予防策を講じることで、真菌症のリスクを低減し、再発を防ぐことができます。異変を感じたら、早めに皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
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- Franchesca D Choi, Margit L W Juhasz, Natasha Atanaskova Mesinkovska. Topical ketoconazole: a systematic review of current dermatological applications and future developments.. The Journal of dermatological treatment. 2019. PMID: 30668185. DOI: 10.1080/09546634.2019.1573309
- Marcia Ramos-E-Silva, Cíntia Maria Oliveira Lima, Regina Casz Schechtman et al.. Superficial mycoses in immunodepressed patients (AIDS).. Clinics in dermatology. 2010. PMID: 20347666. DOI: 10.1016/j.clindermatol.2009.12.008
- Bertrand Dupont. [Use of topical antifungal agents].. Therapie. 2006. PMID: 16989127. DOI: 10.2515/therapie:2006041
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