- ✓ ニキビ跡の予防には、ニキビの早期治療と炎症の抑制が最も重要です。
- ✓ 適切なスキンケア、生活習慣の改善、そして皮膚科での専門的な治療が予防の鍵となります。
- ✓ 自己判断せず、症状が進行する前に皮膚科医に相談し、最適な治療計画を立てることが推奨されます。
ニキビ跡は、ニキビが治った後に皮膚に残る変化の総称であり、その予防はニキビ治療において非常に重要な課題です。ニキビ跡には、赤みや色素沈着といった一時的なものから、クレーターやケロイドといった永続的なものまで様々な種類があり、これらは患者さんのQOL(生活の質)に大きく影響を及ぼす可能性があります[1]。ニキビ跡の予防は、単に見た目の問題だけでなく、精神的な負担を軽減し、健康な肌を維持するために不可欠です。本記事では、ニキビ跡の種類とその発生メカニズムを解説し、効果的な予防方法について、具体的なデータや臨床経験を交えながら詳しくご紹介します。
ニキビ跡とは?その種類と発生メカニズム

ニキビ跡とは、ニキビによる炎症が治まった後に皮膚に残る、様々な形態の痕跡を指します。ニキビ跡は、その見た目や発生メカニズムによっていくつかの種類に分類され、それぞれ適切な予防策と治療法が異なります[1]。
ニキビ跡の種類とは?
ニキビ跡は大きく分けて、色素沈着性の跡と、組織の欠損や過剰な増殖による瘢痕(はんこん)性の跡に分類されます。
- 炎症後紅斑(PIE: Post-inflammatory Erythema): ニキビの炎症が治まった後、毛細血管の拡張や新生血管によって皮膚が赤く残る状態です。特に色白の方に多く見られます。
- 炎症後色素沈着(PIH: Post-inflammatory Hyperpigmentation): 炎症によってメラニン色素が過剰に生成され、皮膚に茶色や紫色のシミとして残る状態です。日焼けしやすい方や肌の色が濃い方に多く見られます。
- 萎縮性瘢痕(Atrophic Scars): 皮膚の組織が破壊され、陥没してできる跡で、いわゆる「クレーター」と呼ばれるものです。形状によって以下のように細分化されます[1]。
- アイスピック型 (Icepick scars): 深く、狭いV字型の陥没。
- ボックスカー型 (Boxcar scars): 比較的広く、角がはっきりしたU字型の陥没。
- ローリング型 (Rolling scars): 緩やかな波状の陥没で、皮膚の下の組織が線維化して引っ張られることで生じます。
- 肥厚性瘢痕・ケロイド (Hypertrophic scars/Keloids): 炎症が治まった後も、線維芽細胞が過剰にコラーゲンを生成し続けることで、皮膚が盛り上がってできる跡です。ケロイドは元のニキビの範囲を超えて広がる特徴があります。
- 瘢痕(はんこん)
- 皮膚が損傷を受けた後、修復過程で形成される線維性の組織。一般的に「傷跡」として認識されるものです。ニキビの炎症が真皮深層にまで及んだ場合に生じやすいとされています。
ニキビ跡が発生するメカニズムとは?
ニキビ跡の発生は、ニキビの炎症の程度と、その炎症に対する皮膚の反応によって決まります。主なメカニズムは以下の通りです[1][4]。
- 炎症の悪化: アクネ菌の増殖や毛包の破裂により、炎症が真皮層にまで及ぶと、周囲のコラーゲンやエラスチンといった組織が破壊されます。
- 修復過程の異常: 破壊された組織を修復する過程で、線維芽細胞が過剰に働いたり、逆に十分に機能しなかったりすることで、瘢痕が形成されます。
- 萎縮性瘢痕: コラーゲンの産生が不十分で、組織が不足するために陥没が生じます。
- 肥厚性瘢痕・ケロイド: コラーゲンの過剰な産生と沈着により、組織が盛り上がります。
- 色素細胞の活性化: 炎症刺激によりメラノサイト(色素細胞)が活性化され、メラニン色素が過剰に生成・沈着することで、炎症後色素沈着が生じます。
当院では、初診時に「ニキビが治っても、結局跡になってしまうんです」と相談される患者さまも少なくありません。特に、炎症が強く、膿を伴うような重症ニキビを放置してしまったケースでは、深いクレーター状の跡が残るリスクが高いことを診察の中で実感しています。ニキビ跡の予防は、早期の段階で適切な治療を開始し、炎症を最小限に抑えることが最も重要です。
ニキビ跡を予防するための基本的なスキンケア方法とは?
