渋谷 非ステロイド抗炎症薬(塗り薬)の効果と副作用
最終更新日: 2026-05-02
📋 この記事のポイント
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📑 目次
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の塗り薬とは?

- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
- 炎症や痛みを引き起こすプロスタグランジンの生成を阻害することで、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を示す薬剤の総称です。ステロイドとは異なる作用機序を持ち、副作用プロファイルも異なります。
外用NSAIDsの作用メカニズムとは?
外用NSAIDsは、皮膚から吸収されて患部に到達し、そこで炎症反応に関わる酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害します。COXにはCOX-1とCOX-2の2種類があり、COX-2が主に炎症反応に関与しています。NSAIDsがCOX-2を阻害することで、炎症や痛みの原因物質であるプロスタグランジンの産生が抑制され、結果として痛みや腫れが軽減されるというメカニズムです。皮膚からの吸収は比較的緩やかであり、患部に高濃度で薬剤を届けることが期待できるため、全身への影響を最小限に抑えつつ、局所的な効果を発揮します。どのような症状に処方されることが多いですか?
外用NSAIDsは、以下のような症状に対して処方されることが多いです。- 変形性関節症(膝、肩、肘などの関節の痛み)
- 肩こり、腰痛、筋肉痛
- 腱鞘炎、テニス肘、ゴルフ肘
- 打撲、捻挫
スタデルム(ケトプロフェン)の効果と注意点
スタデルムは、有効成分としてケトプロフェンを配合した非ステロイド性抗炎症薬の塗り薬です。ケトプロフェンは強力な鎮痛・抗炎症作用を持ち、関節痛や筋肉痛、腱鞘炎などの症状緩和に用いられます。スタデルムの効果とは?
スタデルムの有効成分であるケトプロフェンは、プロスタグランジンの合成を阻害することで、炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。特に、急性の痛みや炎症、例えばスポーツによる筋肉の損傷や打撲、捻挫などに対して、その効果を発揮しやすいとされています。また、慢性的な関節の痛みに対しても、継続的な使用により症状の改善が期待できます。当院では、特に局所的な痛みに対して、患者さまが「ピンポイントで効く感じがする」とおっしゃるケースをよく経験します。注意すべき副作用:光線過敏症
スタデルム(ケトプロフェン)を使用する上で最も注意すべき副作用の一つが「光線過敏症」です。光線過敏症とは、薬剤を塗った部分が紫外線に曝露されることで、かゆみ、赤み、水ぶくれ、色素沈着などの皮膚炎を起こす反応です。ケトプロフェンは光線過敏症のリスクが比較的高いことが知られており、海外ではケトプロフェンによる光線過敏症が報告されています[4][5]。当院では、スタデルムを処方する際には、必ず以下の点について詳細に説明し、患者さまにご理解いただくようにしています。- 塗布した部位は、使用中および使用後少なくとも4週間は、直射日光や紫外線に当てないようにしてください。
- 外出時は衣類やサポーターで覆う、日焼け止めを塗るなど、徹底した遮光対策が必要です。
- 日焼けサロンの利用や、紫外線治療器の使用は避けてください。
- 万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師または薬剤師にご相談ください。
⚠️ 注意点
ケトプロフェン含有製剤による光線過敏症は、塗布部位だけでなく、広範囲にわたって症状が出現したり、薬剤中止後も長期間にわたって症状が持続したりする場合があります。特に、夏場の使用や、屋外での活動が多い方は、より一層の注意が必要です。
ベシカム(フェルビナク)の効果と注意点

ベシカムの効果とは?
