【ニキビ 日焼け止め 選び方】|医師が解説|渋谷文化村通り皮膚科

最終更新日: 2026-04-28
📋 この記事のポイント
  • ✓ ニキビ肌には「ノンコメドジェニックテスト済み」「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めが推奨されます。
  • ✓ SPF30〜50、PA+++〜++++を目安に、使用シーンに合わせた適切な紫外線防御効果を選びましょう。
  • ✓ 保湿成分配合や低刺激性、落としやすさも重要な選択基準です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

ニキビがある肌でも日焼け止めは必須のスキンケアアイテムです。紫外線はニキビの炎症を悪化させたり、ニキビ跡の色素沈着を濃くしたりする可能性があるため、適切な日焼け止め選びが重要となります。しかし、数多くある製品の中から、ニキビ肌に合ったものを選ぶのは容易ではありません。この記事では、ニキビ肌の方が日焼け止めを選ぶ際のポイントを、最新の知見に基づいて詳しく解説します。

ニキビ肌に日焼け止めはなぜ必要?

ニキビ肌の顔に日差しが当たる様子、紫外線が肌へ与える悪影響を説明
ニキビ肌と紫外線の関係性

ニキビ肌に日焼け止めが必要な理由は、紫外線がニキビの発生や悪化、そしてニキビ跡に与える悪影響を防ぐためです。

紫外線は、皮膚のバリア機能を低下させ、乾燥を引き起こすことがあります。乾燥した肌は、皮脂の過剰分泌を招きやすくなり、これが毛穴の詰まりやニキビの発生につながる可能性があります。また、紫外線は皮膚の炎症を悪化させる作用も持っています。ニキビは炎症性の皮膚疾患であるため、紫外線にさらされることで、赤みや腫れが増強されることが報告されています[3]。さらに、紫外線はニキビ跡の色素沈着を濃くする主要な要因の一つです。炎症後の色素沈着(PIH)は、ニキビが治った後に残る茶色や黒っぽいシミのことで、紫外線に当たることでメラニン生成が促進され、より目立つようになる傾向があります。

当院では、ニキビ治療中の患者さまに、日焼け止めを必ず使用するよう指導しています。特に、レチノイド製剤やピーリング剤など、肌のターンオーバーを促進する治療を受けている方は、肌が一時的に敏感になり、紫外線の影響を受けやすくなるため、より一層の注意が必要です。実際に、治療開始時に「日焼け止めを塗るとニキビが悪化する気がして避けていた」とおっしゃる方が多いですが、適切な日焼け止めを使用することで、治療効果を最大限に引き出し、ニキビ跡の予防にもつながることを実感していただいています。

⚠️ 注意点

ニキビ治療中に日焼け止めを選ぶ際は、治療薬との相性も考慮する必要があります。不明な点があれば、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

ニキビ肌に優しい日焼け止めの選び方とは?

敏感なニキビ肌に適した日焼け止めを選ぶ女性の手元、成分やテクスチャーを確認
ニキビ肌向け日焼け止め選びのポイント

ニキビ肌に優しい日焼け止めを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。これらを理解することで、肌への負担を最小限に抑えつつ、効果的に紫外線を防御できる製品を見つけることができます。

「ノンコメドジェニックテスト済み」はなぜ重要?

ノンコメドジェニックテスト済みとは、製品が毛穴を詰まらせにくいことを確認する試験が行われていることを意味します。コメド(面皰)はニキビの初期段階であり、毛穴に皮脂や角質が詰まることで形成されます。日焼け止めに含まれる成分によっては、毛穴を詰まらせやすく、ニキビを悪化させる可能性があります。

ノンコメドジェニックテスト
ヒトの背中やウサギの耳などを用いて、製品が毛穴を詰まらせる「コメド」を形成しにくいかを確認する試験。ただし、このテストはあくまで「コメドができにくい」ことを示すものであり、「ニキビが全くできない」ことを保証するものではありません。

臨床の現場では、「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品を使用することで、日焼け止めによるニキビの悪化を訴える患者さまが明らかに少ないことを経験します。特に、皮脂分泌が活発な若い世代の患者さまには、この表示がある製品を強く推奨しています。しかし、全ての人にコメドができないわけではないため、実際に使用してみて肌に合うかを確認することが大切です。

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤、どちらを選ぶべき?