ニキビ跡の予防には、日々の適切なスキンケアが不可欠です。正しいスキンケアは、ニキビの発生を抑え、既存のニキビの炎症を悪化させないことで、結果的にニキビ跡のリスクを低減します[2]。
洗浄(洗顔)のポイント
過剰な皮脂や毛穴の詰まりはニキビの原因となるため、適切な洗顔で肌を清潔に保つことが重要です。
- やさしい洗顔料の選択: 刺激の少ない、弱酸性の洗顔料を選びましょう。殺菌成分や角質除去成分が配合されたものも効果的ですが、肌の状態に合わせて選ぶことが大切です。
- 正しい洗い方: 泡立てネットなどで十分に泡立て、泡で肌を包み込むようにやさしく洗います。ゴシゴシ擦る摩擦は、ニキビの炎症を悪化させ、色素沈着や瘢痕のリスクを高めるため避けてください。
- すすぎの徹底: 洗顔料が肌に残らないよう、ぬるま湯(32〜34℃程度)で丁寧にすすぎます。熱すぎるお湯は肌の乾燥を招き、冷たすぎる水は毛穴を引き締めすぎて汚れが落ちにくくなることがあります。
- 回数: 朝晩の1日2回が目安です。過剰な洗顔は肌のバリア機能を損ねる可能性があるため、避けましょう。
保湿の重要性
ニキビ肌は乾燥しやすい傾向があり、乾燥は肌のバリア機能を低下させ、ニキビを悪化させる原因にもなります。適切な保湿は、肌の健康を保ち、ニキビの発生を防ぐ上で非常に重要です。
- ノンコメドジェニック製品の選択: 油分が多く毛穴を詰まらせやすい製品は避け、ニキビができにくい処方(ノンコメドジェニックテスト済み)の化粧水や乳液を選びましょう。
- セラミド配合製品: 肌のバリア機能を強化するセラミドなどの保湿成分が配合された製品は、乾燥を防ぎ、肌の抵抗力を高めるのに役立ちます。
- 適量をやさしく塗布: 洗顔後すぐに、化粧水で水分を補給し、乳液やクリームで蓋をするように保湿します。この際も、肌を擦らず、手のひらでやさしく押さえるように塗布しましょう。
紫外線対策の徹底
紫外線は、ニキビの炎症を悪化させ、炎症後色素沈着を濃くする主要な要因の一つです。ニキビ跡の予防には、年間を通しての紫外線対策が必須です。
- 日焼け止めの使用: SPF30以上、PA+++以上を目安に、ノンコメドジェニック処方の日焼け止めを選び、毎日使用しましょう。
- 物理的な遮光: 帽子や日傘、UVカット機能のある衣類などを活用し、物理的に紫外線を遮断することも効果的です。
当院の患者さまの中には、「ニキビ肌だから保湿はしない方が良いと思っていました」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。しかし、適切な保湿は肌のターンオーバーを正常化し、バリア機能を高めることで、ニキビの悪化やニキビ跡の形成を防ぐために非常に重要です。特に冬場は乾燥が顕著になるため、保湿ケアの徹底を強く指導しています。
ニキビ跡を予防するための生活習慣の改善策とは?

