- ✓ ヒルドイドはヘパリン類似物質を主成分とし、保湿・血行促進・抗炎症作用を持つ医療用医薬品です。
- ✓ 乾燥肌、アトピー性皮膚炎、しもやけ、傷跡の治療など幅広い症状に有効性が期待されますが、使用部位や症状に応じた適切な選択が重要です。
- ✓ 副作用は比較的少ないものの、皮膚刺激感や発赤、紫斑などが報告されており、正しい使用法と医師の指示順守が不可欠です。
ヒルドイドは、皮膚の乾燥や血行不良が原因で起こる様々な症状に対して広く処方される医療用医薬品です。その主成分であるヘパリン類似物質は、高い保湿効果と血行促進作用を持つことで知られています。この記事では、ヒルドイドの基本的な作用機序から具体的な効果、注意すべき副作用、そして市販薬との違いまで、詳しく解説します。
ヒルドイド(ヘパリン類似物質)とは?その基本的な作用機序

ヒルドイドは、皮膚の乾燥や炎症、血行不良を改善するために広く用いられる医療用医薬品です。その主成分は「ヘパリン類似物質」であり、皮膚のバリア機能をサポートし、肌の健康を維持する上で重要な役割を果たします。
ヘパリン類似物質の3つの主要な作用
ヘパリン類似物質は、その名の通り血液凝固抑制剤であるヘパリンに似た構造を持つ合成多糖体です。この物質が皮膚に塗布されると、主に以下の3つの作用を発揮します。
- 保湿作用: 皮膚の角質層にある水分保持能力を高める作用です。ヘパリン類似物質は、角質層の細胞間脂質(セラミドなど)の産生を促進し、皮膚の水分蒸散を防ぎます。これにより、乾燥によって失われた皮膚のうるおいを取り戻し、しっとりとした状態を保つことが期待できます[1]。臨床の現場では、特に冬場に「肌がカサカサしてかゆい」と訴える患者さまに処方すると、数日で改善が見られるケースをよく経験します。
- 血行促進作用: 皮膚の微小循環を改善し、血流を良くする作用です。血行が促進されることで、皮膚細胞への酸素や栄養の供給がスムーズになり、新陳代謝が活発になります。これは、しもやけや打ち身、血行不良による皮膚のトラブルの改善に寄与すると考えられています[2]。
- 抗炎症作用: 炎症によって引き起こされる皮膚の赤みやかゆみを抑える作用です。ヘパリン類似物質は、炎症性サイトカインの産生を抑制する可能性が示唆されており、軽度のアトピー性皮膚炎や湿疹の症状緩和に役立つことがあります[3]。ただし、強い炎症にはステロイド外用薬との併用が必要となる場合もあります。
ヒルドイドの剤形とその特徴
ヒルドイドには、患者さまの症状や使用部位に合わせて様々な剤形があります。当院では、患者さまの肌質や塗布する部位、季節などを考慮して最適な剤形を提案しています。
- クリーム: 最も一般的に処方される剤形の一つで、適度な油分と水分を含み、伸びが良くべたつきが少ないのが特徴です。顔や体など、広範囲に使用しやすいです。
- ローション: 水分が多く、さらっとした使用感が特徴です。頭皮や毛の多い部位、広範囲に塗布したい場合などに適しています。夏場など、べたつきを避けたい季節にも選ばれることがあります。
- ソフト軟膏: 油分が多く、保湿力が高いのが特徴です。乾燥が特にひどい部位や、ひび割れ、あかぎれなどの症状に適しています。保護膜を形成し、外部刺激から皮膚を守る効果も期待できます。
- フォーム: 泡状の剤形で、塗布しやすく広範囲に伸ばしやすいのが特徴です。特に、広範囲のアトピー性皮膚炎などで、塗布の手間を軽減したい場合に有用です。
これらの剤形は、それぞれ異なる使用感と保湿力を持つため、医師や薬剤師と相談し、ご自身の肌の状態やライフスタイルに合ったものを選ぶことが重要です。例えば、乾燥が軽度で広範囲に塗りたい場合はローション、乾燥が強く保護したい場合はソフト軟膏、といった使い分けが一般的です。
- ヘパリン類似物質
- 皮膚の保湿、血行促進、抗炎症作用を持つ合成多糖体で、医療用医薬品「ヒルドイド」の主成分です。乾燥肌やアトピー性皮膚炎、しもやけ、傷跡治療などに用いられます。
ヒルドイドはどのような症状に効果が期待できるのか?
ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質は、その多岐にわたる作用機序により、様々な皮膚症状の改善に貢献します。初診時に「とにかく肌の乾燥がひどくて困っている」と相談される患者さまも少なくありませんが、ヒルドイドはそうした乾燥症状の改善に特に有効です。
乾燥肌・アトピー性皮膚炎の保湿ケア
ヒルドイドの最も主要な効果の一つが、強力な保湿作用です。皮膚の角質層の水分保持能力を高め、バリア機能を回復させることで、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の症状緩和に役立ちます[1]。
- 乾燥肌: 冬場の空気の乾燥や、加齢による皮脂分泌の低下などで生じる皮膚の乾燥に対し、水分を保持し、しっとりとした肌へと導きます。
- アトピー性皮膚炎: アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下し、乾燥やかゆみが慢性化しやすい特徴があります。ヒルドイドは、このバリア機能を補強し、皮膚のうるおいを保つことで、かゆみの軽減や炎症の悪化を防ぐ補助的な役割を果たすことが期待されます[3]。炎症が強い場合は、ステロイド外用薬と併用し、症状が落ち着いてきたらヒルドイドで保湿を継続するという治療計画が一般的です。
血行不良による症状の改善
ヒルドイドの血行促進作用は、以下のような症状に効果が期待されます。
- しもやけ(凍瘡): 寒さによる血行不良で起こるしもやけは、皮膚の赤み、腫れ、かゆみ、痛みを伴います。ヒルドイドを塗布することで血行が改善され、症状の緩和が期待できます[2]。
- 打撲・捻挫後の腫れや内出血: 軽い打撲や捻挫による内出血(あざ)や腫れに対して、血行促進作用が患部の血液循環を改善し、吸収を早める効果が期待されます。ただし、開放創がある場合は使用できません。
- 血栓性静脈炎: 表在性の血栓性静脈炎(血管に血栓ができて炎症を起こす状態)にも、血行促進作用により症状の緩和が期待されることがあります。これは医師の診断と指示の下で使用されます。
傷跡・ケロイドの改善
ヒルドイドは、傷跡やケロイドの治療にも用いられることがあります。その作用は、主に以下のメカニズムによるものです。
- 組織修復の促進: 血行促進作用により、傷ついた組織への栄養供給が改善され、皮膚の再生を助ける可能性があります。
- 線維芽細胞の増殖抑制: 過剰な線維芽細胞の増殖は、肥厚性瘢痕やケロイドの原因となります。ヘパリン類似物質は、この線維芽細胞の増殖を抑制する作用が報告されており、傷跡の盛り上がりを抑える効果が期待されます[4]。実際に、手術後の傷跡ケアとしてヒルドイドを継続的に使用することで、目立ちにくい傷跡になるようサポートするケースを多く経験します。
- 保湿による皮膚の柔軟性維持: 傷跡は硬くなりがちですが、ヒルドイドによる保湿で皮膚の柔軟性を保ち、つっぱり感を軽減する効果も期待できます。
ただし、傷跡やケロイドの治療は長期にわたることが多く、ヒルドイド単独ではなく、シリコンシートやステロイド注射など他の治療法と組み合わせて行われることもあります。治療を始めて数ヶ月ほどで「傷跡が柔らかくなった」「赤みが引いてきた」とおっしゃる方が多いですが、効果には個人差があります。
ヒルドイドはあくまで医師の処方に基づいて使用される医療用医薬品です。自己判断での使用や、症状に合わない使用は避けてください。特に、深い傷や感染を伴う皮膚疾患には適さない場合があります。
ヒルドイドの使用における副作用と注意すべき点とは?

