最終更新日: 2026-04-22
📋 この記事のポイント
- ✓ 桂枝茯苓丸加薏苡仁は、血の巡りを改善し、皮膚症状や女性特有の悩みに用いられる漢方薬です。
- ✓ にきび、しみ、手足の荒れ、月経不順や更年期障害などの症状に効果が期待されます。
- ✓ 副作用は比較的少ないですが、胃腸症状や皮膚症状、稀に肝機能障害などが報告されています。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。
📑 目次
桂枝茯苓丸加薏苡仁(ツムラ125)とは?

- 桂枝茯苓丸加薏苡仁
- 「桂枝茯苓丸」という漢方薬に「薏苡仁(ヨクイニン)」という生薬を加えた処方です。血行促進と皮膚トラブル改善の作用を併せ持ち、特に女性の月経不順や更年期障害に伴う皮膚症状などに用いられます。
構成生薬とその働き
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、以下の生薬から構成されています。- 桂皮(ケイヒ): 体を温め、血行を促進し、発汗を促す作用があります。
- 芍薬(シャクヤク): 鎮痛、鎮痙作用があり、筋肉の緊張を和らげます。
- 桃仁(トウニン): 血行を促進し、瘀血を改善する作用があります。
- 茯苓(ブクリョウ): 利尿作用があり、体内の余分な水分を排出し、精神を安定させる作用も期待されます。
- 牡丹皮(ボタンピ): 血行を促進し、炎症を抑える作用があります。
- 薏苡仁(ヨクイニン): 皮膚の炎症を抑え、新陳代謝を促進し、いぼや肌荒れの改善に用いられます。
桂枝茯苓丸加薏苡仁はどのような症状に効果が期待できますか?
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、主に「瘀血」体質の方に見られる様々な症状に対して効果が期待できる漢方薬です。臨床の現場では、特に月経不順や更年期障害に伴う皮膚症状、あるいは慢性的な皮膚トラブルに悩む患者さまに処方することが多く、数ヶ月の服用で「肌の調子が良くなった」「にきびが減った」といったお声をいただくことがあります。 添付文書には、その効能効果として「比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症: にきび、しみ、手足のあれ(手足の湿疹・皮膚炎)、月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ」と記載されています[1]。具体的な適応症状
- にきび(尋常性ざ瘡): 血行不良や炎症が原因で悪化するにきびに対して、血行を改善し、炎症を抑える作用が期待されます。特に、赤く炎症を起こしやすいにきびや、繰り返しできるにきびに対して有効な場合があります。
- しみ(色素沈着): 血の巡りを良くすることで、肌のターンオーバーを促進し、色素沈着の改善を助ける可能性があります。
- 手足のあれ(湿疹・皮膚炎): 慢性的な湿疹や皮膚炎、特に血行不良が関与していると考えられる症状に対して、炎症を抑え、皮膚の回復を促す効果が期待されます。
- 月経不順、月経異常、月経痛: 瘀血は女性特有の月経トラブルの原因となることが多く、血行を改善することでこれらの症状の緩和に寄与すると考えられます。
- 更年期障害、血の道症: のぼせ、めまい、肩こりなどの更年期症状や、産前産後の精神的・身体的症状(血の道症)に対しても、血行改善と精神安定作用が複合的に作用し、症状の緩和が期待されます。
- 肩こり、めまい、頭重: 血行不良が原因となるこれらの症状に対しても、血の巡りを改善することで効果を発揮する可能性があります。
桂枝茯苓丸との違いは?
桂枝茯苓丸加薏苡仁と桂枝茯苓丸の主な違いは、薏苡仁が含まれているかどうかです。この違いが、効能効果にどのような影響を与えるかを比較します。| 項目 | 桂枝茯苓丸 | 桂枝茯苓丸加薏苡仁 |
|---|---|---|
| 構成生薬 | 桂皮、芍薬、桃仁、茯苓、牡丹皮 | 桂皮、芍薬、桃仁、茯苓、牡丹皮、薏苡仁 |
| 主な効能効果 | 血行促進、瘀血改善、月経不順、更年期障害、肩こり、めまいなど | 上記に加え、にきび、しみ、手足のあれ(湿疹・皮膚炎)など皮膚症状全般 |
| 特に適した症状 | 女性特有の症状(月経トラブル、更年期症状)や、血行不良による痛みやしびれ | 上記の症状に加え、皮膚の炎症性疾患や色素沈着、肌荒れなど |
桂枝茯苓丸加薏苡仁の副作用にはどのようなものがありますか?

