桔梗湯

【桔梗湯の効果と副作用】|喉の痛みへの漢方治療

桔梗湯の効果と副作用|喉の痛みへの漢方治療

最終更新日: 2026-05-02
📋 この記事のポイント
  • ✓ 桔梗湯は喉の痛みや炎症を和らげる効果が期待できる漢方薬です。
  • ✓ 術後の咽頭痛や急性上気道炎に伴う喉の痛みに対する有効性が報告されています。
  • ✓ 重大な副作用は稀ですが、偽アルドステロン症やミオパチーに注意が必要です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

桔梗湯(ツムラ138)とは?その成分とメカニズム

桔梗湯の主要成分である桔梗と甘草の生薬構成
桔梗湯の生薬構成
桔梗湯(キキョウトウ)は、喉の痛みや腫れ、扁桃炎、声がれなどの症状に用いられる漢方薬です。特に、炎症を伴う咽頭症状に対して効果を発揮するとされています。この薬は、キキョウとカンゾウという2種類の生薬から構成されており、それぞれが異なる作用で症状の緩和に寄与します。

桔梗湯の主要成分と期待される効果

桔梗湯は、以下の2つの生薬から成り立っています[3]
  • キキョウ(桔梗): サポニンを主成分とし、去痰作用や鎮咳作用、抗炎症作用が期待されます。喉の炎症を鎮め、痰の排出を助けることで、喉の不快感を和らげます。
  • カンゾウ(甘草): グリチルリチンを主成分とし、抗炎症作用、抗アレルギー作用、鎮痛作用があるとされます。喉の痛みを和らげ、炎症を抑制する効果が期待されます。また、他の生薬の作用を調和させる働きもあります。
これらの生薬が組み合わさることで、桔梗湯は喉の炎症を抑え、痛みを和らげ、痰を出しやすくする総合的な効果を発揮すると考えられています。

作用メカニズムの科学的根拠

桔梗湯の作用メカニズムについては、個々の生薬成分の研究が進められています。例えば、カンゾウに含まれるグリチルリチンは、ステロイド様の抗炎症作用を持つことが知られており、喉の炎症反応を抑制するのに役立つとされています。また、キキョウのサポニンは、気道粘液の分泌を促進し、痰の排出を助けることで、呼吸器系の症状緩和に寄与すると考えられています。

当院の皮膚科外来では、アレルギー性皮膚炎の患者さまが喉の不快感を訴える際に、炎症を抑える目的で桔梗湯を併用することがあります。特に、乾燥による喉のイガイガ感や、軽い炎症が続くようなケースで、患者さまから「喉が楽になった」というフィードバックをいただくことが多いです。漢方薬は西洋薬とは異なるアプローチで体全体のバランスを整えるため、症状の根本的な改善を目指す上で重要な選択肢の一つとなります。
漢方薬
中国の伝統医学を基盤とし、日本で独自に発展した医療体系で用いられる薬。複数の生薬を組み合わせて作られ、個々の症状だけでなく、体全体のバランスを整えることを目的とします。

桔梗湯の適応症と効果的な使用方法とは?

桔梗湯は、主に喉の痛みや炎症を伴う症状に対して適応されます。具体的な適応症と、その効果的な使用方法について解説します。

桔梗湯が効果を発揮する症状

桔梗湯の添付文書に記載されている効能・効果は以下の通りです[3]
  • 扁桃炎
  • 扁桃周囲炎
  • 咽頭炎
これらの症状に共通するのは、喉の炎症とそれに伴う痛み、腫れ、発赤などの不快感です。特に、急性期の炎症に対して効果が期待されます。

臨床研究で示された有効性

桔梗湯の有効性は、いくつかの臨床研究でも報告されています。例えば、手術後の咽頭痛を軽減する効果について、二重盲検無作為化比較試験で桔梗湯を術前に経口投与することで、咽頭痛が有意に軽減されたという報告があります[1]。また、急性上気道炎に伴う喉の痛みに対しても、プラセボと比較して桔梗湯が症状を改善する可能性が示唆されています[2]。これらの研究は、桔梗湯が喉の痛みを和らげるための有効な選択肢となり得ることを示しています。

皮膚科の日常診療では、アトピー性皮膚炎の患者さまが喉の違和感を訴えることがありますが、これは皮膚の乾燥だけでなく、全身の炎症傾向が影響していることも考えられます。桔梗湯は、喉の炎症を直接的に抑えるだけでなく、体全体のバランスを整えることで、症状の緩和に寄与する場合があります。当院では、患者さまの体質や他の症状も考慮しながら、桔梗湯の処方を検討しています。