ヒルドイドは比較的安全性の高い薬剤として知られていますが、医薬品である以上、副作用のリスクはゼロではありません。正しい知識を持ち、適切な使用を心がけることが重要です。
報告されている主な副作用
ヒルドイドの副作用は比較的稀ですが、以下のような症状が報告されています[5]。
- 皮膚刺激症状: 塗布部位に発赤、かゆみ、刺激感、疼痛などが現れることがあります。特に敏感肌の方や、傷のある部位に塗布した場合に起こりやすい傾向があります。
- 紫斑(内出血): 血行促進作用があるため、稀に皮膚の下に出血が生じ、紫斑として現れることがあります。これは特に、皮膚が薄い部位や、摩擦を受けやすい部位で起こりやすいとされています。
- 過敏症: ごく稀に、薬の成分に対するアレルギー反応として、じんましんや腫れなどの過敏症状が現れることがあります。
これらの症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。臨床の現場では、特に顔などのデリケートな部位に使用する際に、赤みやかゆみを訴える患者さまがいらっしゃいます。その際は、使用量を減らしたり、他の保湿剤への変更を検討したりします。
使用上の注意点
- 出血傾向のある部位への使用: 血行促進作用があるため、出血性の病気(血友病、血小板減少症など)の方や、出血しやすい部位(潰瘍、びらん面など)には原則として使用できません。また、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を服用している方も注意が必要です。
- 目や粘膜への使用: 目や口の中、鼻の粘膜などには使用しないでください。誤って入ってしまった場合は、すぐに水で洗い流してください。
- 用法・用量を守る: 医師から指示された用法・用量を守って使用してください。多く塗れば効果が上がるわけではなく、かえって皮膚への負担になる可能性もあります。
- 妊娠中・授乳中の使用: 妊娠中や授乳中の方への安全性は確立されていますが、念のため医師に相談してください。
- 小児への使用: 小児の乾燥肌治療にも広く用いられますが、特に乳幼児では皮膚がデリケートなため、異常がないか注意深く観察する必要があります。
ヒルドイドは医療用医薬品であり、医師の診察と処方箋が必要です。インターネットなどで個人輸入された未承認の製品は、品質や安全性が保証されず、健康被害のリスクがあるため絶対に使用しないでください。
ヒルドイドと市販薬(ヘパリン類似物質配合)の違いは?
近年、ドラッグストアなどで「ヘパリン類似物質配合」を謳う市販薬(OTC医薬品)が数多く販売されています。これらの市販薬と医療用医薬品であるヒルドイドには、いくつかの違いがあります。実際の診療では、患者さまから「市販薬とどう違うの?」と質問されることがよくあります。
医療用医薬品と市販薬の主な違い
医療用医薬品と市販薬の最も大きな違いは、その製造・販売ルートと、含まれる有効成分の濃度や種類です。
- 有効成分の濃度: 医療用医薬品であるヒルドイドのヘパリン類似物質濃度は0.3%と定められています。一方、市販薬では、0.3%のものもあれば、それ以下の濃度で配合されているものもあります。また、市販薬の中には、ヘパリン類似物質以外にも、かゆみ止め成分(ジフェンヒドラミンなど)や抗炎症成分(グリチルリチン酸など)、ビタミン類などを配合している複合剤も存在します。
- 処方箋の有無: 医療用医薬品のヒルドイドは、医師の診察を受け、処方箋がなければ入手できません。これは、医師が患者さまの症状を診断し、適切な剤形や使用方法を指示することで、より安全かつ効果的な治療を行うためです。市販薬は、薬剤師の指導のもと、自身の判断で購入・使用が可能です。
- 保険適用: 医療用医薬品のヒルドイドは、医師の処方があれば健康保険が適用されます。市販薬は保険適用外であり、全額自己負担となります。
| 項目 | 医療用医薬品(ヒルドイド) | 市販薬(ヘパリン類似物質配合) |
|---|---|---|
| 有効成分濃度 | ヘパリン類似物質 0.3% | ヘパリン類似物質 0.3%またはそれ以下、他成分配合の場合あり |
| 入手方法 | 医師の処方箋が必要 | ドラッグストアなどで購入可能 |
| 保険適用 | 適用される | 適用されない(全額自己負担) |
| 医師の診断 | 必須 | 不要(薬剤師の指導は推奨) |
どちらを選ぶべきか?
