- ✓ 皮膚疾患の治療では、症状や原因に応じた適切な薬物療法が不可欠です。
- ✓ 外用薬、内服薬、注射薬など多岐にわたる薬剤があり、それぞれに特徴と適用があります。
- ✓ 渋谷の皮膚科では、最新の知見に基づき、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療計画を提案しています。
皮膚疾患の治療において、薬物療法は中心的な役割を担います。渋谷の皮膚科では、多様な皮膚のトラブルに対し、症状や患者様の状態に合わせた最適な薬剤を選択し、効果的な治療を提供しています。
皮膚科で処方される薬の種類とは?

皮膚科で処方される薬は、その使用方法によって大きく「外用薬」「内服薬」「注射薬」の3つに分類されます。それぞれの薬剤は、特定の皮膚疾患や症状に対して効果を発揮するよう設計されています。
外用薬の役割と種類
外用薬とは、皮膚に直接塗布して使用する薬の総称です。炎症を抑える、細菌や真菌の増殖を抑える、保湿するなど、さまざまな目的で用いられます。当院では、アトピー性皮膚炎や湿疹の患者さまに、ステロイド外用薬の適切な使用方法について丁寧に説明することを心がけています。
- ステロイド外用薬
- 皮膚の炎症やかゆみを強力に抑える効果を持つ薬剤です。強さによって5段階に分類され、症状や部位に応じて使い分けられます。長期使用や不適切な使用は副作用のリスクがあるため、医師の指示に従うことが重要です。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)外用薬
- ステロイド外用薬よりも作用が穏やかで、比較的軽度な炎症やかゆみに用いられます。ステロイドが使用できない部位や、長期的な維持療法に用いられることもあります。
- 保湿剤
- 皮膚のバリア機能を改善し、乾燥を防ぐ目的で使用されます。アトピー性皮膚炎や乾燥肌の治療において、炎症を抑える薬と併用して、日常的なスキンケアとして非常に重要です。
- 抗菌薬・抗真菌薬外用薬
- 細菌感染症(とびひ、毛嚢炎など)や真菌感染症(水虫、カンジダ症など)の治療に用いられます。原因となる微生物の種類に応じて適切な薬剤が選択されます。
内服薬の適用と効果
内服薬は、全身に作用させることで皮膚疾患を治療する薬です。外用薬だけでは効果が不十分な場合や、広範囲にわたる症状、全身性の疾患に対して用いられます。臨床の現場では、アレルギー性疾患で強いかゆみを訴える患者さまに抗ヒスタミン薬を処方することがよくあります。新生児ループスエリテマトーデスのような自己免疫疾患では、全身的な治療が必要となる場合があります[1]。
- 抗ヒスタミン薬:かゆみやアレルギー反応を抑えるために使用されます。アトピー性皮膚炎、じんましん、花粉症など、幅広いアレルギー性疾患に効果が期待できます。
- ステロイド内服薬:強力な抗炎症作用を持ち、重度の皮膚炎や自己免疫疾患、アナフィラキシーショックなどの緊急時にも用いられます。副作用のリスクがあるため、短期間の使用や少量での維持療法が基本となります。
- 抗菌薬・抗真菌薬内服薬:外用薬では効果が期待できない、あるいは重症の細菌感染症や真菌感染症に対して使用されます。
- 免疫抑制剤:アトピー性皮膚炎や乾癬、膠原病など、免疫系の異常が関与する疾患に対して、免疫反応を抑制する目的で用いられます。
注射薬による治療の選択肢
注射薬は、特に重症のアトピー性皮膚炎や乾癬など、既存の治療法では十分な効果が得られない難治性の皮膚疾患に対して、近年開発が進んでいる生物学的製剤などが含まれます。これらの薬剤は、特定の免疫細胞や炎症性サイトカインを標的とすることで、高い治療効果が期待されています。
皮膚疾患別の薬物療法:どんな薬が使われる?