日焼け止めには、紫外線を防御する成分として主に「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があります。

  • 紫外線吸収剤(有機系): 紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変換して放出することで肌への浸透を防ぎます。伸びが良く、白浮きしにくいという特徴がありますが、肌の上で化学反応を起こすため、敏感肌やニキビ肌の方には刺激となる場合があります。
  • 紫外線散乱剤(無機系): 酸化亜鉛や酸化チタンなどの微粒子が紫外線を物理的に反射・散乱させることで肌への侵入を防ぎます。肌への刺激が少ないため、敏感肌やニキビ肌の方に適しているとされています。一方で、白浮きしやすい、使用感が重いといったデメリットがある製品もあります。

ニキビ肌の方には、肌への負担が少ない紫外線散乱剤(ノンケミカル)タイプが一般的に推奨されます。当院の患者さまからも、「紫外線吸収剤入りの日焼け止めを使うと肌がピリピリする」「赤みが出やすい」といった声が聞かれることがあり、そうした方には紫外線散乱剤主体の製品をおすすめしています。ただし、最近では紫外線吸収剤の技術も進化しており、カプセル化などで肌への刺激を軽減した製品も増えています。ご自身の肌の状態や使用感の好みに合わせて選択することが重要です。

SPFとPA、どのくらいの数値が適切?

SPFとPAは、日焼け止めの紫外線防御効果を示す指標です。

  • SPF (Sun Protection Factor): UVB(肌を赤く炎症させ、シミやそばかすの原因となる紫外線)を防ぐ効果の指標です。数値が高いほど防御効果が長く持続します。
  • PA (Protection Grade of UVA): UVA(肌の奥深くまで到達し、シワやたるみの原因となる紫外線)を防ぐ効果の指標です。+の数が多いほど防御効果が高まります。

日常生活ではSPF30、PA+++程度で十分な防御効果が期待できます。屋外での活動時間が長い場合や、レジャー、スポーツなど汗をかきやすいシーンでは、SPF50+、PA++++といった高数値の製品を選ぶと良いでしょう。しかし、数値が高ければ高いほど肌への負担が増す可能性もあるため、必要以上に高い数値の製品を日常的に使用する必要はありません。当院では、患者さまのライフスタイルや活動内容を詳しく問診し、適切なSPF/PA値の日焼け止めを提案するようにしています。例えば、デスクワーク中心の方にはSPF30/PA+++、外回りの営業職の方にはSPF50+/PA++++といった具合です。

シーン推奨SPF値推奨PA値
日常生活(室内中心)SPF20〜30PA++〜+++
屋外での軽い活動(買い物、通勤など)SPF30〜40PA+++
屋外での活動時間が長い、レジャー、スポーツSPF50+PA++++

ニキビ肌向け日焼け止めのその他の選び方と注意点

ニキビ肌の方が日焼け止めを選ぶ際には、上記の主要なポイント以外にも、いくつかの細かな配慮が求められます。これらを総合的に考慮することで、より肌に合った製品を見つけることができます。

保湿成分配合はニキビ肌にも有効?

ニキビ肌であっても、適切な保湿は非常に重要です。乾燥は皮脂の過剰分泌を招き、ニキビを悪化させる原因となることがあります。そのため、日焼け止めにもヒアルロン酸、セラミド、グリセリンなどの保湿成分が配合されているものを選ぶと良いでしょう。保湿成分が肌のバリア機能をサポートし、外部刺激から肌を守る効果も期待できます[1]

当院では、ニキビ治療で肌が乾燥しやすくなっている患者さまに、保湿成分配合の日焼け止めをおすすめしています。特に、ピーリングやレーザー治療後など、肌が敏感になっている時期には、保湿と紫外線防御を同時に行える製品が重宝されます。患者さまからは「これなら乾燥せずに日焼け止めを塗れる」といった声も聞かれ、治療継続にもつながっています。

落としやすいタイプを選ぶべき?

日焼け止めは、その日のうちに必ずクレンジングで丁寧に落とすことが大切です。特にニキビ肌の場合、日焼け止めが肌に残ると毛穴を詰まらせ、ニキビの原因となる可能性があります。そのため、石鹸で落とせるタイプや、比較的軽いクレンジングで落とせる製品を選ぶと良いでしょう。ウォータープルーフタイプは汗や水に強い反面、落としにくい傾向があるため、使用シーンに応じて使い分けることが肝心です。

診察の中で、日焼け止めを塗っていてもニキビが改善しないという患者さまに、クレンジング方法を詳しく伺うと、十分に落としきれていないケースが少なくありません。当院では、日焼け止めの選び方だけでなく、その後の適切なクレンジング方法についても丁寧に指導し、肌への負担を最小限に抑えるようアドバイスしています。

フリー処方や敏感肌向け製品の活用は?

ニキビ肌は敏感肌を併発していることも多いため、アルコール(エタノール)、香料、着色料、パラベンなどの添加物が含まれていない「フリー処方」の製品や、敏感肌向けに開発された製品を選ぶことも有効です。これらの成分が肌に刺激を与え、ニキビの悪化や新たな肌トラブルを引き起こす可能性を低減できます[2]

実際の診療では、初診時に「市販の日焼け止めを使うとすぐに肌荒れしてしまう」と相談される患者さまも少なくありません。このような場合、当院では成分表示を細かく確認し、刺激となりうる成分を避けた製品を提案しています。また、パッチテストを推奨し、ご自身の肌に合うかどうかを事前に確認していただくことも重要なポイントとなります。

ニキビ肌の日焼け止めに関するよくある疑問は?

