【プラセンタ注射の効果と注意点】|医師が解説|渋谷文化村通り皮膚科

最終更新日: 2026-04-28
📋 この記事のポイント
  • ✓ プラセンタ注射は更年期障害の症状緩和や肝機能改善に効果が期待されています。
  • ✓ 注射による感染症リスクは極めて低いですが、献血制限などいくつかの注意点があります。
  • ✓ 治療は医師との十分な相談の上、自身の体質や目的に合わせて選択することが重要です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

プラセンタ注射は、ヒトの胎盤から抽出された成分を体内に注入する治療法です。美容や健康維持、特定の疾患の治療目的で用いられ、その多様な効果から注目を集めています。この記事では、プラセンタ注射の主な効果、作用メカニズム、安全性、そして治療を受ける上での注意点について、最新の知見と臨床経験に基づいて詳しく解説します。

プラセンタ注射とは?その基本と歴史

ヒト由来のプラセンタ製剤が持つ多様な成長因子と栄養素の効能
プラセンタ製剤の成分と作用

プラセンタ注射とは、ヒトの胎盤から有効成分を抽出し、医療目的で皮下または筋肉内に注入する治療法です。胎盤は、妊娠中に胎児の成長を支える重要な臓器であり、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、酵素、成長因子など、生命活動に必要な多種多様な栄養素や生理活性物質を豊富に含んでいます。

プラセンタの定義と種類

プラセンタ(Placenta)
哺乳動物の胎盤を指す医学用語です。胎児と母体をつなぎ、栄養供給、老廃物除去、ホルモン分泌など多岐にわたる役割を担います。医療用として使用されるのは、ヒト由来のプラセンタです。

医療機関で使用されるプラセンタ製剤は、厚生労働省の認可を受けたヒト胎盤由来の医薬品であり、献血された血液と同様に厳格なウイルス検査と滅菌処理が施されています。主な製剤には、メルスモンとラエンネックの2種類があり、それぞれ抽出方法や適応症が異なります。

プラセンタ治療の歴史と現在の位置づけ

プラセンタの医療利用は古く、古代ギリシャや中国の伝統医学でもその薬効が知られていました。近代では、旧ソ連のフィラートフ博士が組織療法としてプラセンタを応用し、その有効性が注目されました。日本では、1950年代から肝機能障害や更年期障害の治療薬として承認され、現在に至るまで多くの患者さんに利用されています。当院では、特に更年期症状で「以前より疲れやすくなった」「イライラすることが増えた」とおっしゃる患者さまに、プラセンタ注射をご提案することがあります。更年期障害の治療選択肢の一つとして、患者さまの症状や希望を詳しく伺いながら検討しています。

プラセンタ注射にはどのような効果が期待できる?

プラセンタ注射は、その豊富な生理活性物質により、多岐にわたる効果が報告されています。主な効果としては、更年期障害の症状緩和、肝機能の改善、疲労回復、免疫力向上、美肌効果などが挙げられます。

更年期障害の症状緩和

プラセンタ注射の代表的な効果の一つが、更年期障害の症状緩和です。更年期障害は、女性ホルモンの分泌低下により、ほてり、発汗、動悸、不眠、イライラ、うつ症状など様々な身体的・精神的症状が現れる状態を指します。プラセンタに含まれる成長因子やアミノ酸、サイトカインなどが、ホルモンバランスの調整や自律神経の安定化に寄与すると考えられています。

実際に、更年期症状を持つ女性を対象とした研究では、プラセンタエキスがほてり、発汗、不眠などの症状を統計学的に有意に改善したことが報告されています[1]。また、別のシステマティックレビューでも、閉経期症状に対するプラセンタエキスの有効性と安全性が示唆されています[2]。臨床の現場では、治療を始めて2〜3ヶ月ほどで「夜ぐっすり眠れるようになった」「気分の落ち込みが減った」とおっしゃる方が多いです。特に、ホルモン補充療法が適応とならない方や、抵抗がある方にとって、プラセンタ注射は有効な選択肢となり得ます。

肝機能の改善効果

プラセンタ注射は、慢性肝疾患における肝機能改善薬としても厚生労働省に認可されています。プラセンタに含まれる成分が肝細胞の再生を促進し、抗炎症作用や抗酸化作用を発揮することで、肝臓の負担を軽減し、機能回復をサポートすると考えられています[3]。アルコール性肝炎や慢性肝炎などで肝機能の低下がみられる患者さまに対して、補助療法として用いられることがあります。当院では、肝機能の数値が改善した患者さまを多数経験しており、特に倦怠感の軽減を実感される方が多い印象です。

疲労回復と免疫力向上

プラセンタには、細胞の新陳代謝を促進する成長因子や、エネルギー産生に関わるビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。これにより、全身の細胞が活性化され、疲労回復効果が期待できます。また、免疫細胞の活性化を促す作用も報告されており、風邪を引きにくくなった、体調を崩しにくくなったと感じる方も少なくありません。初診時に「慢性的な疲労感に悩んでいる」「季節の変わり目に体調を崩しやすい」と相談される患者さまも多く、プラセンタ注射がその一助となることがあります。

