- ✓ ダーマペンは炎症中のニキビではなく、主にニキビ跡(クレーター)や毛穴の開き、肌質改善に効果が期待できる治療法です。
- ✓ 施術前後の適切なスキンケアや紫外線対策は、合併症のリスクを減らし、治療効果を最大限に引き出すために不可欠です。
- ✓ 治療効果には個人差があり、複数回の継続的な施術が必要となることが多く、医師との十分な相談が重要です。
ダーマペンは、微細な針で皮膚に一時的な穴を開け、肌の自然治癒力を利用して肌再生を促す治療法です。特に、ニキビ跡や毛穴の開き、肌質の改善に効果が期待できるとして注目を集めています。しかし、炎症中のニキビそのものへの適用には注意が必要であり、適切な知識と理解が不可欠です。
ダーマペンとは?ニキビに対する基本的な作用メカニズム

ダーマペンとは、極細の針が高速で振動しながら肌に微細な穴を開ける医療機器を用いた治療法です。この微細な穴が肌の自然治癒反応を活性化させ、コラーゲンやエラスチンの生成を促進することで、肌のハリや弾力を回復させます。このプロセスは、創傷治癒反応(Wound Healing Response)と呼ばれ、肌の再構築を促すことが期待されます[2]。
ニキビ治療において、ダーマペンは主に炎症が治まった後のニキビ跡、特にクレーター状の凹凸や色素沈着、開いた毛穴の改善に用いられます。肌の深部にアプローチすることで、表面的なケアでは難しい肌の根本的な構造改善を目指します。当院では、初診時に「昔のニキビ跡が気になって、メイクでも隠しきれない」とおっしゃる方が多く、ダーマペンのメカニズムを丁寧に説明し、期待できる効果と限界を理解していただくよう努めています。
ダーマペンの作用メカニズム
- 微細な穿孔(せんこう)
- ダーマペンは髪の毛よりも細い針で、肌の表面に目に見えないほどの小さな穴を多数開けます。この穴は数分から数時間で自然に閉じます。
- 創傷治癒反応の活性化
- 肌に微細な傷ができると、体はそれを修復しようとします。この過程で、線維芽細胞が活性化され、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力やハリを保つ成分の生成が促進されます。
- 有効成分の浸透促進
- 微細な穴が開いている間に、成長因子やヒアルロン酸などの美容成分を塗布することで、これらの成分が肌の奥深くまで浸透しやすくなります。これにより、肌再生効果をさらに高めることが期待できます。
ダーマペン4は、従来のダーマペンよりもさらに細い針(33G)を使用し、1秒間に約1,920個の穴を開けることが可能です。これにより、より均一で精密な治療が可能となり、ダウンタイムの軽減にもつながるとされています。ダーマペン4とは?仕組みと効果で詳細な情報をご覧いただけます。
ダーマペンがニキビ跡・毛穴に期待できる具体的な効果とは?