用法・用量と服用時の注意点

桔梗湯の用法・用量は、通常、成人の場合、1日7.5gを2〜3回に分割して、食前または食間に経口投与します。年齢や体重、症状によって適宜増減されることがあります[3]。服用する際は、お湯に溶かして温かい状態で飲むと、生薬の成分が吸収されやすくなり、喉への作用もより実感しやすくなる場合があります。ただし、これはあくまで一般的な方法であり、医師や薬剤師の指示に従うことが最も重要です。

⚠️ 注意点

桔梗湯は頓服的に使用されることもありますが、症状が改善しない場合や悪化する場合は、漫然と使用を続けずに、必ず医療機関を受診してください。特に、高熱や呼吸困難、嚥下困難などの重篤な症状を伴う場合は、速やかに医師の診察が必要です。

桔梗湯の副作用と注意すべき点はある?

桔梗湯服用時の注意点を示すピクトグラムと副作用に関する情報
桔梗湯の副作用と注意点
桔梗湯は比較的安全性の高い漢方薬とされていますが、他の医薬品と同様に副作用のリスクがあります。特に注意すべき重大な副作用と、その他の一般的な副作用について理解しておくことが重要です。

重大な副作用

桔梗湯に含まれるカンゾウ(甘草)の主成分であるグリチルリチン酸は、大量に摂取すると偽アルドステロン症やミオパチーを引き起こす可能性があります。これらの副作用は頻度は稀ですが、重篤化する可能性があるため注意が必要です[3]
  • 偽アルドステロン症: 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛が現れ、徐々に強くなることがあります。これは、血中のカリウム濃度が低下し、ナトリウムと水の貯留が起こることで生じます。血圧上昇、むくみなどの症状が見られることもあります。
  • ミオパチー: 偽アルドステロン症の進行により、横紋筋融解症に至ることがあります。筋肉の痛みや脱力感が顕著になり、重症化すると腎機能障害を引き起こす可能性もあります。
これらの症状に気づいた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。特に、高血圧や心臓病、腎臓病の既往がある方は、服用前に必ず医師に相談し、慎重に服用する必要があります。

その他の副作用

重大な副作用に比べると頻度は低いですが、以下のような副作用が報告されています[3]
  • 発疹、蕁麻疹などの過敏症
  • 食欲不振、胃部不快感、吐き気、下痢などの消化器症状
これらの症状が現れた場合も、医師や薬剤師に相談してください。皮膚科の臨床経験上、漢方薬による発疹は比較的稀ですが、アレルギー体質の方や、他の薬剤で過敏症の既往がある方には注意して処方しています。患者さまから「皮膚がかゆくなった」「赤みが出た」といったフィードバックをいただいた際には、すぐに服用を中止し、症状を確認するようにしています。

服用上の注意点

  • 併用薬: カンゾウ含有製剤やグリチルリチン酸およびその塩類を含有する製剤との併用は、偽アルドステロン症やミオパチーの発現リスクを高める可能性があるため、注意が必要です。他の漢方薬や市販薬を服用している場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。
  • 高齢者への投与: 一般に生理機能が低下しているため、減量するなど注意が必要です。
  • 小児への投与: 小児への投与経験が少ないため、慎重に投与する必要があります。
  • 妊婦・授乳婦への投与: 妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を検討します。授乳婦への投与は、治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討します。
副作用の種類主な症状発現頻度
重大な副作用偽アルドステロン症、ミオパチー(手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、脱力感、筋肉痛)頻度不明(稀)
その他の副作用発疹、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、吐き気、下痢頻度不明