美肌・アンチエイジング効果

美容目的でプラセンタ注射を受ける方も増えています。プラセンタに含まれる成長因子(EGF、FGFなど)は、皮膚細胞の再生を促進し、コラーゲンやエラスチンの生成をサポートします。これにより、肌のターンオーバーが正常化され、シミやくすみの改善、しわの軽減、肌のハリや潤いの向上が期待できます。また、抗酸化作用により、活性酸素による肌のダメージを抑制し、アンチエイジング効果も期待できます。診察の中で「肌のトーンが明るくなった」「化粧ノリが良くなった」という声をよく耳にします。

期待される効果具体的な症状・状態メカニズム(考えられる作用)
更年期障害の症状緩和ほてり、発汗、不眠、イライラ、うつ症状ホルモンバランス調整、自律神経安定化
肝機能の改善慢性肝炎、肝機能低下、倦怠感肝細胞再生促進、抗炎症・抗酸化作用
疲労回復・免疫力向上慢性疲労、体調不良、風邪を引きやすい細胞新陳代謝促進、免疫細胞活性化
美肌・アンチエイジングシミ、しわ、くすみ、肌のハリ低下皮膚細胞再生促進、コラーゲン生成促進、抗酸化作用

プラセンタ注射の安全性と副作用は?

プラセンタ注射後に起こりうる一時的な発熱やアレルギー反応のリスク
プラセンタ注射の副作用と安全性

プラセンタ注射は、長年にわたり医療現場で使用されており、その安全性は確立されています。しかし、医薬品である以上、いくつかの注意点や副作用が存在します。患者さまが安心して治療を受けられるよう、これらの情報について正確に理解しておくことが重要です。

感染症のリスクと献血制限

ヒト胎盤由来の製剤であるため、感染症のリスクが懸念されることがあります。しかし、現在のプラセンタ製剤は、製造過程でウイルスや細菌を不活性化するための厳重な処理(高圧蒸気滅菌など)が施されており、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIVなどの感染症が伝播したという報告は、国内外でこれまで一度もありません。厚生労働省も、感染症のリスクは「理論的なもの」としています。

ただし、未知の病原体による感染のリスクを完全に排除できないという理由から、プラセンタ注射を受けた方は、献血ができなくなります。これは、輸血を受けた方と同様の措置であり、血液製剤の安全性を確保するための重要なルールです。当院では、初診時にこの献血制限について必ず詳しく説明し、患者さまにご理解いただいた上で治療を開始しています。将来的に献血を希望される方には、代替治療の選択肢もご提案します。

主な副作用と対処法

プラセンタ注射で報告されている主な副作用は、注射部位の一時的な痛み、赤み、腫れ、内出血などです。これらは通常、数時間から数日で自然に治まります。稀に、アレルギー反応として発疹やかゆみ、発熱などが現れることがありますが、症状が重い場合はすぐに医師に相談してください。また、注射によって気分が悪くなったり、めまいを感じたりする方もいらっしゃいます。当院では、注射後しばらく院内で安静にしていただき、体調を確認してからお帰りいただくようにしています。

  • 注射部位の症状:痛み、赤み、腫れ、内出血。通常は一時的。
  • アレルギー反応:発疹、かゆみ、発熱。稀に発生。
  • 全身症状:吐き気、めまい、頭痛。稀に発生。

これらの副作用は比較的軽度であることが多いですが、症状が続く場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。処方後のフォローアップでは、副作用の有無だけでなく、治療を継続できているか、効果の実感があるかを確認するようにしています。

⚠️ 注意点

プラセンタ注射を受けた場合、献血ができなくなります。これは、現在の製剤の安全性は高いものの、理論上の未知の感染症リスクを完全に排除できないためです。治療を受ける前に、この点を十分に理解し、医師と相談することが不可欠です。

プラセンタ注射の治療頻度と費用は?

プラセンタ注射の効果を最大限に引き出し、安全に治療を継続するためには、適切な治療頻度と費用について理解しておく必要があります。治療計画は、患者さまの症状や目的、体質によって個別に調整されます。

治療頻度の目安

プラセンタ注射の治療頻度は、目的や症状の重症度によって異なります。一般的には、週に1〜2回のペースで開始し、症状の改善が見られたら、徐々に頻度を減らしていくことが多いです。例えば、更年期障害の治療では、最初の数ヶ月は週に1回程度、その後は2週間に1回や月に1回といった維持療法に移行することがあります。美容目的の場合も、最初は集中的に、その後は定期的なメンテナンスとして継続することが推奨されます。

効果の現れ方には個人差があり、すぐに効果を実感する方もいれば、数回の注射後に徐々に効果を感じ始める方もいます。当院では、患者さま一人ひとりの反応を見ながら、最適な治療計画を提案し、途中で「効果が感じられない」「もう少し頻度を上げたい」といったご要望があれば、柔軟に対応するようにしています。継続的な治療が効果維持の鍵となるため、無理なく続けられる頻度を見つけることが重要です。

