DERMAPEN / ACNE & ACNE SCARS
結論からいうと、ダーマペンは今ある活動性ニキビの標準治療ではありません。主に炎症が落ち着いた後の萎縮性ニキビ跡で検討される施術です。赤ニキビ、平らな赤み・色素沈着、凹んだ瘢痕を分けて考えます。
監修:倉田 照久 医師 最終確認日:2026年8月22日
QUICK ANSWER
先に結論:ニキビとニキビ跡は分けて考える
赤く腫れたニキビや膿を伴うニキビが続く間は、ガイドラインに沿ったニキビ治療を優先します。ダーマペンを含むマイクロニードリングの研究は、主に炎症後に残った萎縮性ニキビ跡を対象としています。平らな赤みや色素沈着、盛り上がった瘢痕は別の状態です。
日々診察を行う皮膚科医として、最初に分けているのは「今も炎症が続いているか」「平らな色の跡か」「皮膚の形が変わった瘢痕か」です。患者さんが「ニキビ跡」と表現する範囲に、赤ニキビ、赤み、毛穴、複数の凹みが混在していることがあるため、施術名を決める前に診断の順番を整えます。
FIVE STATES
ダーマペンを考える前に分ける5つの状態
見た目だけでは重なることがあります。以下は自己診断のためではなく、診察で何を分けるかを整理する表です。
診察では、新しいニキビの数だけでなく、膿・痛み・かさぶた、触れたときの硬さ、皮膚を軽く伸ばしたときの凹み方、光の向きによる影の変化も確認します。同じ「クレーター」に見えても、皮下の癒着が強い凹みと、境界が鋭く深い凹みでは治療候補が変わるためです。
WHAT THE EVIDENCE SAYS
研究から分かっていること・分からないこと
PubMed掲載のガイドライン、システマティックレビュー、メタ解析を優先して確認しました。研究上の改善と、個人に同じ変化が起きることは同義ではありません。
活動性ニキビの標準治療は別にある
日本と米国の診療ガイドラインでは、過酸化ベンゾイル、外用レチノイド、抗菌薬などが活動性ニキビの治療として推奨されています。ダーマペンはこれらを置き換える第一選択治療ではありません。
米国ガイドラインをPubMedで確認主な研究対象は萎縮性ニキビ跡
無作為化比較試験のメタ解析では、マイクロニードリング単独療法を他の瘢痕治療と比較しています。対象はニキビそのものではなく、主に炎症後に残った瘢痕です。
2022年メタ解析を確認一つの治療が全ての瘢痕に最適とはいえない
複数治療を比較したネットワークメタ解析はありますが、研究数、評価法、施術条件が異なり、瘢痕の型や肌状態に合わせた選択が必要です。
2024年ネットワークメタ解析を確認多くは一時的でも、重い副作用はゼロではない
安全性のシステマティックレビューでは、赤み、腫れ、痛み、乾燥などの一時的反応に加え、炎症後色素沈着、線状瘢痕、肉芽腫反応などの持続する有害事象も報告されています。
安全性レビューを確認SCAR MORPHOLOGY
凹みの型でダーマペンの位置付けが変わる
ローリング型
なだらかな波状の凹みです。浅いものでは候補になりますが、皮下の癒着が強い場合はサブシジョンなどを検討します。
皮膚を伸ばしたときの変化を確認ボックスカー型
比較的明瞭な縁を持つ凹みです。浅さ・深さ、縁の角度、範囲によってマイクロニードリング、レーザー、RFなどを検討します。
深さと縁の形を確認アイスピック型
入口が狭く深い凹みです。深いものは表面全体への施術だけでは届きにくく、TCA CROSSやパンチ法など局所治療の検討が必要です。
深い凹みは別治療も比較混合型
複数の凹み、赤み、色素沈着、毛穴が混在する状態です。一度に全てを狙わず、優先順位をつけて段階的に治療します。
単一施術で決めないニキビ跡の全体像と治療選択はニキビ跡の種類・治し方・治療法、ニキビ跡と毛穴の区別はニキビ跡と毛穴の違いで詳しく解説しています。
ACTIVE ACNE FIRST
炎症中のニキビは、なぜ先に治療するのか
新しい瘢痕を増やさない
炎症が続けば新しい赤み、色素沈着、凹みが生じる可能性があります。まず活動性ニキビを評価し、標準治療で炎症を抑えることが将来の瘢痕予防につながります。
感染・強い刺激を避ける
施術部位に感染や強い炎症がある場合、マイクロニードリングの安全性レビューでも注意が必要な状態とされています。炎症の程度と施術範囲を診察します。
治療目標を分ける
活動性ニキビ、平らな色の跡、凹んだ瘢痕では治療標的が異なります。一つの施術で全てを治す前提を置かず、優先順位を決めます。
当院の診察では、ダーマペンを希望されていても、強い炎症、感染を疑う所見、乾燥・皮むけ、日焼け、服薬状況があれば、施術を急がずニキビ治療や皮膚状態の立て直しを先に検討します。特にイソトレチノインを含む治療薬は自己判断で中止せず、処方医の指示と施術担当医の判断を確認してください。
TREATMENT CHOICE
状態ごとに比較する治療の方向性
以下は一般的な整理です。症状、既往歴、肌タイプ、許容できるダウンタイムと費用を診察で確認します。
| 状態 | 治療の主な目的 | 一般に比較する選択肢 |
|---|---|---|
| 面皰・炎症性ニキビ | 炎症を抑え、新しい瘢痕を防ぐ | 過酸化ベンゾイル、外用レチノイド、抗菌薬などガイドラインに沿った治療 |
| 平らな赤み | 炎症後紅斑などの鑑別と色調の改善 | 経過観察、炎症治療、血管を標的とする光・レーザー治療など |
| 平らな色素沈着 | メラニンによる色調変化への対応 | 紫外線対策、外用、ピーリング、光治療など。肝斑との鑑別が必要 |