ベシカムの有効成分であるフェルビナクは、プロスタグランジンの合成を阻害することで、痛みや炎症を効果的に軽減する作用が期待できます。特に、変形性関節症による関節の痛み、肩こり、腰痛、筋肉痛、腱鞘炎、打撲、捻挫など、幅広い筋骨格系の症状に用いられます。フェルビナクは、皮膚からの吸収性が良く、患部に到達しやすいという特徴があります。当院の患者さまの中には、特に慢性的な腰痛や肩こりで「ベシカムを塗ると痛みが和らぎ、日常生活が楽になる」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。塗布後のべたつきが少ないため、使い心地が良いという声もよく聞かれます。ベシカムの副作用と安全性
ベシカム(フェルビナク)は、スタデルム(ケトプロフェン)と比較して、光線過敏症のリスクが低いとされています。しかし、全くリスクがないわけではありません。まれに、塗布部位に発疹、発赤、かゆみ、かぶれなどの皮膚症状が現れることがあります。これらの症状が出た場合は、使用を中止し、医師または薬剤師にご相談ください。また、喘息の既往がある方や、アスピリン喘息の患者さまは、喘息発作を誘発する可能性があるため、使用前に必ず医師に相談してください。当院では、初診時に患者さまの既往歴やアレルギー歴を詳しく伺うようにしており、安全に薬剤を使用できるか慎重に判断しています。特に、高齢の患者さまや皮膚が敏感な方には、少量から試していただくよう指導することもあります。| 項目 | スタデルム(ケトプロフェン) | ベシカム(フェルビナク) |
|---|---|---|
| 有効成分 | ケトプロフェン | フェルビナク |
| 主な作用 | 鎮痛、抗炎症 | 鎮痛、抗炎症 |
| 光線過敏症リスク | 比較的高い | 比較的低い(ただしゼロではない) |
| 主な適用 | 急性痛、慢性関節痛、筋肉痛など | 慢性関節痛、腰痛、肩こり、筋肉痛など |
| その他注意点 | 使用中および使用後4週間は徹底した遮光が必要 | 喘息の既往がある方は注意 |
外用NSAIDsの正しい使い方と注意点
外用NSAIDsを効果的かつ安全に使用するためには、正しい使い方と注意点を理解することが非常に重要です。自己判断での使用は避け、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。塗り薬の基本的な使用方法とは?
塗り薬の基本的な使用方法は以下の通りです。- 清潔な皮膚に塗布する:塗布する部位は、石鹸などで洗い、清潔で乾燥した状態にしてください。
- 適量を守る:医師や薬剤師から指示された量を守りましょう。多すぎても効果が増すわけではなく、副作用のリスクが高まる可能性があります。一般的には、患部の広さに応じて、指の第一関節程度の量が目安となることが多いです。
- 優しく擦り込む:薬が皮膚に浸透するように、優しく擦り込んでください。強く揉み込む必要はありません。
- 使用回数を守る:1日あたりの塗布回数も指示に従いましょう。通常は1日1〜数回です。
- 手洗い:塗布後は、薬が目や口に入らないように、必ず手をよく洗ってください。
使用上の一般的な注意点
- 傷口や粘膜には塗布しない:皮膚に傷がある部位、目、口、鼻などの粘膜には塗布しないでください。刺激や吸収過多による副作用のリスクがあります。
- 密封療法(ODT)は避ける:自己判断で塗布部位をラップなどで覆う密封療法は、薬剤の吸収が過剰になり、副作用のリスクが高まる可能性があるため避けてください。医師の指示があった場合のみ行ってください。
- 妊娠中・授乳中の使用:妊娠中や授乳中の使用については、必ず医師に相談してください。特に妊娠後期は、胎児への影響が懸念されるため、使用が禁忌となる場合があります。
- 小児への使用:小児への使用は、医師の指示がない限り避けてください。小児の皮膚は大人よりも薄く、薬剤の吸収率が異なるため、予期せぬ副作用が生じる可能性があります。
- 他の薬剤との併用:他の塗り薬や内服薬を併用している場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。相互作用により、効果が減弱したり、副作用が増強したりする可能性があります。
⚠️ 注意点
外用NSAIDsは、痛みの原因そのものを治療するものではなく、症状を一時的に和らげる対症療法です。症状が改善しない場合や悪化する場合は、放置せずに医療機関を受診し、根本的な原因の特定と適切な治療を受けることが重要です。
外用NSAIDsの副作用と対処法

どのような副作用が起こりえますか?