軽度の乾燥肌や一時的な肌荒れであれば、市販のヘパリン類似物質配合薬で十分な効果が得られる場合があります。しかし、以下のような場合は医療機関を受診し、医師の診断のもとヒルドイドの処方を受けることを強く推奨します。
- 症状が重い場合: ひどい乾燥、強いかゆみ、赤み、湿疹などが広範囲に及ぶ場合。
- 市販薬で改善が見られない場合: 市販薬を数日間使用しても症状が改善しない、または悪化する場合。
- アトピー性皮膚炎の診断がある場合: 慢性的な皮膚疾患であるアトピー性皮膚炎は、専門医による継続的な管理が必要です。
- 傷跡治療の場合: 傷跡やケロイドの治療は、専門的な診断と長期的な管理が必要となります。
- 乳幼児への使用: 小さな子どもの皮膚はデリケートなため、自己判断せずに医師に相談することが安心です。
実際の診療では、市販薬で一時的に対処していたものの、なかなか改善しないため受診される患者さまが多くいらっしゃいます。医師が症状を正確に診断し、適切な薬剤を選択することで、より早く症状が改善し、患者さまの負担も軽減できると実感しています。アトピー性皮膚炎の治療においても、保湿は非常に重要な要素です。
ヒルドイドの適切な使用方法と効果的なスキンケア

ヒルドイドの効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい使用方法と日々のスキンケアが不可欠です。診察の中で、患者さまが「塗っているのに効果がない」と感じる原因の多くは、使用方法の誤りや塗布量の不足であることが少なくありません。
基本的な塗布のタイミングと量
ヒルドイドは、皮膚に水分が残っている状態、つまり入浴後やシャワー後の清潔な肌に塗布するのが最も効果的です。水分を閉じ込めるように塗ることで、保湿効果が高まります。
- 塗布のタイミング: 1日1~数回、入浴後や洗顔後など、皮膚が清潔で潤っている状態の時に塗布するのが理想的です。
- 塗布量: 「FTU(フィンガーチップユニット)」という目安がよく用いられます。これは、人差し指の先端から第一関節までチューブから出した量が、手のひら2枚分程度の面積に塗るのに適した量とされています。具体的には、クリームや軟膏の場合、皮膚に軽く光沢が出る程度の量を、擦り込まずに優しく広げるように塗布します[6]。ローションの場合は、手のひらに適量を出し、薄く均一に伸ばします。
- 塗布方法: 擦り込むのではなく、手のひらで優しく押さえるようにして、薬を皮膚に浸透させるイメージで塗ります。特に乾燥がひどい部位や、アトピー性皮膚炎の患部には、少し多めに重ね塗りする「厚塗り」が効果的な場合もありますが、これは医師の指示に従ってください。
ヒルドイドと他の外用薬との併用
ヒルドイドは、他の外用薬と併用されることも多くあります。特に、ステロイド外用薬との併用は、アトピー性皮膚炎の治療で一般的です。
- ステロイド外用薬との併用: 炎症が強い時期には、まずステロイド外用薬で炎症を抑え、その後ヒルドイドで保湿を継続するという治療法がよく行われます。塗布の順番は、一般的に炎症を抑える薬(ステロイドなど)を先に塗り、その上からヒルドイドなどの保湿剤を塗るのが良いとされています。ただし、医師や薬剤師から指示された順番がある場合は、それに従ってください。
- かゆみ止めとの併用: かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン作用のある内服薬や外用薬と併用することもあります。
実際の診療では、複数の外用薬を処方された患者さまには、塗る順番や間隔について丁寧に説明するようにしています。特に、ステロイドと保湿剤を併用する場合、塗布の仕方が治療効果に大きく影響するため、具体的な指導が重要なポイントになります。
日々のスキンケアの重要性
ヒルドイドによる治療効果を維持し、皮膚の健康を保つためには、日々のスキンケアも非常に重要です。
- 洗浄: 刺激の少ない石鹸やボディソープを使用し、ゴシゴシ擦らず、優しく洗いましょう。熱すぎるお湯は皮膚のバリア機能を損なうため、ぬるま湯を使用するのがおすすめです。
- 保湿: ヒルドイドだけでなく、普段からご自身に合った保湿剤を継続的に使用することが大切です。特に乾燥しやすい季節や環境では、こまめな保湿を心がけましょう。
- 紫外線対策: 紫外線は皮膚にダメージを与え、乾燥や炎症を悪化させる可能性があります。日中の外出時には日焼け止めを使用するなど、適切な紫外線対策を行いましょう。
- 生活習慣の改善: バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの軽減なども、皮膚の健康を保つ上で重要です。
ヒルドイドの美容目的での使用は推奨されるか?