ダーマペンは、ニキビそのものの治療ではなく、主にニキビの炎症が治まった後に残る肌トラブルに対して効果が期待されます。具体的な効果としては、ニキビ跡の改善、毛穴の引き締め、肌質の全体的な改善が挙げられます。
当院では、ダーマペンを希望される患者さまの多くが、過去のニキビによるクレーター状の凹凸や、頬の毛穴の開きに悩んでいらっしゃいます。実際に治療を始めて数ヶ月ほどで「肌の凹凸がなめらかになってきた」「毛穴が目立たなくなった」とおっしゃる方が多いです。特に、複数回の施術を継続することで、より顕著な改善が見られるケースをよく経験します。
ニキビ跡(クレーター)の改善
ニキビの炎症が真皮にまで及ぶと、肌組織が破壊され、修復過程でコラーゲンが不足したり不均一に生成されたりすることで、クレーター状の凹凸(萎縮性瘢痕)が形成されます。ダーマペンによる微細な刺激は、この真皮層のコラーゲン生成を促進し、肌のボリュームを内側から回復させることで、クレーターの凹みをなめらかにする効果が期待できます[3]。特に、アイスピック型やボックスカー型、ローリング型のニキビ跡に対して有効性が報告されています。
毛穴の開きの改善
毛穴の開きは、過剰な皮脂分泌や加齢による肌の弾力低下が主な原因です。ダーマペンによってコラーゲンやエラスチンが増生されると、肌全体のハリが向上し、毛穴周囲の組織が引き締まることで、毛穴が目立ちにくくなる効果が期待されます。また、肌のターンオーバーが促進されることで、毛穴に詰まった角栓が排出されやすくなり、毛穴の詰まりによるトラブルの予防にもつながります。
肌質の全体的な改善
ダーマペンは、肌のターンオーバーを正常化し、新しい細胞の生成を促すことで、肌全体のトーンアップやキメの改善にも寄与します。くすみや小じわの改善、肌の弾力性向上など、総合的な肌質改善効果が期待できるため、ニキビ跡だけでなく、エイジングケアとしても注目されています[4]。治療を継続することで、より健康で若々しい肌へと導くことが期待できます。
| 肌の悩み | ダーマペンで期待できる効果 | 主な作用メカニズム |
|---|---|---|
| ニキビ跡(クレーター) | 凹凸の軽減、肌表面のなめらかさ向上 | コラーゲン・エラスチン増生による真皮の再構築 |
| 毛穴の開き | 毛穴の引き締め、目立ちにくくなる | 肌のハリ向上、毛穴周囲組織の引き締め |
| 肌のくすみ・ざらつき | トーンアップ、キメの改善、なめらかな肌触り | ターンオーバー促進、新しい細胞の生成 |
| 小じわ・肌のハリ低下 | 肌の弾力性向上、小じわの軽減 | コラーゲン・エラスチン増生 |
ダーマペンが効果を感じにくいケースとは?

ダーマペンは多くの肌トラブルに効果が期待できる一方で、効果を感じにくいケースも存在します。特に、炎症性のニキビそのものや、特定のニキビ跡の種類、また個人の肌質や生活習慣によっては、期待通りの結果が得られないことがあります。
当院の診察では、患者さまの肌の状態を詳しく拝見し、ダーマペンが最適な治療法であるか、あるいは他の治療法と組み合わせるべきかを判断します。特に、炎症が強いニキビが多数ある方には、まず炎症を抑える治療を優先し、その後ダーマペンを検討することをお勧めしています。無理にダーマペンを行うと、かえって症状を悪化させるリスクがあるためです。
炎症中のニキビへの適用
ダーマペンは、肌に微細な傷をつける治療法であるため、現在進行形で炎症を起こしている赤ニキビや黄ニキビ、膿疱(のうほう)がある部位への施術は推奨されません。炎症中のニキビにダーマペンを行うと、細菌を広げて炎症を悪化させたり、新たなニキビを誘発したり、色素沈着や瘢痕化のリスクを高める可能性があります。治療は、ニキビの炎症が完全に治まり、落ち着いた状態になってから検討することが重要です。
ニキビ跡の種類と深さ
ニキビ跡には様々な種類があり、ダーマペンで効果が期待しやすいものと、そうでないものがあります。例えば、深いアイスピック型やローリング型のクレーターは、複数回の施術で改善が見られることが多いですが、ケロイド性瘢痕や肥厚性瘢痕といった盛り上がったタイプのニキビ跡には、ダーマペン単独では効果が限定的である場合があります。これらのタイプのニキビ跡には、ステロイド注射やレーザー治療など、他のアプローチが必要となることがあります[3]。
個人の肌質や体質
肌の再生能力やコラーゲン生成能力には個人差があります。もともと肌の回復が遅い方や、コラーゲン生成が活発でない方は、ダーマペンの効果を実感するまでに時間がかかったり、期待通りの効果が得られない場合があります。また、過度な日焼けや乾燥、不規則な生活習慣は肌の回復を妨げ、治療効果を低下させる要因となり得ます。
ダーマペンは、炎症中のニキビを悪化させるリスクがあるため、必ず専門医の診断を受け、肌の状態に適した治療計画を立てることが重要です。自己判断での施術は避けてください。
ダーマペン施術前後の注意点とリスクは?
