あせも(汗疹)の原因と治療

【あせも(汗疹)の原因と治療】|医師が解説

あせも(汗疹)の原因と治療|医師が解説

最終更新日: 2026-05-02
📋 この記事のポイント
  • ✓ あせもは汗腺の閉塞によって生じる皮膚炎で、種類によって症状が異なります。
  • ✓ 治療の基本は皮膚を清潔に保ち、適切な保湿と外用薬の使用です。
  • ✓ 予防には通気性の良い服装や室温管理が重要で、症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

あせもの基礎知識と治療

乳幼児や大人のあせも発生メカニズムと適切な治療法
あせもの原因と治療の流れ

あせも(汗疹)は、汗を出す管(汗管)が詰まることで、汗が皮膚の中にたまり炎症を起こす皮膚疾患です。特に高温多湿な環境下で発生しやすく、乳幼児から大人まで幅広い年齢層に見られます。

あせもとはどのような状態ですか?

あせもは、汗腺が閉塞し、汗が皮膚表層や深層に漏れ出すことで生じる炎症反応です。この閉塞は、大量の発汗、皮膚の摩擦、特定の衣類、または細菌感染など、様々な要因によって引き起こされます。汗が皮膚組織に漏れ出すと、かゆみや赤み、小さな水疱などの症状が現れます。重症度や汗管の閉塞部位によって、いくつかの種類に分類されます[1]

汗腺(かんせん)
皮膚の真皮層に存在する、汗を分泌する器官です。体温調節に重要な役割を担っています。
汗管(かんかん)
汗腺から皮膚表面へと汗を運ぶ細い管です。この管が詰まることであせもが発生します。

あせもの種類と症状の特徴は?

あせもは閉塞が起こる深さによって主に3つのタイプに分けられます。

  1. 紅色汗疹(Miliaria rubra):最も一般的なタイプで、「あせも」として一般的に認識されているものです。汗管が表皮の深い部分で閉塞し、汗が周囲の組織に漏れ出すことで、赤く小さなブツブツ(丘疹)や水疱が生じ、強いかゆみやヒリヒリとした痛み[2]を伴います。特に首、脇の下、肘の内側、膝の裏など、擦れやすく汗がたまりやすい部位に発生しやすいです。
  2. 水晶様汗疹(Miliaria crystallina):汗管が皮膚の最も浅い層で閉塞するタイプです。透明で非常に小さな水疱が多数発生しますが、かゆみや炎症はほとんどありません。乳幼児によく見られ、自然に破れて乾燥することが多いです。当院では、特に新生児期の赤ちゃんが「おでこや首に透明な小さな水泡ができています」と相談されるケースをよく経験します。これは水晶様汗疹であることが多く、多くの場合、適切なスキンケアで改善が見られます[1]
  3. 深在性汗疹(Miliaria profunda):汗管が真皮の深い部分で閉塞する稀なタイプです。肌色または白色の丘疹が広範囲に発生し、発汗機能が低下するため、熱中症のリスクが高まることがあります。熱帯地方の住民や、繰り返し紅色汗疹を経験した人に多く見られます。

あせもの主な原因は何ですか?

あせもの主な原因は、大量の発汗と汗管の閉塞です。具体的な要因としては以下が挙げられます。

  • 高温多湿な環境:夏場の暑い時期や、暖房の効きすぎた室内などで大量に汗をかくことが主な原因です。
  • 通気性の悪い衣類:化学繊維や密着性の高い衣類は汗の蒸発を妨げ、汗管を詰まらせやすくします。
  • 皮膚の汚れや摩擦:汗や皮脂、垢などが汗管の出口を塞いだり、衣類や皮膚同士の摩擦が汗管を刺激したりすることが原因となります。
  • 乳幼児の未熟な汗腺:乳幼児は汗腺の機能が未熟で、体温調節機能も発達途中のため、大人よりもあせもになりやすい傾向があります。
  • 特定の薬剤:稀に、特定の薬剤の副作用として発汗異常が生じ、あせもを誘発することが報告されています[3]

あせもの治療法にはどのようなものがありますか?

あせもの治療は、症状の程度や種類によって異なりますが、基本的には皮膚を清潔に保ち、炎症を抑えることが中心となります。

  1. 清潔と冷却:汗をかいたらシャワーで洗い流し、清潔なタオルで優しく拭き取ることが重要です。また、冷たいタオルで患部を冷やすことも、かゆみや炎症の緩和に役立ちます。当院では、特に夏場に「シャワーを浴びた後もかゆみが引かない」と訴える患者さまに対し、入浴後の保湿ケアの重要性をお伝えしています。
  2. 外用薬の使用:
    • ステロイド外用薬:炎症や強いかゆみがある場合に処方されます。症状の程度に応じて、強さの異なるステロイドが使い分けられます。医師の指示に従い、適切な期間と量を使用することが重要です。
    • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)外用薬:比較的軽度な炎症やかゆみに用いられます。ステロイドに抵抗がある場合や、広範囲に使用する場合に検討されることがあります。
    • 抗菌薬外用薬:あせもに細菌感染が合併している場合に処方されることがあります。
    • 保湿剤:皮膚のバリア機能を保つために、保湿剤の使用も推奨されます。特に乾燥しやすい肌質の方には重要です。
  3. 内服薬:かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬などの内服薬が処方されることがあります。
⚠️ 注意点

