リリカ

【リリカ(プレガバリン)神経障害性疼痛の効果と副作用】

最終更新日: 2026-04-22
📋 この記事のポイント
  • ✓ リリカは神経障害性疼痛の治療に用いられる薬で、痛みの伝達を抑える作用があります。
  • ✓ 副作用として眠気やめまいが比較的多く、用量調整や服用タイミングの工夫が重要です。
  • ✓ 臨床経験から、効果実感には個人差があり、患者さまの状態に合わせた丁寧な説明と管理が求められます。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

リリカ(プレガバリン)とは?その作用機序と適応疾患

神経細胞の興奮を抑え神経障害性疼痛を軽減するリリカの作用機序
リリカの作用機序

リリカ(一般名:プレガバリン)は、神経障害性疼痛の治療に広く用いられる薬剤です。この薬は、神経の過剰な興奮を抑えることで、痛みの伝達を抑制します。

プレガバリンは、電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合し、神経伝達物質の放出を抑制する作用機序を持ちます[3]。これにより、神経が過敏になって生じる「神経障害性疼痛」を和らげます。当院の皮膚科外来では、帯状疱疹後神経痛や糖尿病性神経障害性疼痛などで、この薬を処方する機会が多いです。

プレガバリンの作用機序

プレガバリンは、神経細胞の表面にある特定のタンパク質(電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニット)に結合します。この結合により、過剰に興奮した神経細胞からの痛みを伝える神経伝達物質(グルタミン酸、サブスタンスPなど)の放出が抑制されます。結果として、痛みの信号が脳に伝わりにくくなり、神経障害性疼痛が軽減されると考えられています[3]

神経障害性疼痛
神経そのものが損傷したり、機能異常を起こしたりすることで生じる痛みです。焼けるような痛み、電気が走るような痛み、しびれ、感覚異常などが特徴で、一般的な鎮痛剤が効きにくいことが多いです。

どのような症状に用いられる?

リリカの適応症は以下の通りです[5]

  • 神経障害性疼痛
  • 線維筋痛症に伴う疼痛

特に、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害性疼痛、脊柱管狭窄症などによる神経痛、坐骨神経痛といった様々な神経障害性疼痛に対して効果が期待されます。実際の診察では、患者さまから「ピリピリ、ジンジンする痛みがずっと続いている」と質問されることがよくあります。このような神経特有の痛みに対して、リリカは有効な選択肢の一つとなります。

リリカの用法・用量と服用上の注意点

リリカの用法・用量は、患者さまの症状や状態によって細かく調整されます。適切な用量を守ることが、効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑えるために重要です。

添付文書に記載されている用法・用量は以下の通りです[6]

神経障害性疼痛の場合

  • 通常、成人には初期用量として1日150mgを1日2回に分けて経口投与を開始します。
  • その後、1週間以上の間隔をあけて1日用量として300mgまで漸増します。
  • 症状に応じてさらに1週間以上の間隔をあけて1日用量として450mgまで漸増できますが、最大1日600mgまでとされています。
  • 腎機能障害のある患者さまには、腎機能の程度に応じて減量されます。

線維筋痛症に伴う疼痛の場合

  • 通常、成人には初期用量として1日150mgを1日2回に分けて経口投与を開始します。
  • その後、1週間以上の間隔をあけて1日用量として300mgまで漸増します。
  • 症状に応じてさらに1週間以上の間隔をあけて1日用量として450mgまで漸増できますが、最大1日450mgまでとされています。
  • 腎機能障害のある患者さまには、腎機能の程度に応じて減量されます。

皮膚科の日常診療では、特に帯状疱疹後神経痛の患者さまに対して、初期用量を慎重に設定し、副作用の発現状況を確認しながら徐々に増量していくのが治療のポイントになります。急激な増量は眠気やめまいを強く引き起こす可能性があるため、患者さまの生活への影響を考慮しながら進めます。

服用上の注意点

  • 眠気・めまい:服用初期や増量時に特に現れやすいです。車の運転や危険を伴う機械の操作は避けるよう指導します。
  • 腎機能障害:腎臓から排泄されるため、腎機能が低下している患者さまには減量が必要です。定期的な検査で腎機能を確認します。
  • 服用中止時:急に服用を中止すると、不眠、吐き気、頭痛、下痢などの離脱症状が現れることがあります。自己判断で中止せず、医師の指示に従って徐々に減量してください。
⚠️ 注意点

リリカは痛みを完全に消失させる薬ではなく、痛みを和らげることを目的としています。効果には個人差があるため、医師と相談しながら適切な治療計画を立てることが重要です。

リリカの主な副作用と対処法は?

