- ✓ 真菌症は皮膚、爪、粘膜などに感染する疾患で、適切な診断と治療が重要です。
- ✓ 水虫やカンジダ症は身近な真菌症であり、市販薬では治りにくい場合も多いため、皮膚科での専門的な治療が推奨されます。
- ✓ 渋谷の皮膚科では、真菌検査による正確な診断と、内服薬・外用薬を組み合わせた治療で再発防止にも努めます。
真菌症は、カビの一種である真菌が皮膚、爪、粘膜などに感染することで発症する疾患の総称です。特に「水虫」として知られる足白癬や、女性に多い「カンジダ症」は身近な真菌症であり、適切な診断と治療が重要となります。この記事では、真菌症の種類や症状、診断方法、治療法について、渋谷の皮膚科での診療を踏まえながら詳しく解説します。
真菌症とは?その種類とメカニズム

真菌症は、真菌(カビ)が原因で起こる感染症です。真菌は私たちの身の回りのどこにでも存在し、皮膚の表面や体内に侵入することで様々な症状を引き起こします。真菌症は大きく分けて、皮膚の表面に感染する「表在性真菌症」と、体の深部に感染する「深在性真菌症」がありますが、一般的に皮膚科で扱うのは表在性真菌症がほとんどです。日本における皮膚真菌症の疫学調査では、白癬菌による感染が最も多いことが報告されています[4]。
主な真菌症の種類
代表的な表在性真菌症には、以下のものがあります。
- 白癬(はくせん):皮膚糸状菌という真菌が原因で、皮膚や爪、毛髪に感染します。足にできる「水虫(足白癬)」、爪にできる「爪水虫(爪白癬)」、体にできる「ぜにたむし(体部白癬)」、股にできる「いんきんたむし(股部白癬)」などがあります。
- カンジダ症:カンジダ菌という酵母様真菌が原因で、皮膚、粘膜(口の中、性器など)、爪に感染します。特に女性の性器に発症する「膣カンジダ症」がよく知られています。
- 癜風(でんぷう):マラセチア菌という酵母様真菌が原因で、主に胸や背中、腕などに茶色や白色の斑点ができます。
真菌感染のメカニズム
真菌は、高温多湿な環境を好み、皮膚の角質層や爪のケラチンを栄養源として増殖します。例えば、水虫の原因となる白癬菌は、公衆浴場やプール、スポーツジムのマットなどで付着しやすく、足の指の間や足裏の皮膚に侵入して感染が成立します[3]。カンジダ菌は常在菌として私たちの体にも存在しますが、免疫力の低下、抗生物質の長期服用、ホルモンバランスの変化などによって異常増殖し、症状を引き起こすことがあります。
- 皮膚糸状菌(Dermatophyte)
- 皮膚、毛髪、爪のケラチンを分解して栄養源とする真菌の一種で、白癬の原因となります。Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属の3属が主な病原体です。
- カンジダ菌(Candida)
- 酵母様真菌の一種で、口腔、消化管、皮膚、性器などに常在しています。免疫力の低下や環境の変化により異常増殖すると、カンジダ症を引き起こします。
水虫(足白癬・爪白癬)の症状と治療法
水虫は、真菌症の中でも最も一般的な疾患の一つです。当院では、足の指の間がジュクジュクする、足裏の皮がむける、かゆみが強いといった症状で来院される患者さまが多くいらっしゃいます。
足水虫(足白癬)の症状
足白癬にはいくつかのタイプがあり、症状も様々です。
- 趾間型(しかんがた):足の指の間が白くふやけたり、赤くただれたり、皮がむけたりします。かゆみが強いことが多いです。
- 小水疱型(しょうすいほうがた):足の裏や側面に小さな水ぶくれができ、強いかゆみを伴います。水ぶくれが破れると、皮がむけて乾燥します。
- 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた):足の裏やかかとが乾燥して硬くなり、ひび割れを起こすこともあります。かゆみは少ないことが多いですが、治りにくいタイプです。