| 浅い萎縮性瘢痕 | 皮膚表面の凹凸を段階的に整える | マイクロニードリング、RF、フラクショナルレーザーなど |
| 癒着が強い・深い凹み | 癒着・深さ・縁に合わせる | サブシジョン、TCA CROSS、パンチ法、機器治療の組み合わせなど |
| 盛り上がった瘢痕 | 硬さ、かゆみ、拡大などへの対応 | ステロイド局所治療、圧迫、手術など。個別評価が必要 |
AT OUR CLINIC
当院のダーマペン4を検討する方へ
この記事は適応判断のための情報ページです
施術内容、併用薬剤、最新料金、ダウンタイム、未承認医療機器に関する説明は、ダーマペン4の施術LPに集約しています。予約時点でプランを決める必要はなく、診察後に施術の可否と内容を相談できます。
初回価格の適用条件、診察料・麻酔・処方薬、薬剤・ピーリングの併用、追加オプションにより総額が変わる場合があります。2026年8月22日時点でダーマペン4施術LPと公式料金表を照合しています。
RISKS & AFTERCARE
副作用・施術を延期する状態・受診目安
比較的みられる反応
痛み、赤み、腫れ、熱感、点状出血、内出血、乾燥、皮むけ、かゆみなど。程度と期間には個人差があります。
まれでも注意するリスク
炎症後色素沈着、感染、瘢痕、アレルギー反応、肉芽腫反応、ニキビや色素症状の悪化などが報告されています。
延期・個別判断する状態
強い炎症や感染、日焼け、皮膚炎、妊娠・授乳、出血傾向、ケロイド傾向、服薬や金属アレルギーなどを確認します。
早めに連絡する症状
痛みや腫れが増える、膿・水疱・強い熱感がある、出血が止まりにくい、色の変化が急に広がる場合は施術医へ連絡してください。
洗顔、メイク、入浴、運動、飲酒、レチノイドやピーリング剤の再開時期は施術条件で異なります。詳しくはダーマペンのダウンタイムとアフターケアをご確認ください。
REFERENCES
参考文献・公的資料
診療ガイドラインと、PubMed掲載のシステマティックレビュー・メタ解析を中心に採用しました。
ガイドライン・規制当局資料
- 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒さ治療ガイドライン2023」掲載ページ診療ガイドライン
- 尋常性痤瘡・酒さ治療ガイドライン2023 本文PDF診療ガイドライン
- FDA「Microneedling Devices」規制当局
- FDA 510(k) K221070「DP4 Microneedling device」規制当局
PubMed掲載論文
- Reynolds RV, et al. Guidelines of care for the management of acne vulgaris. 2024.診療ガイドライン・系統的レビュー
- Microneedling Monotherapy for Acne Scar: Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. 2022.RCTメタ解析
- Comparing the efficacy and safety of microneedling and its combination with other treatments in patients with acne scars. 2024.RCTネットワークメタ解析
- A Network Meta-analysis to Explore the Effectiveness of the Different Treatment Modalities in Acne Scars. 2024.ネットワークメタ解析
- Safety Profile for Microneedling: A Systematic Review. 2021.システマティックレビュー
- A Systematic Review Examining the Potential Adverse Effects of Microneedling. 2021.システマティックレビュー
- Acne Scarring Management: Systematic Review and Evaluation of the Evidence. 2018.システマティックレビュー
- A systematic review of treatments for acne scarring. Part 1: Non-energy-based techniques. 2017.システマティックレビュー
- Interventions for acne scars. Cochrane Database Syst Rev. 2016.Cochraneレビュー
- Optimal treatment options for acne scars in patients with historic acne. 2025.RCTネットワークメタ解析
- Microneedling Versus Chemical Peels for Atrophic Acne Scars. 2026.システマティックレビュー・メタ解析
FAQ
よくある質問
Q.赤いニキビがある状態でもダーマペンを受けられますか?
相談はできますが、炎症性ニキビや膿疱、感染がある部位は、まずニキビそのものの治療を優先することがあります。ダーマペンは活動性ニキビの標準的な第一選択治療ではありません。施術当日の可否は炎症、感染、乾燥、日焼け、服薬を診察して判断します。
Q.ダーマペンでニキビそのものを治せますか?