ニキビ跡の予防は、単に皮膚の表面的なケアだけでなく、体の中から肌の健康を支える生活習慣の改善も非常に重要です。内側からのアプローチは、ニキビの発生自体を抑制し、肌の回復力を高めることで、結果的にニキビ跡のリスクを低減します。
食生活の改善
食生活は肌の状態に直接影響を与えます。特定の食品がニキビを悪化させる可能性が指摘されています。
- 高GI食品の制限: 血糖値を急激に上昇させる高GI(グリセミックインデックス)食品(白米、パン、砂糖を多く含む菓子など)は、インスリン様成長因子-1(IGF-1)の分泌を促進し、皮脂分泌の増加や角質肥厚を招き、ニキビを悪化させる可能性があります。全粒穀物や野菜、果物など、低GI食品を積極的に摂りましょう。
- 乳製品の摂取量見直し: 一部の研究では、乳製品の摂取がニキビと関連する可能性が示唆されています。特にスキムミルクとの関連性が報告されており、ニキビに悩む方は摂取量を考慮することも有効かもしれません。
- バランスの取れた食事: ビタミンA、C、E、亜鉛などの抗酸化作用や皮膚の再生に関わる栄養素を豊富に含む野菜、果物、魚などをバランス良く摂取することが大切です。腸内環境を整える食物繊維も積極的に摂りましょう。
十分な睡眠
睡眠不足はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させ、免疫機能の低下や皮脂分泌の増加を招き、ニキビを悪化させる要因となります。肌のターンオーバー(新陳代謝)は睡眠中に活発に行われるため、十分な睡眠は健康な肌を保つ上で不可欠です。
- 質の良い睡眠を確保: 1日7〜8時間の睡眠を目標とし、就寝前にはスマートフォンやパソコンの使用を控える、カフェイン摂取を避けるなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
- 規則正しい生活リズム: 毎日同じ時間に就寝・起床することで、体内時計が整い、ホルモンバランスの安定にも繋がります。
ストレス管理
ストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を促進したり、免疫力を低下させたりすることでニキビを悪化させることが知られています。ストレスを完全に避けることは難しいですが、適切に管理することが重要です。
- リラックス法の導入: 趣味に没頭する、軽い運動をする、瞑想や深呼吸を取り入れるなど、自分に合ったリラックス方法を見つけましょう。
- 適度な運動: 運動はストレス解消だけでなく、血行促進や新陳代謝の向上にも繋がり、肌の健康維持に役立ちます。
肌への刺激を避ける
物理的な刺激もニキビの悪化やニキビ跡の形成に繋がります。
- ニキビを触らない・潰さない: ニキビを触ったり、自分で潰したりすると、炎症が悪化し、細菌感染のリスクが高まり、深いニキビ跡になる可能性が非常に高まります。
- 髪や衣類による摩擦: 前髪が顔にかからないようにする、襟元が肌に擦れないようにするなど、物理的な摩擦を避ける工夫も大切です。
ニキビを自己判断で潰すことは、炎症を悪化させ、色素沈着やクレーターといった永続的なニキビ跡の原因となる可能性が非常に高いため、絶対に避けてください。専門的な処置が必要な場合は、皮膚科医にご相談ください。
臨床の現場では、「ストレスが溜まるとニキビが増える」「寝不足だと肌の調子が悪い」という患者さまの声をよく経験します。問診の際には、食生活や睡眠時間、ストレス状況についても詳しく伺うようにしており、これらの生活習慣の改善がニキビのコントロールに大きく寄与することを実感しています。
皮膚科でのニキビ跡予防治療にはどのようなものがある?
自己ケアや生活習慣の改善だけではニキビのコントロールが難しい場合や、炎症が強くニキビ跡のリスクが高い場合には、皮膚科での専門的な治療が非常に重要です。早期に適切な治療を開始することで、ニキビの炎症を抑え、ニキビ跡の形成を効果的に予防できます[2]。
内服薬による治療
ニキビの炎症を抑えたり、皮脂分泌をコントロールしたりするために、内服薬が処方されることがあります。
- 抗菌薬: アクネ菌の増殖を抑え、炎症を鎮めるために使用されます。テトラサイクリン系やマクロライド系の薬剤が一般的です。長期間の使用は耐性菌の問題があるため、医師の指示に従って使用します。
- イソトレチノイン(保険適用外): 重症ニキビに対して非常に高い効果が期待できる薬剤です。皮脂腺の活動を強力に抑制し、角化異常を改善することで、ニキビの根本的な治療とニキビ跡の予防に繋がります。副作用もあるため、専門医の厳重な管理のもとで処方されます。