桔梗湯に関する患者さまからのご質問

🩺 診察でよく聞かれる質問
Q. 桔梗湯はどれくらいで効果が出始めますか?
A. 実際の診察では、患者さまから「いつ頃効いてきますか?」と質問されることがよくあります。桔梗湯は比較的即効性がある漢方薬の一つで、喉の痛みに対しては服用後数時間から半日程度で効果を実感される方もいらっしゃいます。ただし、症状の程度や体質によって個人差が大きいため、一概には言えません。当院では、急性期の症状であれば1〜2日程度服用してみて、効果を感じられない場合は再度受診していただくようお伝えしています。
Q. 喉が痛い時、桔梗湯を飲む以外に何かできることはありますか?
A. 桔梗湯の服用と合わせて、喉の保湿を心がけることが非常に重要です。当院では、こまめな水分補給、加湿器の使用、マスクの着用などを推奨しています。また、刺激の強い飲食物(辛いもの、熱すぎるもの)は避け、喉を休ませることも大切です。うがい薬の併用も効果的な場合がありますが、刺激が強すぎないものを選ぶようにアドバイスしています。
Q. 桔梗湯は風邪のひき始めにも使えますか?
A. はい、風邪のひき始めで喉の痛みや腫れが主な症状である場合に、桔梗湯を処方することはよくあります。特に、扁桃腺が腫れやすい方や、喉から風邪をひきやすいとおっしゃる患者さまには有効な選択肢となります。ただし、発熱や全身倦怠感が強い場合は、他の漢方薬や西洋薬との併用、または別の治療法が必要となることもありますので、医師にご相談ください。
Q. 長期間服用しても大丈夫ですか?
A. 桔梗湯は急性期の症状に用いられることが多いですが、慢性的な喉の不調で処方することもあります。しかし、長期服用の場合、副作用の項目で述べた偽アルドステロン症やミオパチーのリスクがわずかながら高まる可能性があります。当院では、長期処方を行う際には定期的に血液検査でカリウム値などを確認し、患者さまの体調変化には特に注意を払うようにしています。症状が改善したら、一度服用を中止して様子を見ることも検討します。
Q. 飲み忘れた場合はどうすればいいですか?
A. 飲み忘れても、気づいた時点で1回分を服用していただいて構いません。ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分は飛ばして、次の服用時間から通常通り服用してください。2回分を一度に飲むことは避けてください。当院では、患者さまに服用カレンダーを活用していただくなど、飲み忘れ防止のための工夫も提案しています。
Q. 子供にも桔梗湯は使えますか?
A. 小児への投与経験は少ないとされていますが、医師の判断で処方されることはあります。当院では、お子さまの体重や症状に合わせて用量を調整し、保護者の方には副作用のサインに注意していただくよう丁寧にご説明しています。特に、甘草による影響を考慮し、他の甘草含有製剤との併用がないかを確認しています。

桔梗湯以外の喉の痛みに使われる漢方薬との違い

喉の痛みに効く桔梗湯と他の漢方薬の比較表
桔梗湯と他漢方薬の比較
喉の痛みに用いられる漢方薬は桔梗湯以外にもいくつか存在し、それぞれ生薬の構成や作用機序が異なります。患者さまの症状や体質に合わせて適切な漢方薬を選択することが重要です。

桔梗湯と小柴胡湯、葛根湯の使い分け

喉の痛みに用いられる漢方薬として、桔梗湯の他に小柴胡湯葛根湯が挙げられますが、これらは適応となる症状や体質が異なります。
  • 桔梗湯: 喉の痛み、腫れ、扁桃炎など、喉の局所的な炎症が主な症状である場合に適しています。比較的体力のある方から虚弱な方まで幅広く使用できます。
  • 小柴胡湯: 風邪が長引き、熱が上下したり、吐き気や食欲不振、脇腹の張りを伴う場合に用いられます。喉の痛みだけでなく、全身症状が複雑に絡み合っている場合に検討されます。
  • 葛根湯: 風邪のひき始めで、ゾクゾクする寒気や首筋・肩のこり、発熱、頭痛があり、まだ汗が出ていない状態に適しています。喉の痛みだけでなく、全身の筋肉のこわばりが特徴です。
当院の皮膚科では、患者さまが風邪症状で来院された際、問診で「喉の痛みがメインなのか、それとも全身の寒気や関節痛が強いのか」を詳しく確認し、適切な漢方薬を選択するようにしています。例えば、「喉が赤く腫れていて、飲み込むと痛い」という訴えであれば桔梗湯を、「肩が凝って寒気がする」という訴えであれば葛根湯を検討するなど、症状の「証」を見極めることが治療のポイントになります。

漢方薬の選択における「証」の重要性

漢方医学では、患者さまの体質や症状の現れ方を総合的に判断する「証(しょう)」という概念が非常に重要です。同じ「喉の痛み」という症状でも、患者さまの体力、体格、寒がりか暑がりか、消化器症状の有無などによって、適する漢方薬が異なります。例えば、体力があり、炎症が強く出やすい方には清熱作用のある漢方薬を、体力がなく、冷えを伴う方には温める作用のある漢方薬を、といった具合です。