日本皮膚科学会と米国皮膚科学会のガイドラインでは、活動性ニキビには過酸化ベンゾイル、外用レチノイド、抗菌薬などが標準治療として位置付けられています。ダーマペンは主に炎症が落ち着いた後の萎縮性ニキビ跡で研究されており、今あるニキビを治す治療として置き換えるものではありません。
Q.赤いニキビ跡や茶色い跡にもダーマペンは向いていますか?
平らな赤みは炎症後紅斑、茶色や灰褐色の跡は炎症後色素沈着が中心で、凹んだ瘢痕とは標的が異なります。活動性ニキビ、酒さ、肝斑などが似て見える場合もあるため、色だけで自己判断せず診察で分けます。
Q.どの種類のクレーターにも同じように効きますか?
一律ではありません。ローリング型、ボックスカー型、アイスピック型では深さ、縁、皮下の癒着が異なります。浅い萎縮性瘢痕で候補になることがありますが、深いアイスピック型や癒着が強い凹みでは別の治療や組み合わせを検討します。
Q.盛り上がったニキビ跡にも使えますか?
肥厚性瘢痕やケロイドは、萎縮性瘢痕とは治療方針が異なります。盛り上がり、硬さ、かゆみ、痛み、拡大の有無を確認し、ダーマペンを前提にせず皮膚科で評価します。
Q.何回受ければニキビ跡が消えますか?
必要回数と変化には個人差があり、固定回数で消えることを保証できません。研究では複数回の施術が用いられていますが、瘢痕の型・深さ、施術条件、肌反応が異なるため、そのまま個人の必要回数には置き換えられません。
Q.自宅用のダーマローラーでも同じですか?
同じではありません。針の長さ、衛生管理、施術深度、適応判断が異なり、FDAは医療用マイクロニードリング機器の一般消費者向け販売を認めていないと案内しています。感染、色素沈着、瘢痕などを避けるため、自己処置で医療施術を代用しないでください。
Q.施術後にはどのような症状が出ますか?
赤み、腫れ、痛み、熱感、点状出血、乾燥、皮むけなどが生じることがあります。炎症後色素沈着、感染、瘢痕、アレルギー反応などが報告されており、針の深さや併用薬剤でも負担が変わります。
Q.イソトレチノイン服用中でも受けられますか?
服用中または最近服用した場合は、予約時と診察時に必ずお知らせください。自己判断で休薬せず、処方医の指示と現在の肌状態を確認したうえで、施術の延期や別治療を含めて個別に判断します。
Q.ダーマペンの料金はいくらですか?
当院のダーマペン4全顔は初回19,800円、通常1回24,800円(税込)です。初回価格の適用条件、麻酔、診察料、処方薬、併用薬剤・ピーリングなどで総額が変わる場合があるため、最新の施術LPと公式料金表をご確認ください。
Q.ニキビ跡の種類が混ざっている場合はどうしますか?
実際には赤み、色素沈着、毛穴、複数の萎縮性瘢痕が混在して見えることがあります。まず優先順位を決め、必要に応じてマイクロニードリング、サブシジョン、レーザー、RF、ピーリングなどを段階的に検討します。
Q.施術後に受診した方がよい症状はありますか?
痛みや腫れが増える、膿や水疱が出る、熱感が強い、出血が止まりにくい、色の変化が急に広がるなどの場合は、自己判断で様子を見続けず施術を受けた医療機関へ早めに連絡してください。
CLINIC INFORMATION
クリニックのご案内
所在地
〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂2丁目25-6
ホリウチビル3階
診療時間
11:00〜13:30 / 15:00〜19:30
最終受付 19:30
年中無休(年末年始を除く)
アクセス
JR・私鉄各線
渋谷駅ハチ公出口より徒歩約5分
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MEDICAL SUPERVISION
監修医師からのメッセージ
RESERVATION
ニキビとニキビ跡を分けて相談する
予約時点でダーマペンを確定する必要はありません。診察後にニキビ治療を先に行うか、瘢痕治療を検討するかをご案内します。
TOC GROUP
TOCグループ
医療法人御照会を中心とした医療グループ
自由診療・未承認医療機器について
ダーマペン4は公的医療保険が適用されない自由診療です。当院の全顔施術は初回19,800円・通常1回24,800円(税込)です。初回価格の適用条件、診察料・麻酔・処方薬、併用薬剤・ピーリング、追加オプション等により総額が変わる場合があるため、施術前に説明します。
主なリスク・副作用は、痛み、赤み、腫れ、熱感、点状出血、内出血、乾燥、皮むけ、かさぶた、炎症後色素沈着、感染、瘢痕、アレルギー反応、ニキビや色素症状の悪化などです。
当院で使用するダーマペン4は、医薬品医療機器等法上、国内未承認の医療機器です。国内の正規販売代理店を通じて購入しており、同一の性能を有する国内承認医療機器はありません。米国ではFDA 510(k) K221070として、22歳以上の成人における顔面のニキビ跡の外観改善を目的に許可されています。米国での許可は日本国内の承認を意味しません。国内未承認医療機器による治療は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。詳しくは未承認医薬品等を用いた自由診療についてをご確認ください。