市販薬を使用する際は、成分や使用方法をよく確認し、症状が改善しない場合や悪化する場合は速やかに医療機関を受診してください。特に乳幼児の場合、自己判断での治療は避け、小児科医や皮膚科医に相談することが重要です。

あせもの予防策と日常生活での注意点

あせもは予防が非常に重要です。以下の点に注意して日常生活を送りましょう。

  • 室温・湿度管理:エアコンや扇風機を適切に使用し、室温を快適に保ち、湿度を下げることが大切です。
  • 通気性の良い服装:綿などの吸湿性・通気性の良い素材の衣類を選び、汗をかいたらこまめに着替えるようにしましょう。
  • 清潔な皮膚を保つ:シャワーや入浴で汗を洗い流し、清潔な状態を保ちます。ゴシゴシ擦らず、優しく洗うことがポイントです。
  • 汗を拭き取る:汗をかいたら、濡らしたタオルや汗拭きシートなどで優しく拭き取り、乾燥させましょう。
  • ベビーパウダーの使用:汗を吸収し、皮膚の摩擦を軽減する効果が期待できますが、つけすぎると汗腺を詰まらせる可能性もあるため、薄く均一に塗布することが大切です。

当院では、あせもで受診された患者さまには、治療薬の処方だけでなく、これらの日常生活での予防策について詳しく説明し、実践していただくよう指導しています。特に「寝ている間にかゆくて掻きむしってしまう」という方には、寝具の選び方や室温設定のアドバイスも行い、トータルでの改善を目指しています。

あせもと間違いやすい他の皮膚疾患はありますか?

あせもと似た症状を示す皮膚疾患はいくつかあります。自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。

疾患名主な症状あせもとの違い
アトピー性皮膚炎慢性的な湿疹、強いかゆみ、乾燥、皮膚の肥厚季節性だけでなく通年性で症状が見られることが多い。特定の部位に左右対称に現れやすい。
接触皮膚炎(かぶれ)赤み、かゆみ、水疱、腫れ。特定の物質に触れた部位に発生原因物質に触れた部分に限定して症状が出る。
とびひ(伝染性膿痂疹)水疱や膿疱ができ、破れるとびらんになり、かさぶたになる。強いかゆみがあり、急速に広がる細菌感染によるもので、水疱の内容物が黄色い膿であることが多い。
湿疹赤み、かゆみ、小さなブツブツ、水疱、皮膚の乾燥あせもは汗が原因だが、湿疹は様々な要因で生じる皮膚炎の総称。

まとめ

あせも対策の要点と効果的な予防・対処法を簡潔にまとめたもの
あせも対策のまとめ

あせもは、汗腺の閉塞によって引き起こされる一般的な皮膚炎であり、特に高温多湿な環境下で発生しやすくなります。水晶様汗疹、紅色汗疹、深在性汗疹の3つの主要なタイプがあり、それぞれ症状が異なります。治療の基本は、皮膚を清潔に保ち、適切な外用薬(ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬、保湿剤など)を使用することです。予防には、室温・湿度管理、通気性の良い服装、こまめな汗の拭き取り、清潔な皮膚の維持が重要となります。症状が改善しない場合や悪化する場合は、他の皮膚疾患の可能性も考慮し、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

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あせもに関する疑問を解決する専門家によるQ&A
あせもに関するよくある質問

よくある質問(FAQ)

あせもは自然に治りますか?
軽度のあせも(特に水晶様汗疹)であれば、涼しい環境に移り、清潔を保つことで自然に改善することが期待できます。しかし、かゆみや炎症が強い紅色汗疹の場合や、症状が長引く場合は、医療機関を受診し適切な治療を受けることが推奨されます。放置すると悪化したり、細菌感染を併発したりするリスクもあります。
乳幼児のあせもで特に注意すべきことはありますか?
乳幼児は汗腺が未熟で体温調節機能も発達途中のため、あせもになりやすいです。特に、機嫌が悪くなる、発熱を伴う、水疱が急速に広がる、黄色い膿を持つなどの症状が見られる場合は、細菌感染(とびひなど)の可能性もあるため、早めに小児科医や皮膚科医の診察を受けてください。適切な室温管理とこまめな着替え、シャワーでの清潔保持が重要です。
あせも予防のために、どのような服装が良いですか?
吸湿性・通気性の良い素材の衣類を選ぶことが大切です。綿や麻などの天然素材、または吸汗速乾機能のある化学繊維が推奨されます。肌に密着しすぎない、ゆったりとしたデザインの服を選び、汗をかいたらこまめに着替えるようにしましょう。特に、首元や脇の下など汗がたまりやすい部位は注意が必要です。
あせもとアトピー性皮膚炎は関係がありますか?
直接的な原因は異なりますが、アトピー性皮膚炎の患者さまは皮膚のバリア機能が低下しているため、あせもを併発しやすい傾向があります。あせもによるかゆみがアトピー性皮膚炎の症状を悪化させることもあります。両方の症状が見られる場合は、それぞれの治療を適切に行う必要がありますので、皮膚科医に相談してください。
この記事の監修医
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倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長