外用NSAIDsで起こりうる主な副作用は以下の通りです。- 皮膚症状:発疹、発赤、かゆみ、かぶれ、腫れ、水ぶくれ、乾燥、刺激感などが挙げられます。これらは塗布部位に局所的に現れることが多いです。特にケトプロフェン(スタデルム)では光線過敏症のリスクが高いことを前述しました。
- 全身性の副作用:非常にまれですが、内服NSAIDsと同様に、胃腸障害(胃部不快感、吐き気)、腎機能障害、喘息発作の誘発などが報告されています。これは、皮膚から吸収された薬剤が全身に回ることで起こりえます。特に広範囲にわたって大量に使用した場合や、皮膚バリア機能が低下している場合にリスクが高まる可能性があります。
- アレルギー反応:重篤なアレルギー反応(アナフィラキシーショック)は極めてまれですが、呼吸困難、蕁麻疹、顔面・喉の腫れなどの症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。
副作用が出た場合の対処法は?
副作用が出た場合の対処法は、症状の程度によって異なります。- 軽度な皮膚症状(かゆみ、軽度の発赤など):まずは薬剤の使用を中止し、塗布部位を清潔に保ってください。症状が続くようであれば、医療機関を受診しましょう。
- 中等度以上の皮膚症状(水ぶくれ、強い腫れ、痛みなど):直ちに薬剤の使用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。皮膚科での専門的な治療が必要になる場合があります。
- 全身性の副作用や重篤なアレルギー反応:すぐに使用を中止し、救急医療機関を受診してください。
まとめ
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の塗り薬は、関節痛や筋肉痛などの局所的な痛みや炎症に対して有効な治療選択肢です。スタデルム(ケトプロフェン)やベシカム(フェルビナク)といった薬剤は、それぞれ異なる特性を持ち、症状や患者さまの状況に応じて使い分けられます。特にスタデルムは光線過敏症のリスクがあるため、使用中の徹底した遮光対策が不可欠です。ベシカムは比較的安全性が高いとされますが、皮膚症状などの副作用に注意が必要です。外用NSAIDsを安全かつ効果的に使用するためには、正しい使用方法を守り、副作用のリスクを理解することが重要です。もし痛みや炎症が続く場合、または副作用が現れた場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。お近くのグループクリニック
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よくある質問(FAQ)
📖 参考文献
- Sheena Derry, Philip Conaghan, José António P Da Silva et al.. Topical NSAIDs for chronic musculoskeletal pain in adults.. The Cochrane database of systematic reviews. 2016. PMID: 27103611. DOI: 10.1002/14651858.CD007400.pub3
- Chao Zeng, Jie Wei, Monica S M Persson et al.. Relative efficacy and safety of topical non-steroidal anti-inflammatory drugs for osteoarthritis: a systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials and observational studies.. British journal of sports medicine. 2018. PMID: 29436380. DOI: 10.1136/bjsports-2017-098043
- C Zeng, M Doherty, M S M Persson et al.. Comparative efficacy and safety of acetaminophen, topical and oral non-steroidal anti-inflammatory drugs for knee osteoarthritis: evidence from a network meta-analysis of randomized controlled trials and real-world data.. Osteoarthritis and cartilage. 2022. PMID: 34174454. DOI: 10.1016/j.joca.2021.06.004
- Tin Rosan, Suzana Ljubojević Hadžavdić. Ketoprofen-induced Photoallergic Reaction.. Acta dermatovenerologica Croatica : ADC. 2023. PMID: 36812283
- Tiffany Yvonne Loh, Philip R Cohen. Ketoprofen-induced photoallergic dermatitis.. The Indian journal of medical research. 2018. PMID: 28474616. DOI: 10.4103/ijmr.IJMR_626_16
- ケトプロフェン(ケトプロフェン)添付文書(JAPIC)
- アスピリン(アスピリン)添付文書(JAPIC)
🏛️ ガイドライン・公的資料
この記事の監修医
👨⚕️
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長