皮膚疾患は多岐にわたり、それぞれに異なる病態があります。そのため、疾患ごとに最適な薬物療法が選択されます。
アトピー性皮膚炎の薬物療法
アトピー性皮膚炎の治療の基本は、炎症を抑える外用薬と皮膚のバリア機能を補う保湿剤の併用です。当院では、患者さまの症状の程度や生活スタイルに合わせて、ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏、デルゴシチニブ軟膏、コレクチム軟膏などの非ステロイド性抗炎症薬を使い分けています。かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬の内服も検討し、重症例では生物学的製剤やJAK阻害薬などの内服薬が選択肢となります。ダニが原因となる皮膚炎では、Clec10aという分子が関与していることが報告されており、今後の治療薬開発に繋がる可能性も示唆されています[2]。
じんましんの薬物療法
じんましんの主な治療薬は抗ヒスタミン薬の内服です。急性のじんましんでは、かゆみや膨疹(ぼうしん:皮膚が盛り上がってできる発疹)を速やかに抑えるために使用されます。慢性のじんましんでは、症状をコントロールするために長期的な内服が必要となることがあります。難治性のじんましんに対しては、抗ヒスタミン薬の増量や、オマリズマブなどの生物学的製剤の注射が検討されることもあります。まれに、カルメロースナトリウム注射によってじんましんが誘発されるケースも報告されています[3]。
ニキビ(尋常性ざ瘡)の薬物療法
ニキビの治療では、毛穴の詰まりを改善する外用薬(アダパレン、過酸化ベンゾイル)、アクネ菌の増殖を抑える抗菌薬(外用・内服)、炎症を抑える外用薬などが用いられます。重症例では、イソトレチノインの内服が検討されることもありますが、副作用への注意が必要です。実際の診療では、ニキビ跡の予防も考慮し、早期からの適切な治療が重要なポイントになります。
水虫(足白癬)の薬物療法
水虫の治療は、主に抗真菌薬の外用薬が用いられます。爪白癬(爪の水虫)や広範囲に広がる水虫、外用薬で効果が不十分な場合には、抗真菌薬の内服薬が選択されます。内服薬は肝機能への影響などを考慮し、定期的な血液検査を行いながら慎重に治療を進めます。
薬物療法の副作用と注意点とは?

どのような薬にも副作用のリスクは伴います。適切な使用と医師による管理が非常に重要です。
外用薬の副作用と対策
外用薬の副作用は、塗布部位に限局することが多いですが、長期使用や広範囲への使用では全身性の影響も考慮する必要があります。初診時に「ステロイドは怖い薬ですよね?」と相談される患者さまも少なくありませんが、適切な量と期間で使用すれば、非常に有効な治療薬であることを丁寧に説明しています。
- ステロイド外用薬:皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)、毛細血管拡張、ニキビ様の発疹、色素沈着・脱失などが報告されています。顔や首など皮膚の薄い部位では、より注意が必要です。
- 非ステロイド性抗炎症薬外用薬:塗布部位のかぶれ(接触皮膚炎)や刺激感、光線過敏症などが起こることがあります。
- 抗菌薬・抗真菌薬外用薬:かぶれや刺激感、稀にアレルギー反応が見られることがあります。
副作用を最小限に抑えるためには、医師の指示通りの量と回数を守り、自己判断で中断したり、使用量を増やしたりしないことが大切です。また、治療中に気になる症状が現れた場合は、速やかに医師に相談してください。
内服薬の副作用と対策
内服薬は全身に作用するため、外用薬と比較して全身性の副作用が起こる可能性があります。治療を始めて数ヶ月ほどで「症状は良くなったけど、胃の調子が悪い」とおっしゃる方が多いです。
- 抗ヒスタミン薬:眠気、口の渇き、倦怠感などが主な副作用です。特に第1世代抗ヒスタミン薬で顕著ですが、最近の第2世代抗ヒスタミン薬では眠気のリスクが軽減されています。
- ステロイド内服薬:長期・大量使用では、満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満、骨粗しょう症、糖尿病、高血圧、胃潰瘍、感染症への感受性増加など、多岐にわたる副作用が報告されています。
- 抗菌薬・抗真菌薬内服薬:吐き気、下痢などの消化器症状、肝機能障害、薬疹などが起こることがあります。
- 免疫抑制剤・生物学的製剤:感染症のリスク増加、肝機能障害、腎機能障害、骨髄抑制など、重篤な副作用が起こる可能性があります。定期的な血液検査などによる厳重な管理が必要です。
内服薬の治療中は、定期的な診察や検査で副作用の有無を確認し、早期発見・早期対応に努めます。他の疾患で内服している薬がある場合は、必ず医師に伝えてください。例えば、犬のリンパ腫治療薬であるオクラシチニブと併用薬に関する研究のように、薬剤間の相互作用も考慮する必要があります[4]。
自己判断での薬の増量、減量、中止は、症状の悪化や副作用のリスクを高める可能性があります。必ず医師の指示に従い、用法・用量を守って使用してください。
渋谷の皮膚科における薬物療法の選び方と個別化医療
皮膚科での薬物療法は、単に症状を抑えるだけでなく、患者様一人ひとりのライフスタイルや背景を考慮した「個別化医療」が重要です。渋谷の皮膚科では、患者様との対話を重視し、最適な治療計画を共に立てていきます。
患者様との対話を通じた薬物選択
当院では、初診時に患者様の症状、既往歴、アレルギー歴、生活習慣などを詳しくお伺いします。例えば、外用薬の塗布が難しい部位の疾患や、仕事で眠気を避けたい方には、その状況に応じた薬剤の選択や工夫を提案します。また、妊娠中や授乳中の患者様には、胎児や乳児への影響を考慮し、使用できる薬剤が限られるため、特に慎重な選択が必要です。
最新の知見とエビデンスに基づく治療
医療は日々進歩しており、新しい薬剤や治療法が次々と開発されています。渋谷の皮膚科では、常に最新の医学論文や国内外の学会情報に目を向け、エビデンス(科学的根拠)に基づいた治療を提供できるよう努めています。これにより、従来の治療で効果が得られなかった患者様にも、新たな治療選択肢を提案できる場合があります。
| 治療選択の主な考慮事項 | 外用薬 | 内服薬 | 注射薬 |
|---|---|---|---|
| 症状の範囲 | 局所的 | 広範囲・全身性 | 広範囲・全身性(重症例) |
| 症状の重症度 | 軽度〜中等度 | 中等度〜重度 | 重度・難治性 |
| 即効性 | 比較的高い(局所) | 高い(全身) | 非常に高い(全身) |
| 副作用のリスク | 局所的 | 全身性 | 全身性(重篤な場合あり) |
| 治療期間 | 短期〜長期 | 短期〜長期 | 長期(維持療法) |
皮膚疾患の治療は、薬物療法だけでなく、スキンケアや生活習慣の改善も非常に重要です。渋谷の皮膚科では、薬の処方だけでなく、患者様が自宅でできるケアについても具体的にアドバイスし、総合的なアプローチで症状の改善を目指します。
薬物療法以外の選択肢はある?