主な副作用
- 消化器症状: 食欲不振、胃部不快感、悪心(吐き気)、嘔吐、下痢など。これらの症状は、漢方薬の服用初期に現れることがあり、体質に合わない場合に起こりやすいとされています。
- 皮膚症状: 発疹、発赤、かゆみなど。特にアレルギー体質の方や、特定の生薬に対して過敏症がある場合に起こる可能性があります。
稀に報告される重篤な副作用
- 肝機能障害: ごく稀に、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどの肝機能値の上昇を伴う肝機能障害や黄疸(皮膚や白目が黄色くなること)が報告されています。倦怠感、発熱、食欲不振、吐き気、嘔吐、尿の色が濃くなるなどの症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 間質性肺炎: 稀に、発熱、咳、呼吸困難、肺の異常音などが現れる間質性肺炎が報告されています。これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
⚠️ 注意点
副作用の症状は個人差が大きく、また他の疾患の症状と区別がつきにくい場合もあります。服用中に体調の変化を感じた場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。
服用を避けるべきケースや注意すべき点は?
- 妊娠中・授乳中の女性: 妊娠中または妊娠している可能性のある女性への投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限られます。桃仁には子宮収縮作用が報告されているため、慎重な判断が必要です。授乳中の女性も、医師と相談の上で服用を検討してください。
- 他の薬剤との併用: 他の漢方薬や西洋薬を服用している場合は、相互作用のリスクがあるため、必ず医師や薬剤師に伝えてください。
- アレルギー体質の方: 過去に薬や食品でアレルギー反応を起こしたことがある方は、服用前に医師に相談してください。
桂枝茯苓丸加薏苡仁の適切な服用方法は?
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、医師の処方に基づいて服用することが重要です。適切な服用量や服用期間は、患者さまの症状、体質、年齢などによって異なります。実際の診療では、患者さまの症状が安定するまで、あるいは目標とする改善が見られるまで、継続的な服用をお勧めすることが多いです。用法・用量
ツムラ桂枝茯苓丸加薏苡仁(医療用)の添付文書によると、通常、成人には1日7.5gを2〜3回に分割し、食前または食間に経口投与するとされています[2]。ただし、年齢や体重、症状によって適宜増減されることがあります。必ず医師の指示に従って服用してください。- 食前: 食事の約30分前
- 食間: 食事と食事の間(食後約2時間後)
服用期間について
漢方薬の効果は、西洋薬のようにすぐに現れるものではなく、体質改善を促しながら徐々に効果を発揮することが多いです。そのため、一定期間の継続的な服用が必要となることが一般的です。にきびやしみなどの皮膚症状の場合、肌のターンオーバーのサイクルを考慮すると、数週間から数ヶ月単位での服用が推奨されることがあります。治療を始めて3ヶ月ほどで「肌の赤みが引いてきた」「しみが薄くなってきた気がする」とおっしゃる方が多いです。 ただし、効果が見られない場合や、副作用が強く現れる場合は、漫然と服用を継続せず、必ず医師に相談して処方の見直しを検討してください。また、症状が改善したからといって自己判断で服用を中止すると、症状が再燃する可能性もあるため、医師の指示に従うことが重要です。⚠️ 注意点
漢方薬は、患者さま一人ひとりの体質や症状に合わせて処方されるオーダーメイド医療の側面が強いです。自己判断での服用や、他の方に処方された漢方薬を服用することは避けてください。
桂枝茯苓丸加薏苡仁を服用する上での注意点とは?

服用前に医師・薬剤師に相談すべき方
- アレルギー体質の方: 以前に薬や食品でアレルギー症状(発疹、かゆみなど)を起こしたことがある方。
- 妊娠中または授乳中の方: 妊娠の可能性がある方も含め、必ず医師に伝えてください。
- 他の病気で治療中の方: 高血圧、心臓病、腎臓病、肝臓病などの持病がある方。
- 他の医薬品を服用中の方: 処方薬、市販薬、サプリメントなど、全てを医師や薬剤師に報告してください。特に、他の漢方薬との併用は、生薬の重複による過剰摂取や相互作用のリスクがあるため注意が必要です。
服用中の注意点
- 症状の観察: 服用開始後、体調に変化がないか注意深く観察してください。特に、上記で述べた副作用の症状(消化器症状、皮膚症状、肝機能障害の兆候など)が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 効果発現までの期間: 漢方薬は即効性がないことが多いため、効果を実感するまでに時間がかかることがあります。自己判断で服用を中止せず、医師の指示に従って継続することが重要です。
- 生活習慣の改善: にきびやしみなどの皮膚トラブル、あるいは月経不順などは、食生活、睡眠、ストレスなどの生活習慣も大きく影響します。漢方薬の服用と並行して、生活習慣の改善にも取り組むことで、より効果的な治療が期待できます。
まとめ
桂枝茯苓丸加薏苡仁(ツムラ125)は、血の巡りを改善する桂枝茯苓丸に、皮膚症状に効果が期待される薏苡仁を加えた漢方薬です。にきび、しみ、手足のあれといった皮膚トラブルのほか、月経不順、更年期障害、肩こり、めまいなど、特に「瘀血」体質の方に見られる多様な症状に対して効果が期待されます。副作用は比較的少ないものの、胃腸症状や皮膚症状、稀に肝機能障害などが報告されており、服用中は体調の変化に注意し、異常を感じた場合は速やかに医師に相談することが重要です。妊娠中の方や他の薬剤を服用中の方は、必ず事前に医師や薬剤師に相談し、指示された用法・用量を守って継続的に服用することで、より安全かつ効果的な治療が期待できます。お近くのグループクリニック
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よくある質問(FAQ)
🏛️ ガイドライン・公的資料
この記事の監修医
👨⚕️
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長