- 漢方薬: 体質改善を目的として、炎症を抑えたり、ホルモンバランスを整えたりする漢方薬が処方されることもあります。
外用薬による治療
外用薬は、ニキビの病態に合わせて様々な種類があり、初期のニキビから炎症性ニキビまで幅広く使用されます。
- アダパレン: 毛穴の詰まりを改善し、ニキビの発生を抑制する作用があります。炎症性ニキビだけでなく、面皰(めんぽう:白ニキビ・黒ニキビ)にも効果的で、ニキビ跡の予防にも寄与します。
- 過酸化ベンゾイル: アクネ菌に対する殺菌作用と、角質剥離作用により毛穴の詰まりを改善します。アダパレンとの併用療法も一般的です[5]。
- 抗菌薬(外用): 炎症性ニキビに対して使用され、アクネ菌の増殖を抑えます。
- アゼライン酸(保険適用外): 皮脂分泌抑制、角化抑制、抗菌作用、抗炎症作用、美白作用など多様な効果が期待できる成分です。妊娠中や授乳中でも比較的安全に使用できるとされています。
ピーリング治療(ケミカルピーリング)
皮膚の表面の古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進する治療です。毛穴の詰まりを改善し、ニキビの発生を抑えるとともに、炎症後色素沈着の改善にも役立ちます。
- 種類: グリコール酸、サリチル酸マクロゴールなど、様々な薬剤が使用されます。
- 効果: 毛穴の詰まりを解消し、アクネ菌の繁殖を抑えることで、ニキビの新規発生を抑制します。また、肌の代謝を促進することで、炎症後色素沈着の排出を助ける効果も期待できます。
| 治療法 | 主な作用 | ニキビ跡予防への効果 | 主な副作用 |
|---|---|---|---|
| 内服抗菌薬 | アクネ菌殺菌、炎症抑制 | 炎症性ニキビの悪化抑制、瘢痕形成リスク低減 | 胃腸障害、光線過敏症、薬剤耐性 |
| イソトレチノイン | 皮脂抑制、角化改善、抗炎症 | 重症ニキビの根本治療、瘢痕形成の強力な予防 | 口唇炎、皮膚乾燥、肝機能障害、催奇形性 |
| アダパレン | 毛穴詰まり改善、抗炎症 | 面皰・炎症性ニキビの改善、新規ニキビ予防 | 乾燥、刺激感、赤み |
| 過酸化ベンゾイル | 殺菌、角質剥離 | アクネ菌抑制、炎症性ニキビの改善 | 刺激感、赤み、乾燥、漂白作用 |
| ケミカルピーリング | 角質除去、ターンオーバー促進 | 毛穴詰まり改善、色素沈着の排出促進 | 赤み、乾燥、一時的なニキビ悪化 |
当院では、患者さまのニキビの重症度や肌質、ライフスタイルを総合的に評価し、最適な治療計画を提案しています。特に、炎症が強いニキビに対しては、早期に内服薬と外用薬を組み合わせた治療を開始することで、ニキビ跡のリスクを大幅に低減できると実感しています。処方後のフォローアップでは、副作用の有無だけでなく、治療を継続できているか、効果の実感があるかを確認するようにしています。
ニキビ跡の種類別!効果が期待できる予防アプローチとは?

ニキビ跡の予防は、一口に「ニキビ跡」と言っても、その種類によってアプローチが異なります。それぞれのニキビ跡の特性を理解し、適切な予防策を講じることが重要です。
炎症後紅斑(PIE)の予防
炎症後紅斑は、ニキビの炎症によって毛細血管が拡張したり、新たに形成されたりすることで生じる赤みです。
- 炎症の早期鎮静: 最も重要なのは、ニキビの炎症をできるだけ早く、効果的に鎮めることです。皮膚科で処方される抗炎症作用のある外用薬(ステロイド外用薬は医師の指示のもと短期間使用)や内服薬(抗菌薬など)を適切に使用しましょう。
- 刺激の回避: 物理的な摩擦や刺激は炎症を悪化させるため、洗顔時やスキンケア時に肌を擦らないよう注意し、ニキビを触ったり潰したりしないことが大切です。
- 保湿とバリア機能の強化: 肌のバリア機能が低下すると、炎症が遷延しやすくなります。セラミドなどの保湿成分で肌のバリア機能を整え、健康な状態を保ちましょう。
炎症後色素沈着(PIH)の予防
炎症後色素沈着は、ニキビの炎症によってメラニン色素が過剰に生成され、茶色や紫色のシミとして残るものです。
- 紫外線対策の徹底: 紫外線はメラニン生成を促進するため、日焼け止め(SPF30以上、PA+++以上)の毎日使用と、帽子や日傘による物理的な遮光が不可欠です。
- 炎症の早期治療: 炎症が長引くほど色素沈着のリスクが高まるため、ニキビの早期治療で炎症を抑えることが重要です。
- 美白成分の活用: 炎症が落ち着いた後、ビタミンC誘導体、ハイドロキノン、アゼライン酸などの美白成分が配合されたスキンケア製品を使用することで、色素沈着の排出を促し、薄くする効果が期待できます。
萎縮性瘢痕(クレーター)の予防