ヒルドイドは優れた保湿効果を持つため、一部で「美容液代わりになる」「アンチエイジング効果がある」といった情報が広まり、美容目的での使用を希望される方がいらっしゃいます。しかし、ヒルドイドは医療用医薬品であり、その使用には慎重な判断が必要です。
医療用医薬品としての本来の目的
ヒルドイドは、医師が診断した特定の疾患や症状に対して処方される医薬品です。その主な目的は、乾燥肌、アトピー性皮膚炎、しもやけ、傷跡などの治療であり、健康な皮膚の美容目的での使用は想定されていません。実際、厚生労働省も、ヒルドイドを含むヘパリン類似物質製剤について、美容目的での処方を厳しく制限する通知を出しています[7]。
「肌が乾燥するからヒルドイドが欲しい」と来院される患者さまもいらっしゃいますが、それが美容目的の範疇であれば、適切な市販の保湿剤をお勧めし、医療用医薬品の本来の目的とリスクについて丁寧に説明するようにしています。
美容目的での使用の懸念点
- 副作用のリスク: 前述の通り、ヒルドイドには皮膚刺激や紫斑などの副作用のリスクがあります。健康な皮膚に漫然と使用することで、これらの副作用が現れる可能性も否定できません。特に、血行促進作用により、顔の赤みが増したり、ニキビが悪化したりするケースも報告されています。
- 保険診療の適正化: 医療用医薬品の美容目的での使用は、保険診療の原則に反します。保険診療は、病気の治療を目的としたものであり、美容目的での使用は医療費の無駄遣いにつながる可能性があります。
- 代替品の存在: 市場には、ヘパリン類似物質を配合した市販の保湿剤や、様々な美容成分を配合した化粧品が豊富に存在します。これらは美容目的での使用を想定して開発されており、より安全かつ効果的な選択肢となるでしょう。
乾燥肌と美容ケアの境界線
乾燥肌は、肌のバリア機能が低下し、様々な肌トラブルの原因となるため、適切な保湿ケアは美容においても非常に重要です。しかし、医療用医薬品であるヒルドイドを使用するかどうかは、その乾燥が「疾患」によるものか、「一時的な肌の不調」や「美容目的」によるものかによって判断が異なります。
- 疾患としての乾燥肌: アトピー性皮膚炎や皮脂欠乏性湿疹など、医師の診断が必要な皮膚疾患に伴う乾燥には、ヒルドイドが有効な治療薬となります。
- 美容としての乾燥肌ケア: 健康な肌のうるおいを保ちたい、エイジングケアをしたいといった目的であれば、市販の保湿化粧品や美容液の利用が適切です。
実際の診療では、患者さまの訴えが「乾燥」であっても、それが医学的に治療を要する状態なのか、それとも市販品で対応可能な範囲なのかを慎重に見極めるようにしています。適切な診断と薬剤の選択は、患者さまの健康と医療費の適正化のために不可欠です。
まとめ
ヒルドイド(ヘパリン類似物質)は、その優れた保湿作用、血行促進作用、抗炎症作用により、乾燥肌、アトピー性皮膚炎、しもやけ、傷跡など、多岐にわたる皮膚疾患の治療に貢献する医療用医薬品です。しかし、その効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを避けるためには、医師の診断に基づいた適切な使用が不可欠です。市販のヘパリン類似物質配合薬も存在しますが、医療用医薬品であるヒルドイドは、有効成分の濃度や保険適用の有無、医師の専門的な診断と指導が受けられる点で異なります。美容目的での使用は推奨されず、医療用医薬品はあくまで治療目的で用いられるべきです。日々のスキンケアと併せて、正しい知識を持ってヒルドイドを使用し、健康な皮膚を維持しましょう。
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よくある質問(FAQ)
- ヒルドイドクリーム0.3% 添付文書. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構.
- ヘパリン類似物質製剤の皮膚科学的応用. 日本皮膚科学会雑誌. 2007; 117(1): 10-18.
- ヘパリン類似物質製剤の皮膚科学的応用. 日本皮膚科学会雑誌. 2007; 117(1): 10-18.
- ヘパリン類似物質製剤の皮膚科学的応用. 日本皮膚科学会雑誌. 2007; 117(1): 10-18.
- ヒルドイドクリーム0.3% 添付文書. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構.
- ヘパリン類似物質製剤の皮膚科学的応用. 日本皮膚科学会雑誌. 2007; 117(1): 10-18.
- 医療保険制度の適正な運用について. 厚生労働省.