保険適用と自由診療

プラセンタ注射には、保険適用となる場合と自由診療となる場合があります。保険が適用されるのは、厚生労働省が認可している特定の疾患の治療目的の場合に限られます。

  • 保険適用:更年期障害(女性)、乳汁分泌不全、慢性肝疾患(肝機能改善)の場合。これらの疾患と診断され、医師が必要と判断した場合に保険が適用されます。
  • 自由診療:美容目的(美肌、アンチエイジング)、疲労回復、肩こり、冷え性など、保険適用外の目的で治療を受ける場合。この場合、全額自己負担となります。

自由診療の場合、医療機関によって費用が異なります。一般的には、1回の注射で数千円から1万円程度の費用がかかることが多いです。当院では、初診時の問診で患者さまの症状や治療目的を詳しく伺い、保険適用の可否について丁寧に説明しています。保険診療と自由診療のどちらになるか、費用の目安はどのくらいか、事前にしっかりと確認し、納得した上で治療を開始することが大切です。

プラセンタ注射を受ける際の注意点と選び方

プラセンタ注射の適切な医療機関選びと医師との事前相談の重要性
プラセンタ注射の注意点と選び方

プラセンタ注射は効果が期待できる治療法ですが、安全かつ効果的に受けるためには、いくつかの注意点を理解し、適切な医療機関を選ぶことが重要です。

治療前のカウンセリングと医師との相談

プラセンタ注射を受ける前には、必ず医師による十分なカウンセリングを受ける必要があります。問診では、現在の症状、既往歴、アレルギーの有無、服用中の薬など、詳細な情報を正確に伝えることが重要です。特に、妊娠中や授乳中の方、特定の疾患をお持ちの方、アレルギー体質の方は、治療の適応について慎重な判断が求められます。当院では、問診の際に患者さまの家族歴を詳しく伺うようにしています。また、治療の目的や期待する効果、考えられるリスクや副作用についても、医師から十分に説明を受け、疑問点は解消しておくべきです。

医療機関の選び方

プラセンタ注射は、医師の診察と処方が必要な医療行為です。そのため、信頼できる医療機関で受けることが何よりも重要です。以下の点に注目して医療機関を選びましょう。

  • 医師の専門性:プラセンタ治療に関する知識や経験が豊富な医師がいるか。
  • 十分な説明:治療内容、効果、副作用、費用について、患者が納得できるまで丁寧に説明してくれるか。
  • 衛生管理:注射を行う医療機関として、衛生管理が徹底されているか。
  • アフターケア:治療後のフォローアップ体制が整っているか。

実際の診療では、患者さまが「どのくらい効果を期待しているのか」「どのような症状を改善したいのか」を具体的に把握することが重要なポイントになります。その上で、プラセンタ注射が最適な選択肢であるかを判断し、他の治療法も含めて総合的に検討します。オンライン診療で初診の問診を行う場合でも、これらの確認は丁寧に行い、必要に応じて対面での診察を勧めることもあります。

まとめ

プラセンタ注射は、更年期障害の症状緩和、肝機能改善、疲労回復、美肌効果など、多岐にわたる効果が期待できる治療法です。ヒト胎盤由来の製剤であり、製造過程での厳重なウイルス不活性化処理により感染症リスクは極めて低いとされていますが、献血ができなくなるという注意点があります。治療は、症状や目的に応じて適切な頻度で継続することが重要であり、保険適用となる場合と自由診療となる場合があります。プラセンタ注射を受ける際は、必ず医師による十分なカウンセリングを受け、自身の体質や期待する効果、リスクについて理解した上で、信頼できる医療機関で治療を開始することが大切です。

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よくある質問(FAQ)

プラセンタ注射はどんな症状に効果がありますか?
プラセンタ注射は、更年期障害のほてり、発汗、不眠、イライラなどの症状緩和に効果が期待できます。また、慢性肝疾患における肝機能改善、慢性的な疲労回復、免疫力向上、さらには美肌やアンチエイジング目的でも利用されています。
プラセンタ注射の副作用には何がありますか?
主な副作用は、注射部位の一時的な痛み、赤み、腫れ、内出血です。稀にアレルギー反応として発疹やかゆみ、発熱などが現れることがあります。重篤な感染症リスクは極めて低いですが、未知の病原体リスクを完全に排除できないため、プラセンタ注射を受けた方は献血ができなくなります。
プラセンタ注射は保険適用になりますか?
はい、特定の疾患の場合に保険適用となります。具体的には、更年期障害(女性)、乳汁分泌不全、慢性肝疾患(肝機能改善)の治療目的で、医師が必要と判断した場合です。美容目的や疲労回復など、これら以外の目的の場合は自由診療となり、全額自己負担となります。
治療はどのくらいの頻度で受けるのが良いですか?
治療頻度は、患者さまの症状や目的によって異なりますが、一般的には週に1〜2回のペースで開始し、効果が見られたら徐々に頻度を減らしていくことが多いです。維持療法として、2週間に1回や月に1回程度の注射を継続することもあります。医師と相談し、ご自身の体質やライフスタイルに合った頻度を見つけることが大切です。
この記事の監修医
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倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長