萎縮性瘢痕は、真皮の組織が破壊され、陥没してできる永続的なニキビ跡です。一度できてしまうと治療が難しいため、予防が最も重要です。
- 重症ニキビの徹底治療: 深い炎症を伴う重症ニキビ(嚢腫、結節など)は、真皮の組織破壊を引き起こしやすいため、皮膚科での積極的な治療が必須です。内服薬(抗菌薬、イソトレチノインなど)や外用薬(アダパレン、過酸化ベンゾイルなど)を組み合わせて、炎症を徹底的にコントロールします。
- ニキビを潰さない: 自分でニキビを潰すと、炎症が深部に広がり、組織破壊を助長するため、クレーターになるリスクが格段に上がります。
- 早期治療の開始: ニキビの症状が軽いうちに治療を開始することで、炎症が真皮深層に及ぶのを防ぎ、クレーターの発生を予防できます[2]。
肥厚性瘢痕・ケロイドの予防
肥厚性瘢痕やケロイドは、過剰なコラーゲン生成によって皮膚が盛り上がるニキビ跡で、体質的な要因も大きいとされています。
- 炎症の徹底抑制: 炎症が長引くほど、線維芽細胞が過剰に活性化しやすいため、ニキビの炎症を早期に、かつ強力に抑えることが重要です。
- 圧迫療法・ステロイド外用: 肥厚性瘢痕やケロイドができやすい体質の方には、炎症が落ち着いた後も、圧迫療法やステロイド外用薬の継続使用が予防的に行われることがあります。
- 外科的処置の慎重な判断: ケロイド体質の場合、安易な外科的処置はかえってケロイドを悪化させる可能性があるため、慎重な判断が必要です。
当院では、患者さまの肌の状態やニキビのタイプを詳細に診断し、それぞれのニキビ跡の種類に応じた予防策を具体的に指導しています。特に、クレーターになりやすい深部ニキビの患者さまには、早期からの積極的な治療介入を強く推奨しており、治療を始めて3ヶ月ほどで「新しいニキビができにくくなった」「炎症がすぐに引くようになった」とおっしゃる方が多いです。
ニキビ跡予防のための受診のタイミングと医療機関の選び方
ニキビ跡の予防において、自己判断せずに適切なタイミングで専門医を受診し、信頼できる医療機関を選ぶことは非常に重要です。早期の介入が、ニキビ跡の重症化を防ぐ鍵となります。
皮膚科を受診すべきタイミングはいつ?
「このくらいのニキビで受診していいのかな?」と迷う方もいらっしゃるかもしれませんが、ニキビ跡予防の観点からは、早めの受診が推奨されます。
- 市販薬で改善しない場合: 2〜3週間市販薬を使用してもニキビが改善しない、または悪化する場合は、皮膚科医の診察を受けましょう。
- 炎症が強いニキビがある場合: 赤く腫れたニキビ、膿を持ったニキビ、痛みのあるニキビなど、炎症が強いニキビはニキビ跡になりやすいため、早期の受診が必要です。
- 広範囲にニキビがある場合: 顔全体や背中など、広範囲にニキビが多発している場合も、自己ケアだけでは限界があるため、専門的な治療を検討すべきです。
- ニキビ跡が気になり始めた場合: 赤みや色素沈着、わずかな凹凸など、ニキビ跡が気になり始めた時点で受診することで、悪化を防ぎ、早期の改善が期待できます。
- 繰り返すニキビ: 同じ場所に繰り返しニキビができる場合や、一度治ってもすぐに再発する場合は、根本的な治療が必要です。
良い医療機関を選ぶためのポイント
ニキビ治療は長期にわたることも多いため、信頼できる医療機関を選ぶことが重要です。
- 皮膚科専門医がいるか: 日本皮膚科学会の専門医資格を持つ医師がいる医療機関は、皮膚疾患に関する専門知識と経験が豊富である可能性が高いです。
- 丁寧な診察と説明があるか: 患者さまの肌の状態、生活習慣、希望などを丁寧に聞き取り、ニキビの病態や治療法について分かりやすく説明してくれる医師を選びましょう。治療のメリットだけでなく、デメリットや副作用についてもきちんと説明があるかを確認します。
- 治療選択肢の幅広さ: 保険診療の範囲内で可能な治療(内服薬、外用薬)だけでなく、必要に応じて自費診療の治療(ケミカルピーリング、レーザー治療など)も提案できる医療機関であれば、より患者さまの状態に合わせた最適な治療が期待できます。
- 清潔な環境とプライバシーへの配慮: 医療機関の清潔さや、診察室でのプライバシーへの配慮も重要なポイントです。
- 通いやすさ: 治療は継続が重要であるため、自宅や職場から通いやすい場所にあるか、診療時間などがライフスタイルに合っているかも考慮しましょう。