ダーマペン治療の効果を最大限に引き出し、合併症のリスクを最小限に抑えるためには、施術前後の適切なケアと注意点の理解が不可欠です。医療広告ガイドラインに配慮し、期待できる効果だけでなく、起こりうるリスクについても十分に説明します。
実際の診療では、施術前のカウンセリングで「施術後にどのような肌状態になるのか」「いつからメイクができるのか」といったご質問を多くいただきます。当院では、ダウンタイムの目安や、ご自宅でのスキンケア方法について、パンフレットや口頭で詳しく説明し、患者さまが安心して治療を受けられるようサポートしています。特に、施術後の保湿と紫外線対策は、効果を左右する重要なポイントになります。
施術前の注意点
- 炎症中のニキビの治療: 炎症性のニキビがある場合は、ダーマペン施術前に炎症を抑える治療を優先します。
- 日焼けの回避: 施術前は過度な日焼けを避け、肌を落ち着いた状態に保ちます。日焼けした肌は炎症を起こしやすく、施術による刺激で色素沈着のリスクが高まる可能性があります。
- 薬剤の使用状況の申告: ピーリング剤やレチノール製剤など、肌のターンオーバーを促す薬剤を使用している場合は、事前に医師に申告してください。施術の数日前から使用を中止するよう指示されることがあります。
- 体調管理: 体調が優れない場合や、免疫力が低下している場合は、施術を延期することをおすすめします。
施術後の注意点とダウンタイム
ダーマペン施術後は、肌に赤みや腫れ、ひりつきが生じることがあります。これは一時的なものであり、通常は数日から1週間程度で落ち着きます。ダウンタイムの期間や程度は、針の深さや個人の肌質によって異なります。ダーマペンの施術の流れ・痛み・ダウンタイムで詳細な情報をご覧いただけます。
- 保湿の徹底: 施術後の肌は非常に乾燥しやすいため、高保湿の化粧水やクリームでしっかりと保湿を行ってください。肌のバリア機能が一時的に低下しているため、刺激の少ない製品を選ぶことが重要です。
- 紫外線対策: 施術後の肌は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めや帽子、日傘などで徹底した紫外線対策を行ってください。色素沈着のリスクを避けるために不可欠です。
- メイク・洗顔: 施術当日はメイクや洗顔を控えるよう指示されることが多いです。翌日以降も、肌に刺激を与えないよう優しく洗顔し、ミネラルファンデーションなど肌に負担の少ないメイクを心がけてください。
- 飲酒・運動・入浴の制限: 施術後数日間は、血行を促進する行為(飲酒、激しい運動、長時間の入浴)を避けることで、赤みや腫れの悪化を防ぎます。
起こりうるリスク・副作用
- 赤み・腫れ・内出血: 施術による一時的な反応です。通常は数日で引きますが、個人差があります。
- 乾燥・皮むけ: 肌のターンオーバーが促進される過程で起こることがあります。保湿を徹底してください。
- 色素沈着: 施術後の紫外線対策が不十分な場合や、体質によっては一時的な色素沈着が生じることがあります。
- 感染症: 施術後の不衛生な状態や、適切なケアを怠ると感染症のリスクがあります。
- アレルギー反応: 塗布する薬剤や麻酔に対してアレルギー反応を起こす可能性があります。
ダーマペンの受診目安と医療機関選びのポイント

ダーマペンは医療行為であるため、専門の医療機関で経験豊富な医師や看護師による施術を受けることが重要です。適切なタイミングで受診し、信頼できる医療機関を選ぶことが、安全かつ効果的な治療につながります。
当院では、ダーマペンに限らず、美容医療の相談にいらっしゃる患者さまには、まず現状の肌悩みを丁寧にヒアリングし、その上で複数の治療選択肢とそれぞれのメリット・デメリット、費用、ダウンタイムを提示するようにしています。特に、渋谷でダーマペン4によるニキビ跡治療を検討されている方には、当院の症例写真や治療実績も参考にしながら、最適なプランを一緒に考えていくことを重視しています。渋谷でダーマペン4によるニキビ跡治療について詳しく知りたい方は、ぜひご相談ください。
受診を検討すべきタイミング
- ニキビの炎症が落ち着いた後: 炎症性のニキビが治まり、赤みや腫れが引いた後に、残ったニキビ跡(クレーターや色素沈着)が気になる場合。
- 毛穴の開きが気になる: 普段のスキンケアでは改善が見られない毛穴の開きに悩んでいる場合。