リリカ服用時に注意すべき眠気、めまい、浮腫などの副作用
リリカの主な副作用

リリカは有効な薬剤ですが、いくつかの副作用が報告されています。特に頻度の高い副作用と、注意すべき重大な副作用について理解しておくことが大切です。

皮膚科の臨床経験上、リリカを処方した患者さまから、特に服用初期に眠気やめまいに関するフィードバックをいただくことが多い印象です。これらの副作用は、多くの場合、体が薬に慣れるにつれて軽減するか、用量調整で対応可能です。

重大な副作用

頻度は稀ですが、以下のような重大な副作用が報告されています[6]。これらの症状が現れた場合は、すぐに医師に連絡してください。

  • 心不全:息切れ、むくみ、体重増加など
  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑:発熱、皮膚や粘膜の発疹、水ぶくれなど
  • 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、赤褐色尿など
  • 腎不全:尿量の減少、むくみなど
  • 血管浮腫:顔面、唇、舌、喉の腫れ、呼吸困難など
  • 意識消失:一時的に意識を失う
  • 肝機能障害:全身倦怠感、食欲不振、黄疸など
  • 血小板減少:出血しやすい、あざができやすいなど
  • 間質性肺炎:発熱、咳、呼吸困難など

その他の副作用

比較的頻度が高いものから順に記載します[6]

  • 精神神経系:眠気(30.8%)、めまい(20.4%)、浮動性めまい、頭痛、傾眠、失調、注意力障害、ふらつき、しびれ感、鎮静、不眠症、健忘、構語障害、振戦、感覚鈍麻、うつ病、気分動揺、錯乱、脱抑制、不安、多幸気分、落ち着きのなさ、運動失調、協調運動障害、異常な夢、離人症、無感情、幻覚、パニック発作、傾眠、異常な思考、気分変動、性欲減退、無オルガズム症など
  • 消化器:便秘、悪心、嘔吐、口渇、下痢、腹部膨満、鼓腸、食欲不振、食欲亢進、胃食道逆流性疾患、唾液分泌過多、膵炎など
  • 代謝・内分泌:体重増加(7.5%)、末梢性浮腫、浮腫、高血糖、低血糖、高脂血症など
  • 眼:霧視、複視、視力障害、眼乾燥、眼精疲労、眼瞼浮腫、視野欠損、眼球運動障害、眼刺激、散瞳、斜視、光視症など
  • 循環器:動悸、頻脈、低血圧、高血圧、徐脈、洞性頻脈、洞性徐脈、心室性期外収縮、心房細動、QT延長など
  • 泌尿器:排尿困難、尿失禁、頻尿、乏尿、無尿、腎盂腎炎など
  • 皮膚:発疹、蕁麻疹、そう痒症、多汗症、冷汗、脱毛症など
  • その他:倦怠感、脱力、転倒、疲労、異常感、胸痛、関節痛、筋肉痛、背部痛、頸部痛、四肢痛、筋力低下、筋痙攣、疼痛、発熱、悪寒、顔面浮腫、胸部不快感、末梢冷感、インフルエンザ様症状、口内炎、歯肉炎、咽頭炎、鼻咽頭炎、気管支炎、上気道感染、感染、耳鳴、回転性めまい、難聴、味覚異常、嗅覚錯誤、嚥下障害、性機能不全、勃起不全、射精障害、乳房腫大、女性化乳房など

副作用への対処法

  • 眠気・めまい:服用初期は特に注意し、車の運転や高所作業は避けてください。夜間の服用に調整したり、用量を減らしたりすることで軽減されることがあります。
  • 体重増加:食欲増進作用があるため、食事内容や運動習慣を見直すことが推奨されます。
  • 浮腫:手足のむくみが気になる場合は、医師に相談してください。