漢方薬主な適応症状特徴的な生薬
桔梗湯喉の痛み、腫れ、扁桃炎キキョウ、カンゾウ
小柴胡湯風邪の中期、微熱、吐き気、脇腹の張り柴胡、黄芩、半夏、甘草など
葛根湯風邪のひき始め、寒気、頭痛、肩こり、発熱葛根、麻黄、桂皮、甘草など

ジェネリック医薬品はある?費用や入手方法について

桔梗湯には、ツムラの製品以外にもいくつかのメーカーからジェネリック医薬品が販売されています。ジェネリック医薬品の利用は、医療費の負担軽減につながるため、選択肢の一つとして考慮する価値があります。

桔梗湯のジェネリック医薬品

桔梗湯は、ツムラ(ツムラ桔梗湯エキス顆粒(医療用))以外にも、コタロー、クラシエ、オースギなどのメーカーから、同様の成分・効能を持つ漢方製剤が販売されています。これらは一般的に「ジェネリック医薬品」として扱われ、先発品と同等の品質、有効性、安全性が国によって保証されています。当院では、患者さまの希望に応じて、ジェネリック医薬品を積極的に処方しています。患者さまから「薬代を抑えたい」というご相談を受けることも多く、ジェネリック医薬品の選択肢があることをご説明すると、安心される方がほとんどです。

医療費と入手方法

桔梗湯を含む医療用漢方製剤は、医師の処方箋があれば保険適用となります。そのため、自己負担割合に応じて費用が決まります。ジェネリック医薬品を選択することで、薬価が抑えられ、患者さまの窓口負担も軽減されることが期待できます。

入手方法としては、医師の診察を受け、処方箋を発行してもらうのが一般的です。処方箋を持って調剤薬局に行けば、医療用医薬品として桔梗湯を受け取ることができます。また、一部の桔梗湯は市販薬としても販売されており、薬局やドラッグストアで購入することも可能です。ただし、市販薬は医療用医薬品とは成分量や添加物が異なる場合があるため、使用する際は薬剤師に相談し、自身の症状に合ったものを選ぶようにしてください。

皮膚科の診療では、患者さまが市販薬で症状を悪化させてしまうケースも少なくありません。特に漢方薬は、自己判断で服用すると体質に合わず、思わぬ副作用を招くこともあります。そのため、喉の痛みが続く場合は、まずは医療機関を受診し、適切な診断と処方を受けることを強くお勧めします。

まとめ

桔梗湯は、キキョウとカンゾウの2つの生薬からなる漢方薬で、扁桃炎、咽頭炎、扁桃周囲炎など、喉の痛みや炎症を伴う症状に効果が期待されます。手術後の咽頭痛や急性上気道炎による喉の痛みに対する有効性も報告されており、比較的即効性があることが特徴です。重大な副作用として偽アルドステロン症やミオパチーのリスクがありますが、頻度は稀であり、適切な用法・用量を守り、体調の変化に注意することで安全に服用できます。桔梗湯にはジェネリック医薬品も存在し、医療費の負担軽減に役立ちます。喉の痛みで悩んでいる場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、医師や薬剤師に相談の上、適切な治療法を選択することが大切です。

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よくある質問(FAQ)

Q. 桔梗湯はうがい薬としても使えますか?
A. 桔梗湯は通常、内服薬として処方されます。添付文書にも内服薬としての用法・用量が記載されており、うがい薬としての使用は推奨されていません。もしうがい薬として使用したい場合は、専用のうがい薬を使用するか、医師や薬剤師に相談してください。
Q. 桔梗湯は甘い味がしますが、これは何ですか?
A. 桔梗湯の甘味は、主要な生薬の一つであるカンゾウ(甘草)によるものです。カンゾウにはグリチルリチンという成分が含まれており、これが強い甘味を持っています。この甘味は、服用しやすさにも寄与しています。
Q. 桔梗湯と他の風邪薬を併用しても大丈夫ですか?
A. 桔梗湯と他の風邪薬の併用は、成分によっては注意が必要です。特に、カンゾウ(甘草)を含む他の漢方薬や、グリチルリチン酸を含む風邪薬との併用は、偽アルドステロン症などの副作用のリスクを高める可能性があります。必ず医師や薬剤師に相談し、併用薬について正確に伝えてください。
この記事の監修医
👨‍⚕️
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長