ニキビ肌の日焼け止めに関する疑問を解決するQ&A、複数の選択肢を提示
ニキビ肌の日焼け止めQ&A

ニキビ肌と日焼け止めに関して、患者さまからよく寄せられる疑問とその回答をまとめました。

ニキビがある部分に日焼け止めを塗っても大丈夫ですか?

はい、ニキビがある部分にも日焼け止めを塗ることは推奨されます。ただし、炎症がひどい場合や、ジュクジュクしているようなニキビには、一時的に塗布を避けるか、医師に相談してください。基本的には、ノンコメドジェニックテスト済みで、紫外線散乱剤主体の低刺激性の製品を選び、優しく塗布することが大切です。炎症中のニキビに紫外線を浴びると、色素沈着が悪化する可能性が高まります[4]

日焼け止めを塗るとニキビが悪化する気がします。どうすれば良いですか?

日焼け止めを塗るとニキビが悪化すると感じる場合、いくつかの原因が考えられます。まず、使用している日焼け止めが肌に合っていない可能性があります。ノンコメドジェニックテスト済みで、紫外線散乱剤主体の製品に切り替えてみましょう。次に、日焼け止めを塗る量が少なすぎるか、逆に多すぎて毛穴を詰まらせている可能性もあります。適量を守り、均一に塗布することが重要です。また、日焼け止めが十分に落としきれていないことも原因となるため、クレンジング方法を見直すことも必要です。それでも改善しない場合は、皮膚科医に相談し、肌に合った日焼け止めやクレンジング方法についてアドバイスを受けることをお勧めします。

ニキビ治療中に使える日焼け止めはありますか?

多くのニキビ治療薬、特に外用薬の中には、肌を乾燥させたり、紫外線に敏感にさせたりする作用を持つものがあります。そのため、ニキビ治療中は、より一層、低刺激性で保湿効果のある日焼け止めを選ぶことが重要です。当院では、治療内容に応じて、特定の成分を含まない製品や、医療機関専売品の中から患者さまに合った日焼け止めを提案しています。必ず治療を担当している医師に相談し、推奨される製品や使用方法を確認してください。

メイク下地やBBクリームで紫外線対策は十分ですか?

メイク下地やBBクリームの中には、SPFやPA値が記載されている製品も多く、日常的な紫外線対策として活用できます。しかし、日焼け止めとしての効果を十分に発揮するためには、表示されているSPF/PA値を参考にし、適量を顔全体にムラなく塗布することが重要です。特に、屋外での活動時間が長い場合や、高い紫外線防御効果を求める場合は、日焼け止めを塗った上にメイク下地やBBクリームを重ねるか、専用の日焼け止めと併用することを検討しましょう。

まとめ

ニキビ肌の方にとって、日焼け止めはニキビの悪化やニキビ跡の色素沈着を防ぐ上で欠かせないアイテムです。製品選びの際には、「ノンコメドジェニックテスト済み」であること、肌への刺激が少ない「紫外線散乱剤」が主成分であること、そして使用シーンに合わせた適切な「SPF/PA値」を選ぶことが重要です。また、保湿成分配合や落としやすさ、低刺激性も考慮に入れることで、肌への負担を最小限に抑えつつ、効果的に紫外線を防御できます。ご自身の肌の状態やライフスタイルに合わせて最適な日焼け止めを選び、健やかな肌を保ちましょう。もし製品選びに迷ったり、肌トラブルが改善しない場合は、専門の皮膚科医に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。

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よくある質問(FAQ)

ニキビ肌に日焼け止めは必須ですか?
はい、必須です。紫外線はニキビの炎症を悪化させたり、ニキビ跡の色素沈着を濃くしたりする可能性があるため、適切な日焼け止めで肌を保護することが重要です。
「ノンコメドジェニックテスト済み」とは何ですか?
ノンコメドジェニックテスト済みとは、製品が毛穴を詰まらせにくいことを確認する試験が行われていることを意味します。ニキビの初期段階であるコメド(面皰)の形成を抑制する効果が期待できるため、ニキビ肌の方におすすめです。ただし、全ての人にニキビができないことを保証するものではありません。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤、どちらがニキビ肌に適していますか?
一般的に、肌への刺激が少ないとされる紫外線散乱剤(ノンケミカル)タイプがニキビ肌には推奨されます。紫外線吸収剤は化学反応で紫外線を防ぐため、敏感肌やニキビ肌の方には刺激となる場合があります。
日焼け止めは毎日使うべきですか?
はい、季節や天候に関わらず、毎日使用することをおすすめします。曇りの日や室内でも紫外線は窓ガラスを透過して肌に届くため、日常的に紫外線対策を行うことがニキビの予防や悪化防止につながります。
この記事の監修医
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倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長