爪水虫(爪白癬)の症状
爪白癬は、爪が白く濁る、黄色く変色する、分厚くなる、ボロボロと崩れるといった症状が見られます。かゆみや痛みがないため放置されがちですが、放置すると他の爪や周囲の皮膚にも感染が広がる可能性があります。また、家族への感染源となることもあります。
水虫の診断と治療
水虫の診断は、症状のある部位の皮膚や爪の一部を採取し、顕微鏡で真菌の有無を確認する「直接鏡検」によって行われます。この検査は数分で結果が分かり、正確な診断に不可欠です。当院では、初診時にこの検査を必ず行い、真菌感染の有無を明確に判断しています。
治療法は、症状や感染部位によって異なります。
- 外用薬(塗り薬):足白癬の多くは、抗真菌薬の塗り薬で治療します。症状が改善しても、自己判断で中断せずに医師の指示に従って数ヶ月間は継続することが重要です。
- 内服薬(飲み薬):爪白癬や、外用薬で効果が見られない足白癬、広範囲にわたる白癬などには、内服薬が用いられます。内服薬は肝機能に影響を与える可能性があるため、定期的な血液検査を行いながら治療を進めることがあります。新しい抗真菌薬の開発も進められており、治療選択肢は広がりつつあります[1]。
市販薬で一時的に症状が改善しても、真菌が完全に死滅していないと再発を繰り返すことがあります。自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従って完治を目指すことが大切です。
当院の診察では、処方後のフォローアップで、副作用の有無だけでなく、治療を継続できているか、効果の実感があるかを確認するようにしています。特に爪水虫の治療は数ヶ月から1年近くかかることもあり、「いつになったら治るのか」と不安に感じる患者さまも少なくありません。そうした不安を軽減するためにも、治療の進捗を丁寧に説明し、継続をサポートすることを心がけています。
カンジダ症の症状と効果的な治療法は?

カンジダ症は、カンジダ菌という真菌によって引き起こされる感染症です。特に女性に多く見られる膣カンジダ症は、強いかゆみやおりものの異常を伴うことが特徴です。初診時に「デリケートゾーンの強いかゆみが続く」と相談される患者さまも少なくありません。
カンジダ症の主な症状
- 膣カンジダ症:外陰部や膣の強いかゆみ、灼熱感、白いカッテージチーズ状のおりものが主な症状です。性交時や排尿時に痛みを感じることもあります。
- 口腔カンジダ症:舌や口の中に白い苔のようなものが付着し、痛みや味覚異常を伴うことがあります。乳幼児や免疫力が低下した方に多く見られます。
- 皮膚カンジダ症:皮膚が赤くなり、小さなプツプツやただれが生じます。特に湿気の多い脇の下や股、おむつが当たる部分などに発生しやすいです。
カンジダ症の診断と治療
カンジダ症の診断も、症状のある部位から検体を採取し、顕微鏡でカンジダ菌の有無を確認する直接鏡検が基本です。膣カンジダ症の場合、膣分泌液を採取して検査します。
治療には、主に抗真菌薬が用いられます。
- 外用薬:膣カンジダ症では、膣錠やクリームなどの外用薬が一般的です。皮膚カンジダ症には、抗真菌クリームを塗布します。
- 内服薬:外用薬で効果が不十分な場合や、症状が重い場合には内服薬を使用することもあります。
カンジダ症は再発しやすい疾患としても知られています。治療後も、生活習慣の改善(通気性の良い下着の着用、デリケートゾーンの清潔保持など)や、免疫力の維持が再発予防には重要です。当院では、治療だけでなく、日頃の生活で注意すべき点についても詳しくアドバイスし、患者さまが安心して日常生活を送れるようサポートしています。
その他の真菌症:癜風やその他の皮膚真菌症とは?