ほとんどの副作用は、用量調整や服用期間の継続によって軽減される傾向にあります。しかし、症状が重い場合や改善しない場合は、必ず医師に相談してください。自己判断で服用を中止することは避けるべきです。

リリカに関する患者さまからのご質問

🩺 診察でよく聞かれる質問
Q. リリカはどのくらいで効果が出始めますか?
A. 外来でリリカを使用した経験では、効果を実感されるまでには個人差がありますが、多くの患者さまが服用開始から数日〜1週間程度で、痛みの軽減やしびれの改善を少しずつ感じ始める印象です。ただし、効果が不十分な場合は、医師の判断で徐々に用量を増やしていくため、最適な効果が得られるまでには数週間かかることもあります。
Q. 眠気やめまいがひどい場合、どうすればいいですか?
A. 眠気やめまいはリリカの服用初期に比較的多く見られる副作用です。当院では、患者さまの生活リズムに合わせて、夕食後や就寝前に服用するようアドバイスすることが多いです。それでも症状が強い場合は、用量を減らす、または服用回数を調整するといった対応を検討しますので、遠慮なくご相談ください。自己判断での中止は離脱症状のリスクがあるため避けてください。
Q. 他の痛み止めと一緒に服用しても大丈夫ですか?
A. 診察の現場では、リリカと一般的な鎮痛剤(NSAIDsなど)を併用するケースはよくあります。ただし、中枢神経抑制作用を持つ薬剤(睡眠薬や抗不安薬など)との併用は、眠気やめまいを増強する可能性があるため注意が必要です。現在服用中の薬はすべて医師や薬剤師に伝えてください。
Q. 長期間服用しても問題ないでしょうか?
A. リリカは慢性的な神経障害性疼痛に対して、長期間服用されることがあります。しかし、長期服用においては、定期的に効果と副作用のバランスを評価し、必要に応じて用量調整や他の治療法への切り替えを検討します。当院では、患者さまのQOL(生活の質)を維持できるよう、継続的なフォローアップを重視しています。
Q. プレガバリンとガバペンチン、どちらが効きますか?
A. プレガバリン(リリカ)とガバペンチンは、どちらも神経障害性疼痛に用いられるガバペンチノイド系の薬剤ですが、作用機序は似ているものの、薬物動態や効果の強さ、副作用のプロファイルに違いがあります[2][3]。どちらが「より効く」と一概に言うことは難しく、患者さまの症状や体質、既往歴などを考慮して最適な薬剤を選択します。当院では、それぞれの薬の特徴を説明し、患者さまに合った用法を選択しています。
Q. 薬を飲み忘れた場合はどうすればいいですか?
A. 飲み忘れに気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分は飛ばして、次の服用時間から通常通り服用してください。2回分を一度に服用することは避けてください。飲み忘れが続く場合は、服用タイミングの調整や、服薬カレンダーの利用などを提案することがあります。

リリカのジェネリック医薬品について

リリカと同じ成分で安価なプレガバリンのジェネリック医薬品
リリカのジェネリック医薬品

リリカの特許期間が満了したことで、現在ではジェネリック医薬品(後発医薬品)が広く利用できるようになっています。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同等の有効成分、効能・効果、安全性を持つことが国によって認められています。

ジェネリック医薬品のメリットと注意点

ジェネリック医薬品の最大のメリットは、先発医薬品と比較して薬価が安価である点です。これにより、患者さまの医療費負担を軽減することができます。当院でも、患者さまの希望に応じてジェネリック医薬品を積極的に処方しています。

項目先発医薬品(リリカ)ジェネリック医薬品(プレガバリン)
有効成分プレガバリンプレガバリン
効能・効果同等同等
安全性同等同等
薬価高価安価
添加物・形状先発品独自の添加物、色、形状各メーカーで異なる場合あり

ただし、ジェネリック医薬品は先発医薬品と添加物や製剤の形状、味などが異なる場合があります。これにより、ごく稀にアレルギー反応を起こしたり、服用感が異なると感じる患者さまもいらっしゃいます。また、徐放性製剤(SR製剤)のように、特殊な製剤技術を用いた薬の場合、ジェネリック医薬品の選択肢が限られる、あるいは存在しないこともあります[4]。処方する際は、患者さまの希望を伺い、先発品とジェネリック医薬品のどちらが良いかを考慮して選択しています。