薬物療法が中心となる皮膚科治療ですが、症状や疾患によっては薬以外の治療法も検討されます。これらを組み合わせることで、より効果的な治療が期待できます。
光線療法とは?
光線療法は、特定の波長の紫外線を皮膚に照射することで、免疫反応を調整し、炎症を抑える治療法です。アトピー性皮膚炎、乾癬、白斑など、様々な皮膚疾患に適用されます。当院では、光線療法を併用することで、内服薬や外用薬の量を減らせるケースを多く経験します。特に、紫外線B波(UVB)の中でも特定の狭い波長域のみを使用するナローバンドUVB療法は、副作用が少なく、効果が高いとされています。
レーザー治療や美容皮膚科的アプローチ
シミ、そばかす、あざ、脱毛、ニキビ跡などに対しては、レーザー治療や光治療(IPL)、ケミカルピーリングなどの美容皮膚科的なアプローチが有効です。これらの治療は、薬物療法では改善が難しい症状に対して、より専門的な解決策を提供します。例えば、ニキビ跡の赤みや凹凸に対しては、薬物療法で炎症を抑えた後に、レーザー治療を行うことでより美しい肌を目指すことができます。
生活習慣の改善とスキンケアの重要性
薬物療法やその他の治療法と並行して、日々のスキンケアや生活習慣の改善は、皮膚疾患の再発予防や症状の安定化に不可欠です。適切な保湿、紫外線対策、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理などが挙げられます。診察の中で、患者さまの肌質や生活習慣に合わせた具体的なスキンケア方法や、避けるべき刺激についてアドバイスをすることも、治療効果を高める上で非常に重要だと実感しています。
まとめ
皮膚科における薬物療法は、外用薬、内服薬、注射薬など多岐にわたり、それぞれの薬剤が特定の皮膚疾患や症状に対して効果を発揮します。渋谷の皮膚科では、患者様一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた最適な薬物療法を、最新の知見とエビデンスに基づいて提案しています。副作用のリスクを最小限に抑えつつ、最大限の治療効果を引き出すためには、医師の指示に従い、用法・用量を守ることが不可欠です。薬物療法だけでなく、光線療法や美容皮膚科的アプローチ、そして日々のスキンケアや生活習慣の改善を組み合わせることで、皮膚疾患の根本的な解決と再発予防を目指します。皮膚のトラブルでお悩みの方は、ぜひ専門医にご相談ください。
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よくある質問(FAQ)
- Naoto Yokogawa, Naofumi Sumitomo, Masaru Miura et al.. [Neonatal lupus erythematosus].. Nihon Rinsho Men’eki Gakkai kaishi = Japanese journal of clinical immunology. 2017. PMID: 28603203. DOI: 10.2177/jsci.40.124
- Kazumasa Kanemaru, Emiko Noguchi, Satoko Tahara-Hanaoka et al.. Clec10a regulates mite-induced dermatitis.. Science immunology. 2020. PMID: 31811054. DOI: 10.1126/sciimmunol.aax6908
- Sakura Kikuchi, Takafumi Numata, Tomonobu Ito et al.. Intralesional Carmellose Sodium Injection-Induced Urticaria.. The Journal of dermatology. 2025. PMID: 40366080. DOI: 10.1111/1346-8138.17784
- Yuta Baba, Tomo Asakura, Saki Obayashi et al.. Short-term administration of oclacitinib with concomitant medications in canine epitheliotropic lymphoma: A retrospective study of eight dogs.. Veterinary dermatology. 2025. PMID: 40525607. DOI: 10.1111/vde.13366
- ディフェリン(アダパレン)添付文書(JAPIC)
- ベピオ(過酸化ベンゾイル)添付文書(JAPIC)
- コレクチム(デルゴシチニブ)添付文書(JAPIC)
- ゾレア(オマリズマブ)添付文書(JAPIC)