水虫やカンジダ症以外にも、様々な真菌が皮膚感染症を引き起こすことがあります。これらの疾患も、渋谷の皮膚科で適切に診断・治療することが可能です。
癜風(でんぷう)
癜風は、マラセチア菌という常在真菌が過剰に増殖することで起こる皮膚疾患です。高温多湿の環境や皮脂の分泌が多い人にできやすく、夏場に症状が悪化する傾向があります。
- 症状:胸、背中、首、腕などに、茶色や白色の斑点が多数現れます。かゆみはほとんどないか、あっても軽度です。白色の斑点は、マラセチア菌が作り出す物質がメラニン色素の生成を阻害するために起こります。
- 治療:抗真菌作用のある外用薬(塗り薬)や、抗真菌成分を含むシャンプーなどを使用します。症状が広範囲にわたる場合は、内服薬を併用することもあります。
その他の皮膚真菌症
- 体部白癬(ぜにたむし):体幹や四肢に円形の赤い斑点ができ、縁が盛り上がって中央が治癒していく特徴的な形をしています。かゆみを伴います。
- 股部白癬(いんきんたむし):股の付け根や内股にできる白癬で、強いかゆみと赤み、湿疹を伴います。男性に多く見られます。
- 頭部白癬(しらくも):頭皮や毛髪に感染する白癬で、フケ、脱毛、かゆみ、炎症などを引き起こします。子供に比較的多く見られます[2]。
これらの真菌症も、症状のある部位の皮膚を採取して顕微鏡で真菌を確認することで診断し、種類に応じた抗真菌薬で治療を行います。当院では、問診の際に患者さまの生活環境や家族歴を詳しく伺うようにしています。特にペットを飼っている方の場合、動物由来の真菌感染も考慮に入れる必要があるため、重要な情報となります。
渋谷の皮膚科での真菌症治療の流れと検査方法
真菌症の治療は、正確な診断から始まります。渋谷の当院では、患者さま一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診療を心がけています。
初診時の流れ
- 問診:症状がいつから始まったか、どのような症状か、かゆみや痛みの有無、過去の病歴、使用中の薬、生活習慣などについて詳しくお伺いします。
- 視診:患部の状態を医師が直接確認します。
- 真菌検査(直接鏡検):症状のある部位の皮膚や爪の一部を採取し、顕微鏡で真菌の有無を確認します。この検査は痛みもほとんどなく、数分で結果が分かります。真菌が検出されれば、真菌症と確定診断できます。
- 診断と治療方針の説明:検査結果に基づき、診断名と最適な治療法(外用薬、内服薬など)について詳しく説明します。治療期間や注意点などもお伝えし、患者さまが納得して治療に取り組めるよう努めます。
この一連の診療フローは、オンライン診療でも同様に行うことが可能です。オンライン診療では、まず視診で症状を確認し、必要に応じて来院を促して真菌検査を実施します。遠方にお住まいの方や、忙しくて来院が難しい方でも、気軽に相談できる体制を整えています。
真菌検査の重要性
真菌症と似た症状を示す皮膚疾患は多く、例えば湿疹やアトピー性皮膚炎、乾癬などと見分けがつきにくいことがあります。真菌検査を行わずにステロイド剤などを塗布すると、一時的に症状が改善したように見えても、真菌が増殖してかえって悪化させてしまうケースも少なくありません。正確な診断があってこそ、適切な治療へとつながります。
| 治療法 | 主な対象疾患 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 外用抗真菌薬 | 足白癬、体部白癬、股部白癬、皮膚カンジダ症、癜風 | 副作用が少ない、患部に直接作用 | 広範囲や爪、毛髪には効果が限定的、長期継続が必要 |
| 内服抗真菌薬 | 爪白癬、難治性足白癬、広範囲の白癬、重症カンジダ症 | 全身に作用し効果が高い、治療期間が外用薬より短い場合も | 肝機能障害などの副作用、定期的な血液検査が必要な場合あり |
真菌症の予防と日常生活での注意点

真菌症は一度治っても再発することが少なくありません。特に水虫は日本人の約5人に1人が感染しているとも言われ、2021年の調査でも依然として高い罹患率が示されています[5]。治療と並行して、日常生活での予防策を講じることが非常に重要です。当院では、治療を終えた患者さまにも、再発防止のための具体的なアドバイスを必ず行っています。