- 肌のハリやキメの乱れ: 全体的な肌質の改善やエイジングケアを考えている場合。
- 自己流ケアでの限界: 市販の化粧品や自己流のケアでは効果が感じられず、専門的な治療を検討したい場合。
医療機関選びのポイント
- 専門医によるカウンセリング: 医師が肌の状態を正確に診断し、ダーマペンが適応であるかを判断してくれるか。他の治療法を含めた選択肢を提示してくれるか。
- 施術実績と経験: ダーマペン治療の豊富な実績があり、医師や看護師が十分な経験を持っているか。
- 衛生管理: 医療機関として、使用する機器の滅菌や衛生管理が徹底されているか。
- アフターケアとサポート体制: 施術後のダウンタイムや合併症に対する適切なアフターケアや相談体制が整っているか。
- 料金体系の明確さ: 施術費用、麻酔代、薬剤代など、料金体系が明確で、追加費用が発生しないか事前に確認できるか。
ダーマペンは複数回の施術で効果を実感することが多いため、ダーマペンの回数と効果の目安も参考にしながら、長期的な視点で治療計画を立てることが重要です。
まとめ
ダーマペンは、微細な針で肌に刺激を与え、自然治癒力を利用して肌の再生を促す治療法です。特にニキビ跡の凹凸、毛穴の開き、そして肌全体のハリやキメの改善に効果が期待できます。しかし、炎症中のニキビへの適用は避けるべきであり、ニキビ跡の種類や個人の肌質によっては効果が限定的な場合もあります。
安全かつ効果的な治療のためには、施術前後の適切なスキンケアと紫外線対策が不可欠です。また、ダーマペンは医療行為であるため、専門知識と経験を持つ医師のいる医療機関でカウンセリングを受け、自身の肌の状態に合った治療計画を立てることが極めて重要です。疑問や不安がある場合は、遠慮なく医師に相談し、十分な説明を受けた上で治療を検討しましょう。
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よくある質問(FAQ)
- Marcus G Tan, Christine E Jo, Anne Chapas et al.. Radiofrequency Microneedling: A Comprehensive and Critical Review.. Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]. 2021. PMID: 33577211. DOI: 10.1097/DSS.0000000000002972
- Angela Hou, Brandon Cohen, Adele Haimovic et al.. Microneedling: A Comprehensive Review.. Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]. 2017. PMID: 27755171. DOI: 10.1097/DSS.0000000000000924
- Honggang Li, Botong Jia, Xuanfen Zhang. Comparing the efficacy and safety of microneedling and its combination with other treatments in patients with acne scars: a network meta-analysis of randomized controlled trials.. Archives of dermatological research. 2024. PMID: 39110247. DOI: 10.1007/s00403-024-03256-x
- Lisa Ramaut, Henk Hoeksema, Ali Pirayesh et al.. Microneedling: Where do we stand now? A systematic review of the literature.. Journal of plastic, reconstructive & aesthetic surgery : JPRAS. 2017. PMID: 28690124. DOI: 10.1016/j.bjps.2017.06.006
- アジマイシン(エイジン)添付文書(JAPIC)
- エチゾラム(ローリン)添付文書(JAPIC)
- セパゾン(カウンセリン)添付文書(JAPIC)