リリカの効果に関するエビデンス

リリカ(プレガバリン)の神経障害性疼痛に対する有効性は、多くの臨床試験やメタアナリシスによって裏付けられています。これらの研究は、プレガバリンが様々なタイプの神経障害性疼痛に対して、プラセボと比較して有意な疼痛軽減効果を示すことを報告しています。

臨床研究による有効性の確認

コクランレビューのシステマティックレビューでは、プレガバリンが中等度から重度の神経障害性疼痛を持つ成人において、疼痛軽減に有効であることが示されています[1]。このレビューでは、特に帯状疱疹後神経痛や糖尿病性神経障害性疼痛に対する有効性が高く評価されています。

また、別のシステマティックレビューとメタアナリシスでは、プレガバリンを含むガバペンチノイド系薬剤が、神経障害性疼痛の管理において安全性と有効性を示すことが報告されています[2]。これらの研究では、プレガバリンが疼痛スコアの改善、睡眠の質の向上、生活の質の改善に寄与することが示されています。

外来でリリカを使用した経験では、効果実感には個人差が大きいと感じています。ある患者さまは服用開始後すぐに痛みの軽減を訴える一方で、別の患者さまは数週間かけて徐々に効果を実感されるケースもあります。これは、痛みの原因や患者さまの体質、痛みの感じ方など、様々な要因が影響していると考えられます。

糖尿病性神経障害性疼痛における効果

糖尿病性神経障害性疼痛の患者さまを対象とした臨床試験では、プレガバリンが疼痛の軽減に有効であることが確認されています[4]。特に、持続放出型製剤(SR製剤)は、1日1回の服用で効果が持続するため、服薬アドヒアランスの向上にも寄与すると考えられています。当院では、患者さまの服薬負担を考慮し、SR製剤の選択肢も提案することがあります。

これらのエビデンスに基づき、リリカは神経障害性疼痛の治療ガイドラインにおいても推奨される薬剤の一つとして位置づけられています。しかし、どの薬剤も万能ではなく、個々の患者さまの病態や生活背景に合わせた治療計画が最も重要です。

まとめ

リリカ(プレガバリン)は、神経障害性疼痛や線維筋痛症に伴う疼痛に対して、神経の過剰な興奮を抑えることで痛みを軽減する効果が期待される薬剤です。用法・用量は症状や腎機能に応じて慎重に調整され、初期用量から徐々に増量していくのが一般的です。主な副作用として眠気やめまいが多く報告されていますが、これらは用量調整や服用タイミングの工夫で管理可能な場合が多いです。重大な副作用は稀ですが、心不全や皮膚粘膜眼症候群など注意すべき症状もあります。ジェネリック医薬品も流通しており、医療費負担の軽減に役立ちますが、先発品との違いも理解しておくことが大切です。多くの臨床研究によってその有効性が裏付けられており、神経障害性疼痛治療の重要な選択肢の一つとして、患者さまの個別の状態に合わせた適切な使用が求められます。

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よくある質問(FAQ)

リリカの服用で体重が増えることはありますか?
はい、リリカの副作用として体重増加が報告されています。これは食欲増進作用やむくみなどが原因と考えられます。体重の変化が気になる場合は、食事内容の見直しや適度な運動を取り入れることをお勧めします。また、医師や薬剤師に相談することで、対処法についてアドバイスを受けることができます。
リリカは依存性がありますか?
リリカは乱用や依存の可能性が指摘されており、特に高用量を長期間服用している場合に、急な中止によって離脱症状(不眠、吐き気、頭痛、下痢など)が現れることがあります。そのため、自己判断で服用を中止せず、必ず医師の指示に従って徐々に減量していく必要があります。
リリカはどのような場合に処方されますか?
リリカは主に、神経そのものの損傷や機能異常によって生じる「神経障害性疼痛」の治療に用いられます。具体的には、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害性疼痛、坐骨神経痛、脊柱管狭窄症などによる神経痛、また線維筋痛症に伴う疼痛などが適応疾患として挙げられます。一般的な痛み止めでは効果が不十分な場合に検討されることが多いです。
この記事の監修医
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倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長