水虫の予防策
- 足を清潔に保つ:毎日石鹸で丁寧に洗い、特に指の間はしっかりと洗いましょう。
- 足を乾燥させる:入浴後は、タオルで水分を丁寧に拭き取り、ドライヤーの冷風などで完全に乾燥させましょう。
- 通気性の良い靴や靴下を選ぶ:革靴やブーツなど、通気性の悪い靴は避け、綿や麻などの吸湿性の良い靴下を選びましょう。毎日同じ靴を履かず、数足を交互に履くことも有効です。
- 家族内感染を防ぐ:家族に水虫の人がいる場合は、バスマットやスリッパの共有を避け、こまめに洗濯・消毒しましょう。
カンジダ症の予防策
- デリケートゾーンを清潔に保つ:洗いすぎは逆効果になることもあるため、専用のソープなどで優しく洗いましょう。
- 通気性の良い下着を選ぶ:締め付けのきつい下着や化学繊維の下着は避け、綿素材などの通気性の良いものを選びましょう。
- 免疫力を維持する:ストレスや疲労は免疫力を低下させ、カンジダ菌の増殖を助けることがあります。十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけましょう。
- 抗生物質の乱用を避ける:抗生物質は、カンジダ菌と競合する善玉菌も殺してしまうため、カンジダ菌が増殖しやすい環境を作ることがあります。
実際の診療では、患者さまのライフスタイルに合わせて、具体的な予防策を提案しています。例えば、「仕事柄、一日中革靴を履いている」という方には、休憩中に靴を脱ぐ、吸湿性の高い中敷きを使用するなどの工夫をお勧めしています。治療効果を最大限に引き出し、再発を防ぐためには、患者さまご自身の協力が不可欠です。
まとめ
真菌症は、水虫(足白癬、爪白癬)やカンジダ症をはじめ、様々な形で私たちの皮膚や粘膜に影響を及ぼす疾患です。かゆみや見た目の問題だけでなく、放置すると悪化したり、周囲の人に感染を広げたりする可能性もあります。渋谷の皮膚科では、真菌検査による正確な診断に基づき、患者さま一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた最適な治療法を提案しています。外用薬や内服薬を用いた治療はもちろんのこと、再発予防のための生活習慣に関するアドバイスも重要です。気になる症状がある場合は、自己判断せずに、早めに皮膚科を受診し、専門医の診察を受けることをお勧めします。
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よくある質問(FAQ)
- Adam I Rubin, Bita Bagheri, Richard K Scher. Six novel antimycotics.. American journal of clinical dermatology. 2002. PMID: 11893219. DOI: 10.2165/00128071-200203020-00001
- B E Elewski. Cutaneous mycoses in children.. The British journal of dermatology. 1996. PMID: 8763460. DOI: 10.1111/j.1365-2133.1996.tb15651.x
- J H Hall, J L Lesher. Superficial fungal infections.. Pediatrician. 1991. PMID: 1946088
- Harunari Shimoyama, Yoshihiro Sei. 2016 Epidemiological Survey of Dermatomycoses in Japan.. Medical mycology journal. 2020. PMID: 31474694. DOI: 10.3314/mmj.19.007
- Kaori Nakamura, Tomoo Fukuda. [2021 Epidemiological Survey of Dermatomycoses in Japan].. Medical mycology journal. 2023. PMID: 38030276. DOI: 10.3314/mmj.23-00008