当院では、初診の際に患者さまのニキビの歴史やこれまでの治療経験について詳細に問診を行い、現在の状態を丁寧に診察します。そして、ニキビ跡の予防の重要性を説明し、患者さま一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療計画を一緒に立てることを重視しています。特に、オンライン診療では、患者さまが自宅でリラックスして相談できるよう、十分な時間を確保し、画面越しでも肌の状態を把握できるよう工夫を凝らしています。治療開始後も定期的なフォローアップを通じて、効果の確認や治療計画の調整をきめ細やかに行うことが、ニキビ跡予防の成功に繋がると考えています。
まとめ
ニキビ跡の予防は、ニキビ治療における最も重要な目標の一つです。ニキビ跡には、赤み、色素沈着、クレーター、盛り上がりなど様々な種類があり、それぞれ発生メカニズムが異なります。予防の基本は、ニキビの発生を抑え、炎症を早期に鎮めることにあります。
具体的な予防方法としては、肌を清潔に保つ適切な洗顔、肌のバリア機能を守る保湿、そして色素沈着を防ぐための徹底した紫外線対策が挙げられます。また、食生活の見直し、十分な睡眠、ストレス管理といった生活習慣の改善も、ニキビの発生を抑制し、肌の回復力を高める上で不可欠です。自己判断でニキビを潰すことは、ニキビ跡を悪化させる最大の原因となるため、避けるべきです。
自己ケアだけでは改善が見られない場合や、炎症が強いニキビがある場合は、早期に皮膚科を受診することが非常に重要です。皮膚科では、内服薬(抗菌薬、イソトレチノインなど)や外用薬(アダパレン、過酸化ベンゾイルなど)、ケミカルピーリングといった専門的な治療を通じて、ニキビの進行を食い止め、ニキビ跡の形成を効果的に予防することが期待できます。信頼できる皮膚科専門医の指導のもと、自身の肌の状態に合った最適な治療計画を立て、継続的に取り組むことが、ニキビ跡のない健やかな肌を保つための最善策と言えるでしょう。
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よくある質問(FAQ)
- Tara Jennings, Robert Duffy, Matt McLarney et al.. Acne scarring-pathophysiology, diagnosis, prevention and education: Part I.. Journal of the American Academy of Dermatology. 2024. PMID: 35792196. DOI: 10.1016/j.jaad.2022.04.021
- Gabriella Fabbrocini, Sara Cacciapuoti. Evaluation, Prevention, and Management of Acne Scars: Issues, Strategies, and Enhanced Outcomes.. Journal of drugs in dermatology : JDD. 2019. PMID: 30586481
- Chingshubam Bikash, Rashmi Sarkar. Topical management of acne scars: The uncharted terrain.. Journal of cosmetic dermatology. 2023. PMID: 36606377. DOI: 10.1111/jocd.15584
- Wanyu Xu, Dorsa Gholamali Sinaki, Yuchen Tang et al.. Acne-induced pathological scars: pathophysiology and current treatments.. Burns & trauma. 2024. PMID: 38585341. DOI: 10.1093/burnst/tkad060
- Brigitte Dréno, Robert Bissonnette, Angélique Gagné-Henley et al.. Long-Term Effectiveness and Safety of Up to 48 Weeks’ Treatment with Topical Adapalene 0.3%/Benzoyl Peroxide 2.5% Gel in the Prevention and Reduction of Atrophic Acne Scars in Moderate and Severe Facial Acne.. American journal of clinical dermatology. 2020. PMID: 31209851. DOI: 10.1007/s40257-019-00454-6
- クラリチン(ローリン)添付文書(JAPIC)
